「松かぜ松かげ寝ころんで」
(240×320m/m)
週末に 丹後半島の琴引き浜に行って来ました。
(この度は、勝手に番外編です。ちょっと長くなりますが、どうぞお付き合いください。)
時々お世話になる宿の部屋の窓からは、岩礁の向こうに 水平線が視界いっぱいに広がります。
持参の長靴を履いて そろそろと宿のそばの岩場を降りて行くと、釣りを楽しむ人の姿もあります。
足元にいくつもある 小さな潮溜まりに 小魚や いそぎんちゃく、やどかりといったかわいらしい生き物を見つけると、時間を忘れて見いってしまいます。
宿の夕食は、前もってお願いしておくと、かますやひらめなど 旬の魚を色々見繕って 舟盛りにしてくれました。
銀むつの蒸し焼きや のどぐろの塩焼きなど、ひとつひとつが丁寧に料理されていて、贅沢だなぁと しみじみ味わいました。
食事を楽しんでいると、宿の方に「そろそろ夕日がきれいに見える頃ですよ。」と、
日射しを遮っていたカーテンを開けて勧められました。
水平線に 橙色の太陽が沈んで行きます。
明るい色に重なって、夜の始まりの淡い暗がりが降りてきます。
夜の青が深まるに連れて、いか釣り船の白い光が 点々と冴えて来ました。
こちらの宿には 露天風呂もあり、眺めも素晴らしいものでした。
近くの観光地は、車で東に10分ほどのところに「立岩」があります。
周囲1kmほどの一枚岩で、離れたところからでさえ、かなりの威容でした。
ここから西に25分ほど走ると、鳴き砂の「琴引き浜」があります。
琴引き浜は、きれいに保たれていて 浜昼顔が咲いていました。
とても静かな海でした。
かわいい音をたてる鳴き砂を ゆっくり楽しんで過ごしました。
「山しづかなれば笠をぬぐ」
(320×245m/m) 村上翔雲 書