野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

書の展覧会に伺う

こんにちは。

昨日も 小雨が降りました。終わり頃の金木犀が 湿った夜に柔らかく漂います。今年は 咲く時期が早かったように思います。

 

 娘から 大学の建物沿いに 育てられているコスモスの写真が 送られてきました。


f:id:snow36:20181006074705j:image


f:id:snow36:20181006074728j:image

どなたが世話をされているのでしょうか。メルヘンだなと思い 聞いてみると。

「おじさん。」 「 ……。学校の?」「世話をされてるのを 遠目で見かけただけ。」

 

 

水曜日に 父が生前 主宰していた書道家グループ 「名筆研究会」から 案内をいただいて、展覧会に伺いました。
f:id:snow36:20181004210017j:image

毎年 テーマを決めてあり、今年は「星」なのだそうです。

「星」にまつわる 詩などを 現代詩書という作品にして 出品されています。


f:id:snow36:20181005012046j:image

 

 f:id:snow36:20181006080408j:image


f:id:snow36:20181006080717j:image


f:id:snow36:20181006094837j:image

詩を 書で表現するという 父の制作活動を 受け継がれて 勢いのある作品が並んでいました。

来観される方が多く、写真を撮る時に待ってくださるのが申し訳なくて。

 

入口正面に 父の遺作を飾ってくださっています。   遺作なので、テーマとは別に 特別展示の形です。
f:id:snow36:20181006080635j:image

漢字二文字の作品で、多分 70才以降の作品とのことでした。

病気が 段々進行していた頃でしたが、制作意欲も強く 積極的に活動しておりました。
f:id:snow36:20181006081742j:image


f:id:snow36:20181006081759j:image


f:id:snow36:20181006084232j:image

展覧会の 一番 重要な場所に 父の作品を いつも展示してくださって、ありがたく思いながら 申し訳ない気持ちで一杯になります。

名筆研究会の方々に 最近の会についてや 思い出など いろんなお話をお聞きしました。

感謝して 帰途につきました。

 

前後しますが、こちらには いつも妹たちと一緒に伺います。

二人の妹は それぞれ都会に住んでいます。

たまに会うと 元気そうだなと安心します。もう親はいないので、大切にしないと  と年を経るに従って思うのです。

妹たちの楽しそうな笑顔を見ていると

私は、ひとりで生きているのではないのだなと 心から思います。

なんだか 固いお話になってしまいました。      今日のお話が かなり真面目でしたのに、さらにこんなことを書いて ごめんなさいね。

 


f:id:snow36:20181006092100j:image

こちらは、展覧会の会場のお隣の 神戸栄光教会です。

23年前の震災で 被害を受けましたが、今は 美しい姿を見ることができます。

f:id:snow36:20181006093936j:image

かわいらしい植え込みです。
f:id:snow36:20181006093957j:image

妹たちと ミント神戸で食事をしました。
f:id:snow36:20181006091937j:image

女三人も寄ってみれば なんとやら。

多分 うるさい。なるべく 静かを心がけて、いただきました。

 ひとりで運転する帰りの空は、ひつじ雲でいっぱいでした。

 

最後まで ご覧くださいましてありがとうございます。

台風25号が これ以上被害を出しませんように。被害を受けておられる方が 安心して眠れますように。

小さな思い出

 

こんにちは。

時々 強い風が 吹いています。

台風の直撃を 心配しています。

 

京都国立近代美術館東山魁夷 を観に行きました。

生誕110年の記念回顧展ですね。

お彼岸の連休なのと 開催されるのが久しぶりだったためか、かなりの人出でした。


f:id:snow36:20180925162459j:image

「道」や「白い馬」の作品が 有名ですね。  

 

昼の絵は 仄かに明るむ灰色の色味のある 柔らかな薄曇り。

夜の絵の ぼんやりと滲む月明かりは、優しく森を包み込んでいます。手前には 静かな湖が広がり、木々を水面に写し取っています。同じ風景が下に向かっているのですが、別の森がその中に 現れているようです。

 

 北欧の風景や森を描いた絵も ありました。

白樺の白い枝が 月の光に映えます。音のない静かな冬。   

 

人物も描かれていない絵は ひっそりしているのに、呼吸を感じる温かさを感じます。 その前から立ち去り難くなります。

 

人がいないのに、人の温かさを 特に感じたのは、京都の町なかの連なる屋根を描いた「年暮る」  という作品でした。

年末の町の夜更け、屋根に しんしんと雪が 降り続けています。  通りに面した家の灯りが 黄色くぽつりぽつりと 見えているだけで、辺りは 雪の積もっていく屋根だけが 薄青く連なっていました。

 「太郎をねむらせ、太郎の屋根に雪ふりつむ

     二郎をねむらせ、二郎の屋根に雪ふりつむ」   (雪) 

三好達治の 小さくて 美しい詩が 思い出されます。

 

 

唐招提寺の 障壁画が 展示されていました。

青い青い大海原が 圧巻でした。襖16枚に どこまでも続く波。洗われる岩。

この大きな作品を 物するまで どんな困難と葛藤があったことでしょう。

 

葉擦れの音が いつまでも聞こえてくるような 揚州の柳が印象的な襖絵。墨絵でした。

黄山と桂林のどちらの襖絵も 溶け込むような墨絵でした。

 

 🌿🌿🌿

たくさんの絵を観ているうちに、とても昔に   買い求めた本が 家にあることを思い出しました。     家に帰って 取り出してみます。

f:id:snow36:20180925163943j:image

コンコルド広場の椅子」(Les chaises de la Place de la Concorde) 東山魁夷

コンコルド広場には、いろんな椅子が 置いてあるそうです。  行ったことがあると思うけれど、覚えていません…。

 

椅子が ひとり呟く。

いろんな人が座って、ひとしきり休むと 立ち上がって 去って行く。

椅子は 自分で動くことはできないが、人間は 自分たちが 自分で動いていると思い込んでいる。

夏の夜には 椅子たちは、  チュイルリー公園の木陰に 置かれてみたい。

f:id:snow36:20180925163430j:image

そして、自分に座って談笑する 若い人たちの楽しみを楽しみたい。

 

ある時は 椅子から立ち上がった夜明けに、青年が セーヌ川に身を沈めた。

椅子によじ登った小さな子どもの手からは、風船が 飛ぶ。

椅子の夢。椅子たちも、浮き上がって 夜のエッフェル塔の前を 遊泳して行く。

 

間もなく 冬が来る。枯れ葉の中に置かれた椅子。

 

そんな 話が添えてある 画集でした。(不味い要約しかできなくて がっかりです。ごめんなさいね。)

 

日本画ではない 絵本のような 画集。

観るほどに 広がっていく静謐な世界。

f:id:snow36:20180925162556j:image

コンコルド広場の椅子」の本が収めてある箱は、枯れた薄いブルーグレーでした。箱には 椅子の絵が 空押しされた贅沢な装丁でした。
f:id:snow36:20180925162614j:image

多分 本を買ったその頃に、神戸市立博物館で開かれていた展覧会の パンフレットと半券です。本に挟まっていました。

半券の絵は、東山魁夷の あお が遺憾なく表現された「緑の窓 」。この度の回顧展でも 展示されていました。

京都の近代美術館の 東山魁夷展は、たくさんの方が 観に来られていました。

少し離れて観たい作品が 多かったのですが、叶えられました。 懐かしくて 素敵な展覧会でした。

 

長くなりました。拙い感想で 申し訳ありません。

ご覧いただきまして、ありがとうございます。

 

 


f:id:snow36:20180926115002j:image

  「いつしか明けてゐる茶の花」(210×295m/m) 種田山頭火 句                                                             村上翔雲 書

 

秋の贈り物

こんにちは。

こちらは、火曜日と水曜日は 晴れましたが、その後 お天気が すっきりしません。

近所の小学校の校庭は 雨混じりの中 入場門と 退場門が立ったままで、中学校は 先週 防災無線で 体育祭の延期を伝えていました。

 

 

ご近所の方から 藤稔(ふじみのり)を いただきました。
f:id:snow36:20180917181346j:image


f:id:snow36:20180917181359j:image

いつも 良い出来なのですが、出荷はされていないとのこと。  出荷するには、「まだ あかん」のだそうです。

それでも 大粒の実で お味は ピオーネの筋らしく、豊潤で 甘味が濃く 品の良い味わいです。

丁寧に育てられた ぶどうを 私たちにまで 分けてくださって とても嬉しかったです。

 

小雨が降っていますが、うちの回りを 歩いてみました。

彼岸花は、確かに ある日突然 咲いています。
f:id:snow36:20180921153459j:image

小雨なら 花も楽しそうに見えます。

雨を含んだ緑は 優しくて深い匂いがします。  このくらいが ちょうどいいですね。

眺めていると、お客さまが次々と。
f:id:snow36:20180921181930j:image

よく 見ると、羽を傷つけた蝶も。
f:id:snow36:20180921153434j:image

傷ついた蝶は たくさん見かけました。

 

キツネノマゴでしょうか。小さいけれど、ここにいます、と呼び掛けてきました。花の咲いているところは 狐のしっぽになるのでしょうか。ふんわりしています。
f:id:snow36:20180921153545j:image

その後ろの 赤いポツポツを付けた 細長いのが気になります。ミズヒキソウですね。
f:id:snow36:20180921153602j:image

ミズヒキソウを撮ろうとすると、なかなか焦点が 合わなくて、雨の中 怪しい様子でしゃがみこみ 難儀してしまいました。

 

ニラと キツネノマゴの共演。愛らしい模様のようでした。

f:id:snow36:20180921153625j:image

 

こちらは、小紫と思います。(相変わらず 頼りない…)  植え込みの中から、いきなり枝が突き出ていました。 ピンクがかった明るい紫色の つやつやとした実が 辺りを華やかにしています。
f:id:snow36:20180921153644j:image

黄色い花に 黄色い蝶が…。つい 慌ててぶれてしまいました。
f:id:snow36:20180921153658j:image

 

 

週末は お天気になると いいですね。

 

 

 

今日は、湖面を水切りしていく石のように鋭いアイリス・マードックの言葉です。           父がこの言葉を選んだ訳がわかるような気がします。くすんだ櫨色の背景に乗せた額装の 秋の作品をご覧ください。
f:id:snow36:20180918224422j:image

  「芸術は思索の場をつくり空間を開く アイリス・マードックの言葉」(400×260m/m)                                               村上翔雲 書

ジーン・アイリス・マードック(1919〜1999)    アイルランド出身。  小説家、詩人、哲学者。

 

いつも ありがとうございます。

木槿 その小さな楽しみ

こんにちは

今日は、蒸し暑い一日でした。暗くなってから ベランダに出てみると、涼しい風に りんごに似た爽やかで ほんのり甘い香りを感じました。

最近は、秋の植物を見ることもあれば、夏の植物が ほうっと息をつくように、花を咲かせているのも見ることがあります。

 

我が家では、見つけたら 丸まった葉ごと摘んで捨て続けてきたハマキムシとの戦い(暑かったものですから…)の夏を越えて、木槿が 再び花を咲かせ始めました。


f:id:snow36:20180916142552j:image

大雨が降ったり、虫食いにあっても、負けずに育ってくれていたことが うれしいです。元気でいてくれて ありがとう。

時間が経つと、少し青みがかって。
f:id:snow36:20180916125035j:image


f:id:snow36:20180916125322j:image

昨日 咲いた花。張りがなくなってさえも、優美な佇まいを残しています。

 


義母の鉢植えです。

f:id:snow36:20180916155951j:image

葉が美しいクリスマスローズに囲まれて、ヤブランが すっと 長い葉を伸ばして 薄紫の花が色を添えます。

優しく繁って 夏中涼しげでした。

 

古いお話で恐縮ですが、7日の金曜日に 連れ合いが 日本海側の舞鶴へ 釣り仲間「ぽんす会」の面々と 釣りに行きました。   波の高さ 1.5m。ちょっと こわい荒れようです。

そんな お天気に 船が出て、

そんな お天気に 合わない フカセ釣りを したようです。

 おかげで 釣果は ほどほどに無くて、家族でいただくのには 十分でした。

f:id:snow36:20180913172627j:image

30cmぐらいのサバと、20cmちょっとのアジが 2匹。

こんな時は、連れ合いが自分で捌いてくれます。わりと手早く 3枚に下ろして、アジは お刺身に、サバは焼きました。

盛り付けに 問題は残りますが、刺身はぷりぷりとしていたし、サバの塩焼きは しっとりして味わい深く おいしくいただきました。
f:id:snow36:20180913172721j:image

 ご覧いただきまして、ありがとうございます。


f:id:snow36:20180916182409j:image

  「へうへうとして水を味ふ」(210×295m/m)        種田山頭火




f:id:snow36:20180916184229j:image
  「欲度天空深幾許且観落葉沈水底・空のふかさは落葉しづんでゐる水」(160×235m/m)  種田山頭火 句・李芒 漢俳            村上翔雲 書

 

印象派はお好きですか

こんにちは

暗くなると 近くの藪から コオロギ+ちょっとマツムシその他の音が、家の中にいても 大きく聞こえてくるようになりました。

季節ですね。そろそろ 美術館に 出かけてみたくなります。

 ちょっと 長くなりますが、よろしくご覧いただきますように。

 

プーシキン 美術館展」
f:id:snow36:20180910165405j:image

プーシキン美術館展」は、今は 10月半ばまで 大阪の 国立国際美術館で開催されています。

夏の始めから、ずっと行ってみたいと思っていた展覧会です。

大阪は、地震に加えて 台風21号の被害にあったところなので、先週 美術館に確認してみると やっていますとのこと。

日曜日に 行って来ました。
f:id:snow36:20180910170436j:image

こちらは、元は 大阪大学があったところなのだそうです。

エントランスでは、こんな大きなオブジェがお出迎えです。

特別展は、地下3階です。地下3階の美術館って、ちょっと珍しいですね。   天井が高いし、美術館は 窓がない所なので、入ってみると違和感はなく、快適でした。

絵画は 年代順に 展示されていました。

絵葉書で 振り返ってみますね。(かなり主観的で 勝手な解釈もございます。あらかじめ、お詫びします。)

 

神話が主題になったロランの「エウロペの略奪」や 歴史の有名な場面が描かれている絵や バルビゾン派のコローの美しいゆったりした風景画などの後に、

ルノワール が。「庭にて、ムーラン・ド・ラ・ギャレットの木陰」
f:id:snow36:20180910213817j:image

女性の肌を際立たせるピンクの頬や耳。青いストライプが曲線やギャザーに従って 美しい造形を見せるドレス。体やドレスを美しく見せるために、モデルの左手は上がっているのでしょうか。


モネ「草上の昼食」

印象派と呼ばれる以前の作品だそうです。
f:id:snow36:20180910213741j:image

赤みのある黄色のドレスの裾のドレープが 目を引きます。ピクニックは おしゃれをする場所なのでしょう。白い布の上の 料理が豪華です。真ん中の水玉模様のドレスの女性が お皿にミルクを注いでいるようです。愛らしい犬が待っているみたいに見えます。

明るいところと木陰の陰影が対照的な 豊かで 華やかな絵に うっとりです。

 

モネ 「陽だまりのライラック
f:id:snow36:20180910213757j:image

ちらちらと陽光のこぼれる花の樹の下に ほのかに見える二人の女性が寛ぐ姿も優雅です。

見えづらいですが、左の暗い色のドレスの女性は 小さなパラソルを差しています。タッチは優しいのですが、心の中に 深く語りかけてくる力強さを感じました。

 

そして、モネ「白い睡蓮」
f:id:snow36:20180910213844j:image

日本の絵画に影響を受けた モネの ジヴェルニーの自宅にある 睡蓮の池。カキツバタ(でしょうか?)や大きな柳の木、かわいらしい太鼓橋が架かっています。緑色の絵の中の 手前の池に広がる睡蓮の花が夢のように。

 

何より 見てみたかった アンリ・ルソー
f:id:snow36:20180910213915j:image

 大胆な構図の くっきりとしたジャングルの絵。この度の案内に主に使われている 一度見たら忘れられない作風が とても印象的です。

連れ合いが「何でこの馬は、こんな顔なんだ。」と言ってましたが、ルソーは 日曜画家と揶揄された人。 50代から 絵画製作を始めたとのことで、特に基礎から学んでいなかったことが その画風に魅力として表れています。

それに、この絵には この馬の表情。それ以外は ないでしょう。

素朴派。そのままですね。

 ピカソキュビズムの庭の絵もあったし、ゴーガンの タヒチの絵もありました。

 

 

 この日は 国立国際美術館は、魅力的な企画展なのに それほど混みあっていませんでした。

おかげで ボナールの大きな作品を かなり離れたところから 遠慮することなく、心ゆくまで観賞することができました。 

こちらに限らず 美術館は わりと駅から歩くことが多いからかもしれません。 災害による風評被害ではないことを祈ります。

何も 不都合なく 出かけられました。

 

絵葉書では 伝わりづらくて申し訳ありませんが、片田舎に住んでいても こんなに素敵な絵画を見れるなんて、素直に感謝したい幸せな一日でした。

 
f:id:snow36:20180911011300j:image

ご覧くださいまして、ありがとうございました。


f:id:snow36:20180910164838j:image

  「旅人かえらず  女の笑う寝顔 露草の色 万葉人の淋しき」(200×300m/m) 旅人かえらず(60) 西脇順三郎 詩          村上翔雲 書

 

お別れの後で

台風21号の被害の大きさを ニュースで知りました。  広い範囲を ひどい強風と雨が、駆け抜けて行ったのですね。

被害に合われた地域の方に お見舞い申し上げます。

 

 

進路によっては 多少なりと台風の影響があるかもしれないとのことなので、前日に草花を室内へ取り込みました。

f:id:snow36:20180904202009j:image

朝晩には ひどい暑さが やっと引いてきたからか、最近になって夏の花が咲き始めました。


f:id:snow36:20180904202324j:image

でも、夏の初めペンタスは もっとくっきりとした色でした。液体肥料を やってみましょうか。  世話不足を反省しています。かわいそうなことをしました。

 

ついでに 庭も見て回ると、

柚の実が 大きくなってきていました。
f:id:snow36:20180904225148j:image

そうそう、蓮は

f:id:snow36:20180904225616j:image

葉で いっぱいです。

結局、雨風はあったものの 我が家には台風の影響は あまりありませんでした。

大阪や神戸に住む身内が 外でいろんなものが飛んでいるし、建物がずっと揺れて怖かったと言っておりました。

 


f:id:snow36:20180905003239j:image

  「撥草行行 復行行 此身猶在青山中・分け入っても分け入っても青い山」(160×235m/m)種田山頭火 句・李芒 漢俳      村上翔雲 書

 

先日、父の長兄のお葬式がありました。

伯父も 書家で「かな」を書いておりました。

優しい人でした。

父方の親戚に久しぶりに会って ゆっくりと話ができました。

喪主である従兄と 芸術家を親に持つことについて少し話をしました。  子どもの頃の 小さな悩みです。

どのお宅にも 物語がありますね。親が 書家だからと言って、何か特別なことがあるわけでもないのでしょう。

強いて言えば 芸術家気質でしょうか、突発的に風が吹き荒れる日常だったと 思い出話になりました。

でも もう、伯父も 父も 二人とも 青山に分け入ってしまったのですね。


f:id:snow36:20180905024114j:image

 

 

 

 

 

義母の花 。父の山頭火。

こんにちは

まだ暑い日が続いていますね。

義母が 丁寧に育てている花です。

f:id:snow36:20180828174937j:image


f:id:snow36:20180828174950j:image

浴衣の柄のような 日々草です。 

日当たりが良過ぎるからか、花がぐったりしている日もありましたが、根気よく毎日手入れを続けています。

義母は足が悪いので 花の世話をしている時にでも ささっと花と一緒の姿を撮らせてもらいましょう。プリントして、写真立てに入れて渡してあげたいなと思います。

 

石楠花の蕾。

f:id:snow36:20180831184819j:image

来年の春 咲くために、今からひっそりと準備を始めています。


f:id:snow36:20180831185256j:image

 日射しの強いこと。

 

 


f:id:snow36:20180828181948j:image

「今朝似有佳音来 且将門窓尽打開・けふは よいたよりがありそうな 障子をあけとく」(160 ×235m/m)種田山頭火 句 ・李芒 漢俳       村上翔雲 書

 

実家に せめて李芒さん(1920〜2000)が上梓された「和歌俳句叢書」とまでもいかなくても、李芒さんや 漢俳について より深く調べるヒントになるものが残っていないか 探してみましたが、見つけることはできませんでした。

もう少し 探してみたいと思います。

俳句にも 漢俳にも 書にさえも詳しくない上に、中国語も たいしてできない私などが 意見を言うのは 大変おこがましいことですが、李芒さんは 漢語(中国語)で 山頭火の世界を深く描こうとされていると感じます。

書家として 表現に こだわり抜いた父が、漢俳で描かれた山頭火に 書で挑んだ理由は、その珍しさだけではないようです。

酒に溺れ 家を捨て 転々と行乞するという より過酷な方へと誘われて生きていく山頭火の人生が、李芒さんの漢語で より鮮やかに描くことができると判断したからだと思うのです。

 

少し堅苦しい話になってしまいました。

時には、父の作品の話を してみたかったのです。ごめんなさいね。

 

 

 

  アジア大会。どの競技も白熱して 見どころが多かったですね。

一昨日は、柔道や 4継、マイルなどを わくわくして観戦しました。立ち向かっていく選手の皆さんから 元気をもらえました。本当にありがとう。