野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

青い花。春のなごり

こんにちは。

こちらは 晴れて暖かくなりました。

気づくと前回から10日以上経っていました。その間 娘に優しいコメントをたくさんいただきました。娘もたいへん感謝しております。

本当にありがとうございました。


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クリスマスローズのそばに植えていたフロックスブルーパフュームが そろそろと咲き始めました。1年振りの可憐な花に心が和みます。

 

我が家の石楠花は、今年は元気がないようです。色も寂しくて 世話が足りなかったかと話しています。

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去年亡くなった伯母の小さな庭。そこにある池の回りを 雪の下が取り巻いています。池に流れ込む地下水の音が小さく聞こえてきます。

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赤いランナーが見えています。花には まだ早いようですが、葉は天ぷらなどにするとおいしくいただけますね。


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いつの間にか、この伯母の池のそばに キランソウ(と思われる花)が 咲いていました。

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上の花と下の花の形が違う不思議な咲き方をしています。落ち着いた佇まいに 優しかった連れ合いの伯母を思い出します。

 

🍁

我が家の 葡萄茶色の手をすぼめたような葉から出てくる もみじの花は、どちらかと言えば木の全体が暗い印象もあり 目立たずに咲いています。花言葉に「遠慮」などと聞くと、奥ゆかしくもあり かわいそうにもなります。


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主張しないので、あまり目につかない姿ですが、近寄って見ると 吊り下がって咲く花をかわいらしく思います。f:id:snow36:20200413232351j:image

何日かすると、縮んだ葉が手をふわと広げるように 一斉にもみじの姿を見せてくれます。「美しい変化」という別の花言葉は 花より葉の様子を言っているのでしょう。やはり花の時期は疎んじられているのかと思います。

同じく風によって受粉する風媒花と呼ばれるスギが咲き終わり、ヒノキも最盛期を越えて花粉症も少しずつ治まってきました。

 

 


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近くの薬師堂の季節の進んだ桜に若葉がつき始めました。

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ヒヨドリとウグイスの鳴き声が聞こえます。

足元には、ムラサキサギゴケかどうかと迷う花が 少しだけ咲いていました。這うように茎を伸ばしています。人に踏まれてしまっていました。

農道へ出てみると、暖かな日差しのもと さらにたくさんの同じ花が咲いていました。f:id:snow36:20200415224036j:imagef:id:snow36:20200415224123j:image

慎ましい印象の優しい花ですね。
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🌿

父の上梓した本に「ひょうごの野の書」(神戸新聞出版センター 刊) という 兵庫県の石碑を巡る文を纏めたものがあります。

父が訪れた 111箇所の石碑の記録の中に、神戸市須磨区須磨浦公園にある「正岡子規の句碑」の拓本があります。

 

ひとつの石に 正岡子規高浜虚子の句が並んで 刻まれていますが、ここでは、子規の句碑として捉えています。

子規は、後のことを頼みたく思うほどの稀有の才を持つ弟子に 虚子の雅号を与えて 34歳(あとひと月ほどで35歳だったようです) で早世したそうです。

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2月初めに 私たちが出掛けた時に撮った拓本と同じ句碑の写真です。大きな石でした。

向かって右に子規の句。

『虚子の東帰に

ことづてよ   須磨の浦わに  晝寝(ひるね)すと   子規』

左に虚子の句。

『子規 五十年忌

月を思い 人を思ひて 須磨にあり   虚子』

師弟の句が並んで彫られています。

父の拓本は、子規の作品部分を採っています。

2月に私たちが出掛けた頃には コロナ感染症は心配されていましたが、思い返せば 街中でなければ外出もできていました。

 

🌿🌿

正岡子規は、明治28年(1895)日清戦争に記者として従軍し、帰国の船で喀血します。神戸病院での入院を経て、須磨保養院で1ヶ月養生しました。高浜虚子が付き添っていたそうです。

8月に 子規は松山へ帰りますが、父の「ひょうごの野の書」によると、

「虚子は東京へ帰ることになる。子規は次なる一句を託す。

〈 (虚子の東帰に)  ことづてよ須磨の浦わに昼寝すと 〉

子規は 明治三十五年(1902)、三十五歳で鬼籍に入る。

時うつり、昭和二十六年(1951)。子規五十年祭のため松山に向かう虚子は 須磨に立ち寄り、往時をしのんで

〈 月を思ひ人を思ひて須磨にあり 〉と詠んだ。」

 

そして、昭和28年(1953) 4月に、それぞれの真筆で 須磨に併刻建碑されたとのことです。

 

「子規は『書は技巧にすぎると俗におちる』と考え、常に書の純粋性を求めたようである。とくに、歌人として どういう書をかくかということに腐心し、イノチの通うた書を求めつづけた。なかなか見事な生きざまであったと思う。」    ( 🌿🌿印 以下ここまで、「 」内 すべて村上翔雲 著 『ひょうごの野の書』 文の通り )

 

***

拓本は、書などで使う画仙紙などを 石碑などに水で張りつけたところに、墨を染み込ませたタンポという 布を丸く巻いて持ち手をつけたものを 何度も叩き込んで写しとるものです。

墨を使いますので、汚したり 傷つけないように気をつけて、石碑を所有されている方に許可をいただいてから採らせていただきます。

 


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さらに私事になりますが、

本のための父の取材の折りには、今月 4月1日に亡くなられた 文学研究家の宮崎修二朗先生に、何度もご同行いただいて ご教示いただきました。

宮崎先生は、この本の出版をはじめ 父の書道家人生に 智の光を照らし続けてくださった方と、深く感謝しております。

父が晩年に 体調を崩して滅入っていた頃、「ぬるめのお湯で召し上がれ」と 選んでくださったお茶を つい微笑んでしまう一言と共にお贈りいただいたお心遣いが忘れられません。父は 上記の本のあとがきに、「宮崎修二朗先醒」とお呼びして尊敬の心を伝えさせていただいておりました。

宮崎先生のご近況を ブログで何度も拝見させていただきました詩人の今村欣史さんにも 感謝申し上げます。

今村さんが 4月7日付の神戸新聞に寄せていらっしゃった『「触媒」として生き抜いた』との追悼文が心に染みました。

宮崎修二朗先生の ご冥福をお祈りいたします。

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正岡子規のお話を随分といたしましたが、

今日は 宮崎修二朗先生に深いゆかりのある 富田砕花先生の詩歌をご覧ください。


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「異邦

この邦の巡禮は 約束としてまず言葉を奪はれる

言葉を封ぜられたものは ただ黙して動くばかりだ

見えない力は 不可抗の強さを持って働いてゐる          砕花 詩抄」(300×200m/m) 富田砕花 詩

 


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「岩壁の感触をふと懐い(おもい)居り  半世紀前の夏の穂高の   砕花の歌」(300×200m/m)  富田砕花 遺歌集「属目散趣・玄々鈔」   村上翔雲 書

 

ご覧くださいまして ありがとうございます。

                                   野の書ギャラリー

 

 

 

桜。花を愛するひと

こんにちは。

風と雨の後は 暑さを感じる陽気になりました。


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桜のきれいなところへ行ってみようかと思いましたが、家の回りにも咲いているところがあります。

特別なものはありませんが、桜は見頃で 空気には春の濃密さが感じられます。

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時々草引きをさせていただくご近所の絞りの椿は、葉陰の姿にも存在感が感じられます。

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カロライナジャスミンでしょうか。つぼみがたくさんついています。お花を育てることが上手な方でした。

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しばらく歩くと 道沿いの藪には、ミツバツツジの僅かに藤色寄りの明るい花が見られます。

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ツツジの足元に薄紫の花が見え隠れしています。タチツボスミレですね。
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🌿

兵庫県立美術館ゴッホ展を観に行こうと 前売り券を買っていましたが、感染症を心配している間に 休館が続いて終了してしまいました。こんな時ですから仕方のないことですね。どうぞ これ以上ひどい状態になりませんように。心から願います。

 

数年前に、ゴッホの自画像を観ました。それまで事情もあって 長らく美術館へ行く機会がありませんでした。久しぶりに美術館へ行ったことが嬉しくて懐かしくて、実家の片付けをした時に父の仕事部屋にあった ゴッホの画集と、小川国夫さんの「ゴッホ」を借りて帰りました。

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「Vivant 11  Vincent van Gogh」   1995年6月20日 第1刷発行   株式会社講談社

ゴッホ  」小川国夫    1975年6月25日 初版第1刷発行    株式会社平凡社

 

たくさんの先生方が専門に研究をなさっておられるので、何も学んだことがない上に 20年も美術館へ行っていなかった私が 好き勝手な感想を申すのも畏れ多いことと毎回思いますし、皆さんがご存知のことを知ったように書くこともまた申し訳ないのですが…。

 

小川国夫さんは、「ゴッホは単に他の職業を断念して画家になったということにすぎない。」「才能は大きすぎたために苛酷であった」とも書いていらっしゃいました。

生活を支えてくれる 4つ下の弟のテオとのおびただしい数の書簡の中から 画集に取り上げられたものを少しだけ拝見しましたが、自分の窮状ばかりを訴えるものや、自然を美しく描写したもの、病気の辛さや家族を思いやる気持ちを綴る切ない手紙もありました。

兄弟の まるで業のような関係の強さが伝わります。いくつもの仕事に就いて真面目に勤めるも どれも続けられなかった若い頃のこと。

兄の感情の起伏の激しさには 一番の理解者であるテオも悩みました。

友達が少ない上に(ゴーガンは、テオから生活費が浮くからと説得されて ゴッホと一緒にアルルへ行きました) 、好きになって執着した女性たちからは断られるので より精神を病み、病みながら充実した作品を完成させていきますが、亡くなるまでの10年ほどの画業で生前に売れた作品はひとつだけなど、嵐のような人生です。

ただ素朴に 受け入れてくれる人との温かい家庭を求めながら、ひたむきに表現を追及し描き続ける純粋な人だった。と捉えるのであれば、世間から位置付けられた理解の及ばない天才とは異なる一面を見るように思います。

 

ゴッホの死後、一年も経たずに 兄の才能を信じ続けた弟のテオも 33歳で亡くなりますが、夫がゴッホや母の生活費を出し続けたために たいへんな苦労を強いられてきたテオの妻ヨハンナ(愛称 ヨー、かわいいですね) が、二人のおびただしい書簡を整理して出版したことが、ゴッホの再評価に繋がるきっかけのひとつにもなったと聞きました。

 

美術館では 絵だけを観たい。私は ただそれだけでしたが、再び美術館へ行けるようになって その絵の下に深く広がる時代や画家の人生、人となりを知りたく思うようになりました。

 

パリ時代では 浮世絵を学んで、印象派に触れ アルル時代には 色彩の美しい自然や花々などへの愛溢れる絵を描き、サン=レミ時代には 空へ黒々と渦巻く「糸杉」や 凄まじいばかりの「星月夜」を。

小川国夫さんの本のハードケースに張り巡らされた絵は、吹き荒れる風の声が聞こえてくるような麦畑をカラスの群れが低く飛び、今にも暗く重い嵐の予感がする「荒れもようの空に烏の群れ飛ぶ麦畑」1890年7月オヴェール時代、最後の作品といわれています。

 

 

手元にあるゴッホ展のチケットは 払い戻しをさせていただくのか、でも観られなかった「糸杉」の絵が印刷されたそれを思い出に取っておきたくも思うのです。

 

🌱🌱
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4月になって年度が変わり、保育士の娘も31日まで担当した2歳児クラスから 1歳児クラスへ変わることになりました。

採用1年目だった至らない娘は、パートの先生方や 他の年齢の担任の先生方にずいぶん助けていただいたと言っていました。

コロナウイルス対策で アルコール消毒や 子どもたちが近づき過ぎないように目配りなど、かなりピリピリとしていたのかもしれません。子どもたちと 丁寧に係わる時間が少なくなってかわいそうと ずっと言っていました。

「せんせい きょうずっといる?」

「せんせい きょうは ○○(お隣のクラスの名前) さんにいくの?」他の先生方がインフルエンザなどでお休みになり、最後の2週間ほどを 2クラスを行き来するひよこ先生の行動が わからないなりに がまんしてくれる子どもたちに心が痛んだそうです。

保護者の方も ただがんばるばかりで経験の少ない担任に どんなに心もとなく思われたことでしょう。最後には 3歳児クラスになっても あなたに担任してもらえればと 涙が出るような嬉しい言葉をかけてくださる方もいらっしゃったようです。

 

娘とは、2ヵ月以上会っていませんが、度々かけてくる電話で様子を知ります。f:id:snow36:20200403160229j:image

 

今日も 最後までおつきあいくださいまして、ありがとうございました。

お体を大事になさってくださいね。

 


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「菫は心の影か土の淋しき  順三郎の詩」(125×165m/m) 旅人かえらず 26  西脇順三郎



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「牡丹のかく迄咲いて散らぬとは  三樹彦の句」伊丹三樹彦 句        村上翔雲 書

 

 

山深く水仙のお寺に参る

こんにちは。

お天気のよい火曜日に半日お休みをもらい 水仙が見頃と聞いたお寺へ参りました。

暖かくなって、道沿いの白木蓮が満開となり端麗な花姿を見せています。

 

山の中深く進んでいくと、駐車場の辺りから 黄色の帯のように咲き並ぶ 水仙の花が見えてきました。

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こちらは 曹洞宗 達身寺です。

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本堂は工事中で、チャイムを鳴らして受付していただきました。

 

まずお参りをさせていただきました。

ご本尊は、阿弥陀如来坐像。寄せ木造りの阿弥陀如来さまは金色で お召しの黒い法衣は漆塗り。穏やかでゆったりとしたお顔立ちで 鎌倉初期の頃の作とのことです。

照明を落とされた薄暗い建物の中では、左右に 十一面観音如来坐像と薬師如来坐像が並ばれて 2m70cmのご本尊を間近に拝見すると その偉容を感じます。

 

「お参りが終わったら、境内の水仙を見て行って下さい。かたくりの花の群生地は今年は公開していませんが、こちらでも少し咲いています。」と言っていただきました。

 

いただいたパンフレットによると、達身寺の歴史は古く よくわかっていないことも多いそうです。

古文書が残っていないので、元々のお寺の名前もわかっていないことや、

写真は撮ることはできませんでしたが、ひとつのお寺に 本尊仏や兜跋毘沙門天が複数躯おられて、さらに たくさんの木彫の仏像がおられること、

明智光秀丹波を平らげた(攻め込んだとも…)ことにより、僧兵が多くいた大寺院であったと伝えられるこの寺が焼き落とされる前に、谷へ運び出された木彫仏が そのまま放置されて朽ちてしまったとの寺伝など。

 

こちらでは、県と市の文化財に指定されている貴重な木彫の仏像を公開されています。

さまざまな時代を経たこちらのお寺の 長い歴史を思います。お顔もはっきりとわからなくなったいくつもの木の仏像は、どんな風に 世の移り変わりをご覧になってこられたのでしょう。

ゆっくりと拝観させていただきました。

 

建物の裏手に回ると、かたくりの花が咲いていました。一面に咲いていても、一輪でも この花から受けるのは しんとした閑寂。

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境内に進み、斜面を段にして植えられた水仙を拝見します。懐かしい甘く清涼な香りがしました。とは申せ、ヒノキの花粉症なので マスクを時々外すだけです…。     

花の香りに どなたも思い出をお持ちでしょう。

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水仙のそばにも かたくりが少し咲いています。

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水仙は、段の上から流れるように並んで咲いています。全体を写せませんでしたが、風に揺れる黄色い花が 一斉に南を向いて笑っているようで愛らしく思います。
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ミツマタ

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和紙の材料であったのを父が好み、この季節には ミツマタが実家の庭をほんのり明るくしてくれていたことを思い出します。

 

田んぼや畑が多いので、遠くでヒバリの鳴く声が聞こえます。

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散り敷く山茶花が 地面をくすんだ桃色で被っています。
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山茶花の木の下は 沈丁花が静かな満開に。f:id:snow36:20200326200438j:image

優しい香りに ふんわりと空気も染まります。

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こちらのお寺は、去年の今頃伺った かたくりの群生地から ほど近くの場所です。

先程 達身寺でお聞きした かたくりの群生地は、今年は コロナウイルスの感染拡大を避けるために公開されていないそうです。

かたくりの群生地の前を車で通りましたが、野外ながら保護されて固く施錠されていました。

外からは 見ることはできません。

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こちらは去年の かたくりの群生地の写真です。木立の向こう、林の開けた斜面に今年もおそらく群生しています。

 

 

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先日 書かせていただいた ネモフィラ・ペニーブラックがよく咲いています。年末に西宮の北山緑化植物園のショップで 一目惚れしてしまい買ったものです。こちらの植物園は今は、園内ガーデンだけ公開されているそうです。


ネモフィラ・ペニーブラックに恋い焦がれて - この曲が心地よい!

ニナシモネさんは、私よりずっと詳しいペニーブラックのお話を書かれていらっしゃいます。

他にもいろんな植物を育てておられます。

果樹からは、自家製のコンポートやジャムを。ラベンダーからは、ラベンダーハンドルを作られたり。

音楽にもお詳しくて ジャズのお話などを興味深く拝見させていただいています。

ブログのお名前のニナシモネさんは、もしかしたら、ニーナ・シモーヌからだろうかと勝手に思いもいたします。とても おしゃれな方です。

ニナシモネさん、楽しいお話をいつもありがとうございます。

 

 

今日も ご覧くださいまして、ありがとうございます。

 


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「行く道のかすかなる鶯の音  順三郎の詩」(210×300m/m) 旅人かえらず 15  西脇順三郎

 


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「期待

噫 真理の探求者 新生活の開拓者  勇ましい君の前には つねに不可知と危険とが待伏してゐる  砕花詩抄」(300×200m/m)  富田砕花 詩         村上翔雲 書

 

ヒヤシンスの香り。

こんにちは。

こちらも 数日で暖かくなりました。


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近所の病院のミモザがきれいに咲いていました。

ミモザの根元には、クリスマスローズが 風に揺れています。

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最近は 家族のことばかりで恐縮ですが、義父が新しい環境にまだ馴染めないまま体調を崩したらしく、病院へ一緒に行きました。

感染症の影響で 施設でも家族の面会が制限されていて 義父にずっと会えていませんでした。

生理食塩液の点滴をしてもらって 少し楽になったようなので、義父は また施設へ戻りました。

送り迎えを施設の介護車でしてもらいました。ありがたく思います。

今は、熱も下がって落ち着いているようです。

 

🌿

義父が施設へ戻るのに付き添った後、帰りに先日行ったカフェに立ち寄りました。

我が家から 義父のところまでの途中の公園にあります。

席に着くと、優しい甘やかな香りが微かにします。青磁色の小さな花挿しからでした。

見渡すと、壁際のいくつかのテーブルにだけ 今朝摘んだばかりというような白いヒヤシンスの花が活けてありました。

最近 ブログに載せていらっしゃる写真を拝見して、地植えのヒヤシンスも素敵だなと思っていました。
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私も 楽しいを探してみましょう。


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でも 食べるも大切。気づくと もう夕方になっていたのでした。素朴な春のグラタンが 温かくて嬉しかったです。

 

🌿🌿

一昨日 実家の草引きと、剪定(と申してよいのなら…)を少ししてきました。

実家の藪椿の枝が混み入り、美しかった花色もぼやけて花の形も崩れていましたので、初めは遠慮しながら、だんだん思いきり 切って、切ってを繰り返しました。多分 チャドクガの出てくる前に間に合ったと思います。

 

妹が椿か山茶花だと思うと言いながら ふたりとも咲いた花を知らない大きな木は、空に向かって広がっています。

ひとりの気楽さで誰にも遠慮なくノコギリまで取り出して、太く育った枝を払いました。うまく切れなくて 裂けてめくれた樹皮の内側はピスタチオのような曇りのない若草色。実家のこの木を毎回私が粗雑に切っていることを思うと 都度心が揺らぎます。

 

とりあえず見苦しくないぐらい(とはいえとてもお見せできません…) になった頃に 帰る時間になり、切ったものを纏めて持ち帰りました。驚くほどの嵩になりましたが、まだ半分も終わっていないので 近いうちに来ようと思います。毎回ちょっと疲れるのもよいことかもしれませんね。

 

こちらは、実家に咲いていた花韮f:id:snow36:20200319144058j:imagef:id:snow36:20200319144219j:image

花韮は 自然に群生するものなのに、わざわざ買って 我が家に植えてみたブルーカーペットアフェイオンは、カーペットどころか まだひとつしか咲いていません。

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葉は やはりニラのにおいがします。お花ってかわいらしいですね。

 

🌿🌿🌿

おかげさまで このブログも先週3年目に入りました。丸2年経って、漸くたったの125記事だけですが、それぞれを思い出深く思います。

それでも 振り返ってみると、タイトルだけでは中身がわからない作りをしているために、少ない数ながら自分でも何を書いていたのか忘れているものもあります。相変わらず誤字も思い込みも多いことです。

私がブログを書き出した頃に ご覧くださった一人目の方は もうかなり以前にブログをやめておられますが、あなたのブログは素敵ですと書き込んでくださったことが こよなく嬉しく心に残っています。

これが私の歩く速さなら、私には それで十分なのかもしれません。

たかだか2年の しかも時々しか更新しないブログですのに たいそうな申しようでお恥ずかしいですが…。

そんな拙いブログにおつきあいくださる皆さまに 心から感謝いたします。おかげさまで 楽しんで書いております。

どうぞ これからもよろしくお願いいたします。

いつも ご覧くださいまして、本当にありがとうございます。


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カフェのお迎えのクリスマスローズ

 

こちらでも うぐいすの囀りが聞こえるようになりました。

 


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「手をあわすれば洗われてゆく ふしぎな(る)この世かな かたじけなきぼんのうの世かな  重吉の詩」重吉詩稿 純情を慕いて より (190×300m/m)  八木重吉

 


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「無」(50×65m/m)  額装  

  
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「無」の裏面  「昭和五十六年秋 鳥 村上翔雲 書  印」

 全て 村上翔雲 書

 

 

 

 

高原を歩いてみれば。砥峰高原の早春

こんにちは。

暖かかな日が続きましたね。お元気でいらっしゃいますか。

 

午後からお天気が崩れると聞いていた土曜日に 砥峰(とのみね)高原へ行って来ました 。

兵庫県神崎郡神河町(かんざきぐん かみかわちょう)にあります。

こちらへは、一昨年の秋に ススキ(茅)を見に行ったことがあります。

 

山を細かにうねるカーナビのカーブをたどるように 車は登っていきます。

この時期は、見られるものも少なく 管理棟も閉じられていて 訪れる人も多くはありません。山焼きも まだ先のようです。

曇った日で、杉の花粉がたくさん飛んでいるのか、小雨が降っているのかもしれません。 高い山が霞んで見えました。

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着いた高原は、頂上が 広々とした草原になっています。 季節になると、高山や野原のさまざまな植生に出逢えます。

前回来た秋には 、フジバカマ、ウメバチソウ、イタドリ、アキノキリンソウ、アケボノソウ、ダイモンジソウなどが咲いているのを見ました。

今は雪があちらこちらに残っています。f:id:snow36:20200313180120j:image

 

高原の入り口には 柵が立っていましたが、柵の横から入るようにとの札が掛けてありました。

遠目には 柔らかな金茶色で、近づくと白っぽくくすんだ榛色の細くて薄い枯れ葉が山を被っています。今は 花はまだ咲いていません。f:id:snow36:20200313181906j:image

時々歩いている人もいますが、ひっそりとしています。
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湿地に木を連ねた道を歩いていくと、赤茶色の土底を見せた小川が流れていきます。f:id:snow36:20200313180335j:image

雪が残っているので、植物と同じように多分生き物も見当たらないだろうと のぞき込むと、水の中には イモリが歩く様子や 小魚が泳ぎまわる姿が見えました。f:id:snow36:20200313180439j:image

生憎の曇りの日で とても見えにくいですね。

時々、ススキが底からめくれるように黒い土が 粗っぽく掘り返されたところがありました。猪かもしれません。(写真を撮り忘れました)

色の少ない時期です。f:id:snow36:20200313180503j:image

花粉症なので あまり深呼吸はできませんでしたが、ここは標高810mほどのところです。ひんやりとした空気が 爽やかでした。

トイレも閉まっていましたので、早々に帰りました。

 

こちらへ来るまでの道路に 鹿猟師さんたちと思われる人々が トラックを停めて斜面を見上げておられるのを何度か見かけました。

 

道沿いに ミツマタが連なって、雪のようにつぼみをつけています。

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お話が変わりますが、

コロナウィルスの感染の広がりで、私も時々出掛けて自然の美しさを楽しませていただいている丹波市にも 感染された方がおられると報道されました。

丹波市は たいへんな目に合われていることだろうなと思い、状況はどうかと検索してみると、地元紙 丹波新聞に 県立丹波医療センターの 見坂恒明先生 (県立丹波医療センター 地域医療教育センター長 感染症専門) の3月10日の談話として記事が載っていたので拝読しました。

皆さま ご存知の内容が重複するかもしれませんが、

一部抜粋させてください。

 

 

 

***

「 まず、感染者と、有症状患者の違いを説明する。

先ほどから「感染者」と言っているように、当該感染者 (※丹波市の感染された人のことです) は、発表によると、感染はしているが、症状がない状態で検査を受けている。

発熱や咳、くしゃみなどの症状はない。

発症している人と比べると、飛沫感染は生じにくく、起こるとしたら接触感染。格段に他の人に「うつす力」は低いと思われる。

当該感染者は、症状はないのに、大阪の感染者が多数出ているライブハウスに行っていたからと自ら検査を受け、陽性になったと推測される。

ライブハウスには全員の顧客名簿はないだろうから、観客の追跡をしようがない。症状がないので黙っていたら分からなかったと思う。」

 

「(私たちに)できることは、手洗い、うがい、咳エチケットなどの感染症対策。

有症状者は新型コロナに関わらずマスク着用を。多くの人が訪れ、空気が入れ換わらない空間に長く滞在しないよう気をつける。その他は、感染者が確認される前と同じで良い。」

「自分や家族が感染しているかも と過度に心配し、疑わないこと。」

 

「感染者が今後どれくらい増えるかは分からないが、不幸にしてウイルスに感染した人が、全員無事に退院できるよう、できうる最善の治療を行う。感染者でも患者でもない住民のみなさんは、かかった人を差別しないでもらいたい。

悪いのはウイルスで、感染した人は被害者なのだから。

感染が疑わしい時は、保健所に電話相談してほしい。保健所の指示の下、当院に受診してもらえれば、一般の方の交わらないところに感染症用の診察室を設け、体制は整えている。」

 

**

これは 理由があって検査に至ったお話で、思い当たることがなくて なんとなく心配というだけでは検査はできないかもしれませんが、

感染症専門の先生の率直なお話は、近隣でも噂や情報が錯綜する中でしたので 改めて踊らされてはいけないと思うものでした。

「専門家が怖いと言うのは、未知のウイルスで全容がいまだに解明されていないからだが、分かったことも多く、分かったことを頼りに最善を尽くす」ともおっしゃっていました。

 

いつか沈静化する日が来て、感染症や感染してしまった人のことを殊更に取り上げられなくなる時になったら、こうしたことは忘れ去られてしまうのでしょうか。

過剰に反応するのもいけないですが、無関心になってしまうこともいけないのですね。

私も落ち着いて、手洗い うがい マスク (もはや 見よう見まねの手作りです) 換気や 体調管理など基本的なことに気をつけるようにしていきたいと思います。

 

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去年植えてみた 黄花節分草が ひとつ咲いています。つぼみだけを起こして立ち上がってきました。

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日当たりが朝だけだからか、一度にひとつしか咲いてくれません。手入れの問題なのかもしれないですね。

 


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こちらは、もう少し咲いたらまた書かせてくださいね。ペニーブラックです。

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ご覧くださいまして、ありがとうございました。

 


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「山ふかく 蕗のとうなら咲いてゐる  山頭火 句」(120×160m/m)  種田山頭火

 


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「石刻む 音のしたしくて石刻む  山頭火 句」(530×690m/m)  種田山頭火 句     村上翔雲 書

春の芽吹く道を歩く。

こんにちは。

前回は、義父のことでお気遣いいただきまして、ありがとうございました。

今は 感染症対策のために制限があり 面会はできないのですが、おかげさまで義父も落ち着いて過ごしているようです。

 

畔焼きの跡に  頭が焦げたようになったつくしを見つけました。

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今年は思ったほど出てきていないようです。

ナズナは、すっかり伸びてよく咲いています。

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可憐なオオイヌノフグリは、夕暮れ時で花は休んでいました。小さな世界なら 素敵な花束ができそうですね。

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この花は 星の瞳とも呼ばれることを知りました。

そして、ほんのりと薄い赤紫のイヌノフグリは もう見かけることはなくなってから久しいのを寂しく思います。


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畔の水路に巻き貝をたくさん見ることができます。カワニナでしょうか。ここはコンクリートで固めてありますが、夏には蛍が見られます。

いなかの道を歩いていると、静かな季節の巡りを楽しめます。

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義父の健康診断と 他の家族の治療で 2日続けて行った近所の病院の待ち合いには、

待ち時間のブランケットの貸し出しの棚に かわいらしいポスターが。

ブランケットの貸し出し期間・・・「春が来るまで」。

雪だるまがにっこりしていました。

義父の健康診断は、飲み込むことが難しいので誤嚥が心配ですが、内臓の数値に関しては私たちより良好かもしれません。 私たち自身をちょっと反省です。


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手作りのマットや ちょっと嬉しいカップとソーサ。絵付けの古い洋食器のコレクションが並べてある飾り棚。
近くの公園の中に昔からあるカフェは、天井扇が長閑に回る高い天井と 掃き出し窓から明るい陽が入る広い室内が 懐かしさを感じるお店です。

ほどよく配されたテーブル席には、素敵な中折れ帽子をかぶった雰囲気のある方が 背に日差しを受けて新聞を読んでおられたり、横のテーブルでは 遅めのお昼をご夫婦がゆっくり楽しんでいらしたり。

小さな音でシャンソンが流れています。


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郊外と言うよりも 山の中。時々こちらに伺って ひと休みをしたくなります。

 

 

 

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少し前のことですが、時々伺うお店に 久しぶりに行ってみました。

海から遠くに住んでいますので、魚料理をいただきたくなります。

おすすめのお刺身の盛り合わせと、ガシラ (ガシラとは こちら関西の呼び名で カサゴのことですね。ガシラの「シ」が少し高い言い方でしょうか)のお造りをお願いしました。

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右上のカンパチは 明るい桜いろをしていました。新鮮な魚は香りも爽やかで美味しいですね。イカはタルイカで、こちらも食感がよくて張りがあります。

 

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根魚のガシラは、いかつい顔立ちながら 透明感のある身は繊細で優雅ささえ感じられるお味でした。お好きな方の多いお魚ですね。


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ガシラのアラで お澄ましも作っていただきました。小さめの魚でしたが、よいお出汁が出ています。

 

お酒をいただき、ささやかな記念日に感謝して乾杯しました。
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お店のご主人から、めかぶとなめこのおひたし、そして 酒盗クリームチーズ和えをサービスしていただきました。クリームチーズで角のとれた味わいの和え物の上には、アロエの薄く切ったものがあしらってあります。

めかぶは 若々しい萌黄色。シーズンはこれからですね。こりこりとした食感と あっさりとした味付けが嬉しいです。

こちらは時々しか伺えないのですが、いつも優しく迎えてくださいます。

 

 

 

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秋に植え替えてしばらくしたら、山芍薬が萎れていなくなりました。枯らしてしまった!と慌てましたが、

枯れてはいませんでした。1ヵ月ほど前に そっと土をどかしてみると、新しい芽が出ようとしていました (休眠していたのですね。起こしてしまってごめんなさいね…)。

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これとは別に 去年買い足した株の方は、蕾を抱いて萌え出てきました。

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冬の寒さは十分ではありませんでしたが、鉢植えの土の中でも 循々と春を迎える支度がされているのですね。

 

いつも ご覧くださいくださいまして、ありがとうございます。

 

 


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「よくみれば薺(なずな)花さく垣根かな  芭蕉 句」(続虚栗) (325×245m/m) 松尾芭蕉

 


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「春の雪 冬の雪には叶わぬを  峰夫の句」(Ⅷ天体) (195×300m/m)  石井峰夫 句     村上翔雲 書

 

 



春の声

こんにちは。

暖かい日が続いた後に 厳しい冷え込みが続きますね。お元気でいらっしゃいますか。

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ようやく 我が家のクリスマスローズも咲きだしてきました。

 

2週間ほど前から、義父と実の父とについてのことが 偶然に一緒に動き出して、気ぜわしい日を過ごしていました。

義父は 今までお世話になっていた施設から 今の状態に合った施設へ移れることになりました。

前もって希望を出していましたが、やはり3年は待ちますので、前の施設を利用しながら平行して申し込んでいました。


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義父の手続きをするため、私の父のこと(作品)については 名筆研究会の先生方と妹に任せきりになってしまいました。

義父が次の施設に移ることが決まると、細かな打ち合わせ、市役所、新しく買いそろえるものといった用事を出来るだけ早く済ませました。

そして 7年お世話になった施設からの引っ越し。(長らく 義父を大切に介護してくださって ありがとうございました)

義父は 新しい環境に慣れるのに時間がかかりかわいそうになります。施設の方のお心遣いがありがたく思います。


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日差しの恵みが優しい季節。これからお世話になる施設の 大きな枝垂れ梅が迎えてくれました。紅白の梅の豊かな香りが辺りに広がってゆきます。

今までお世話になったグループホームには、とてもよくしていただいて感謝の気持ちでいっぱいです。

義父が 新しい環境で落ち着いてくれますように。

動きにくくなってきた高齢の義父母の日々が、穏やかに続いてくれればと思います。

 

私の父の作品のことは いずれお話できるようになれば、ブログに書かせてくださいね。

 

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時間を見つけて、暗い灰色のぼこぼこと耕された畑のそばを歩いていると、夕闇迫る頃に 空高いところからヒバリの囀りが聞こえてきます。

カラスが何かを啄んでいます。カラスのいないところには、カラスより小さめの鳥が集まっています。

家の回りで強い鳴き声を聞くことが多いので、ムクドリなのかもしれません。

椋鳥。

母屋の本棚に、古い「ひろすけ童話」があります。義母が 小さかった連れ合いと弟に読んで聞かせた本です。

懐かしく思って手に取り開いてみました。「泣いた赤鬼」の後に、「椋鳥の夢」が続けて載っています。ご存じの方も多いでしょう。

椋鳥の子どもが お父さんと 古い栗の木にある洞の巣の中で 冬を過ごしている様子が、素朴で丁寧な言葉で描かれています。

お母さんは もういないのです。

「お母さんは どこに行ったの」尋ねても お父さんは答えてくれません。

寒い冬の夜、椋鳥のお父さんと子どもは寄り添って眠ります。

 

作者の浜田広介さんの文章は、うつくしいです。

細かな説明はなくとも、行間から静かに流れる文字にはならない物語を 自分なりに感じ取る楽しみがあります。


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こちらは、時々お願いする うさぎ薬草さん 高橋克弥さんの ハーブティーです。

ベル アメールの『スプーンショコラ』は最高にフォトジェニック ~2020年バレンタイン日記 - うさぎ薬草 another garden

 

ちょっと写真が暗くなってしまって見づらいのですが、

左は、感染症撃退ティー。娘に送ってみました。
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レモンマートル、エルダーフラワー、シベリアンジンセン、ローズヒップエキナセアレモングラスリコリス、タイム、マロウブルー 。   

9種のハーブがバランスよくブレンドされていて、おいしくいただいているようです。

 

上の写真の右は、白茶とホーリーバジルのブレンドティーです。

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いつも 同じようなご紹介になって、お恥ずかしいのですが…

以前 トゥルシーのお茶をいただいたとブログに書いたら、「それは ホーリーバジルですよ。神聖なハーブです。甘い味がしたでしょう。」と教えてくださいました。

淹れる前の茶葉からは、南アジアを思い浮かべるアニスのような甘い香りがほんのりとします。

「まずは1分の抽出時間で飲んでみてください。」と書かれてありましたので、

1分お皿を被せてから いただいてみました。

ホーリーバジルは、白茶の品の良さと合わさると、香りがほどよく立ってお味も優しく ゆったりとした気分をいただけます。自然の甘味が穏やかです。心まで潤うように思います。 

1分蒸らすだけで 美味しくいただきました。しばらくして お代わりを淹れてみましたら、より 馴染んだ味わいに感じられました。

変化を楽しめます。

いつも感じることですが、とても丁寧にブレンドされていらっしゃるのだなと思います。おうち贅沢ですね。 

毎回 お試しのティーバッグのサービス品も入れてくださっています。この度は「黒豆とジンジャーの香ばしブレンド」と「雅 ーmiyabi」。週末に ゆっくりいただいて楽しみたいと思います。

 

高橋克弥さん、いつもありがとうございます😊

 

 

もうひとつ おつきあいください。

金柑の焼酎煮を時々作ってみます。

嬉しいお言葉をいただきまして、ありがとうございます。

ただ、昔々に買いました「 NHK今日の料理」に載っていた作り方だけしか知らないので 何かを知っているとは言えない料理知らずなのです。


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作り方だけで、作り置きが夕べの肴になってしまいまして たいした写真がありません…。そんな私でも 簡単に作れます😊

 

1. 金柑 500gは よく洗ってヘタを取り、5〜6本切り目を入れ、竹ぐしで種を取り出す (種をすべてきれいに取り出すのは難しいですので、適当で)。

2. ホウロウか ステンレスのお鍋に 金柑を入れ、焼酎 2カップを加えて クッキングシートなどで落としぶたをして、弱火で40分ほど煮る。

3. 砂糖250gを加え、再び 30〜40分 ゆっくりと煮含める。 (アルコールは抜けます)  1240kcal

 

何日か経った方が お味が馴染んで美味しいですね。暖冬の今年は金柑もそろそろ終わりでしょうか。遅ればせの記事で申し訳ありませんが、お役に立てば嬉しく思います。


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寒い日も、暖かな日も、お雛様 楽しそうですね。

 

いつも ご覧くださいまして、ありがとうございます。


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「忘るなよ 藪の中なる梅の花   芭蕉の句」初蝉  (325×245m/m)  松尾芭蕉


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「第三の邦  耐へずして むしろ孤獨をよろこべる汝の霊魂をして ゆめ再びかの喧騒をこととする群盲のなかに趣かしむることなかれ  砕花 詩抄」(300×200m/m)   富田砕花 詩    村上翔雲 書