野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

姫風露の咲く山へ

こんにちは。

熱海の土砂災害、鳥取 島根など各地の被害をニュースで拝見しました。熱海では亡くなられた方もまだ行方不明の方もおられるとのことで、被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。

どうぞ 一日も早く日常に戻られますように。

 

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先月始めのことです。用事の合間に回ったところで、野の花の群生を見かけました。近づいてみると ヒメフウロでした。

こちらは、標高820m 奈良県吉野郡天川村洞川です。よろしければ、天川村のサイトです。ご覧くださいね。

http://www.vill.tenkawa.nara.jp/

私の住む場所とは異なる高山の植生の道をひたすら車で進んだ先の山の上に拓けていたところは、清流に沿って細長く伸びて賑わう どこか懐かしい町でした。

急いでいたこともあり、世界遺産 大峯山などの写真が撮れませんでした。歩きながら撮るのは ささやかな野の花。

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たくさん咲いていても、閑けさだけが広がっていくようです。誰も立ち止らない湿った蔭りが 花で仄明るむ場所に変わります。

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中心の見た感じが違いますが、 咲いたばかりの花で5本の葯が花びらに赤く点々と広がっている花と、咲いてからの時間の経過で 真ん中が赤くなった花があるからですね。すみません。見た目だけの適当な説明で…

フウロソウの仲間は小さな花で 2、3日ほどで花は終わり次々と咲くので 種を包んだ赤い実も見受けられます。

 

ちょっと寄り道ですが、ヒメフウロと ヒメフウロソウは、同じ花かと間違えそうな名前ですが、異なる花なのですね。

f:id:snow36:20210707013934j:imageこちらは我が家のヒメフウロソウです。愛らしく咲く姿に嬉しくなります🌿

 

気づくと、ヒメフウロは山上川へ降りる小径や擁壁のあちらこちらで咲いていました。

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f:id:snow36:20210707170059j:imageにおいから、塩焼草とも呼ばれるそうですが、気になるにおいには、気づきませんでした。
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少しだけ咲いていたこちらは 見たことがあるような ないような… 何という植物なのかわかりませんでした。外側の先の尖った5枚は萼でしょうか。

中の丸い花の中心に近づくにつれ淡い色から赤紫色になっていくところなどは 絵のような趣きにも感じられます。 

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後でこれは ナワシロイチゴの花と知りました。小さな赤い実が生るのでしたね。愛らしい姿が目に浮かびます。  教えてくださった方に。いつもありがとうございます。感謝しています🌿

蕾は丸くなって中を守っているかのようです。優しい色合いの小さなお花でした。

 

f:id:snow36:20210708165221j:image写真の右奥に、少し隠れながら縦看板が見えています。

ここ天川村洞川(どろがわ)は、和漢胃腸薬 陀羅尼助(だらにすけ)の里で、商店街には 何軒も「だらにすけ」を扱うお店があります。

こちらの薬としての歴史は、7世紀まで遡って修験道の開祖 役行者(えんのぎょうじゃ)まで辿れるとのことですが、だらにすけは300年の歴史があるのだそうです。

役行者(役小角)、知ったように書いていますが、父が話していたとぐらいしか覚えていなくて、ほとんど存じ上げないのです。 困っておりましたら、この方が まさに今日 こちらの記事を書いていらっしゃいました。

【役行者】せっかんされた葛城の鬼神・一言主神【祇園祭 役行者山】 - ものづくりとことだまの国

開物発事さん 

古代の日本の不思議を 私たちの前にダイナミックに面白くあぶり出してくださいます。この度もとても楽しく拝見させていただきました。いつもありがとうございます。

役行者(役小角)、鬼を自在に使うという伝説もあるそうで 本当に不思議な方だったようです。

どうぞご覧になってくださいね。

 

さて だらにすけですが、以前は 各お店の処方で 小さな丸剤のだらにすけを作られていて、大峯山で修行する修験者の方々などが買って行かれたそうです。

今は、薬事法ができて 一つの工場でまとめて作られていますが、お店では それぞれ古くからの顧客に加えて インターネットなどでも販売しているとのことでした。

だらにすけの成分は、オウバクエキス、ガジュツ末、ゲンノショウコ末の3種と聞きました。

オウバクは、ミカン科のキハダの樹皮。ガジュツは、ショウガ科のムラサキウコン。

ゲンノショウコは、フウロソウ科。この地で元気に咲いているヒメフウロとなんとなく繋がりを感じます。

f:id:snow36:20210708232152j:imageゲンノショウコフウロソウの仲間にはいろんな種類があり、いろんな場所で見かけるゲンノショウコは 素朴さが好きで鉢植えにしています。これは実家に咲いていたものを持って帰って来た我が家の花です。

だらにすけのお話を長く書いてしまいましたが、これは 体調を崩した連れ合いが、どんなところか存じないまま長らく だらにすけを買わせていただいているお店に伺ってお聞きした話なのです。

昔の佇まいを残されたリノベーションも美しいお店は、若いご夫婦が切り盛りされていました。

近くまで来たのでと突然伺った私たちに ご親切にいろんなお話を聞かせてくださいました。

 

昔から修験者が修行に訪れる大峯山から流れる山上川には、ニジマスの群れがあちらこちらに。

網や板などで囲われることなく放されているようでした。f:id:snow36:20210706114928j:image

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さらに車で奥へ進んでみると、養殖のイワナを食べられるお店がありました。先客は 家族連れが2組ほど。初めていただく岩魚(イワナ)は、サケ目サケ科のお魚。

外のベンチに座り、皮がぱりとして 中はしっとりとした身のイワナの炭火焼きをいただきながら 小さく聞こえてくる葉擦れや川の水音に出来るだけ耳を澄ませます。つい食べてばかりになりそうで… おとな気ないですね。

香りもよく野趣に富み とても美味しいのですが、私では同じサケ科の岩魚と天魚(アマゴ)の違いをお話できるほどではなくて…

f:id:snow36:20210706115011j:imageちょっと変なアングルになりました。

お刺身は甘くねっとりとした食感で、続いてじんわりと旨味が広がります。魚の味を楽しみたくて、お醤油はほんの少し。 

色もきれいなニジマスの糀漬けを、持ち帰りにしてもらって 遅い晩酌のおともにいただきました。食べてから写真に撮っていないことに気づきました。

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楽しいひと時を過ごしました。また改めて 散策してみたいところでした。

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今日も お昼過ぎまで強い雨が降り、雷鳴が低く轟いていました。雨の止んだ夕方には 間近の山を靄がゆっくりと流れてゆきました。

こちらでも支流に勢いづいた濁流が流れ込んでいるのを見ると 心穏やかではなくなりますが、明日からは 徐々に晴れ間も出ると聞いています。

どうぞお気をつけてお過ごしくださいね。

今日もご覧くださいましてありがとうございます。

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「岩間の岩魚 みずからを封じおわって沈みこむ 斑紋浮きあがる朱の幻覚  安水稔和の詩」安水稔和 詩


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空海のはるかにここに鰡(ぼら)のへそ 省二の句」岡井省二 句


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「浮鯛や 同行二人となりゐたり 省二の句」岡井省二 句  上すべて 村上翔雲 書

 

 

 

6月の終わりに

こんにちは。お元気でいらっしゃいますか。

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ご近所のクレマチスです。湧き出るような葉の中から生き生きとした姿を見せてくれます。お花の後にできる造形も不思議で美しいですね。

 

🦑

連れ合いが友人たちと釣りに出かけました。

久しぶりの ぽんす会です。 「ぽんす」とは、こちらの言葉で、釣り好きが昂じた者というほどの意味です。

ぽんす会の面々は、私が勝手にそう呼んでいるのをずっとご存知ないと思います。

長い間の釣りクラブです。いつの間にか それぞれご自身でお魚を捌かれるように。皆さん楽しい方々ばかりです。

お互いに その時々に都合のつくメンバーで出かけているそうです。

去年の7月にもお世話になった豊岡市竹野町竹野浜の船頭さんに 一年ぶりに仕立て船を出してもらいました。 ケンサキイカ狙いで参ります。

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今年は 気合いが入っていたようで まわりの写真も撮っていないそうでして、こちらは去年の写真です。
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気合いと申しながら、とりあえず昼間の仕掛けは、天秤フカセでのんびりと ゆらゆら日本海に揺られます。鯛か、ヒラマサか、ハマチ狙いです。

穏やかな海を眺める時間が最高の気分とのことでした。 何も釣れなかったようでしたが…

夕方になって、いよいよ ケンサキイカを釣るために イカメタル仕掛けという方法 (こちらも 魚釣りの天秤フカセと同じく、イカを引き寄せるための竿の上げ下げも少なくて、ややのんびりな釣り方だそうです) を使うことになり、

途中経過の電話をしてきましたが、私は 生憎 ぽんす氏の代理で村の会合に行っており電話に出られませんでした。

ケンサキイカのシーズンで、よく回ってくるようです。

 

ぽんすおじさんは 「まあまあの釣果」を上げ深夜に帰って参りました。早朝から釣果のお披露目です。

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・・・。どう工夫して撮りましても、まるで押収されたものを並べた写真のようです。お見苦しい写真になりまして。

 

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魚と違い、骨や鱗のないイカを捌くのは 小さめの出刃で手早くできますね。と、生意気を申していますが、私は写真を撮るだけです。

 

ご近所にも少しずつもらっていただきました。華のない写真になりましたが、イカ1枚分のお刺身です。

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甘みのある身が美味しくて、柔らかいところなら歯の悪い義母にも勧めることができ、帰って来ていた息子も加わって楽しい時間になりました。

 

魚焼きグリルで さっと焼いたゲソとエンペラは食感もよく、ご近所からも味わい深いと人気のようでした。

f:id:snow36:20210627094008j:image残りのイカは、冷凍して後日いただきます。

 

 

 

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お話変わりまして

ブログでいつもお世話になっていますハーバリストの克弥さんに久しぶりに ハーブティーの注文をさせていただきました。

ハーブ講師デビューと友人からのサプライズ - うさぎ薬草 another garden

克弥さんのブレンドは、身体の巡りに合わせてハーブの効果が細やかに行き届いていくようで 選び抜かれたハーブの香りとお味に心がほぐれます。 

いつもきれいで前向きで、人生のハードルをいくつも飛び越えながら輝いていらっしゃるご様子は アスリートのようだなと思います。 

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右は、私のために作ってくださったハーブティー。好みや体調に合わせたフルオーダーのブレンドです。 パッケージが愛らしい✨

 

今日は、上の写真の左の《元気に美しく歳を重ねたい》Beautiful Aging をいただいた感想です。

f:id:snow36:20210627091321j:imageルイボス、ローズヒップ、ローズレッド、ヒース とてもきれいです。


f:id:snow36:20210627091324j:imageお皿で蓋をして5分。美しいお色に和みます。ほんのり薬草のような香りがします。渋みや酸味などはなく、飲みやすくほっとするお味でした。 

ひとつずつゆっくり味わいたいと思って、フルオーダーティーや サービスしてくださったものは まだ開封していないのです。近いうちにいただきますね。楽しみです。

 

下の写真は、以前 送っていただいたフルオーダーティーです。2年前のブログに載せたものです。

上の二つ並んだパックの写真では、右のハーブティーでレシピは同じです。

緑茶、ジャーマンカモミールオレンジピール、レモンマートル、ハマナス、ネトル、ローズマリー、エルダーフラワー、リンデン

f:id:snow36:20210627091226j:image2年前にこちらを初めて送っていただいた時に、ハマナスの赤い蕾がかわいらしくて嬉しかったことを思い出します。

f:id:snow36:20210628102101j:image緑茶が加わることで 親しみやすいお味になるのが印象的でした。 9種類ものハーブがきれいに合わさって飲み飽きない美味しいティーです。 

克弥さん、いつもありがとうございます。大切にいただきますね。

 

 

 

 

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娘から、以前 3歳児クラスで作っていた あまつぶとかさの折り紙製作の続きができたと写真が送られてきました。

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あれから 足元に アジサイが咲きました。

花びら(正確には萼のところですね) は、それぞれのお子さんが折った折り紙をハサミで切って作ったそうです。

同じ折り方をして切るのですが、あまつぶくんやかさと同じく個性が出ていて、製作の時間の楽しい様子が伺えます。

 

皆さま いつも娘にあたたかなコメントをくださいましてありがとうございます。娘もいつも応援してくださっていることをとても喜んでいます。感謝していますと申しております🍀

 

暑くなってきましたね。数日前の空の景色です。

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時々ヤマガラの声が聞こえてきます。夕焼け色をした背中とお腹が目立つこのかわいい小鳥は 時々庭にも遊びに来てくれます。

どうぞ お身体を大切にお過ごしくださいね🌿

 

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「雲 もくもくと雲のようにふるえていたい 重吉の詩」(190×300m/m)  八木重吉


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「ねがい どこを断ち切っても うつくしくあればいいなあ 重吉の詩」(190×300m/m)    八木重吉 詩 再掲   村上翔雲 書

 

 

額の花

こんにちは。

f:id:snow36:20210615165155j:image先週 紫陽花が咲き始めたよと連絡をもらって、朝 連れ合いの友人のお庭に伺いました。

お出迎えは、ユキノシタの白い花。f:id:snow36:20210615161930j:image

 

今年は、例年に比べてこちらの紫陽花は全体的に花が少ないとのお話でした。山の影になって元々日照時間が十分ではない土地なのです。

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花が少なくても 紫陽花の木を多く育てていらっしゃいますので、拝見する楽しみがあります。

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紫陽花は、手毬咲きや額紫陽花など 八重咲きも華やかですし、種類も多様ですね。名前を教えていただいたのに、ついごっちゃになってしまいまして。

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朝の新しい空気と、瑞々しい紫陽花の花と葉に とても清々しい気持ちになります。

 

f:id:snow36:20210615165554j:image藤棚には、テイカカズラがどこか扇風機の羽根を思わせる陽気な愛らしい花をつけていました。

 

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桑の実が鈴なりです。例年になく多く生ったそうです。

 

途中から 花を観に来られた方がありましたので、そこからは 私ひとりでほかのお花も撮らせていただきました。

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こちらのクレマチスは 高いところに咲いていて、花が見えません。腕を思いっきり伸ばして撮りました。後でカメラのモニターをひっくり返せば、確認しながら撮れたことに気づきました… 使い出して何年か経っていますのに こんな程度です。

こちらは、ヒメヒオウギアヤメでしょうか。

f:id:snow36:20210615172159j:image紅をちょこんと差したようなお花が可憐でした。

f:id:snow36:20210615184813j:image連れ合いの友人は、お花でいっぱいの丹精されたお庭をいつも自由に見せてくださいます。

感謝しながら、ご挨拶をして帰ろうとしましたら、園芸種のドクダミの苗をいただきました。色づいた葉もきれいだけど増え過ぎるのも困るだろうから、小さな鉢に植えるといいよとのことでした。

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帰りの道沿いの畑の畔に、ニワゼキショウユウゲショウが花を咲かせていました。コバンソウの実が さらさらと揺れています。f:id:snow36:20210615162758j:image

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野菜を植える時に畔の野草は刈られますので、この眺めは限られた期間の小さな楽しみ。翌日 そこを通った時には、すっかり刈られていました。

季節が巡ると 素朴な花々はまた同じところに咲きますね。

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2ヵ月ほど前、六甲山の自動車道路に脚をテープで括られて捨てられていた生後4、5ヵ月くらいのトイプードルのことを新聞で読みました。

何かわからないほど、どろどろに汚れて弱っていたそうです。

この経緯を知ったたくさんの方々が、その子犬を引き取りたいと申し出ておられたそうでしたが、その後はどうなったのかと ずっと気になっていました。

最近、自動車道路で見つけて保護された方が飼われることになったと知りました。

「わたし、おこげ。元気に暮らしているよ」 山中で脚縛られていた子犬の新たな生活|総合|神戸新聞NEXT

以前 神戸新聞の正平調に、「少年と犬」という作品で昨年 直木賞を受賞された馳星周さんが受賞作について話された言葉が書かれてあり心に残りました。

「犬に限らず動物は、神さまが人間に遣わせてくれた生き物だと思います。動物がいなかったら、人間はもっと傲慢になる。そこを書きたかった。」

一緒に暮らして守り育む存在。私が知らないだけで、辛い目に遭わされる生き物はたくさんいるのでしょう。

 

たとえそうであったとしても、人に奥深く在るのは 日々共に過ごす存在をかけがえなく思い慈しむ心と信じたい。

小さなトイプードルの おこげちゃん、本当によかったですね。

 

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屋久島ノイバラ。盆栽仕立ての小さな木です。新しい葉が出てきたところで、ふたつ咲きました。

 

 

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「数々のものに離れて額の花 兜子の句」(210×300m/m) 歳華集・八岐・備前の旅 赤尾兜子 句 額の花は紫陽花(ガクアジサイ) の意。


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「大雷雨 鬱王と会ふ あさの夢 兜子の句」(210×300m/m) 歳華集・鬱王・われ病む 赤尾兜子 句     村上翔雲 書

 

赤尾兜子 (あかおとうし) 俳人

1925年(大正14年) 2月28日 現 姫路市網干区生まれ。

1941年(昭和16年) 大阪外国語学校中国語科入学。同級 蒙古語科に司馬遼太郎、一年上級の印度語科に陳舜臣。句作を始める。

第二次世界大戦を経て、復員後 京都大学へ。卒業後 毎日新聞社に入社。 編集者として定年まで勤めながら作句。俳句誌「渦」主宰。(「渦」は、父のところへも送っていただいておりましたので、私も時々拝読させていただきました)

作品は、前衛俳句の先駆から、次第に古典的な作風への変遷に。 切り取られた風景、読み手の心の底を揺蕩う言葉に素朴な美しさを感じます。(すみません。生意気な書き方をしてしまいまして。素人の感想です。)

1981年(昭和56年) 3月 神戸市にて急逝。

父の本棚にある「赤尾兜子全句集」(編集委員司馬遼太郎和田悟朗高柳重信 立風書房 1982年3月刊)を読み、人里離れた野に咲く花を見るように詩情豊かな俳人がどんなにたくさんの芸術家から愛され、惜別の言葉を送られていたのかを知りました。

 

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 いつもご覧いただきましてありがとうございます。

                野の書ギャラリー

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火曜日の空には

こんにちは。

梅雨の晴れ間に、用事があり出掛けました。

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f:id:snow36:20210601205308j:image火曜日の高く昏い青空に 白い羽毛が撒かれたようです。飛行機雲も波立つ空の上では、風が強く吹いているのですね。

縹色の空の下は 運転していても楽しく思います。

 

用事を済ませた後 時間が少しできました。日差しが暑く感じましたが、そこから10分程度の県立森林公園へ回ってみます。

 

冬には、鬱蒼として重い印象だった広葉樹のスダジイ(どんぐりの生る木ですね) が この季節には風に葉を揺らしています。

f:id:snow36:20210605184543j:imageスダジイの細長いブラシのような雄花と、左下の葉影で ぽつぽつのついた黄緑の枝のようにぼやけて写っているのは雌花でしょうか。

ホトトギスの鳴き声が 時折空から降ってきます。

静かな緑に包まれた公園のこちらのゾーンは、一周25分とのことです。たぶん、空気の清々しさを楽しみながら歩くことに集中すればそのぐらいと言うことですね。

何度歩いても公園の中は見るものが多くて、歩くことに熱心になれず、この日も時間を忘れて過ごしてしまい はたと気づいて大慌てになりました…

今は公園内での飲食はご遠慮くださいとの札が目立ちます。

大きな樟は、かわいらしい花を咲かせています。

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f:id:snow36:20210605182657j:image幹にそっと触れてみます。ごわごわしている樹肌は、ひんやり優しく感じます。f:id:snow36:20210605183343j:image

 

f:id:snow36:20210605181704j:image梅の実。

 

 

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f:id:snow36:20210605185727j:image桜の実がたくさん見受けられます。

f:id:snow36:20210605183128j:image杏の実。どの果実も手の届かないところに生っているようです。

 

池に睡蓮が咲いています。

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池には、青いシオカラトンボや、体中が真っ赤なトンボがついと飛んでいきます。

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f:id:snow36:20210605181220j:image飛んでいるところを写すことはできませんでした。

池の中には、ミズスマシやオタマジャクシのような小さな小さな 

f:id:snow36:20210605181410j:image1cmもない幼生が水に揺れていました。まだら模様はウシガエルでしょうか。

f:id:snow36:20210605181434j:imageメダカも寄り合って泳いでいます。こちらも最近生まれたのかオタマジャクシと変わらない大きさです。

 

f:id:snow36:20210605182146j:image偶然、シジュウカラが入ってくれました。ちょっとわかりにくくなりまして。

 

少し歩いていましたら、池のそばの植え込みの上に何やら長いものが。

お嫌いな方もいらっしゃると思いますので 写真を載せるのは遠慮しますね。でも、マムシのように攻撃的な様子ではなく、この時のシマヘビは きょとんとしたかわいい顔をしていました。蛙を狙っていたのかもしれませんが、まるで 日向ぼっこをしているようでした。f:id:snow36:20210605185444j:image

 

空を眺めていると、清掃の方が回って来られて「あら…」とつぶやいて 飲食禁止の立て札の下に捨てられていたピザの白い箱を袋に片付けられました。

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f:id:snow36:20210605181549j:image連休前に 美しい花を見せてくれたこぶしは、緑の実を結んでいました。秋には赤い実になるのですね。

 

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☂️

娘から、3歳児クラスの製作の写真が送られて来ました。

f:id:snow36:20210601115949j:image数日後に、子どもたちが絵の具で色を染めた傘が加えられました。

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柄が2本の楽しい傘もあります。雨粒の折り紙の製作は、さらに何かを作って仕上げていくそうです。

「せんせー、せなかとんとんしてー」保育所での午睡の寝かしつけで 子どもたちの背中をあちらでとんとん、こちらでとんとん。

この時 小さな声で子守唄として歌うのは、エリック・カールさんの絵本 「はらぺこあおむし」に曲を付けた歌。 娘は普段からよく口ずさんでいます。

げつようび げつようび りんごをひとつたべました ♫

同じくエリック・カールさんのわらべうた「げつようびは なにたべる?」に付けられた曲も幼い子どもたちに人気なのだそうです。

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エリック・カールさんは、子ども時代にドイツで戦争に遭い、たいへんな苦労をなさったと聞きました。

色の美しい楽しいコラージュの絵本も優しい歌も ずっとみんなのお気に入りですね。 エリック・カールさんのご冥福をお祈りいたします。

 

f:id:snow36:20210601115441j:image庭の木槿テントウムシの蛹が。

次回は、そろそろ咲き出したよと電話をいただいたお宅の紫陽花の写真をと思います。

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明日、明後日と、用事で帰りが遅くなりますので、失礼をしてしまうかもしれません。

いつもご覧くださいましてありがとうございます。

 

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立葵 しばらく沖に煙湧く 兜子の句」(210×300m/m)  玄玄 海鳴り 赤尾兜子


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「梅雨穴(ついりあな) 鼬(いたち)そはそは逃げまどふ 兜子の句」(210×300m/m)  玄玄 獅子舞 赤尾兜子 句   村上翔雲 書

 

 

月明かりが影をつくる時間には

こんにちは。

まず先に お詫びをいたします。すみません。また、うっかり下書きを投稿してしまいました。すぐに取り消しましたが、前回の記事が新しいもののように出てしまったようで
ご訪問くださった皆さま、改めてスターまでくださった方もいらっしゃって とても恐縮しています。

申し訳ありませんでした。本当にありがとうございました。

 

 

☂️

梅雨入り前の頃。雨を含んだ夜にベランダに立つと、しじまに濃密な香りが漂ってきました。虫の声も聞こえない静かな夜です。今年は花の季節が早倒しのようですが、クチナシにはまだ早い頃かと思いました。

ベランダから眺める薬師さんの丘の斜面に、以前 義父が植えた蜜柑の木が 白く花盛りになっているのが見えました。

ここに住むようになり、花を間近に見て初めて 蜜柑の花の香りが甘く芳しいことを知りました。

昼間に近づいて蜜柑の花を写真に撮ってみたく思いましたが、雨なのと、昔 手積みされた石垣の隙間に棲むマムシがこわいのとで近づけませんでした。

 

10日ほど前には、柚子の木の蕾が膨らんできていました。ほんのり黄を添えた優しい白い色。

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朝、柚子の木に花が咲いていることに気づきました。

f:id:snow36:20210527163520j:image去年、木にいたカミキリムシを見失ってしまったためか、それとも世話が足りなかったためなのか、枯れかけた枝が目立ちます。
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柚子の花もまた、湿度の高い夜に ゆるりと漂うジャスミンの香りを思い起こします。蜜柑の香りより 少し澄んでいるように感じました。

 

蜜柑も柚子も 実の爽やかな香りとは異なり、花は濃厚な香りを放っています。アシナガバチや小さな虫が 盛んに飛び回っていました。

今は 花びらが一枚ずつ散り落ちて、雨の止み間に見てみると、花の跡には小さな緑の丸い実が見られます。

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🌿

以前書きました 仕事に使う集塵機が 相変わらず作動が悪く、メーカーの方に何度も来ていただいて見てもらいながら仕事をしています。連れ合いの作業服は錆色になってきました。叩くと細かな鉄粉が落ちてきます。

日が経つにつれて粉塵はましになってきましたが、不具合が治まった訳ではないため 防塵マスクで対応し続けています。でも、仕事を続けられるのは本当にありがたいことですよね😉(作業場の仕事をしないで心配するだけの私が申すのもどうかと思いますが…)

f:id:snow36:20210527164550j:image庭藤は、今年はいつもより花が少ないかもしれません。

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🍵

気持ちだけが忙しない毎日に、木皿泉さんのエッセイを読みたくなって「ぱくりぱくられし」を借りました。

緊急事態宣言の時なので 図書館の本をいつもより1週間長く借りられました。読むのが遅い私にはありがたく思います。

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どちらかと言うと、やや不穏にさえ感じるタイトルと、マス目にペン。犬と猫でしょうか。絵本のような表紙に惹かれます。

木皿泉さんご夫婦ユニットの会話形式のやり取りで、弥生犬さん(ご主人のことですね)と 縄文猫さん(こちらは奥さん)の続くお話が楽しくて、

「木皿食堂」ではそこまで見られないご夫婦の普段のやり取りが生き生きと伝わって参りました。

タイトルの「ぱくりぱくられし」の由来となった作品をパクられ法廷で争われたご経験や、更にご自身も「ヘンタイよいこ新聞」からパクっているとのお話。(どんなことか私は詳しく知らないのですが、影響されたと言うことかもしれません)

作品「すいか」の中で、自信のない主人公に麻丘ルリ子さん演じる大学教授が言うセリフ「居てよしッ!」は、ドラマを観られた皆さんお好きだとのお話。木皿泉さんのあたたかな世界に浸ります。

例えば、奥さまの縄文猫さんが、「弥生犬さんは、自分には行くところがないとぼやくけど、他の人も同じだと思いますよ。イヤなことがあってもふつう逃げ場所なんてないですから。」と言えば、

ご主人の弥生犬さんが、「たしかに。寝室のエアコンの温度をめぐって不満が爆発寸前の夫婦だっているでしょうからねぇ。」と答えるところ。(人魚姫)

話しているうちに次第に話題が転じていく家族の会話を見るようで 親しみを感じます。

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味わい深くほのぼのとした空気や、「ちょちょまう」「たゆたゆしている」といった独特の表現が緩く流れる会話の中に、きりっと真実を突いた作家ならではの言葉が差し込まれる文章は、読むほどに心の中に静かにしみ込んで 豊かな印象を残していきます。 

いろんな分野の本からの引用もとても興味深く、「嘘のない青い空」の短いエッセイの数々は、ご自身が暗い気持ちになっていた時期のものと 書いておられましたが、内省から紡ぎ出される言葉が優しく力強くて、淹れたてのお茶の香りを楽しむひとときのような疲れが取れる感じがいたします。

だらだらとした感想文になってしまいました。

「ぱくりぱくられし」は、表題と同じ題の「ぱくりぱくられし」ご夫婦の会話形式、「嘘のない青い空」、ラジオドラマ「け・へら・へら」が収められています。

ゆっくり言葉を辿る間に、気持ちが柔らかくなってきたようです。心の持ち方だけでも優しくいたいです。

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🐞

娘が 3歳児クラスの子どもさんたちと園庭にいると、「これなに?」

見ると、黒くていかつい鎧を着た虫がいたそうです。蜘蛛のように見えますが脚は6本。やまぶき色の点々が左右にあります。

「これは てんととうむしの子ども」そばにいた子が答えます。親より大きいようです。

てんとう虫の幼虫を「てんととうむし」と呼ぶ言葉もかわいらしく(ちょっと言いにくいですね) 、娘は直さないで聞いています。

 

f:id:snow36:20210527164459j:image去年は、花が咲かなかった白鷺草。今年はどうでしょうか。


昨日 歩いていましたら、麦畑の後に始まる田植えのために、用水路を水が勢いよく奔っていました。

今夜は、水の張られた田んぼから蛙の鳴き声が賑やかに聞こえています。

雨が止んで、月明かりが くっきりとした影をつくる夜には、離れて暮らす家族のことを想います。 どうぞ元気で。 明日も止み間がありますように。

いつもご覧くださいましてありがとうございます。

 

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「どこかに月がある 山の線はっきり 山頭火 句」(240×320m/m) 種田山頭火

 

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「行く道のかすかなる鶯の音 順三郎の詩」(75×115m/m) 旅人かえらず 15      西脇順三郎 詩 村上翔雲 書

 

野の花はお好きですか

こんにちは。

お元気でいらっしゃいますか。

村の用事が続きまして、ご無沙汰しております。小さな雑用係なようなものですが、2年間の役が回ってきました。

 

ご近所のお庭の鉄線が 雨に濡れていました。

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春と秋には真白な花が いつも2輪咲いていました。今年は少し小さめの蕾がまだ4つほどあります。

 

我が家の五葉松にも 小さな赤いものが。

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どうやら雄花のようです。初めて見ました。

すみません。ブログを書きかけのままにしているうちに、雌花も出てきていました… 雄花より上につくのですね。

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木が弱るとのことで、取り除くそうです。

 

チングルマは綿毛に。

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🐸

連れ合いが 玄関先にいたと、雨がえるより大きな蛙を連れて戻りました。 何故か 梅干しの空瓶に入れています。

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仕事場の窓によく張りついているらしいのですが、モリアオガエルを見るのは久しぶりでした。深緑のざらりとした体と、暗い金色の目が大きな蛙です。

モリアオガエルは 木の枝などにおとなしくうずくまっていて 虫が近くまで来たら食べるようなおっとりとした性質なのだそうです。

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出して〜と言っているようにも見えます。ごはんの時間でしょうに、梅干し瓶に閉じ込められた蛙が かわいそうです。

 

 

 

ゴールデンウィーク前のことになりますが、昨年藤の花を見せていただいた連れ合いの友人のYさんから、花が終わってしまうから早く見に来るようにと電話をいただきました。

 

暖かい夕暮れ、藤の花はきれいに咲いていました。

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ただ、花の終わり頃なのと、辺りがそろそろ山影に入る頃で、せっかくのお花は写真映りが悪くなりました。

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藤棚にアケビの花も咲いています。

 

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木まで ちょっと遠かったので、撮った写真を引き伸ばすとぼやけていました。榧蘭(カヤ ラン) とのことでした。

山のそばのお宅ですが、着生していて驚いたとのことでした。榧蘭以外にも、何か着生しているように見えます。

 

 


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アカバセッコク。石斛もまた着生植物で 硬い幹に根を下ろすのですね。


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終わりかけながらイワヤツデの花。 白を溶かし込んだ柳色のような葉も愛らしく思います。

f:id:snow36:20210430143651j:imageイワヤツデは 石の上にも着くらしく、石に囲まれて伸び伸びと育つ姿に 自然の中ではこんな風に と楽しく想像しました。

昭和記念公園を歩いて【続編】春の花~写真散歩~4月中旬頃 - hanakasumi’s diary

このお話を書いている時に、kasumiさんのブログで とてもきれいなイワヤツデのお写真(他のお写真も素敵です) を見せていただきました。

毎回 kasumiさんのお話と 透き通るような写真の世界に魅了されます。

kasumiさん いつもありがとうございます。

 

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Yさんは、私が山野草が好きだろうからと、お庭のあちらこちらを見せてくださいました。

山野草も他の園芸種も 知らないことばかりで、いただいたものや、買ってみたものが少しあるだけなのです。

今年の我が家は 義父のこともあり、春の花を買わないままでしたので、冬の間は 盆栽と休眠中でまだ芽の出てきていない名札が立っている鉢ばかりの寂れた庭でした。 

 

***

伺った時にイワヤツデをあまりに嬉しそうに見てしまっていたようで、後日 平たい焼き物の上に盆栽仕立てにした ギボウシイワヤツデ(お花はうまく育てばまた来年見ることができますね)、イワヒバの寄せ植えを作って持って来てくださいました。

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芽生えたばかりの葉。大事にしますね。

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Yさんは「昼から山へ イカリソウを採りに行く」と言われていました。この辺りは、山を持っている人が多いのです。 興味深く思いましたが、山や藪の中へは慣れていないと足手まといにもなりますし危ないですね。 後で私にもイカリソウのお裾分けをいただきました。

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見る間に葉が萎れていくので、空いていた鉢に植え込んで水を遣りました。

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初めて見るイカリソウは、風に吹かれてゆらゆらと動くモビールのようで やっと立っているようにも見えます。 これはまだ小さくて咲いていませんが、船の錨に似た花が咲くからイカリソウなのですね。 

 

柔らかいタラの芽(若葉でしょうか) も一緒にいただきました😊

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f:id:snow36:20210501145909j:image土の恵みは、天ぷらにして 琴引き浜の塩を。ほろ苦い味とサクサクとした食感も楽しいです。

Yさんに感謝していただきました。

 

先のモリアオガエルは、しばらく見させてもらった後、玄関先にいたとは言え 我が家のそばの薬師堂にはマムシが居ることもありまして、

Yさんの庭にもモリアオガエルが棲んでいるとお聞きしたので そちらで逃がしてもらいました。

 

***

保育士3年目の娘は、4月から 3歳児担当になりました。

これまで担当させていただいた今は2歳児クラスになった子どもさんたちが、娘を見つけると「◯◯しぇんしぇー、いたー」と笑顔で走り寄って来るそうです。

「元気やったー?」と抱き上げると、声を上げて笑ったり、何やら一生懸命 話かけてくれる子も。ちょっと会わない間に すっかり重くなっていたと言っていました。

3歳からは幼児クラスなので サポートの先生がついてくださいますが、一人担任になりました。今のクラスは、元気いっぱいで返ってくる言葉にやり込められることが多いそうです。 

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f:id:snow36:20210501145259j:image野の花ではありませんが、細くて長い茎のフロックスブルーパヒューム。最近の雨風にも元気にしています。 

 

娘の勤める保育所も 長い現場や書類の山など きりのつかない残業と持ち帰りの仕事が続き、寝落ちすることもしばしばのようです。

このままで保育士を続けられるのかなと思ってしまう一方で、

勤めている市の普段から夜遅くまで電気がついている市役所や、

救急車に乗った 重い症状の患者の受け入れ先がなく、命の選別をしなければならないような病院や消防署、保健所など ほかにもさまざまな職種の方々の過酷な業務が続く現状を見聞きしていると、

こんなのおかしいよ。大変な時なのはわかるけど なんか変!なんでこんな極端な無理をせなあかんの? 本当はもっと違った考え方があって、もっといい解決法があるんと違うの? 

私は大好きな小さな子どもたちと会いたいだけ。

そのためならまたがんばってみようとも思うと言っております。

にこにこしながらも目配りは忘れずに。 

娘も親の私も自分たちに甘いなと思います。がんばっておられる皆さんに 元気でと願うばかりです。

 

薬師堂の斜面で オドリコソウが咲いていました。

日が当たりにくい場所に長く咲いていて、間もなく村の草刈りの日に 一斉に刈られます。

真上から見ると、葉が傘のようになり花が隠れがちになります。 いつも変わらない清楚な花です。 

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晴れ間の出た朝、みかんの木陰から溢れる日差しの中で群生していました。
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風に揺れる野の花からは いつも優しい気持ちを受け取ります。 

 

今日も長くなりまして。ご覧くださいましてありがとうございます。

雨の後は、暑くなりましたね。黄砂で山がぼんやりと見えています。

お身体大切になさってくださいね。

 

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「岩かげまさしく水が湧いてゐる 山頭火 句」(320×245m/m)  種田山頭火


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「水のうまさを蛙鳴く 山頭火 句」(320×245m/m) 草木塔 種田山頭火 句  村上翔雲 書 再掲

 

懐かしく思うもの カロライナジャスミン。古いミシン。

こんにちは。

お元気でいらっしゃいますか。

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***

先月、連れ合いの伯母の持ち物だったミシンをもらいました。

一昨年亡くなった伯母の家には、古い箪笥などが まだいくつか残ったままになっています。

このミシンは ずっと気になっていながら 使いこなせない私には勿体ないかもしれないと思い、ほしいと言い出せませんでした。

連れ合いが、要らんか?と聞いてくれました。

「要らんかったら、捨てるんやさかいな(要らないのなら、捨てることになるからね)。」と、ぎょっとするようなことをあっさりと申します。 それなら、喜んで。

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ミシン本体も鉄脚の付いたテーブルも重くて、連れ合いと ちょうど帰省していた息子が、私の作業場になったばかりの物置き部屋 (全く愛想のない部屋ですが、東の窓が大きくて 父の作品を自然光で撮ることができます✨) へ運び入れてくれました。

脚元を見ると、間に合わせにちぎったダンボールを敷いてくれています。

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「カフェとかに飾ってあるよね。」息子が申します。 あまり聞かない言葉に、どんな人とお出かけしたのか ちょっぴり聞いてみたくなりますが、言いたくなるまで置いておきましょう😉

 

埃を落として、手の届く限り隅々までよく拭いて。仄かにミシン油の匂いがします。

無骨な鉄の作りと優雅な曲線の組み合わせが不思議に美しい。

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花の模様の飾り板。西洋菊のようにも見えますが、花の様子からはもう少し特徴的なものも感じます。

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もろもろと粉のように屑が出る革ベルトは 替えた方がいいかもしれません。

先ほどから、糸を掛けていたり、掛けていなかったりの写真を出してしまいました。下が糸を掛けた様子です。

こんな感じでしょうか。少し迷いました。

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26歳の息子の記憶では、小学校の電動足踏みミシンの足踏みペダルは 片足が乗せられる大きさの小さな白いものだったそうです。

息子の小学校時代より さらに遠く遡って、私の母の最初のミシンにも鉄の足踏み板が付いていたような…  私も使わせてもらった記憶があります。

母が私たち姉妹の服を作ってくれたことも懐かしいです。

f:id:snow36:20210402182455j:imageレディ・ジェーン。チューリップってかわいいですね。

戻らない時間の思い出に浸りながら、はずみ車を回して足踏み板をそっと及び腰で、いえ、右足を前に置いてぐっと踏み込んでみます。

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気づくと小一時間動かしていました。加減が掴めたのか、いえいえ 不器用な私などではまだまだ…。

かしゃかしゃと軽快な音が聞こえてきます。ちゃんと動いています。 

下糸もきれいに拾ってくれます。 

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後で 布バッグを作った時に 二人がかりで 折れて飛んでいった針先を探し回ったことは、内緒にしておきたいです💦

 

小さい頃ブランコを漕いで遊んだ感覚を思い出しました。╰(*´︶`*)╯

このミシンは鉄で出来ているから、用がなくなると、大きな重たい粗大ゴミになってしまうのかもしれませんが (インターネットで売るという発想は そもそもなく、危うく本当のゴミになりかけていました) 、大事に使えば多分まだ壊れないです。

伯母が 大切に使っていたミシンを使わせてもらうことが とてもありがたく思います。

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窓の外では鶯が鳴いています。楽しい時間を過ごしました。

 

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斎藤謠子さんの「 ふだんづかいの布バッグ」NHK出版 の中のデザインから、手持ちの布で小ぶりな夏のバッグを作ってみました。写真を出すのも冷や汗が出そうですが載せてみます。

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横に付いた丸い持ち手と、お手本の木のビーズの留め具が印象的で シックなリバーシブルのデザインが素敵でした。

間に合わせで 家にあったボタンを編みくるんで付けてみました。

 

***

お世話になったご近所のお宅の カロライナジャスミンが咲いています。 

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マスクをかけていても 微かに甘い香りが漂ってきます。

お隣りに住んでおられる親戚の方にお願いして、時々 お花の写真を撮らせていただいています。草引きをしますと言いながら、しばらく行っていなかったこともあり何もしていませんでした。

ほんの少しですが溝や椿の花殻を片付けさせていただきました。 こちらのお庭の剪定は、業者の方が年に1、2回されているので 葉が混み合っていますが まだきれいに咲き続けています。

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ずぼらな私、これからは少しずつお掃除をさせていただくことと ここに書いておきたかったのです。

 

f:id:snow36:20210408163924j:imageささやかな我が家の花壇に、種が飛んできたのか小さなヒメウズが。無碍にはできない可憐な花でした。

いつもご覧くださいましてありがとうございます。

 

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「今日の道のたんぽぽさいた 山頭火 句」(160×123m/m) 草木塔     種田山頭火


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「けふもいちにち風をあるいてきた 山頭火 句」(160×123m/m) 草木塔     種田山頭火 句  村上翔雲 書

父は 紙や筆、サイズを変えて繰り返し書いておりますので、今までお出ししてきました山頭火の同じ句を また違った表現でご覧くださいますように。

ミシンの作業台で撮ってみました。