野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

久しぶりの神戸と、ぽんす会はヒラメ狙いの岡山。

こんにちは。

ご無沙汰しております。

寒いですね。お元気でいらっしゃいますか。

自分の都合で休んでいましたのに、優しいコメントやブックマーク、スターをいただきまして本当にありがとうございました。 読み返しては、元気をいただいていました。

おかげさまで 義母は体調も戻り、普段通りに過ごすことができるようになりました。

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遅くなりましたが、

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

f:id:snow36:20211221111213j:image元町の大丸のトアロード玄関東の通りです。明かりが温かく点ります。

一帯が旧居留地と呼ばれ親しまれているところです。

古いことですみませんが、11月の末と12月の初めに、二度続けて神戸へ出かけました。

二年ぶりの神戸。あちらこちらを散策してみたい気持ちになります。

コロナの流行が落ち着いていた時でしたが、家には義母も待ってくれていることですので、二度とも 二つ程度の目的地に行って寄り道をしないで帰りました。

 

f:id:snow36:20211221111454j:image神戸の地下道の壁面には、こんな絵が。クジャクの尾羽は 小さな子どもたちの手のひらスタンプでした。しばらく歩くとピアノがひっそりと置かれています。

 

阪神・淡路大震災の発生から27年経ち、兵庫県内の公や民間から出された復旧・復興関連事業費は16兆3千億円だったと、神戸新聞の記事で読みました。

兵庫県の2020年度の決算では、県債と12の被災市が発行した地方債の返済は 被災地の財政復興などに時間がかかって、なお4,403億円が残っているとのことでした。

返済を終えた市はまだひとつしかなく、例えば発行した地方債が1兆3,353億円の神戸市は、返済を終えるまで あと20年近くかかるのだそうです。

つい日々の慌ただしさに紛れてしまいますが、災害が起こると経済的な負担も何十年と重く続くものなのだと改めて思いました。

 

 

 

**

年末のことです。連れ合いが「ぽんす会」で出かけました。

この度は、ヒラメ狙いで岡山の海へ。

暮れの真夜中に、3人のぽんすおじさんがミニバンに乗って岡山へ向かいます。

まず餌のイワシを買うために、岡山から香川県高松市側へ予約していた乗り合い船で渡ります。

車より早いかもしれませんが、餌にしたいイワシがいつもの釣具店になかった時点で わざわざ海を渡った目的を失い、代わりにアジを買って仕切り直して出港です。

f:id:snow36:20220104114621j:image4枚の海の写真は、毎年 黒枝豆を持って来てくれるおじさん(ぽんす会のお仲間です)から もらいました。
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f:id:snow36:20220104114629j:image瀬戸内海の波は穏やかですね。とても寒かったそうです。
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「釣れるかわからん」とおしゃべりしながら、気がつくと釣り糸がずっと海の底についていたようです。引き上げようとすると上がってきません。

根がかりしたと思って竿を動かしてみたら、なんだか動く。動いて ものすごく引く。え?

「なんや、なんや」と、リールを巻き上げてみると、60cm近くのヒラメが釣れたそうです。f:id:snow36:20220104113333j:image3人のおじさんは、その後それぞれ納得のいく釣果を得て帰って参りました。

f:id:snow36:20220104114139j:image引き伸ばしのお見苦しい写真ですが、五枚下ろしにした骨の部分の一枚です。ぽんすおじさんの肩から腰まで位の大きさです。 帰って来て、自分の専用の流し台で捌いてくれました。

f:id:snow36:20220117191612j:imageこちらは五枚下ろしの一枚の半分を お造りにしたものです。手前にはエンガワが。お酒は いただきものの越乃景虎。我が家には ちょっと贅沢なのではと思うものが並びます。

形の似たカレイは、柔らかくて美味しい魚ですが、ヒラメは、跳ね上がって魚を獲る肉食だそうだからか顔も恐ろしげです。 でも、根魚の顔は どこか剽軽さもありますね。

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釣れたヒラメは 大きな型ながら、お味は身が締まって旨みが豊かです。臭みのないきれいな身でした。

五枚下ろしの一枚だけでも、帰省した子どもを合わせて家族5人に充分なくらいのお刺身になりました。

捌いている時に、偶然 鯛を釣ったと持って来てくださったご近所さんにも ヒラメの切り身を一枚もらってもらいました。

いただいた鯛はウロコと内臓を取り、お刺身にする時間がなくて オーブンで塩釜焼きに。

小さいヒラメは、三つに胴切りして(こちらも ぽんすおじさんが切ってくれました😉) 塩焼きや煮付けにしました。後で気づくと写真さえ撮っていないのですが、楽しいひとときになりました。

 

 

***

お話戻りまして、

11月に神戸へ出かけた時に、三宮センター街を通って、大丸神戸店前のスクランブル交差点から更に西へと続く元町商店街へも行きました。

アーケードが続くきれいな通りです。

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長いアーケードの中に「リアン/レジョワイユ」さんというお店があり、はてなさんでお世話になっていますmecchiさん「ふわり工房」さんのお名前で作品を委託されていらっしゃることを知りまして、一度伺わせていただこうと思っていました。

https://www.mecchi-blog.com/entry/2022/01/19/121000

www.mecchi-blog.com

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白が基調の感じの良いお店で、お店の方にふわり工房さん(mecchiさん)とブログでお付き合いいただいていることなどをお話しして、許可をいただいて写真も撮らせていただきました。

f:id:snow36:20220122155837j:imageほかの作家さんの作品もたくさん並んでいます。

「ふわり工房」さん はこちらですと教えてもらいました

f:id:snow36:20220104124154j:imageこちらのお店では、mecchiさんは石塑粘土とオーブン陶土のアクセサリーを置いていらっしゃいました。

人気のアクセサリーは 新作も増えて、今は 新しい品揃えにされていらっしゃるようです。

 

実際に拝見すると、本当に可愛らしかったので迷いながら。少しだけですが 我が家に来てもらいました。

キツネの男の子と、お花のブローチ。f:id:snow36:20220117190046j:image

手のひらにちょこんと 軽いです。

細かいところまで ひとつひとつ気を配って作っておられることが伝わってきます。優しい心が作品に表れていて、とても和みます。

家族が寝静まった夜  ぽつねんと仕事をしている時には、時々小さなふわこちゃんに話しかけています…

f:id:snow36:20220117190106j:imageふわこちゃん 

手作りには、温もりを感じますね。愛着が湧きます。大切に使わせていただきますね。

mecchiさん 11月のことが今頃になってしまってごめんなさいね。 いつもありがとうございます✨

 

 

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漸くブログを再開しましたが、事情がありまして 次までまた更新に間が開きそうです。

そして、例によって 確定申告をぼちぼち進める時期にもなって来ました。

小さな事業所ですのに、毎回私の要領が悪いのでお恥ずかしいことです。

毎月の仕訳日記帳の適用欄には、叱られないのをいいことに、どうでもよい一言まで時々入力しています。「この件は◯月◯日に処理してます」「ホームセンターのドアストッパー、(加工用の機械の)ゴム車の固定に便利」等など。 あれはいつのことだったかと見返すことがよくあります。

我が家の仕事の一部だから 楽しく🌿

苦手意識でやっていては いけないかなと思いまして 

f:id:snow36:20220109111509j:image雪雲が消えた空。十日ほど前の写真です。

花を絞って染め上げたような青でした。

岡部伊都子さんの随筆「花のすがた」で知った花色木綿の色は、きりと澄んで。

先週まで重い雲に覆われて 辺りが真っ白の朝が続きました。道路の雪はすぐに融けて 北側に根雪が残っています。

雪の多いところのご苦労を思います。

どうぞお元気でお過ごしくださいね。時々になってしまいますが、また伺わせてください。

いつもご覧くださいましてありがとうございます💐

 

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「まづ祝へ梅を心の冬籠り 芭蕉句」(320×245m/m) 野ざらし紀行  松尾芭蕉

 

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「明ぼのや しら魚しろきこと一寸 芭蕉の句」(335×240m/m) 野ざらし紀行 松尾芭蕉

 

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「ゆふ空から柚子の一つをもらふ 山頭火 句」(240×320m/m) 草木塔 種田山頭火


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「また見ることのない山が遠ざかる 山頭火 句」(240×320m/m) 草木塔 種田山頭火 句 村上翔雲 書

 

 

鯉を育てる山

こんにちは。

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次第に季節は移り、冬の気配に羽織る上着も温かなものになってきました。 お元気でいらっしゃいますか。

この季節から冬の間にかけて、お天気になる日の朝は 川面に湯気のような霧が漂っています。

日によっては10時頃まで山間の集落は 深い乳白色の靄に包まれますので、自転車の通学や、出勤の車の運転もたいへんだろうなと思います。

 

今回は ブログにはあまり書いたことのない鯉のお話です。 よろしくおつきあいください。

 

連れ合いは 魚釣りの好きな「ぽんすおじさん」ですが、時々 趣味で20cmくらいの小さな鯉を買っています。見て楽しむための鯉です。

始まりは、中学生だった息子が 近くの小川で釣った真鯉を育ててみたことからでした。

f:id:snow36:20211115235050j:imageこちらは、新潟県にある養鯉場さんの野池です。(眺めの美しいところですのに、ひたすら養鯉場巡りの旅行と聞きまして、私はまだ行ったことはありません)

f:id:snow36:20211117230638j:image写真で見るばかりの遠い外国の遺跡を思い起こします。

野池は、使われなくなった田んぼや畑に水を張って造られた池とのことです。

夏の間 錦鯉は 餌や微生物が豊かにある野池に放されて大きくなります。

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我が家では 写真のような大きな池はできませんが、適当な池のようなものを庭に作って飼ってみたり、連れ合いの好みの型であれば養鯉場さんの野池で鯉を育ててもらうこともあります(本当に良い鯉でしたら預かり料も高いかと思います)。

野池から温室栽培に使うような形をしたハウスの中の長方形の池へ鯉を移す「鯉の水揚げ」は、秋に行われます。

「水揚げ」された鯉を連れ合いが見に行ったのは今月の初めのことでした。

f:id:snow36:20211115235155j:imageこちらは、ハウスの池に水揚げされた鯉なのだそうです。美しく育った錦鯉が泳ぎます。

写真の「紅白」という種類は、白地に濃い朱赤の模様がくっきりと絶妙な配置で顕われると珍重されるとのことです。

美々しい鯉が作出されるまでは かなりの時間と手間や努力が費やされると聞きます。

ウイルスに感染した個体が池に入ってしまうと、逃げようのない水の中で全滅になることもあります。

たくさん生まれた中から たった数匹を選んで買わせていただくことになる私たちも、生き物を育てているということを忘れずにいなければと思います。

高く評価される鯉は、連れ合いにはとても買えませんが、

素人の私たちが飼う程度なら、気に入った魚であれば それで良いですね。

鯉は争わない魚で、みんなで寄り添うように静かに泳ぎます。寒い時などは、水底でひっそりと寄り合っています。 鯉にそれほど興味がなかったはずの私も、自宅の鯉が泳ぐ姿を眺めていると和みます。

f:id:snow36:20211116001418j:image預かっていただいていた鯉です。薬浴をさせてから、自宅の池に入れます。と、なかなかの専門家のように申しておりますが、何かとしくじって慌てます。実際にこの度も上のプラチナという白い鯉をぐったりさせてしまいました。

 

 

f:id:snow36:20211116005143j:image遠くに見える 新潟は越後三山(魚沼三山)。左から駒ヶ岳、中ノ岳、八海山とのことです。

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f:id:snow36:20211116003248j:imageお土産は、笹だんごとかぐら南蛮です。笹だんごは いくつも買って来てくれたのに、写真を撮る前にみんなでうっかり食べてしまいました。

この笹だんごは去年の写真です。もっちりとして、笹の香りがふんわり、甘さがほどよくてとても美味しいです。

f:id:snow36:20211116003622j:image平たいピーマンのような形をした かぐら南蛮。いかついようで愛嬌のある風貌です。

生で味見をすると肉厚で瑞々しいです。 口に入れた時の甘味に あまり辛くなさそうと安心します。でもすぐに、軽いジャブがぴりっと。

更に そうっとワタのところを食べてみましたら、とても辛くて唇が痺れました。辛くないのもありましたが…

ワタと種を加減して、かぐら南蛮味噌を見よう見まねで作ってみますと 家族には好評でした。ごはんが進みます😊 お酒の八海山(忘れずに買って来ています) にもよい肴と思いました。

ペペロンチーノにしていただいても美味しいかもと 珍しいかぐら南蛮に興味津々です。

お酒の八海山(忘れずに買って来ています) にもよい肴と思いました。

f:id:snow36:20211115121240j:image朝焼けの美しい季節ですね。

 

**

娘から、久しぶりに3歳児クラスの制作の写真が送られて来ました。

f:id:snow36:20211111144816j:imageどんぐりの木のようです。どんぐり拾い。子どもたちの秋の小さな楽しみですね。

保育所の子ども同士の会話もしっかりしてきて、おしゃべりも口げんかも達者なのだそうです。

ザリガニを頭の方から掴もうとして 痛いでしょうに小さな手を挟まれてもへっちゃら、やんちゃ盛りです。でも先生は絶対に目を離さない!鉄則ですね。

お昼ごはんの後に とことこやって来て

「せんせい みてみて! ◯◯ちゃん、おなか ぱんちくりんよー╰(*´︶`*)╯」と、かわいいおなかを見せる子も。 

ぱんちくりん が しばらくひよこせんせいや私たちにまでも流行ったのは言うまでもありません😉

どうぞ みんなすくすくと元気に育ってと願います。

 

f:id:snow36:20211111135130j:imageカメラの古いデータをあれこれ探していましたら、以前 妹が手作りしてくれたカードを撮った写真が出てきました。

春先の芽吹きの頃の写真が 遠い昔のように感じられます。今年は丑年だったことを忘れていました。

義母は、夏頃から軽い不調がいくつか重なり 不安がっていますので、なるべくそばにいようと思います。

その年齢になってみなければ わからないことも多いと思います。私が義母だったら、きっと怖いです。

義母の話をもっとゆっくりと聞くようにしてみますね。

仕事の方も、今年はおかげさまで新たな引き合いをいくつかいただきました。異業種からの新鮮なご依頼に慌ただしくなりながらも楽しく過ごしております。

ささやかな毎日が有難く思います。

 

早いのですが、今年のブログはこれで最後にいたします。

休み中は時々になりますけれど、皆さまのブログへ伺わせてくださいね。

今年もあとひと月。

皆さまはどんな一年でしたか。

 

いつもご覧くださいましてありがとうございます。

年明けしばらくしましたら またお目にかかります。その時には、どうぞよろしくお願いいたします。

温かくしてお過ごしくださいね。

 

来年が輝く年になりますように。

感謝を込めて🌿

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f:id:snow36:20211116153921j:image「秋風 行きたい方へいけるところまで 山頭火句」(240×320m/m) 草木塔 

f:id:snow36:20211116153926j:image「空のふかさは落葉しづんでゐる水 山頭火句」(240×320m/m) 草木塔


f:id:snow36:20211117122847j:image「わがままきままな旅の雨にはぬれてゆく 山頭火句」(210×295m/m) 草木塔


f:id:snow36:20211117122849j:image「山里はひたすら柿の赤くて 山頭火句」(240×320m/m) 草木塔 種田山頭火 句  村上翔雲 書

秋明菊。買ってみた花の木など

こんにちは。

こちらでもバイパスの街路樹の紅葉が進んで、秋らしく感じられるようになってきました。

お元気でいらっしゃいますか。

 

秋明菊は 秋の日差しの中で今年も懐かしい花を咲かせています。f:id:snow36:20211027181827j:image

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🌰🍂

知り合いの方から 大粒の丹波栗をいただき、栗ごはんや茹で栗にしました。ほっくりと甘くて お米と炊くとごはんまでもっちりとして本当に美味しいです。残りの栗は冷凍にして少しずついただきます☺️

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義妹からも 丹波栗の焼き栗をもらいました。お店で焼きたてのものを買って来てくれたそうです。f:id:snow36:20211030200637j:imageマロンショーは、こんな感じでしょうか。まだ温かい香ばしい香りと濃い栗の味を楽しませてもらいました。
自分で料理した写真は、よほど余裕がなかったものか、撮り忘れたことを食べた後に気づく始末です。

 

「今年は少なくてすまんのう😊」と、黒豆の枝を小山のような量でくださるおじさんもいて(連れ合いの幼馴染みです)、

鞘を切り取り、給食センターの鍋ほどの大きさのプラスチック桶で繰り返し豆を洗い終わるまでに午前中かかりました。

新鮮な丹波の黒豆の茹で枝豆を冷凍して いつでも楽しめるのなら、少々の筋肉痛などなんのその。

気分もすっきりしました。普段体を動かすことのなんと少ないことか。

f:id:snow36:20211030201217j:imageガス台がふさがったのを言い訳に、晩ご飯が冷凍の牛丼になってしまいましたが、こんな行事も年に数えるほどのこと。楽しい時間でした✨✨✨ たけのこを茹でるのに使うお鍋2つでも まだ足りなかったので、2回に分けて茹でました。ジップロックL4つとM2つになりました。みんなに配って喜んでもらいました。おじさん いつもありがとう💕

 

ブログを始めた頃からおつきあいいただいているブロガーさんが育てていらっしゃる沈丁花に憧れて、50cmほどの苗を取り寄せて植えてみました。

山の中の夜は早く、とっぷりと暮れた暗闇の中、ふたりがかりで穴を掘って(怪しいことこの上なしですが)  固形肥料を置いた上に土を入れ、水を入れ、目の荒い麻布で根をくるまれた木を植え付けました。

麻布と麻紐は自然に無くなるから、根を守るためにもそのまま植えるのですね。添付の説明書を読んで知りました。

f:id:snow36:20211030142640j:imageまわりがごちゃごちゃとした写真になりまして。

 

下の写真は以前ブログに書きました水仙のお寺で見かけた沈丁花です。

f:id:snow36:20211029095738j:image謐かな華があり、空気に溶け込んでいくような香りが印象的でした。
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春に 我が家の花が咲くには だいぶかかりますね。私たちでは、ここまで見事には到底できないでしょうけれど 大事に育てますね🌿

 

先日伺った 久美浜安野光雅さんの美術館で買った「片想い百人一首」を読んでみました。

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百人一首に心を寄せた 機知に富む本歌取り。晩秋の林を描かれた表紙の水彩画や題字に 趣き深さを感じます。

本歌である百人一首各首の解説や 歌の並びの関連性についての考察、編纂者 藤原定家のお話、古今和歌集漢詩などの古典や近代文学のご解説も分かりやすく、

更には 海外でのさまざまな逸話や、作家や写真家、料理研究家など幅広い交友関係が垣間見える 引き出しの多さに惹き込まれてしまいました。

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街道をゆく」の取材で行かれた台湾の道を走る車の中で、眠り眼鏡をかけて眠っておられた安野さんに向かって、

司馬遼太郎さんが何の悪気もなく「『紅の豚』みたいやな 」と言われた後、安野さんはそんなに気にされていないのに、「いい豚だ。君も映画を観てごらん」と取りなすようにおっしゃったという クスッとするようなお二人の仲の良さが偲ばれるお話もありました。

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更に、19歳で兵隊に取られた時のお話、死生観、無宗教だから葬式はいらないなど、優しい絵からは窺い知れないお話が次々と。

f:id:snow36:20211029143149j:image絵の写真は「森の中の家 安野光雅館」のパンフレットの「コブシ」と、絵葉書「阿修羅像」の作品です。

上皇后陛下 美智子さまの御歌集「瀬音」についてのお話は、興味深くてとても勉強になりました。

昨年亡くなられた安野光雅さんの94年間の人生のうちのほんの一部を拝見した思いになりました。

 

 

**

我が家は町から離れた山の中ですが、町の中心近くには 昔ながらの商店がいくつかあり、お茶屋さんで義父のお線香に使う風炉の灰を求める折などに その辺りを歩いてみます。

f:id:snow36:20211029101527j:image先日立ち寄った 地元の特産を置く建物の外に育っていた綿の実。

夏に咲く綿のお花もきれいですね。綿の畑が広がる里ではないのですが、

秋にできる綿の実は、この町のちょっとしたアイコンなのかもしれません。
f:id:snow36:20211029101529j:image路地は至るところに。

日没後には鹿の鳴き声が聞こえてくるようになりました。星がきれいに見えます。

お身体大事になさってくださいね。

 

とりとめのない話になりまして。

今日もご覧くださいましてありがとうございました。f:id:snow36:20211029143614j:image

 

’21 10月「名筆研究会展」より

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「ひとつしかない私たちの星を守りたい

   朝陽が水平線から光の矢を放ち二人を包んでゆくの

 瑠璃色の地球

 瑠璃色の地球 松本隆 詞」 志水真智子先生 書

 


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「雲はわき光あふれて

 天高く純白の球 きょうぞ飛ぶ

 若人よ いざ

 まなじりは歓呼にこたえ いさぎよし

 ほほえむ希望

 ああ栄冠は君に輝く  加賀大介の詞」林篤風先生 書

小柄なお身体から、生命の力が溢れる書。

夏に 林先生の突然のご逝去を知りました。思い出されるのは にこにこと微笑んでお話しくださる温かなお顔ばかりです。

ご冥福を心よりお祈り申し上げます。 その節には、先生のお嬢さまから優しいお電話をいただきましたこと感謝申し上げます。ありがとうございました。

                野の書ギャラリー

    

 

 

森の中の美術館

こんにちは。

こちらでも秋の声がころころと聞こえてきそうなほど澄んだ空が見られます。

少しまるくなってきた月は、南の空を渡り次第にゆっくりと沈むようになりました。

お元気でいらっしゃいますか。

前回は、詩と書にたくさんのご感想をいただきありがとうございました。

詩人の今村欣史さんと 父の写真に、感動しましたとのコメントをたくさんいただいたことを 伝えさせていただきました。

皆さまに感謝いたします。f:id:snow36:20211007104202j:image

日本海側の静かなところで過ごしたくなって出かけてみました。先月末のことです。

お宿は、時々お世話になるところです。以前のブログでご覧くださった方には、繰り返しになりまして。

週末のよい季節でしたが、ほかのお客はひと組だけでした。

f:id:snow36:20211012111406j:image部屋の外の芙蓉。虫食いの葉の先には芋虫くんが…🌿

 

女将さんが気を遣ってくださって、舟盛りには秋が深まるとまた旬が巡ってくる鰆やうすばはぎ、剣先イカ、マグロなどが盛り込まれています。

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右奥にちらっと見える鰆の身は ほのかに赤みを帯びた澄んだ色。長らく白身のお魚と思っていましたが、その身からは じんわりと広がる濃い旨みを感じます。 今更ですが 鰆は赤身魚(青魚)だったのですね。

f:id:snow36:20211013020924j:imageうすばはぎの揚げ出しやアワビのお刺身に但馬牛、ノドグロの塩焼きと、目も楽しませていただきました。 

仲居さんが「冬になると けあらしが出ます」と、昏くなってゆく湾の向こうの霞んだ海岸線を見て言われます。けあらしは 北海道だけの言葉と思っていました。 歳だけは取りましたが、知らないことは まだまだ多いようです。
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波の静かな夜。日暮れた後もイカ釣り船の灯りは見えませんでした。

翌朝 女将さんにまた伺いますねと感謝をして 京丹後の久美浜へと参ります。

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道路沿いの9月の末の久美浜の梨は そろそろ終わりの頃でした。それでも時折、実を紙でくるまれた梨の木を見かけます。

道沿いの田んぼの稲は、まだほのかな緑を含んで穂を下げていました。今頃はもう収穫も終わっていることでしょうね。ナビに従い秋の気配の山へと進みます。

 

和久傳「森の中の家 安野光雅館」は 谷工業団地の看板が立つ角を入ります。

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こちらは、 京都の料亭 和久傳さんが、誕生の地 久美浜に一から美しい森を造られ 風景に溶け込むような黒い杉板の美術館を建てられた場所とのことです。

ここは、安野光雅さんの作品を集められた美術館です。

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美術館は久しぶりです。最後に美術展を観たのは、去年の今頃の京都伊勢丹キスリング展だったとしみじみ思い返しました。

 

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安藤忠雄さん設計の森の中の美術館。

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12月6日まで 追悼展「イギリスの村」をされているとのことでした。

中では 写真を撮れませんので、パンフレットと絵葉書の写真と、拙い説明だけになって申し訳ありませんが…

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「絵は音楽…」と語られる安野さんの文が。

所々に、自筆の文章が架けられています。

「別れにはバッハの無伴奏チェロ組曲と人しれずこそ思ひそめしか」

百人一首本歌取りの歌と気づくと とても楽しく思いました。館内には 静かにチェロの曲が流れています。

f:id:snow36:20211015004554j:image「森の中の家」のパンフレット表紙の絵。月に照らされる森の中 吠える狼。鹿に木菟。

 

森の前に広がるメドウ。

草原に揺れる花は、ポピーでしょうか。紙の肌の凸の上に つつじ色の絵の具が触れるように小さな点に描かれています。絵葉書にもなっていませんでしたので、ご覧いただけなくて残念です。水彩の優しい色。

絵の右下のプレートに、旅する安野さんの言葉が添えられているのを読むのも楽しい。

下は、追悼展のパンフレットと絵葉書の絵です。

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リバプールの風景には、「ビートルズの故郷だから行ってみたかった」とのお茶目なひとことが。

 

ガラスケースの中には「大草原の小さな家」の原作「小さな家のローラ」の下書きのような絵が収められていました。

大自然の中で暮らす家族、子どものローラやメアリー、キャリーの姉妹の無邪気な笑顔や番犬のジャックがシンプルに生き生きと描かれています。 

安野さんが、イメージを作るためにマッチ棒を組んで再現された ローラたちの家の小さな模型も飾ってありました。

川にいる生き物に混ざって、ぽってりとしたオオサンショウウオの絵。

隣りに置かれた「赤毛のアン」の明るい表情が愛らしいです。

 

f:id:snow36:20211015004251j:image絵本のための絵がなんとも幸せそうで、観ていると楽しくなります。

会場に飾られた最後の絵の傍に 栗色の椅子が置かれていました。 画伯が絵を描く時にいつも使われていたとのことでした。素朴な椅子でした。

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安野光雅さんは 卓れた文筆家でもいらっしゃるのですね。

一階のチケット売り場が ミュージアムショップも兼ねていて、絵葉書と文庫本「片想い 百人一首」を買ってみました。

素晴らしいエッセイ集でした。本の感想はまた次の機会に。

 

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同じ敷地に 工房レストランがあり、早めのお昼をいただくことにしました。

レストランの其処ここに 森の植物が花瓶に挿してありました。

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うずみ豆腐と丹後のお野菜 お米は「コウノトリ育むお米」とのことで、柔らかな豆腐や 小さく刻まれた野菜の食感、薄味のお出汁がこころよく思います。

お茶は こちらで育つ桑で作られた桑茶とのことでした。やんわりとしたドクダミ茶のような味が温かくて飲みやすく思います。

レストランのMORI (モーリ 桑の樹・イタリア語) のネーミングは、安野さんともお聞きしました。

並べてある調味料から、生姜糀を少し入れてみました。穏やかに味の変化を感じられて美味しいです。

f:id:snow36:20211007101138j:image和三盆山椒ソーダ。甘さ控えめのソーダと一緒に口に入る山椒の実が ほどよくぴりりと。

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帰りに、木下酒造さんに寄って 玉川を買って帰りました。 がっしりとした木造の酒蔵とお店。

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こちらもお宿と同じく、以前 ブログに書かせていただいたことがあります。

 

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看板猫さんが お出迎えしてくれました。まず私にもお愛想をしてくれた後、おもむろに連れ合いの方へ歩いて行ってからのポーズが可愛すぎます。

うちでは魚しか飼っていませんので、不思議な格好だなぁと 我が家のぽんすおじさんは、しっぽ近くの背中を撫でていました。

 

木下酒造さんの「玉川(たまがわ)」は、お燗が美味しいお酒です。

飲むほどに豊かな表情を見せてくれる生きているお酒 玉川は、お世話になるお宿で出されて知り ファンになりました。

この度は、お薦めの「純米酒 ひやおろし」も買ってみました。

f:id:snow36:20211011162141j:image左から「ひやおろし」、「生酛純米コウノトリラベル」、3年以上熟成の「ビンテージ」

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ひやおろしは、この時期の贈り物。

ほんのりと実りの稲穂の黄金色を帯びるお酒は、口当たりの良さと香りがまず初めに。まもなく くっきりとした辛口へと収斂していく変化の楽しみがあります。 きりとした印象のお酒でした。

杜氏さんは、イギリスの方。フィリップ・ハーバーさんとおっしゃっる方だそうです。ハーバーさんによって江戸時代のお酒が再現されていて、冷蔵庫に琥珀色のお酒の瓶 Time Maching Vintageが並んでいました。f:id:snow36:20211004182405j:image

以前 許可をいただいて撮らせていただいた写真。美しいお酒です。

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今日もご覧くださいましてありがとうございました。

 

この度と次回の書は、10月1日から10日まで 元町の兵庫県民会館アートギャラリーで開かれていた「名筆研究会展」の先生方の作品からご覧ください。本当に申し訳ないことに私は都合で伺っておりません。(以下は妹が撮って来てくれた写真です)

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「夕雲の歌
赤い冬の夕陽は

濛氣に滲んで

その色いよいよすさまじく

満目の自然また

熱なく燃えて  富田砕花の詩抄」         名筆研究会会長  井元祥山先生 書

 

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「色彩は生まれる

光と闇の 相互貫通から  サム・フランシスの詩」        六車明峰先生 書

 

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ふらんすへ行きたしと思へども

ふらんすはあまりに遠く

せめては新しき背広をきて

きままなる旅にいでてみん。

汽車が山道をゆくとき

みずいろの窓によりかかりて

われひとりうれしきことをおもはむ

五月の朝のしののめ

うら若葉のもえいづる心まかせに。

   朔太郎の詩  瑛子かく」廣田瑛子先生 書

 

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「全世界に行き すべての者に福音を宣べ伝えなさい マルコ伝」村上翔雲 書 パンフレットより

 

コーヒーカップの耳から…

こんにちは。

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ご無沙汰していた間に、ギボウシの花が咲いていました。ギボウシと言えば、大きな葉のウルイ(酢味噌和えなどですね) が浮かんできてしまいます。

 

以前 紫陽花の庭の方からいただいた寄せ植えの盆栽で ギボウシの前のイワヒバや 右のイワヤツデも少し育っています。

しばらくの間 愛らしい薄紫の花に和ませてもらいました。

 

*🌾*

新米の季節になり いつもお世話になる兵庫県多可郡加美区の農家さんに連絡をしてみますと、

ご主人が病気になられて 田んぼを続けられなくなったとのことでした。 

たいへんですね。どうぞお大事になさってください… と申しながら、我が家と親戚の一年分の玄米16袋の手配をどうしたものかと思いました。

普段から 住まいのまわりの田園の写真を撮らせていただいているのに、なぜ どうしたものかとなるのか…。

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ある年に、出荷の都合で足りなくなり 他所からお米を買うことになって (我が家にも田んぼが一反ありますが 専業の方にお任せしています) 、伝手を頼りに加美区の農家さんにお世話になりました。

より山深い静かなところで育ったお米は味わい深く、こちらのお米との食べ比べも楽しいものでした。

どちらもとても美味しいと思いましたが、家族は 加美区のお米を食べたいと言うので それから加美区のお米を買わせてもらうことになりました。

この度は 急なことでしたので、知り合いに さらに知り合いの方を紹介していただいたり、娘の同級生の親御さんに 売っていただけないかとお願いしたりして何とか買うことができました。

娘にお米の手配をしてもらう日が来るなんて 思いもよらないことでした。

f:id:snow36:20210926122332j:imageいただきに伺ったお宅の近くの風景です。我が家の辺りも変わらなく見えますが、水も空気もたいへん美しいところです。

友達の家の残りて故郷は花ぞむかしの香に匂ひける

         安野光雅 「片想い百人一首」ちくま書房  本歌取りの歌。

先の農家さんのように、私たちの方でも 親戚の家のまわりでも高齢化が進み、田んぼの雑草を刈るばかりのところが増えてきています。

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今日の父の書は、いつもとは違う形でご覧ください。

妹から 今村欣史先生の詩を 父が書かせていただいた初見の作品が出てきたと連絡がありました。

日頃から 父の作品整理をしてくださっている名筆研究会の先生方のお一人、六車先生が見つけられて、詩の作者 今村欣史さんの元へ届けてくださいました。感謝しております。

 

詩人の今村欣史さんは、西宮市で喫茶店「輪 (わ) 」を今年の春まで経営されていらっしゃいました。

今村さんや奥さまの気さくなお人柄から、多くのお客に愛され長く続いたお店とお聞きしています。(私も一度伺ってブログに書かせていただいたことがありました)

この詩が収録されている今村欣史さんの詩集 「コーヒーカップの耳」は、「輪」のカウンター越しに交わされる マスターの今村さんと常連さんたちとの 飾らない笑いや涙の物語です。

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聞き書きではなく、これらの詩は 常連さんおひとりおひとりの人生の言葉そのもので、

読み始めると、その臨場感に ふたつほど離れたスツールに座って聞いている「輪」のお客のひとりとなった気分になっていきます。

これからご紹介します詩は、若松さんとおっしゃる常連さんの心。

父も 何度も書の作品として書かせていただくほど惹かれた詩でした。

始めの一部分だけを 書にさせていただいております。(しかも省略もあり 字も変えた箇所があることに、今気づきました。今村さん 本当に申し訳ありません)

 

前置きが長くなりました。

皆さま どうぞよろしくご覧ください。

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「亮介 今村欣史 詩抄

俺の息子 卒業式の五日前に死んだんよ。

何で俺みたいな者に あんな子がおったんやろ。

今でも不思議な気がするんよ。

亮介言うんやけど 一歳の時 初めて手術したんよ

心臓の。 そやけど治らん言われた。

五歳の時にも手術して その間に頭も。

病院の付き添いは母親よりも俺に来てくれと言うんよ。

別に何してやる訳でもないのに そばにおるだけで喜んで。

そやけど辛(つろ)うて見とれんやった。

点滴の痕やらが痛々しいて。

生まれた時からそんなんやったから

本人はそれが普通やったんやろね。

痛い 辛い 苦しいゆうことは一言も言わんやった。

かえって親の俺に気い使(つこ)うて・・・」

「亮介 若松さん」コーヒーカップの耳   朝日新聞出版 今村欣史 詩 村上翔雲 書

 

回想する言葉から伝わるお父さんと闘病する子どもさんとの情愛に、尽きることのないお父さんの哀しみが重なって参ります。 静かな旋律のように感じられます。

勝手ながら、今村さんのブログをお借りしました。

心が忙しい日 - 喫茶 輪

blog.goo.ne.jp

拙い私のブログにご協力くださった今村欣史さんに感謝いたします

 

皆さま 今日もご覧くださいましてありがとうございました。               野の書ギャラリー

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コウノトリに会いに行く

こんにちは。

f:id:snow36:20210912140719j:image背の高い酒米 山田錦が実り始めています。

数日前の晴れた日に歩いた時の様子です。吹く風が軽く感じられました。

お元気でいらっしゃいますか。


f:id:snow36:20210913180450j:imagef:id:snow36:20210913180448j:image満開の小さなニラの花がかわいらしいです。

こちらでも 夜になると薬師堂から鈴虫の鳴き声が冷えた空気に染み入るように聞こえるようになりました。

 

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田んぼの写真が続きまして。これは 兵庫県豊岡市祥雲寺での写真です。

先月 久しぶりに時間ができたので、コウノトリを見に出かけました。よろしくおつきあいくださいね。

 

コウノトリの郷公園(こうのとりのさとこうえん)」は、豊岡市祥雲寺と言う地区の田園の中にあります。

1971年(昭和46年)に最後の野生の一羽が怪我で死んだことにより日本から絶滅したコウノトリを 歳月をかけて繁殖させて再び自然へ帰すことを続けておられる施設です。

同じ敷地に 兵庫県立大学の大学院があり、地域資源マネジメントについて研究をされているそうです。

豊岡市から日本海へ流れ込む 円山川(まるやまがわ) のある豊岡盆地では、今年 野外で繁殖して巣立ったコウノトリは 13カ所で26羽とのことで、

今年の6月には淡路島でも巣立ちが見られたとも聞きました。

 

自然の中で暮らすコウノトリに偶然に出会うのは、まだまだ難しいことですが、こちらでは放されて暮らす様子を見ることができますので、日本海側へ出かけた帰りなどに時々立ち寄らせてもらいます。

コウノトリの郷公園に造られたビオトープで餌を摂る姿は シラサギ(ダイサギ) に似ていますが、かなり大きく感じます。

本来は、あまり警戒しない鳥なのだそうです。運が良ければ近くで見られるようです。

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実際に飛んで来ています…  写真に撮ると小さくなりまして。

 

館内では、来場者のために コウノトリについて説明を受けながら場内を案内してもらえる見学ツアーがありました。

ビオトープやため池が見渡せる広いテラスの前に10人ほどが集まり、中には小学校低学年くらいの男の子もいました。皆さん 自然と距離を取って立ちます。

 

お話でお聞きしたのは、空を飛ぶ際に少しでも体を軽くするために、鳥は骨の中が空洞になっていること。

ヨーロッパのコウノトリ(シュバシコウ・朱嘴鸛) は、クチバシが赤く、体も少し小さいこと。

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左がヨーロッパのコウノトリですね。

日本のコウノトリは、目のまわりが赤くて目が鋭く見えました。

他にもコウノトリが、どこでいつ何羽巣立ちをしたかなど 工夫された表が張られてあったのが丁寧でとてもわかりやすかったです。

コウノトリは、一日に 500gを食べるそうで、こちらでは田んぼやビオトープから自分で探して食べたり、アジやドジョウなどを飼料として与えているとのことでした。

動物性のものを食べますとのお話を聞いていますと、「ヘビ、セミ、カエル…」と男の子が小声で言いに来ます。

ちょっと遠慮がちなのがかわいらしいです。

「その通りです☺️ 」と説明してくださる方がにっこりされます。

このあと、このような感じのやりとりが 男の子と説明される方との間で 何度かあり、おとなばかりの場がとても和みました。

一生懸命にメモを取られていたお母さんが「これ!」と注意されていましたが、お子さんの詳しさに他の方も驚いておられました。

f:id:snow36:20210916093335j:imageガマズミ

コウノトリは、江戸時代までは日本で普通に見かけられたとのことでしたが、

絶滅した理由としては、明治時代以降に狩猟の対象になったことと、巣をかけるアカマツの木が 戦時中に多く伐採されたこと。

稲作などで農薬が使われるようになり、使用が禁止される以前に農薬に含まれていた水銀で 餌となる生き物が水田から絶えて餌が無くなった上に、コウノトリの体にも影響が出たこと 。

また、田んぼを踏み荒らす害鳥として駆除の対象にまでなっていたとのことでした。

敵らしいものがいなかったから、長らく日本の空を飛んでいたコウノトリ

仕方のないこともあったでしょうけれど、どの理由もすべて私たち人間から起こったことなのですね。

 

豊岡市に僅かに残った数羽とロシアからもらい受けた数羽から始まった繁殖は苦労の末に成功して、今年の7月末の時点では、日本中で257羽(うち26羽が豊岡で生まれた) が確認されているとのことでした。

今年は、関東の栃木県の渡良瀬遊水地でも、巣立ちが確認されたとのことでした。

ロシアや中国にいるコウノトリと同じ種が日本で見られるもので、このコウノトリは世界では 3,000羽ほどいるとお聞きしました。

 

屋内での説明の後、私たちが初めに行ったビオトープへ移って説明をされるとのことでした。 私たちは そこから離れて

1965年(昭和40年) 当時の保護センターの方々が、繁殖のために捕獲した野生のコウノトリに「いつか必ず野に帰してやるから」と約束して飼育し始めたという「約束のケージ」を再現されたドーム型のケージのあるところまで歩いてみました。

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途中、高いところに作られたコウノトリの巣塔を見ました。 

f:id:snow36:20210915232713j:imageこちらは、建物の入り口のそばに置いてありました。直径2mはあるそうで、実物大の巣だそうです。

f:id:snow36:20210915233002j:image道沿いの疏水に 小さなハグロトンボが。よく見かけるトンボですね。緑深い気持ちのよい散歩道が続いています。

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f:id:snow36:20210915233208j:image湿地が広がっています。

f:id:snow36:20210915233405j:imageドームのこちら側から向こうは、コウノトリの飼育場のために立ち入り禁止区域になっていました。
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f:id:snow36:20210915233402j:imageコウノトリは、30年以上生きるのだそうです。

 

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f:id:snow36:20210913175712j:imageまたもや不鮮明ですみません。雰囲気だけでもお伝えできましたら。

こちらは コウノトリの郷公園のエントランス近くの祥雲寺の田んぼにいたコウノトリです。冒頭のものと同じ鳥の写真です。

帰りの車の中からスマートフォンで動画に撮ったものを切り取りました。

端から端まで2mある翼を広げた悠揚とした姿で低く飛ぶ様は、近くから見るとかなりの迫力がありました。コウノトリは鳴かない鳥なのですね。

祥雲寺一帯の田んぼでは、コウノトリのためにも これからのためにも 無農薬か それに近い環境で稲を育てておられるそうです。

若い頃に田んぼや畑仕事をしていた義母から「無農薬で田んぼをしたら どんなに良いかと思うけど、お金や手間が掛かってなかなかできないことやと思う」と聞いたことを思い出します。

こんなに大きな鳥が、人家近くを好んで巣を掛けて自由に暮らしていた時代。絶滅した生き物を再び元に戻すことの長く続くご苦労を思います。

幸せを運ぶと言われるこの鳥が、これからも私たちの近くで見ることができるようになりますように。

 

f:id:snow36:20210913180003j:imageセンニンソウの白い花。季節ですね。家の近所を歩いていると、黒豆畑の仕切りのネットに絡みついて咲いていました。 

畑の中でしたので、先週の道普請(村の一斉の雑草刈りです) を免れたようです。日本のクレマチスの原種と言われながら、野に咲く花は 度々雑草になってしまいますね。今はお彼岸で曼珠沙華が満開です。

また長くなってしまいまして。

おつきあいくださいまして、ありがとうございました。 雨台風 小さく過ぎてくれますように

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「波乗りの鷗(かもめ)のむかし渡海僧 三樹彦の句」(200×300m/m)    伊丹三樹彦 句


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「現し身に地上逆風 六十年 三樹彦の句」(240×340m/m)   伊丹三樹彦 句    村上翔雲 書

鷺草に涼む。一羽の雛に。

こんにちは。

9月が近づき ツクツクボウシが鳴く頃になりました。

日が沈んだ後の一日の最後の明るみの中、草むらから聞こえてくるのは、コオロギの鳴き声。雨上がりの清涼さからも秋めいた空気を感じます。

先日、義父の施餓鬼供養も無事に終えて ほっとしています。

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お元気でいらっしゃいますか。

前回からかなり開いてしまいましたが、連れ合いのことでは お気遣いのコメントをたくさんいただきましてありがとうございました。

しばらく体調の浮き沈みをしていましたが 次第に元気になってきまして、いただいたコメントに本人もたいへん感謝しております。

 

 

8月に入った頃、小さな盆栽の鷺草が 白い花を咲かせました。f:id:snow36:20210824152620j:image

7月の終わり頃に、蕾をつけた茎がするすると伸びてきました。

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f:id:snow36:20210813141259j:image蕾を見ると嬉しくなります。

低気圧の影響で雨が続くとの予報を聞いて、家の中に入れようと鉢を手に取りましたら、ひんやりとした夜の空気の中で 微かに優しい香りが漂ってきました。近づいてみると、しっかりと個性の立った香りがします。f:id:snow36:20210824152727j:image

何年も我が家にありながら、鷺草が香ることを知りませんでした。

 

この香りを なんと表現しましょうか。

ランの仲間らしい甘さがありながら 花の姿に相応しい洗練された和の優美を感じます。 控えめに香る小さな花が咲いたことを しみじみと嬉しく思います(去年は咲かなかったのです) 。

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🌿

仕事で使う倉庫は、家から少し離れた所にあります。

倉庫へ行った時に、道向かいのお宅の方で ばさっと音がして、何かが ぴぴぴと鳴きました。

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遠目なのを拡大したので見えづらくなってすみませんが、幼いです。

きっと近くに親鳥がいるから 近づき過ぎないようにしないとと思いました。
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柔らかそうな黒いつばさ、胸の羽毛もふくふくと愛らしくうずくまっています。クチバシのまわりはまだ黄色いです。

見ているだけで、温かい体温まで感じられそうです。

巣から落ちたのかと 屋根の内側を見上げても巣は見当たりませんでした。

辺りを見回すと、そばの電線に カラスが留まるのに気づきました。3羽いました。そこから動こうとしません。

ツバメが、2羽 飛んで来ました。

そのお宅の奥さんが出て来られて、

「昨日 孫がボール遊びしとったら 巣に当って壊れて 1羽は死んでしもうたのよー。 」と話されました。 「ああ、そうなんですねー。」

「親鳥がまわりを飛びよるんやったら、触らん方がええね。」 「そうですね。」

近づき過ぎないと言いながら、その辺りにいると親鳥も来られないということですね。

カラスが気になりながら倉庫に戻りかけると、

一緒に倉庫に来ていた連れ合いがやって来てツバメの雛に気がつき、まさかの❗️ 手のひらを伸ばしました。

乗ってくるかに見えましたが、雛は はたはたと飛んで藪に逃げて行きました。

すぐに親鳥たちが後を追っていきます。 

 

雛が襲われてしまうかもしれないと思うと、心穏やかでいられなくなっていました。

自分でもいかがなものかと思いますが、つい、幼稚園から小学校の低学年ぐらいの子どもを連想してしまうのです。

目の高さほどを懸命に、でも 頼りなく飛んで行くツバメを はらはらしながら見送っていました。

山あいに住むようになって23年が経ちますが、自然に従うのは難しいこととつくづく思います。

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6月頃でしたか、1羽のツバメがたいへんな勢いでカラスを追い回しているところを見かけました。

鋭い鳴き声で威嚇しながらの直線的な追飛は どこまでも長く続きました。

ツバメの命懸けの怒り。カラスも私もまた 命を食べないと生きていけなくて。

 

🌿🌿

長い雨の止み間、青空の日曜日に 終わりかけの鷺草を撮りました。

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花は また来年ですね。

豪雨や長雨が続いたために被災された方々にお見舞い申し上げます。

コロナや大雨の災害、いろんなことが早く鎮まりますように。

いつもご覧くださいましてありがとうございます。

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「九月 四国巡礼の旅へ 鴉とんでゆく 水をわたらう 山頭火 句」(160×123m/m) 草木塔  種田山頭火


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「行乞途上 草にすわり飯ばかりの飯 山頭火 句」(160×123m/m) 草木塔 種田山頭火


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「朝露しっとり 行きたい方へ行く 山頭火 句」(160×123m/m) 種田山頭火 句  村上翔雲 書