野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

印象派はお好きですか

こんにちは

暗くなると 近くの藪から コオロギ+ちょっとマツムシその他の音が、家の中にいても 大きく聞こえてくるようになりました。

季節ですね。そろそろ 美術館に 出かけてみたくなります。

 ちょっと 長くなりますが、よろしくご覧いただきますように。

 

プーシキン 美術館展」
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プーシキン美術館展」は、今は 10月半ばまで 大阪の 国立国際美術館で開催されています。

夏の始めから、ずっと行ってみたいと思っていた展覧会です。

大阪は、地震に加えて 台風21号の被害にあったところなので、先週 美術館に確認してみると やっていますとのこと。

日曜日に 行って来ました。
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こちらは、元は 大阪大学があったところなのだそうです。

エントランスでは、こんな大きなオブジェがお出迎えです。

特別展は、地下3階です。地下3階の美術館って、ちょっと珍しいですね。   天井が高いし、美術館は 窓がない所なので、入ってみると違和感はなく、快適でした。

絵画は 年代順に 展示されていました。

絵葉書で 振り返ってみますね。(かなり主観的で 勝手な解釈もございます。あらかじめ、お詫びします。)

 

神話が主題になったロランの「エウロペの略奪」や 歴史の有名な場面が描かれている絵や バルビゾン派のコローの美しいゆったりした風景画などの後に、

ルノワール が。「庭にて、ムーラン・ド・ラ・ギャレットの木陰」
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女性の肌を際立たせるピンクの頬や耳。青いストライプが曲線やギャザーに従って 美しい造形を見せるドレス。体やドレスを美しく見せるために、モデルの左手は上がっているのでしょうか。


モネ「草上の昼食」

印象派と呼ばれる以前の作品だそうです。
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赤みのある黄色のドレスの裾のドレープが 目を引きます。ピクニックは おしゃれをする場所なのでしょう。白い布の上の 料理が豪華です。真ん中の水玉模様のドレスの女性が お皿にミルクを注いでいるようです。愛らしい犬が待っているみたいに見えます。

明るいところと木陰の陰影が対照的な 豊かで 華やかな絵に うっとりです。

 

モネ 「陽だまりのライラック
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ちらちらと陽光のこぼれる花の樹の下に ほのかに見える二人の女性が寛ぐ姿も優雅です。

見えづらいですが、左の暗い色のドレスの女性は 小さなパラソルを差しています。タッチは優しいのですが、心の中に 深く語りかけてくる力強さを感じました。

 

そして、モネ「白い睡蓮」
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日本の絵画に影響を受けた モネの ジヴェルニーの自宅にある 睡蓮の池。カキツバタ(でしょうか?)や大きな柳の木、かわいらしい太鼓橋が架かっています。緑色の絵の中の 手前の池に広がる睡蓮の花が夢のように。

 

何より 見てみたかった アンリ・ルソー
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 大胆な構図の くっきりとしたジャングルの絵。この度の案内に主に使われている 一度見たら忘れられない作風が とても印象的です。

連れ合いが「何でこの馬は、こんな顔なんだ。」と言ってましたが、ルソーは 日曜画家と揶揄された人。 50代から 絵画製作を始めたとのことで、特に基礎から学んでいなかったことが その画風に魅力として表れています。

それに、この絵には この馬の表情。それ以外は ないでしょう。

素朴派。そのままですね。

 ピカソキュビズムの庭の絵もあったし、ゴーガンの タヒチの絵もありました。

 

 

 この日は 国立国際美術館は、魅力的な企画展なのに それほど混みあっていませんでした。

おかげで ボナールの大きな作品を かなり離れたところから 遠慮することなく、心ゆくまで観賞することができました。 

こちらに限らず 美術館は わりと駅から歩くことが多いからかもしれません。 災害による風評被害ではないことを祈ります。

何も 不都合なく 出かけられました。

 

絵葉書では 伝わりづらくて申し訳ありませんが、片田舎に住んでいても こんなに素敵な絵画を見れるなんて、素直に感謝したい幸せな一日でした。

 
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ご覧くださいまして、ありがとうございました。


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  「旅人かえらず  女の笑う寝顔 露草の色 万葉人の淋しき」(200×300m/m) 旅人かえらず(60) 西脇順三郎 詩          村上翔雲 書