野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

高原を歩いてみれば。砥峰高原の早春

こんにちは。

暖かかな日が続きましたね。お元気でいらっしゃいますか。

 

午後からお天気が崩れると聞いていた土曜日に 砥峰(とのみね)高原へ行って来ました 。

兵庫県神崎郡神河町(かんざきぐん かみかわちょう)にあります。

こちらへは、一昨年の秋に ススキ(茅)を見に行ったことがあります。

 

山を細かにうねるカーナビのカーブをたどるように 車は登っていきます。

この時期は、見られるものも少なく 管理棟も閉じられていて 訪れる人も多くはありません。山焼きも まだ先のようです。

曇った日で、杉の花粉がたくさん飛んでいるのか、小雨が降っているのかもしれません。 高い山が霞んで見えました。

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着いた高原は、頂上が 広々とした草原になっています。 季節になると、高山や野原のさまざまな植生に出逢えます。

前回来た秋には 、フジバカマ、ウメバチソウ、イタドリ、アキノキリンソウ、アケボノソウ、ダイモンジソウなどが咲いているのを見ました。

今は雪があちらこちらに残っています。f:id:snow36:20200313180120j:image

 

高原の入り口には 柵が立っていましたが、柵の横から入るようにとの札が掛けてありました。

遠目には 柔らかな金茶色で、近づくと白っぽくくすんだ榛色の細くて薄い枯れ葉が山を被っています。今は 花はまだ咲いていません。f:id:snow36:20200313181906j:image

時々歩いている人もいますが、ひっそりとしています。
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湿地に木を連ねた道を歩いていくと、赤茶色の土底を見せた小川が流れていきます。f:id:snow36:20200313180335j:image

雪が残っているので、植物と同じように多分生き物も見当たらないだろうと のぞき込むと、水の中には イモリが歩く様子や 小魚が泳ぎまわる姿が見えました。f:id:snow36:20200313180439j:image

生憎の曇りの日で とても見えにくいですね。

時々、ススキが底からめくれるように黒い土が 粗っぽく掘り返されたところがありました。猪かもしれません。(写真を撮り忘れました)

色の少ない時期です。f:id:snow36:20200313180503j:image

花粉症なので あまり深呼吸はできませんでしたが、ここは標高810mほどのところです。ひんやりとした空気が 爽やかでした。

トイレも閉まっていましたので、早々に帰りました。

 

こちらへ来るまでの道路に 鹿猟師さんたちと思われる人々が トラックを停めて斜面を見上げておられるのを何度か見かけました。

 

道沿いに ミツマタが連なって、雪のようにつぼみをつけています。

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お話が変わりますが、

コロナウィルスの感染の広がりで、私も時々出掛けて自然の美しさを楽しませていただいている丹波市にも 感染された方がおられると報道されました。

丹波市は たいへんな目に合われていることだろうなと思い、状況はどうかと検索してみると、地元紙 丹波新聞に 県立丹波医療センターの 見坂恒明先生 (県立丹波医療センター 地域医療教育センター長 感染症専門) の3月10日の談話として記事が載っていたので拝読しました。

皆さま ご存知の内容が重複するかもしれませんが、

一部抜粋させてください。

 

 

 

***

「 まず、感染者と、有症状患者の違いを説明する。

先ほどから「感染者」と言っているように、当該感染者 (※丹波市の感染された人のことです) は、発表によると、感染はしているが、症状がない状態で検査を受けている。

発熱や咳、くしゃみなどの症状はない。

発症している人と比べると、飛沫感染は生じにくく、起こるとしたら接触感染。格段に他の人に「うつす力」は低いと思われる。

当該感染者は、症状はないのに、大阪の感染者が多数出ているライブハウスに行っていたからと自ら検査を受け、陽性になったと推測される。

ライブハウスには全員の顧客名簿はないだろうから、観客の追跡をしようがない。症状がないので黙っていたら分からなかったと思う。」

 

「(私たちに)できることは、手洗い、うがい、咳エチケットなどの感染症対策。

有症状者は新型コロナに関わらずマスク着用を。多くの人が訪れ、空気が入れ換わらない空間に長く滞在しないよう気をつける。その他は、感染者が確認される前と同じで良い。」

「自分や家族が感染しているかも と過度に心配し、疑わないこと。」

 

「感染者が今後どれくらい増えるかは分からないが、不幸にしてウイルスに感染した人が、全員無事に退院できるよう、できうる最善の治療を行う。感染者でも患者でもない住民のみなさんは、かかった人を差別しないでもらいたい。

悪いのはウイルスで、感染した人は被害者なのだから。

感染が疑わしい時は、保健所に電話相談してほしい。保健所の指示の下、当院に受診してもらえれば、一般の方の交わらないところに感染症用の診察室を設け、体制は整えている。」

 

**

これは 理由があって検査に至ったお話で、思い当たることがなくて なんとなく心配というだけでは検査はできないかもしれませんが、

感染症専門の先生の率直なお話は、近隣でも噂や情報が錯綜する中でしたので 改めて踊らされてはいけないと思うものでした。

「専門家が怖いと言うのは、未知のウイルスで全容がいまだに解明されていないからだが、分かったことも多く、分かったことを頼りに最善を尽くす」ともおっしゃっていました。

 

いつか沈静化する日が来て、感染症や感染してしまった人のことを殊更に取り上げられなくなる時になったら、こうしたことは忘れ去られてしまうのでしょうか。

過剰に反応するのもいけないですが、無関心になってしまうこともいけないのですね。

私も落ち着いて、手洗い うがい マスク (もはや 見よう見まねの手作りです) 換気や 体調管理など基本的なことに気をつけるようにしていきたいと思います。

 

🌱

去年植えてみた 黄花節分草が ひとつ咲いています。つぼみだけを起こして立ち上がってきました。

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日当たりが朝だけだからか、一度にひとつしか咲いてくれません。手入れの問題なのかもしれないですね。

 


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こちらは、もう少し咲いたらまた書かせてくださいね。ペニーブラックです。

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ご覧くださいまして、ありがとうございました。

 


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「山ふかく 蕗のとうなら咲いてゐる  山頭火 句」(120×160m/m)  種田山頭火

 


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「石刻む 音のしたしくて石刻む  山頭火 句」(530×690m/m)  種田山頭火 句     村上翔雲 書