こんにちは。
最近の朝は深い霧で、7時過ぎになると漸く辺りに薄明かりが射してきます。
農道脇や 我が家の近く薬師堂の丘の下の石垣では、2週間前には彼岸花が並んで咲いていました。今はヨメナが咲き始めています。素朴で愛らしい姿は 色の寂しい秋の野の景色に優しさを添えます。
水路の花。
石垣の花です。
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これまで 2、3度書いたことのある場所に出かけました。よろしければどうぞお付き合いくださいね。
京都市内から、京丹後市へ向かう途中 由良川の辺りは 本降りとなり山あいの集落は、雨のなか白く靄んで霧のような雨粒が車の窓に降りかかります。
やがて日本海側に出るまで 厚い雲に覆われたり薄日が射したりを繰り返す空の下を走り続けます。
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丹後半島にある海辺の宿に着くと 道路沿いの藪に薄紫のツリガネニンジンの花が咲いていました。
たしかに 冴え冴えと冷えた秋の音色が チリンと聞こえてくるような気持ちがします。(梨木香歩さんの「家守綺譚」が好きなのです)
こちらは家庭的な雰囲気のお宿で 板前さんのご主人が作られる美味しい海のお料理がいただけます。
お宿が掘削された温泉は、かけ流しのアルカリ性単純温泉で、柔らかなお湯です。
ホームページの写真をお借りしました。お天気が良ければ 眼前に水平線が長く延びる海のさざなみの音を聞きながら お湯が溢れる露天風呂で寛ぐことができます。海に浸かっているようで不思議な気持ちになります。
この日の天候は回復することなく 美しい夕陽は昏い雲に沈み込んでいました。雨は止んでいましたが、波が高く 眼下の岩礁にも打ち寄せています。冬が近くまで来ていると感じます。
潮が引いてお天気がよければ そばまで行っていろんな生き物が見られる潮溜まりです。
カンパチと真鯛などの舟盛りや ジェノベーゼソースのかけられた白身の魚(教えていただいたのに忘れてしまいました)のサラダ、天ぷらやノドグロの塩焼きと いつもの変化に富んだ楽しいお料理が続きました。
海を眺めていると 沖にあった定置網が見当たらなくなっていて、仲居さんに聞いてみると以前から港の風が強くて操業し難かったそうで辞めてしまわれたとのことでした。代が変わられたのかもしれません。
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翌朝は 帰りに立岩に回って帰ることにしました。
間人(たいざ)ガニで有名なところです。
立岩は、京都府のホームページによると 20mの高さがある柱状玄武岩とのことで、鬼退治伝説があるそうです。柱状節理と言えば、ここからそれほど遠くない鳴き砂の海岸に迫り出している壁のような岩も横縞の模様でした。
私たちだけで誰もいませんでした。
そこに アカツメガニが ふいと現れました。みんな十分なおとななのに 子どものように大騒ぎです。
可哀想にびっくりしてカニ走りで動き回るカニを写真に収めようとしますが、どうしてもブレてしまいます。
駐車場は危ないからと カニには早々に茂みの中へ行ってもらいました。
あまり観光はできませんでしたが、久しぶりに子どもたちと旅行ができたことが嬉しく思いました。取り立てて何か特別なこともないささやかな我が家ですが、普段のことなどいろんな話をして楽しく過ごしました。みんな元気なら それで十分ですね。
GoToトラベルの割引以外にも 地域共通クーポンをいただいたので、お土産と地元のお酒を買って帰りました。
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京丹後市から帰って来ると、友人が黒枝豆を届けてくれていました。直売のお店に並んでいるようにたくさん置いてありました。お礼の電話をしてから 急いで豆を取り 水を何度も取り替えてもみ洗いをしました。焼き枝豆にする分を少し残して、大鍋2つで2回に分けて茹でました。
こちらは今日また改めていただいた黒枝豆です。
田舎田舎してまして、お恥ずかしいですが…。やはり時を移さず下処理をして湯掻いてジッパーつきのポリ袋に入れて冷凍します。
有名な丹波の黒豆が育つのは、霧の多い気候のおかげと数日前の新聞で知りました。若い枝豆のさやは霧で潤い 昼間の乾燥した日差しで実を育むそうです。
丹波篠山市ではないのですが、こちらも山あいの盆地で 冷え込んだ秋から冬にかけての朝 濃い霧に包まれていれば、その日は爽やかな晴れが約束されます。ふっくらと大きく甘みが特徴の黒枝豆はこの季節からの贈り物です。
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秋明菊が輝くように咲いています。こちらは ご近所の歯医者さんの畑の隅です。朝 霧の抜けた新しい光を受けて一心に無垢な白い顔を向けていました。
我が家の花は やっと蕾が膨らんできたところです。
小さいながら秋明菊に似た花を咲かせるアネモネ・シルベストリスも 春に続いてもう一度咲いています。
この花々を見ると 思い出して心が温かくなるひとがいます。一輪の花にも思い出は重なり、忘れ難い記憶になっていくのですね。
ご覧くださいまして ありがとうございます。
どうぞ楽しい日々をお過ごしくださいますように。
「荒たへの藤江の浦にすずき釣る海人とか見らむ旅行くわれを」(69×69.5cm) 柿本人麻呂 詩
「みほとけといちりんの菊いや澄むも 三樹彦の句」(45.5×69.5cm) 伊丹三樹彦 句 村上翔雲 書
明石市立文化博物館 所蔵 2点とも(作品 8・24)