こんにちは。お元気でいらっしゃいますか。
農道を歩いていると、かわいらしい花が咲いています。ホトケノザと手前はヒメジョオンでしょうか…
冬の雲が出ると寒さを感じます。ここ数日の昼間は スミレの咲く暖かさがしばらく続いていたようです。
庭の鉢植えのヒイラギの花は目立ちませんが こちらも可憐で近寄ると清楚な香りがします。 固く枯れた葉の棘もしっかりとしています。
ヒイラギから ひいらぐ(疼ぐ)…痛いという言葉を昔習ったことを思い出します。
柚子の枝の棘も そこまで と思うほど長くて鋭いものです。
実をひとつ取ろうとした時に 枝の棘ばかりを気にしていましたら、実のヘタのそばに生えていた小さな棘に気づかず 指先が当たってしまいました。相変わらず何かするとやらかしてしまいます…
枝から切ったばかりの実を手に取ると、切り口のところから柚子の香りが爽やかに立ち上ります。
日中は日差しが暖かいですが、日が暮れると鹿の鳴き声がよく聞こえてくるようになりました。
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詩人の今村欣史さんのブログを拝見して、
葉室麟さんの「冬姫」を図書館で借りて読みました。
戦国時代 織田信長の娘として生を受けた冬姫は、家を絶やさず守るための結婚の後、さまざまな武将の正室や側室たちとの「女いくさ」に身を投じます。
冬姫が健気にひたすら誰かのために尽くす姿は胸を打ちます。それは 戦う相手の女性にしても同じことなのですね。
綾錦の絵巻物を見るような物語の中で、命を賭けた底知れない駆け引きが繰り広げられます。
冬姫が、父 織田信長の仇である明智光秀の娘、玉子(細川ガラシャ)と心を通じ合わせる場面からは、境遇は異なっても 同じ時代に生きる女性同士の共感が強く伝わって参りました。
夫 蒲生氏郷への信頼と互いの情愛の深さも また心に残りました。
葉室麟さんの直木賞作品「蜩ノ記」では、端正な文章の行間から 人が人を思い遣る温かさが伝わってくる物語に惹き込まれましたが、
雰囲気の異なる女の世界「冬姫」では、引き締まった端麗な文体にのめり込んでしまいました。
今村さん、情感豊かな物語を教えていただきました。ありがとうございます。
「ザリガニの鳴くところ」ディーリア・オーエンズ作。こちらは、ニナシモネさんのブログからご紹介いただきまして貸し出し予約をしました。
ブログを拝見してから 図書館へ出かけたのも遅かったのですが、ずっと人気の本らしく順番が来るのはまだ1ヵ月以上先になるようです。
楽しみに待っています。
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10月に京都へ家族で出かけたことを以前のブログに書いてみました。
その折、細川忠興の正室 細川玉子( 玉。後の細川ガラシャ) が 20歳頃に2年ほど隠棲したと伝えられる
京丹後市の味土野(みどの)へ行ってみたいと思いながら、時間がなくて帰って来てしまいました。
自動車道路が繋がって便利になり、我が家から京丹後市へは2時間ちょっとで行けるようになりまして、11月の連休の土曜日に 改めて行ってみました。
父の明智光秀が 主君の織田信長を討ったために、玉子は 仲睦まじかった夫の細川忠興によって山奥の味土野に隠棲 と言ったらよいのか…幽閉されたそうです。
明智に与しなかった細川家で 逆臣の娘である玉子が正室であるのも立場として難しく、狙われて危うくなることへの配慮などから隠されたとのことですが、
その場所へと辿るこの道は 当時とそれほど変わっていないのでしょうか。今も車1台がやっとの舗装された細い道が、人家の途切れた沢沿いをカーブを繰り返しながら続いていました。
この写真は 着いてからしばらく歩いてみた場所の写真です。辺りには 熊笹の大きな葉の重なりが目立ちます。
イノシシの捕獲檻を ところどころで見かけました。
NHK 歴史秘話ヒストリアで、玉子 細川ガラシャについて取り上げられていた11月18日の回を見ました。
味土野は 雪深いところで、降り籠められると春までここから出られなかったのではないかとのことでした。
近年では 豪雪地方も春まで雪の深い状態が続くのではないのかもしれませんが、こちらに来る途中 3つのスノーシェルターのトンネルを通って来ました。山沿いの地形に合わせた形の畑が見えました。
着いたところは 小さな丘になっており、その上の小高いところに 玉子が幽閉された女城跡があるそうです。
小さな観音さまの祠と、碑がありました。
もの寂しさを感じますが、居城跡まで歩く紅葉の散り敷く坂からは趣きが感じられて 地元の方が日頃から大切に管理をなさっている様子が伺えます。
谷を超えて向こうの山に、玉子を守るために 警備の武士たちが控えていた男城跡がありました。
男城の山から谷へと突っ切るように女城までの道が真っ直ぐにつけられていたそうで、事が起れば 駆けつけられるようになっていたそうです。
大河ドラマにも出てくる歴史的に有名な女性がひととき隠れ棲んだと言われる場所は、山深くひっそりとしていました。
空気がひんやりとしています。川からは 寒くなると霧が立ち昇り、谷を覆うのでしょう。
後年の玉子の過酷な最期を思います。
近くに谷の川からの落差で、滝が流れ落ちているところがありました。道沿いから下りたところに 滝を見渡せる場所が整備されていました。優しく美しい眺めでした。
玉子には ここにいる間に地元の方々と挨拶を交わし合い、一緒に季節の移り変わりを楽しむような心が潤う触れ合いの時があったのかもしれない。滝を見ながら思うことでした。
散りぬべき時知りてこそ世の中の
花も花なれ人も人なれ
(細川ガラシャ 辞世の歌)
今日もご覧くださいましてありがとうございます。
「みみづくの腋羽にふかむ樅の闇 兜子の句」(210×300m/m) 玄玄 液雨 赤尾兜子 句
「待ち惚けて 立てば桔梗の花のかず 兜子の句」(210×300m/m) 玄玄 獅子舞 入院 赤尾兜子 句
村上翔雲 書