こんにちは。
数日冷たい雨が降りまして、枝垂れもみじが 急に鮮やかさを増しました。そばから、北風が吹いて しきりに散り始めます。
石灯篭は 義父が前栽に据えたもの。まだ青い苔に枝垂れもみじの落ち葉を眺めます。
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バスを乗り継いで、大阪駅 中之島 国立国際美術館へ「ウィーン・モダン展 ー クリムト、シーレ 世紀末への道」12月8日(日)まで を観に参りました。
大阪シティバスの運転士さんは、ふんわりとした声でアナウンスされます。心遣いの行き届いた落ち着きのある運転に、同性として見倣いたく思いました。
グスタフ・クリムトの こちらの「エミーリエ・フレーゲの肖像」は写真撮影をさせてもらえました。
連続する青い繊細な模様は、頭を囲む花のような模様からコーヒー豆の連なるような意匠へ、そして ドットが散らされた四角や渦巻きの 愛らしさも感じられる幾何学へと形を変えて、ドレスのうねりに沿って流れていきます。
女性の顔は 輪郭が曖昧で、眼差しが真っ直ぐこちらを見つめます。背筋の伸びた立ち姿、腰にあてがった左手からも 毅然とした意志の強さが伝わります。
モデルのエミーリエからは不評だったようです。しかし、醸し出される高雅な空気は、百合の香りに包み込まれるようです。
人が この絵に魅了されるのは、エミーリエ自身も 当時のウエストを絞った服に対して、体を締め付けない改良服のデザイナーとして自立した魅力的な女性であり、クリムトにとってのミューズであるからなのですね。
サインは 四角で日本画の落款を意識されているそうです。
首元を被い 胸の下で切り替えられ 細かいプリーツが畳まれたタフタの白いドレスが エミーリエ・フレーゲの「改良服」のレプリカとして飾られていました。
いくつかの改良服を着て撮影された エミーリエの白黒写真は 柔らかで若々しく、笑顔も素敵でした。青い肖像画とは また違った甘い空気を纏う愛らしい人となりを伝えます。
クリムトも 今どきの女性が好むような 首周りが開いていて、胸元と背中に少しギャザーを寄せた オーバーサイズの(但し足元まである)改良服を着ていたようです。猫を抱いて写っている写真がありました。
今年一番 観たかった画家でした。
歪んだ顔の自画像は 強く光を放ちます。髪を描いたところには、暗がりの横顔が浮かび上がります。
ここに載せられませんが、エゴン・シーレの自画像の素描は、ロック音楽のように。
シーレの一連の作品を 3回 観に戻りました。この熱に一瞬で掴み取られる。目が離せなくなりました。
グスタフ・クリムトに影響を受けたという エゴン・シーレ、観に来れて本当によかったと思います。
でも、この度は クリムトとシーレに特化した展覧会ではなく、「啓蒙主義時代のウィーン」から、
「ビーダーマイヤー」という富裕層の暮らし方が 中流層でも主流となっていった様子が 絵や椅子といった家具や美しい銀のカトラリーの展示で説明されたパートや、
「リンク通り」が ウィーンの発展を物語るものとして出来上がっていく様子の写真など。
その後に、「1900年 ー 世紀末のウィーン」として 建築家オットー・ヴァーグナーの 華麗な設計計画図(帽子をかぶって歩く人、植栽が描き込まれていて、温かくすっきりとした絵画のようでした)や イギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動に刺激された ウィーン工房の グラフィックデザインや モダンな普段使いの家具の数々が 飾られてありました。
ウィーン工房は、四角いブローチやエミーリエ・フレーゲの髪を留める櫛もデザインしていました。今でも 百貨店などできれいに並べられていそうなデザインでした。
帰りは、大阪駅まで歩きました。
紡垂型に刈られたイチョウ並木が とても鮮やかです。
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被災地の報告~真備中生徒の防災新聞2 | happy-ok3の日記
11月25日のhappy-ok3さんのブログでは、 真備中学校の生徒さんの「防災新聞 」が24日付 山陽新聞の 「さん太タイムズ」に取り上げられた事について書いていらっしゃいます。
当たり前のことであるはずの言葉が 新鮮に感じます。どうぞ ご覧くださいね。
いつもご覧くださいまして ありがとうございます。
寒くなりましたね。どうぞ お体お大事に🌿
「宙という暁暗の寒雀かな 峰夫の句」(130×185m/m) (Ⅷ 天体) 石井峰夫 句