野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

枝垂れの散り敷く

こんにちは。


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数日冷たい雨が降りまして、枝垂れもみじが 急に鮮やかさを増しました。そばから、北風が吹いて しきりに散り始めます。
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石灯篭は 義父が前栽に据えたもの。まだ青い苔に枝垂れもみじの落ち葉を眺めます。f:id:snow36:20191128142959j:image

 

 

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バスを乗り継いで、大阪駅 中之島 国立国際美術館へ「ウィーン・モダン展 ー クリムト、シーレ 世紀末への道」12月8日(日)まで  を観に参りました。

 

大阪シティバスの運転士さんは、ふんわりとした声でアナウンスされます。心遣いの行き届いた落ち着きのある運転に、同性として見倣いたく思いました。


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グスタフ・クリムトの こちらの「エミーリエ・フレーゲの肖像」は写真撮影をさせてもらえました。
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連続する青い繊細な模様は、頭を囲む花のような模様からコーヒー豆の連なるような意匠へ、そして  ドットが散らされた四角や渦巻きの 愛らしさも感じられる幾何学へと形を変えて、ドレスのうねりに沿って流れていきます。

女性の顔は 輪郭が曖昧で、眼差しが真っ直ぐこちらを見つめます。背筋の伸びた立ち姿、腰にあてがった左手からも 毅然とした意志の強さが伝わります。

モデルのエミーリエからは不評だったようです。しかし、醸し出される高雅な空気は、百合の香りに包み込まれるようです。

人が この絵に魅了されるのは、エミーリエ自身も 当時のウエストを絞った服に対して、体を締め付けない改良服のデザイナーとして自立した魅力的な女性であり、クリムトにとってのミューズであるからなのですね。

サインは 四角で日本画の落款を意識されているそうです。

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首元を被い 胸の下で切り替えられ 細かいプリーツが畳まれたタフタの白いドレスが エミーリエ・フレーゲの「改良服」のレプリカとして飾られていました。

いくつかの改良服を着て撮影された エミーリエの白黒写真は 柔らかで若々しく、笑顔も素敵でした。青い肖像画とは また違った甘い空気を纏う愛らしい人となりを伝えます。

クリムトも 今どきの女性が好むような 首周りが開いていて、胸元と背中に少しギャザーを寄せた オーバーサイズの(但し足元まである)改良服を着ていたようです。猫を抱いて写っている写真がありました。

 

エゴン・シーレ

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今年一番 観たかった画家でした。

歪んだ顔の自画像は 強く光を放ちます。髪を描いたところには、暗がりの横顔が浮かび上がります。

ここに載せられませんが、エゴン・シーレの自画像の素描は、ロック音楽のように。

シーレの一連の作品を 3回 観に戻りました。この熱に一瞬で掴み取られる。目が離せなくなりました。

グスタフ・クリムトに影響を受けたという エゴン・シーレ、観に来れて本当によかったと思います。

 

でも、この度は クリムトとシーレに特化した展覧会ではなく、「啓蒙主義時代のウィーン」から、

「ビーダーマイヤー」という富裕層の暮らし方が 中流層でも主流となっていった様子が 絵や椅子といった家具や美しい銀のカトラリーの展示で説明されたパートや、

「リンク通り」が ウィーンの発展を物語るものとして出来上がっていく様子の写真など。

その後に、「1900年 ー 世紀末のウィーン」として 建築家オットー・ヴァーグナーの 華麗な設計計画図(帽子をかぶって歩く人、植栽が描き込まれていて、温かくすっきりとした絵画のようでした)や イギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動に刺激された ウィーン工房の グラフィックデザインや モダンな普段使いの家具の数々が 飾られてありました。

ウィーン工房は、四角いブローチやエミーリエ・フレーゲの髪を留める櫛もデザインしていました。今でも 百貨店などできれいに並べられていそうなデザインでした。

 

帰りは、大阪駅まで歩きました。

紡垂型に刈られたイチョウ並木が とても鮮やかです。

 

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被災地の報告~真備中生徒の防災新聞2 | happy-ok3の日記

11月25日のhappy-ok3さんのブログでは、 真備中学校の生徒さんの「防災新聞 」が24日付 山陽新聞の 「さん太タイムズ」に取り上げられた事について書いていらっしゃいます。

当たり前のことであるはずの言葉が 新鮮に感じます。どうぞ ご覧くださいね。

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いつもご覧くださいまして ありがとうございます。

寒くなりましたね。どうぞ お体お大事に🌿

 


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「宙という暁暗の寒雀かな  峰夫の句」(130×185m/m)  (Ⅷ 天体) 石井峰夫 句

 


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「しぐるるや しぐるる山へ歩み入る  山頭火 句」(240×320m/m)  種田山頭火      村上翔雲 書