こんにちは。
9月のお話で 遅くなってしまいましたが、どうぞ よろしくおつき合いください。
余部(あまるべ)鉄橋は、道の駅を目標に参ります。
兵庫県香美町香住区余部と長谷川を眼下に見る余部鉄橋は、湯村温泉を舞台としたドラマ「夢千代日記」の撮影にも使われていたそうです。
高さ41mの余部鉄橋は、餘部(あまるべ)駅から鎧駅間を繋ぐ311mの長さがあります。アメリカから海路3ヶ月かけて取り寄せられた鋼材で造られました。開通は 1912年(明治45) 3月とのことでした。(写真は、今の余部橋梁です。後で触れますが、架け替えられています。)
冬の日本海と言えば、灰青の雲が重く低く垂れ込めた空を映す 荒れた暗く深い海を思い浮かべます。
33年前の 1986年(昭和61) 12月に 強風の吹く中の突風で 鉄橋から回送電車が転落して、真下のカニ加工工場も巻き込む大事故が起こりました。
山に現れるコンクリートの橋梁は、巨大なモニュメントにも見えます。
「空の駅・餘部(あまるべ)駅」へエレベーターで上がってみました。
むき出しの41mの高さは、少し すくみます。
事故のあった鉄橋は、橋脚と橋桁を一部残して取り壊されていました。古い線路の右には、2010年(平成22年)に コンクリートの橋梁が 新しく架けられ 「空の駅」としてエレベーターも整えられています。
左の柵の向こうは、取り壊された鉄橋の線路が 途中まで残してあり、柵の中なら歩くこともできます。
途切れた線路は 空へ駆け昇って行く列車の印象にも重なると言われているそうです。美しい眺め。それでも、海風に晒されて錆びたレールは、事故と鉄橋の記憶なのですね。 ひっそりとした様子からは、取り残されたような うら寂しさも また感じます。
鉄橋が建てられた当時は、長いトンネルを掘る技術より、橋を架ける技術の方が勝っていたのだそうです。
駅のそばから 山をしばらく登ったところに撮影スポットがあると聞いて行ってみます。
ひとり先客がおられましたが、横から失礼して撮らせていただきました。
線路の先は トンネル。
鉄橋より高いところからの眺めは、ジオラマを見るようで 海辺の寄り集まる屋根の下に温かな灯りがともることを思うと 郷愁を感じました。明治時代、この沖に アメリカから鉄橋の鋼材が届いたのですね。
🌿🌿
ご近所から、藤稔(ふじみのり) をいただきました。
ずっしりと重みがあります。瑞々しい果実を美味しくいただきましたが、まだ量産できないようで、出荷しないそうです。
ポポーという 名前しか知らなかった果物もいただきました。アケビのような、メークインのような形をしています。
珍しくて しばらく食卓に置いていたら、甘口の日本酒のような香りが 台所いっぱいに漂ってきました。
あわてて 冷蔵庫の野菜室に入れました。冷蔵庫の他の扉を開け閉めする度にも、香りが立ちます。
冷やして 薄い皮を剥くと、ぽってりとした 赤みを感じる黄色い果実が現れます。
元々は 北アメリカから来たということですが、南国の果物を思わせる味がします。香りほど強く主張しない甘さで楽しめました。
栄養価は とても高いそうですが、足が早いそうです。冷凍もできるのですね。
こちらは、冬に 一度 ご覧いただいた作品ですが、どうぞ もう一度 ご覧くださいますように。
「秋の瞳・うつくしいもの
わたしみづからのなかでもいい
わたしの外の せかいでも いい
どこにか 「ほんとうに美しいもの」は ないのか
それが 敵であっても かまわない
及びがたくても よい
ただ 在るといふことが 分りさへすれば
ああ ひさしくも これを追ふにつかれたこころ」
八木重吉 詩 村上翔雲 書 額装
台風が 近づいていますね。どうぞ被災されたところに これ以上の被害がありませんように。
いつも ご覧くださいまして、ありがとうございます。