こんにちは。
お元気でいらっしゃいましたか。
今夜は 強い雨が降ったり止んだりで、垂れ込めた雲が 時折音を立てずに光っています。
まず、水曜日に うっかりと下書きなどを公開してしまい あわてて取り消したものが お見苦しく出てしまいましたことを お詫びします。
一緒にいた妹に 呆れられたり、「私が 話しかけたから、間違えて『公開』を押しちゃったのかしら」と心配されたり。
そんなことは ないのです。スマートフォンで書いているうちに、うっかり触ってしまっただけなのです。ご心配のコメントをくださった方もいらっしゃいました。ありがとうございました。
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今日は、毎年 神戸で開かれる 書道の「名筆研究会展」に伺ったお話です。どうぞよろしくお付き合いください。
こちらの書道展は、父が立ち上げた書道の会「名筆研究会」を 引き継がれて続けていらっしゃる先生方の作品展です。毎回 一つのテーマに沿った作品を出されています。この度のテーマは、「芽」。
雨混じりの日でしたので、カメラは持参せずに スマートフォンで撮らせていただきました。先生方の作品を いくつか揚げさせてください。(敬称は すべて「さん」で失礼いたします)
「木の下 燃えて燃えて 焼けて焼けて 焦げて 焦げて 枯れて
ふしぎに芽ぶいて 葉を茂らせて 葉を落として また芽ぶいて また茂って また葉を落として また。
芽ぶきはじめた木の下を人が歩いていく。
春の日ざしのなかを 生き残った人が歩いていく。」(150×210cm)
詩人 安水稔和さんの 阪神淡路大震災についての著書「焼野の草びら」より「木の下」 廣田瑛子さん 書
「くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の 針やはらかに春雨のふる 正岡子規の歌」(120×240cm) 正岡子規 歌 志水真智子さん 書
「がうがうと 欅(けやき)芽ぶりけり 風の中 波郷 句」(70×288cm) 石田波郷 句 西本直代さん 書 こちらは、筆遣いを面白く思いました。プレートのご説明には、「煤とのりを混ぜあわせた手製の墨に、手作りの藁の筆で、その筆触に豪快に風になびく様子を狙いました。」 と書かれてありました。
「泣きながら からだに刻んで行く 勉強があたらしい芽を ぐんぐん噴いて どこまで延びるかわからない それが あたらしい時代の百姓 全体の学問なんだ 宮澤賢治の詩抄」(136×140cm)〈あすこの田はねえ〉宮澤賢治 詩 大森峰子さん 書
「種 重い闇を抜け 青い疑問符の芽 黒いぼうしは私 風の声を聞こうと耳だてる葉っぱ 白い根の淋しさよ 自作詩」(150×180cm) 六車明峰さん 書
こちらは、鈴木漠さんの詩〈夕虹〉(90×300cm)
井元祥山 会長の作品です。ひたすら詩を読み込まれて 臨まれたそうです。腰を痛められているのにも関わらず、かなりの大作でした。
現代書は、まず古典を修めた後に 取りかかるものと聞いております。たゆまず研鑽を積まれ続けられておられる先生方に 頭が下がります。
私が 意見などができるものではありませんが、紙から 作家と書家の力が湧き出す作品を拝見させていただきました。 今年は特に素晴らしい作品群と存じました。
こうして、あちらこちらで 作品を撮らせていただいているうちに ふと 母のことを思い出していました。
会の展覧会や、個展を 父が開く時、母がカメラを携えて 作品を撮っていました。初期の頃には 狭いキッチンを暗室にして、撮ってきた写真を現像していました。母のカメラワークには 私は到底及びません。(オートフォーカス頼みですし…)
照明の修理中で、お写真を撮れなかった先生の作品もありました。すべてを掲載できない失礼をお許しください。
父の作品のコーナーも 作ってくださっていました。ひとつだけ 揚げさせてください。
名筆研究会の先生方 いつもありがとうございます。
「最も偉大な真理は きわめて単純なものである トルストイの言葉」(38
×28cm) 村上翔雲 書
こちらの 「第54回 '19名筆研究会展」は 10月6日(日)まで 兵庫県民会館 アートギャラリーで開催されています。
少し季節のものを。
秋に向かう山深いところを ドライブしていると、
茶蕎麦のお店を見つけました。囲炉裏の向こう 上がり框から 庭が広がるのが見えます。
来る途中に 茶畑がありました。普通のお蕎麦が好きですが、茶蕎麦もいいですね。ふわふわのきな粉にくるまったわらび餅も 温かくておいしくいただきました。
萱の厚みが、雨や雪を凌ぐのですね。先日 拝読した 篠田桃紅さんの随筆に描かれていた 富士山のふもとのお宅の話を思い出していました。
最後まで ご覧くださいまして、ありがとうございます。