野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

額の花

こんにちは。

f:id:snow36:20210615165155j:image先週 紫陽花が咲き始めたよと連絡をもらって、朝 連れ合いの友人のお庭に伺いました。

お出迎えは、ユキノシタの白い花。f:id:snow36:20210615161930j:image

 

今年は、例年に比べてこちらの紫陽花は全体的に花が少ないとのお話でした。山の影になって元々日照時間が十分ではない土地なのです。

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花が少なくても 紫陽花の木を多く育てていらっしゃいますので、拝見する楽しみがあります。

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紫陽花は、手毬咲きや額紫陽花など 八重咲きも華やかですし、種類も多様ですね。名前を教えていただいたのに、ついごっちゃになってしまいまして。

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朝の新しい空気と、瑞々しい紫陽花の花と葉に とても清々しい気持ちになります。

 

f:id:snow36:20210615165554j:image藤棚には、テイカカズラがどこか扇風機の羽根を思わせる陽気な愛らしい花をつけていました。

 

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桑の実が鈴なりです。例年になく多く生ったそうです。

 

途中から 花を観に来られた方がありましたので、そこからは 私ひとりでほかのお花も撮らせていただきました。

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こちらのクレマチスは 高いところに咲いていて、花が見えません。腕を思いっきり伸ばして撮りました。後でカメラのモニターをひっくり返せば、確認しながら撮れたことに気づきました… 使い出して何年か経っていますのに こんな程度です。

こちらは、ヒメヒオウギアヤメでしょうか。

f:id:snow36:20210615172159j:image紅をちょこんと差したようなお花が可憐でした。

f:id:snow36:20210615184813j:image連れ合いの友人は、お花でいっぱいの丹精されたお庭をいつも自由に見せてくださいます。

感謝しながら、ご挨拶をして帰ろうとしましたら、園芸種のドクダミの苗をいただきました。色づいた葉もきれいだけど増え過ぎるのも困るだろうから、小さな鉢に植えるといいよとのことでした。

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帰りの道沿いの畑の畔に、ニワゼキショウユウゲショウが花を咲かせていました。コバンソウの実が さらさらと揺れています。f:id:snow36:20210615162758j:image

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野菜を植える時に畔の野草は刈られますので、この眺めは限られた期間の小さな楽しみ。翌日 そこを通った時には、すっかり刈られていました。

季節が巡ると 素朴な花々はまた同じところに咲きますね。

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***

2ヵ月ほど前、六甲山の自動車道路に脚をテープで括られて捨てられていた生後4、5ヵ月くらいのトイプードルのことを新聞で読みました。

何かわからないほど、どろどろに汚れて弱っていたそうです。

この経緯を知ったたくさんの方々が、その子犬を引き取りたいと申し出ておられたそうでしたが、その後はどうなったのかと ずっと気になっていました。

最近、自動車道路で見つけて保護された方が飼われることになったと知りました。

「わたし、おこげ。元気に暮らしているよ」 山中で脚縛られていた子犬の新たな生活|総合|神戸新聞NEXT

以前 神戸新聞の正平調に、「少年と犬」という作品で昨年 直木賞を受賞された馳星周さんが受賞作について話された言葉が書かれてあり心に残りました。

「犬に限らず動物は、神さまが人間に遣わせてくれた生き物だと思います。動物がいなかったら、人間はもっと傲慢になる。そこを書きたかった。」

一緒に暮らして守り育む存在。私が知らないだけで、辛い目に遭わされる生き物はたくさんいるのでしょう。

 

たとえそうであったとしても、人に奥深く在るのは 日々共に過ごす存在をかけがえなく思い慈しむ心と信じたい。

小さなトイプードルの おこげちゃん、本当によかったですね。

 

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屋久島ノイバラ。盆栽仕立ての小さな木です。新しい葉が出てきたところで、ふたつ咲きました。

 

 

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「数々のものに離れて額の花 兜子の句」(210×300m/m) 歳華集・八岐・備前の旅 赤尾兜子 句 額の花は紫陽花(ガクアジサイ) の意。


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「大雷雨 鬱王と会ふ あさの夢 兜子の句」(210×300m/m) 歳華集・鬱王・われ病む 赤尾兜子 句     村上翔雲 書

 

赤尾兜子 (あかおとうし) 俳人

1925年(大正14年) 2月28日 現 姫路市網干区生まれ。

1941年(昭和16年) 大阪外国語学校中国語科入学。同級 蒙古語科に司馬遼太郎、一年上級の印度語科に陳舜臣。句作を始める。

第二次世界大戦を経て、復員後 京都大学へ。卒業後 毎日新聞社に入社。 編集者として定年まで勤めながら作句。俳句誌「渦」主宰。(「渦」は、父のところへも送っていただいておりましたので、私も時々拝読させていただきました)

作品は、前衛俳句の先駆から、次第に古典的な作風への変遷に。 切り取られた風景、読み手の心の底を揺蕩う言葉に素朴な美しさを感じます。(すみません。生意気な書き方をしてしまいまして。素人の感想です。)

1981年(昭和56年) 3月 神戸市にて急逝。

父の本棚にある「赤尾兜子全句集」(編集委員司馬遼太郎和田悟朗高柳重信 立風書房 1982年3月刊)を読み、人里離れた野に咲く花を見るように詩情豊かな俳人がどんなにたくさんの芸術家から愛され、惜別の言葉を送られていたのかを知りました。

 

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 いつもご覧いただきましてありがとうございます。

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