野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

椿の咲くお寺。庭の花のことなど

こんにちは。

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ご近所の椿が咲いています。許可をいただいて撮らせていただきました。

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ふんわりと微笑む姿がきれいですね。

 

暖かくなって、こちらの山間部にも日差しが長く差し込むようになってきました。

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空にも木々にも淡く靄る春の山々の晴れやかさに誘われて 吹く風にも柔らかさを感じます。道路沿いの桜も我が家の木瓜の花も 昨日一度に咲き出しました。 お久しぶりです。

 

朝早くから鶯の鳴き声も聞こえてきます。歩く道では雲雀の歌が高いところから。 

 

前回の義父のことでは、ブックマークにもコメント欄にも優しい言葉やスターをたくさんいただきました。お心遣いに感謝いたします。ありがとうございました。

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実の両親の時には経験のなかった お葬式の後にする流れがいくつか続いて、1カ月が目まぐるしく過ぎていました。 

 

気づかないまま 花の時期を終えたスノードロップや原種のチューリップなどは残念ですが、こぼれ種の青いビオラやラブラドリカ、こぼれ種以外にも種を取って蒔いていたペニーブラックは、陰の時間の多い我が家でもゆっくりと育っています。 

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(青いハナニラですね) も咲き始めました。

 

f:id:snow36:20210328151758j:imageチングルマが一輪…。

どの花も少しずつ咲いて、何事にものんきな私に合わせてくれるように思います。

 

🌿

お彼岸の前、3月中旬頃に満開の梅を見かけました。こちらは、以前 紫陽花のきれいなところと書いたことのあるお寺の境内です。

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梅と申しましたが、梅なのでしょうか? 花びらの先が割れているような…  実の生る桜だったりして😉

 

こちらのお寺では、唐子椿(からこつばき) を見ることができます。

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唐子椿(からこつばき)は、唐子人形の髪を結った頭に似た花を咲かせるところから名付けられたそうです。

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かなり大きな木でした。

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この唐子椿の木は、その大きさから兵庫県の天然記念物にも指定されているそうです。

唐子椿の側に大きな石碑があります。

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砕花の歌碑です。富田砕花は、「兵庫県文化の父」と称される詩人であり歌人です。

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わからないことだらけの素人の私も、わからないなりに言葉の息吹を感じ取れるか確めたくて石碑の文字にそっと触れてみます。

ひと気のない境内に、紅い唐子椿がさんざめくように咲いています。

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「砕花  西海の五島は遠し 都麻びとは うつつに聴くや鐘の梵音   西林寺にて」富田砕花 歌

 

 

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父が生前 上梓しました「ひょうごの野の書」を確認しましたら、こちらのお寺にいくつかある句碑の中から、父は高濱虚子の句碑を取り上げておりました。

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父は、

「碑に刻された虚子の書は『虚子百句』から拡大転写されたもの。ねばりのきいた線で大胆に書きすすめ、余白のヒビキ具合にまで神経をゆきとどかせたあたりは、凡手の技ではない。」と書いております。

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「この池の生々流転 蝌蚪の紐 虚子」

蝌蚪の紐。オタマジャクシの尾や蛙の卵のことを言うらしいですが、ここでは蟇(ヒキガエル)の卵のことだそうです。細長いゼリー状の卵は、春先に見られるので 蝌蚪の紐は春の季語とも。おもしろく思います。

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f:id:snow36:20210328174342j:image高濱虚子の句碑を撮らせていただくために、こちらのお寺には 二度寄らせていただきました。花の美しい時期に入り 二度目に伺った時には 違った花が盛りになっていました。

駆け足の訪問なりに楽しませていただきました。

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生協さんのカタログで買って植えてみた 園芸種のかたくりの花が、2年経ってひとつだけ顔を出してくれました。

f:id:snow36:20210328154516j:image以前ブログに書きました氷上町清住のかたくりは、今年は公開されているようです。出かけてみたく思いましたが、高齢の義母もいますので人気のところへ行くのは またの機会にいたします。

我が家の堅香子の閑雅な面差しを楽しみに待ちましょう。

 

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3月の初めに新聞で

美術家 篠田桃紅さんの訃報を知りました。

ご冥福をお祈りいたします。

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いつもご覧くださいましてありがとうございます。

お身体に気をつけてお過ごしくださいね。



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「 嵐  しづかなれども いづくにか 梢に觸れ ゆく風あるがごとし わが胸かなしきまでに落ち居れど 遠く遠く嵐あるを聴く 砕花 詩」(240×170m/m)   富田砕花 詩

 

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「空鬱々 さくらは白く走るかな 兜子の句」(210×300m/m)  歳華集 鬱王 われ病む         赤尾兜子 句  村上翔雲 書