野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

微かに雪をいただく山で松葉を買ったこと

こんにちは。f:id:snow36:20190112133654j:image

内陸部を車で走っていると、少し冬らしくなってきたことを感じました。

 

❄️

大阪市立美術館へ 行ったのは 年明けのことなので 古いお話で恐縮ですが、

その時に 美術館と同じ天王寺公園の敷地にある 慶沢園(けいたくえん)へ寄ってみました。池の回りを 美しい樹木が巡らせてある 日本庭園です。


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慶沢園は、大正時代に 住友家から大阪市へ寄贈された茶臼山本邸の庭園とのことです。

冬枯れの 寂の時期でしょうか。

歩く人もまばらでした。

時折 日が翳ると コートを着ていても、乾いた寒さが足元から上がって来ます。

 

冷たそうな浅い池に 真鯉が泳いでいました。


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この時は 晴れたり曇ったりしていて、日が射し始めると 静かな水面に逆さまの景色がくっきりと写っていました。右手に 茶室「長生庵」が池に掛かるように 建っていました。


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後ろから見た美術館が 写っています。美術館は どちらから見ても とても美しい建物でした。


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あべのハルカスが 大きく見えています。大阪の街中には、日本庭園は少ないそうです。

茶室「長生庵」は 印象として、茶室というよりは 広いあずまやのようでした。


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大きな窓からは、広い庭が望めました。真下の池には 水草の枯れたものがゆらゆらとして 少し濁っていました。


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この日は 6日でしたので、七草が 飾られていました。


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茶室の側の 蹲に ツワブキ。崩れかけた筧から水が落ちていました。

季節柄なのか、庭園の中は この蹲のように 少し寂れた感じでした。

それが 冬らしくて良いのかもしれません。

 

 

ここから 何の繋がりもなく、田舎のお話なのですが、

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北近畿豊岡自動車道沿いの道の駅から 眺めた山の様子です。少しだけ、雪を被っています。ここでは    岩津ねぎを買いました。大仁田ねぎに似ていて 焼いたり、鍋料理に入れたり火を入れると 甘くて特別な美味しさ。 この季節のお約束ものです。

 

更に走って下道に降り しばらくすると、 まだ日本海からは遠い場所ですが、日本海の幸である 松葉ガニ(ズワイガニ)のお店があります。

この季節に 一度は寄らせていただいています。

お店の方と話しながら、水槽の中のカニを選びます。こちらで 鍋料理をいただくこともできますが、

連れ合いは いつも その場で 茹でてもらい、お世話になっている方に持って行きます。   ついでに、私たち家族の分も買って茹でてもらいます。  

今年は 日本海が荒れる日が少なくて、新聞でも読みましたが 予定の量を昨年末にほぼ捕れてしまったとのことで、却って 少々高値になっているとのお話でした。

カニを美味しく茹で上げるためには、沸かし続けている お湯の中で  2、30分が必要なのだそうです。

人手が少なくなったのと、一日中お湯の温度を保ち続ける燃料費のために、 最近は 産地の海沿いの店でも その場で茹でる設備を備えていないことも多くなり、あらかじめ 一度にまとめて茹でてあるカニが並んでいることが多いのです。

 

薪ストーブの前で頬を火照らせ、コーヒーをいただきながら 茹で上がるのを待ちます。茹だったカニのいい匂いが 暖まった店の中に広がっていきます。

贅沢な時間。

 

 茹でたてを 急いで持って帰って 食べる愉しみは、我が家の この時期の外せない行事なのです。

 

店内には、他の海産物も置いてありました。大きな長い穴子がありました。凍っている、と思って見ていると ご主人が 解凍したものを炙って試食させてくれました。

味付けをしていない焼いただけの穴子

白身の魚の 肉厚の身は柔らかくて、大きいだけに少しグロテスクに見える皮は ぱりっと香ばしく 焼き上がり とても美味しかったので、こちらも買わせていただくことにしました。  


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家に帰って来て 早速ふたを取り、手に取ってみたりして 改めてカニを眺めます。

タグには、船の名前と 「浜坂産 松葉がに」と記されていました。

松葉ガニは 太い足の身がしっかり詰まっていて 旨味が強く、品の良い味わいがあります。甲羅の中のみそも濃くて たくさん入っていて食べ応えがあります。 

義母の分を 手早く捌きます。(何をしても どんくさい者なのですが、美味しくいただきたい一心でキッチンバサミでバキバキといきます。なるべく食べやすいように気をつけて)

1時間半ほど経っていましたが、まだ温かくて 豊かな海の滋味を 心ゆくまで味わいました。

お皿の大きさは 直径25cmぐらいです。
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梅のつぼみが 綻んで来ました。ひなたは ふんわり暖かいですね。

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ご覧いただきまして、ありがとうございます。




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  「帰居 しみじみ しづかな 机の塵」(240×320m/m) 種田山頭火 句          


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 「松はみな枝垂れて南無觀世音」(240×320m/m) 種田山頭火 句       村上翔雲 書