野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

西瓜。

こんにちは。


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蒸し暑い日も多くなりましたね。水の張られた田んぼに 離れた低い山が映ります。一昨日の夕方はこんな眺めでした。

お元気でいらっしゃいましたか。

 

前回は、普段に増して まとまりのない内容でしたのに、

たくさんの方にご覧いただいたばかりか スターや、ブックマーク、コメントを思いがけないほど いただいてしまいました。

申し訳なく思いますと同時に、お心遣いをいただきましたことに心から感謝いたします。本当にありがとうございました。


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病気の親戚は 私どもの隣に住む 連れ合いの伯母で、先週 亡くなり 連れ合いが弟と一緒に お葬式を出しました。

子どものいない伯母から とても可愛がられた連れ合いの気持ちを思いました。

何か他人事のように書いていますが、私こそ お世話になっているのです。

以前 実家の父や義父母、連れ合いが 立て続けに病気になり、かかりきりになることが 8年ほど続いたことがありました。父は妹が看てくれたり、小学生から中高生にかけての年頃だった子どもたちが手伝ってくれたりと、随分まわりに助けてもらいましたが、

自分の不甲斐なさに落ち込むと、岸田衿子さんの

「くるま はぐるま くるわば くるえ」という詩を 度々思い浮かべました。そこまででもなかったのに、少し厚かましいことです。

けれど、伯母が長い間 変わらずそばにいてくれて 力になってくれたから、私は 孤独ではありませんでした。感謝しても感謝し尽くせません。


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伯母のお葬式は 家族葬でしたが、親戚や会葬してくださった方々が とても優しくて 気持ちが救われました。

お別れは 何度経験しても慣れることはないのですね。

 

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お葬式の帰りに 伯母も好きだったスイカを買いました。

包丁を入れて 切り分けたスイカのひと切れ。私の思う夏のみどりの指からは きっとこんな香りが滴る。

伯母の明るく優しい笑顔を思います。美味しいものと 花がお好きでした。だから 料理も 植物を育てることも上手なひとでした。

 

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お話が 前後しますが、

伯母が亡くなる前の日に、時間をみて ひとりで あじさい園に行きました。f:id:snow36:20190625234355j:image

去年の今頃にも伺った こちらのお寺のあじさいが、とても美しかったことを思い出していました。


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今年も 丹精された淡い花は 木漏れ日の影で、優しく咲いていました。

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花は 静かに咲くだけで、それだけですべてよいのですね。

しばらく花を拝見して、あじさい園のそばから 緩やかに伸びる参道を 本堂へと歩きました。

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時折聞こえる葉擦れの音、ジャスミンに似た香りが漂うのは、参道の脇の 聖天をお祀りしてある天堂からのお香でしょうか。木々のしじまに 清浄な空気が とても穏やかでした。f:id:snow36:20190625235704j:image


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本堂の前で…。この時には、何を祈ればよいのか もうわかりませんでした。ただ伯母のことを思って 手を合わせました。 


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お葬式から数日経って、息子が これを見ないかと サカナクション10周年記念のBlu-rayを見せてくれました。 (2017のライブですから、今年は12周年ですね)   まだ用事が多くて ゆっくりと見ることはできませんでしたが、山口一郎さんは お話の楽しい方だと知りました。

「ふくろう」という曲が心に残りました。12年前の歌。アレンジはあるのかもしれませんが、落ち着いた声とギターの素朴な音色。アスファルトに染み込む雨の匂い。聴く者が触発される感覚的な歌詞が しみじみと語りかけてくるのでした。 

 

四十九日まで、毎晩 ご詠歌を上げます。小一時間のことですが、のどかな拍子と鉦の音に 気持ちが落ち着きます。偲びながら、ゆっくりお別れをしていきましょう。

 

我が家のあじさいも 咲き揃ってきました。雨の季節に入っていきます。f:id:snow36:20190625235836j:image

 

 

ご覧くださいまして、ありがとうございました。

台風の大雨が降るそうですね。

極端なお天気が続きませんように。どうぞ お気をつけて。

 






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「君が君の最後の肉の一片 血の一滴が盡きるまで その努力をやめることをせぬのを  富田砕花 詩抄」(300×200m/m)  富田砕花 詩     村上翔雲 書