野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

枝垂れの散り敷く

こんにちは。


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数日冷たい雨が降りまして、枝垂れもみじが 急に鮮やかさを増しました。そばから、北風が吹いて しきりに散り始めます。
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石灯篭は 義父が前栽に据えたもの。まだ青い苔に枝垂れもみじの落ち葉を眺めます。f:id:snow36:20191128142959j:image

 

 

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バスを乗り継いで、大阪駅 中之島 国立国際美術館へ「ウィーン・モダン展 ー クリムト、シーレ 世紀末への道」12月8日(日)まで  を観に参りました。

 

大阪シティバスの運転士さんは、ふんわりとした声でアナウンスされます。心遣いの行き届いた落ち着きのある運転に、同性として見倣いたく思いました。


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グスタフ・クリムトの こちらの「エミーリエ・フレーゲの肖像」は写真撮影をさせてもらえました。
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連続する青い繊細な模様は、頭を囲む花のような模様からコーヒー豆の連なるような意匠へ、そして  ドットが散らされた四角や渦巻きの 愛らしさも感じられる幾何学へと形を変えて、ドレスのうねりに沿って流れていきます。

女性の顔は 輪郭が曖昧で、眼差しが真っ直ぐこちらを見つめます。背筋の伸びた立ち姿、腰にあてがった左手からも 毅然とした意志の強さが伝わります。

モデルのエミーリエからは不評だったようです。しかし、醸し出される高雅な空気は、百合の香りに包み込まれるようです。

人が この絵に魅了されるのは、エミーリエ自身も 当時のウエストを絞った服に対して、体を締め付けない改良服のデザイナーとして自立した魅力的な女性であり、クリムトにとってのミューズであるからなのですね。

サインは 四角で日本画の落款を意識されているそうです。

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首元を被い 胸の下で切り替えられ 細かいプリーツが畳まれたタフタの白いドレスが エミーリエ・フレーゲの「改良服」のレプリカとして飾られていました。

いくつかの改良服を着て撮影された エミーリエの白黒写真は 柔らかで若々しく、笑顔も素敵でした。青い肖像画とは また違った甘い空気を纏う愛らしい人となりを伝えます。

クリムトも 今どきの女性が好むような 首周りが開いていて、胸元と背中に少しギャザーを寄せた オーバーサイズの(但し足元まである)改良服を着ていたようです。猫を抱いて写っている写真がありました。

 

エゴン・シーレ

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今年一番 観たかった画家でした。

歪んだ顔の自画像は 強く光を放ちます。髪を描いたところには、暗がりの横顔が浮かび上がります。

ここに載せられませんが、エゴン・シーレの自画像の素描は、ロック音楽のように。

シーレの一連の作品を 3回 観に戻りました。この熱に一瞬で掴み取られる。目が離せなくなりました。

グスタフ・クリムトに影響を受けたという エゴン・シーレ、観に来れて本当によかったと思います。

 

でも、この度は クリムトとシーレに特化した展覧会ではなく、「啓蒙主義時代のウィーン」から、

「ビーダーマイヤー」という富裕層の暮らし方が 中流層でも主流となっていった様子が 絵や椅子といった家具や美しい銀のカトラリーの展示で説明されたパートや、

「リンク通り」が ウィーンの発展を物語るものとして出来上がっていく様子の写真など。

その後に、「1900年 ー 世紀末のウィーン」として 建築家オットー・ヴァーグナーの 華麗な設計計画図(帽子をかぶって歩く人、植栽が描き込まれていて、温かくすっきりとした絵画のようでした)や イギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動に刺激された ウィーン工房の グラフィックデザインや モダンな普段使いの家具の数々が 飾られてありました。

ウィーン工房は、四角いブローチやエミーリエ・フレーゲの髪を留める櫛もデザインしていました。今でも 百貨店などできれいに並べられていそうなデザインでした。

 

帰りは、大阪駅まで歩きました。

紡垂型に刈られたイチョウ並木が とても鮮やかです。

 

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被災地の報告~真備中生徒の防災新聞2 | happy-ok3の日記

11月25日のhappy-ok3さんのブログでは、 真備中学校の生徒さんの「防災新聞 」が24日付 山陽新聞の 「さん太タイムズ」に取り上げられた事について書いていらっしゃいます。

当たり前のことであるはずの言葉が 新鮮に感じます。どうぞ ご覧くださいね。

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いつもご覧くださいまして ありがとうございます。

寒くなりましたね。どうぞ お体お大事に🌿

 


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「宙という暁暗の寒雀かな  峰夫の句」(130×185m/m)  (Ⅷ 天体) 石井峰夫 句

 


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「しぐるるや しぐるる山へ歩み入る  山頭火 句」(240×320m/m)  種田山頭火      村上翔雲 書

4kmの吊り橋を渡る

こんにちは。紅葉の美しい季節ですね。

お元気でいらっしゃいますか。

 

私の住む辺りは、燃えるような赤い紅葉ではなく、くすんだ黄や赤茶が 緑に混ざる程度です。

この度は、きれいな花の色を見たくて、遅まきながら 淡路島へ行ってみました。f:id:snow36:20191121200626j:image

よく晴れた日曜日の淡路島は、凪いだ海が眩しく 神戸淡路鳴門自動車道からの眺めも爽やかでした。

南あわじ市イングランドの丘で 名残りのコスモスを見ました。2週間ほど前なら満開の見頃だったでしょう。11月の始めは 出かける機会がありませんでした。


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コスモスの花畑の前を歩くと、控えめな香りが漂います。日曜日なら 人でいっぱいの園内のようですが、開園まもなくの時間には人も少なくのんびり歩くことができました。小さな子どもが喜びそうな遊具のある広場もあり、親子連れが楽しんでおられました。

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淡路島は、渡り鳥が ひとやすみでしょうか。小柄な鳥たちが いろんな声で盛んに囀ずっていました。

 

🌿🌿

更に南へ 鳴門大橋の近くまで 行ってみました。お昼の時間で 道の駅では係の人が車を誘導してくれました。

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ツワブキの花が咲いています。f:id:snow36:20191121200713j:image

 

大きな橋脚のある海の近くまで 降りて行ってみました。

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ツワブキと 小さなアゼトウナ(畔唐菜、畔冬菜)  の花があちらこちらに寄り合って咲いていました。

次第に アゼトウナの花が 多くなりました。岩に根を下ろしています。

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道の駅では 静かでしたが、少し降りた海のそばでは いつも強い風が吹いています。風向きで 時々潮の匂いがします。f:id:snow36:20191121202240j:image

鳴門大橋の下は、東へ向かう海の流れが激しいことが見てとれるほどでした。

鳴門の渦潮の時期は、秋もありますが やはり春が有名ですね。大潮のタイミングでしょうか。

 

小さな漁船が 橋の下を通って風上へ向かおうとしていましたが、全く進まなくなりました。しばらくすると 諦めて、もと来た方へ戻って行きました。強い風が吹き続けます。f:id:snow36:20191121200906j:image

 

遠くに 風力発電の白い羽根が忙しなく回っているのが見えます。風力発電の塔が並んで立つ辺りは、周りの豊かな自然と 不思議な均衡を持っていると感じます。キリコの絵のようだと思いました。

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🐟🐟🐟

お昼は 生シラスを食べたいと思っていました。生シラスの美味しい季節ですね。新鮮な生のシラスは、ひんやりつるり。元々あまり食べる機会はないのですが、海の恵みをそのままいただく気持ちがします。大切に味わいたいです。

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でも、今日のお勧めが 鯖だと知ると つい釣られて 私の方は塩焼きにしてもらって 分け合っていただきました。

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ふっくらとして柔らかい鯖は、30cmほどの大きさ。定食には、鯖と鰆と鯛のお刺身も 少しついていました。お刺身も とても新鮮です🎵 鰆は春の淡白な印象ですが、身が厚いので 大きなサイズなのが想像できます。明石の鯛は、蛸を餌にしていると聞いています。こんな風に語っておりますが、内陸は山間部の我が家の辺りでは、鯖もシラスも刺身では あまりお目にかかれません。

 

🌿🌿🌿

淡路島への行き帰りは、明石から船に乗って行く方法もありますが、車なら明石海峡大橋を通って行きます。

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すみません。写り方が残念な写真ですね。

 

下の写真は、去年の夏に撮ったものです。夏の雲です。
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二つの主塔から弧を描きながら伸びている頑丈なケーブルからは、列を成す白いハンガーロープが 道路を挟んで空から落ちて来るように見えます。4kmほどの橋は 白い光の筋が並ぶ中を駆け抜けるようです。

ゴールデンウィークには、神戸の垂水ジャンクションから、淡路島ハイウェイオアシスまで 動かないほど渋滞するそうです。🚙🚗🚕🚓   


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淡路島側から、淡路島ハイウェイオアシス越しの明石海峡大橋です。

先日から続いて 吊り橋です。よくよくの吊り橋好きですね…。

 

🌿🌿🌿

もうしばらく お付き合いくださいますように。少し真面目なお話をさせてくださいね。

9月 10月の台風 15号、19号、更にすぐ後の低気圧の豪雨で 大きな被害を受けられたところでは、まだ復旧作業が始まってもいない場所があったり、避難所で過ごされている方も少なくないとお聞きました。

 

昨年の豪雨で 被害を受けられた 岡山県真備町もまた被災地です。家を無くされるなど 大きな被災を受けながら、立ち上がっていこうとされる真備中学校のお話を こちらのブログで拝見しました。

 

https://happy-ok3.com/

happy-ok3さんのブログをご覧の方は 多いと思います。

好きなことばかりを書いているような私などの立場で お話させていただくことは あまりに僭越で心苦しいのですが、

学校のグラウンドが 先頃ようやく使えるようになった状態で まだ復興途中でありながら、この度の被災地のためにボランティア活動をされたり、被災経験から得た知識で防災新聞を作られておられる岡山県 真備中学校の生徒さんのお話を書かれているブログを ご紹介させてください。

 

この記事を書かれるhappy-ok3さんは、このようにがんばっている中学生の皆さんが 今ここにおられることを たくさんの方に知っていただければとおっしゃっています。

 

 

被災地の報告~真備中の句と倉敷商の書29 | happy-ok3の日記

被災地の報告~真備中生徒の防災新聞1 | happy-ok3の日記

どちらも 中学生の目を通した災害について書かれています。恐ろしい体験をくぐり抜けて、まだこれから復興へと向かう生徒さんたちから 心温まる言葉が届きます。

「真備中生徒の防災新聞」の記事に関しましては、今後も 私の拙いブログにリンクを貼らせていただければと思います。(最近ようやく貼り付けられるようになりました… ほんとにどうかしてますね 😅) 

至らな過ぎて申し訳ないことですが、続けさせていただければと思います。

各被災地の今の状況を 広範囲に渡って 私情を交えず毎日纏めておられるhappyさん、大量の記事を書くことも 時間と労力を思えば そのご苦労のほどが偲ばれますし、被災地のあまりの惨状に 心が苦しくなることも度々とお聞きします。

それでも、今 日本中で被災され復興のためにがんばっている方が 大勢おられることを覚えていてほしいとのお気持ちから、日々更新されています。

 

私の存じ上げるhappyさんは、お花や生き物が大好きな優しい方なのです。

 

🌿🌿🌿

今日も ご覧くださいまして、ありがとうございます。心から感謝いたします。

 


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「一粒の麦 地に落ちて死なずば 唯一つにて在らん    もし死なば 多くの果を結ぶべし   ヨハネ伝」(110×150m/m)   聖句     再掲

 

 


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「人のなし得ぬところは 神のなし得る所なり  ルカ伝」(110×150m/m)  聖句         村上翔雲 書

松山城から

こんにちは。

松山の続きです。長くて申し訳ありませんが、どうぞよろしくお付き合いくださいね。

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その前に、前回 鰹のたたきに関して

ぴちゅぅささんから教えていただいたのですが、ちっちゃい庭とおっきい空と。   

「鰹の加工技術は、日本独自で 世界ではツナくらいしかないので、

唯一獲得競争がなく 出汁や削り節やたたきで食べる素晴らしい文化とのこと」なのだそうです。お仕事の大切なお相手の会社の方から聞かれたとのことでした。

さらに、鰹の漁獲量は インドネシアが群を抜いているとも教えていただきました。日本へは、鰹節加工をされたものや、冷凍輸入の形で入ってくるようです。

 

価格が手頃で 当たり前のように思っていた鰹が 美味しくいただけることは、技術があってこその特別なことなのだと知りました。

ちなみに ツナは 私にはマグロの缶詰のイメージでしたので、我が家の缶詰を確認してみましたら 「かつお油漬」と書いてありました。族は違えど、マグロもカツオも ツナと呼ぶのですね。

美しい広島の空と、私が見落としがちな街角や 原っぱの可憐なお花をきれいに取り上げられておられるブログ。素敵なお話をしてくださる ぴちゅぅささん、いつもありがとうございます。

 

🌿

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ロープウェイで登って着いた松山城 本丸最上階には ひんやりと涼しい風が吹いてきて、甍の向こうには、松山の街並み さらに青い湾が見渡せました。

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松山大学のグラウンドが見えました。中学校や高校が寄り集まるように建っていて、暑いほどの日差しの中を 吹奏楽の音色が響いてきます。

 

練習中なのか 人がいる大学のグラウンドに向かって、大声で怒鳴るように叫ぶ人がいました。お腹からの大声は おーい、おーいから、エールのような外国語に変わっていきました。

 

下の階の梁。

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大工さんの落書き。

 

この後、二之丸史跡庭園を回って 聚楽亭や勝山亭を観てみたかったのですが、10月の終わり 季節外れの暑さと、長い帰り道を考えて 次へ行くことにしました。

 

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松山城からロープウェイ通りへ出て、お昼に 鯛めしをいただきました。f:id:snow36:20191114223707j:image

食べ方を教えてもらいました。つゆの中の卵を混ぜたところへ 薬味と鯛のお刺身を入れたものを、白いごはんにかけていただきます。

つゆは 多めに入っているとのことで、加減をして ごはんにかけてくださいと言われました。


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卵で 口あたりの柔らかい感じになっています。

魚のづけの入った卵かけごはんということでもなく、普通の鯛のお刺身丼でもない、楽しい食べ方だと思いました。家庭で食べるなら、家ごとに入れるものも 食べ方も 少しずつ違うのかもしれません。 おうちごはんの親しみを感じます。

美味しくて、あっという間に食べてしまいました。
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名物のじゃこ天をちょっとだけいただいてみました。ぱりっとした食感に 温められた じゃこのすり身の濃い旨み。香りがふんわり鼻を抜けていきます。

 

帰る前に、坂の上の雲ミュージアムへ行ってみたいと思いました。

秋山好古、真之と 正岡子規を中心に描かれた 松山が舞台。司馬遼太郎の小説を元にした展示をされている美術館です。

 

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ロープウェイ通りを歩いていくと、突き当たりを右にしばらく、「坂の上の雲ミュージアム」があります。

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建築家 安藤忠雄さんの設計で とてもモダンな建物でした。

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入ろうとすると、まず見えている 上の洋館からだろうと言うことで、

坂を登って萬翠荘(ばんすいそう) へ行ってみました。

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萬翠荘は、大正11年(1922)築。旧松山藩主 子孫の久松定謨伯爵の別邸として造られました。戦後には、米軍将校の宿舎や 家庭裁判所などに利用されていたそうです。

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平成23年(2011)に 国の重要文化財に指定。(パンフレットを拝見しました)

左右非対称の建て方は、日本人の美意識から。縁を取るように見えている美しい緑青の屋根は銅、天然スレート石の鱗のような瓦が葺かれています。

避雷針の先は、松山藩の大判や小判を溶かして作られたと伝えられているそうです。日差しを受けて輝いていました。


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1階の謁見の間では お琴の発表会をされていましたので、壁だけを撮らせてもらいました。

隣の部屋の晩餐の間には、水晶でできたシャンデリアが下がっていました。f:id:snow36:20191115210704j:image


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天井にはシャンデリアの装飾を削って作る時に出た水晶の粉を張ってあるとのことで ちらちらと光っていました。着飾った人々の華やかなさざめきが聞こえてくるようです。

 

 

階段を上がって行くと、踊り場に 大きなステンドグラスが見えます。(冒頭の写真です)


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美しいグラデーションが入っていて、帆船の絵の回りのガラスには 色がついていませんでした。

この日は 外の陽に照らされた緑が映えてきれいでした。ボランティアのガイドさんから 後ろの緑を取り込むデザインになっていますとの説明がありました。

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部屋ごとに 暖炉があり、暖炉の上には ベルギー製の鏡(ベルギー製が技術的に優れていて 歪みが少なかったとのことです) が 部屋を明るく見せるために張られていました。f:id:snow36:20191115222321j:image

 

隣接する 夏目漱石が住んでいた愛松亭は、平成22年に土砂崩れで全壊しているそうで、その跡地に 喫茶店がありました。少し立ち寄らせていただくことにしました。

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お店の中に 夏目漱石の作品が 掛けてあります。許可をいただいて撮らせてもらいました。

 

テラス席が 嬉しい。緑が気持ちよくて和みます。

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結局、子規記念博物館や 坂の上の雲ミュージアムへ行きそびれたことは残念に思いましたが、十分楽しく過ごしました。

若い頃からアウトドアが好きで、美術館や植物などに 全く興味のなかった連れ合いが、歳を取るに連れて 一緒に楽しんでくれるようになってきました。はじめは 出不精になっていた私に付き合って出かけてくれていたようですが、好みの変わり方に自分でも不思議がっています。

元々 私は ひとりでも行きたいところへ行ってしまう者でした。連れ合いにも気を遣ってもらっていたのですね。家族が がんばって元気になってくれましたし、ブログを始めたことも大きいと思います。

興味のあるところへ よく出かけるようになりました。お陰さまで、今は好きなことをさせていただいています。いろんな方に感謝したいです。

 

穏やかな瀬戸内海が暮れていきます。


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しまなみ海道から帰りました。

長くなりました。最後までお付き合いくださいまして 本当にありがとうございます。

 


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「茶の花はわびしい照り曇り  山頭火 句」(240×320m/m)  種田山頭火

 


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「いつしか明けてゐる茶の花   山頭火 句」(210×295m/m)  再掲   種田山頭火 句                     村上翔雲 書

 

 

 

 

 

 

 

松山で 鰹のたたきをいただきます。

こんにちは。

お元気でいらっしゃいますか。

 

先日 愛媛県松山市へ行きました。 車で6時間ちょっとかかります。

3ヶ月ほど前に 藁焼きの鰹のたたきのお店の予約をしていました。

 

行きは 岡山から瀬戸中央自動車道(瀬戸大橋)を参りました。瀬戸内海を走る時、小雨がぱらぱらと。曇りでしたが、海を渡る橋は 気持ちが上がります。


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パーキングエリアへ寄る時間を惜しんで 走る車の中から撮ったので、あまりきれいな写真ではありませんが、小さな島々が望めます。
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島の間に 潮目が見えます。

お昼は 坂出市で降りて セルフのお店で 釜揚げうどんをいただきました。小さいサイズでも十分な量です。しっかりとしていて、 もちもちでした。

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四国の真ん中を東西に伸びる四国山地は、高い山が少ないところから来た私たちには 聳えるように見えます。西日本最高峰と言われる石鎚山は 1,982mあり日本百名山のひとつとのことです。

高松道から松山道を走っていると 遠くへ来たことを実感しました。f:id:snow36:20191108203358j:image

松山市へ向かう間に 少し気づいたのですが、皆さん 片道2車線の走行車線を走って 追い越す時だけ 追い越し車線を使われています。

本当は そうするものなのでしょう。速い車は ずっと追い越し車線を走っているようなところから来た私たちには とても新鮮に映りました。

私たちも同じようにして 走行車線を走ります。

 

 松山に着いて まず道後温泉へ行ってみました。土曜日の午後の温泉は 混んでいました。並んで待つことを諦めて、外からの写真だけを撮りました。堪え性のないことです。

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みかん色の路面電車(伊予鉄)が 走っています。路面電車、西宮などでも かなり昔に走っていたことを 微かに思い出して ひと区間だけ乗ってみます。

道後温泉道後公園。歩いても近いです。f:id:snow36:20191108232935j:image

私たちが住んでいるところのJRの電車は 単線ですが、こちらは道路の中央に 2本線路が通っていて 広々と見えます。下の写真は、連れ合いの車から見たところです。路線が分かれていて たくさん走っていました。

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バスもみかんの色をしていました🍊

 

路面電車を降りた道後公園では、黄色い帽子を被ったボランティアの方に 湯築(ゆづき)城と 城主河野氏の歴史の説明や 夏目漱石正岡子規のお話を聞かせていただきました。

湯築城は、中世のお城とのことで 地形を利用したお城には、天守閣がなかったとのことです。今は、公園になっていて、資料館や 復元された武家屋敷、ゆかりの正岡子規記念博物館などがあるそうです。

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猫の手(足)跡が付いたまま焼かれた 素朴なお皿が 資料館に飾られていました。かわいらしいです。

 

ボランティアの方から 河野氏湯築城のお話をとても興味深く聞かせていただいきました。

お礼を言って失礼した後、復元された武家屋敷の前に張り巡らされた榛色の土壁の前を通って お目当ての 正岡子規記念博物館へ行こうとすると、

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後ろから 鰹のたたきのお店の予約の時間だと申します。

                                 ❗ 

いや、あの、 せっかく来たので、夏目漱石正岡子規の並んだ句碑と 博物館を見たいのですけれど…。

 

 

🌿🌿
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伺った鰹のたたきのお店です。鰹漁が盛んなところで、藁で焼くお店が人気とのことです。 藁焼きのお店は 他にも何件もありました。

カウンター席に通されて、鰹のさくを焼くところを拝見します。


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藁をひと掴み入れると 白い炎が上がります。もう2度ほど 藁を入れて焙る時間は 2、3分ぐらいだったでしょうか。魚の焼ける匂いが 少しし出したら、火から下ろして調理台へ持って来られました。

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まな板の上で さくを手早く鉄の串から外して、切り分け 塩を振ります。見る間に 料理が出来上がりました。
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塩たたきは 口に運ぶと 外は香ばしく口の中がほんのり温かくなりました。食感もほどよく、お塩が 本当によく合います。ふんわりと新しい赤身のお味が広がります。

臭みがなかったので、添えられた薬味は要りませんでした。

私の知る鰹のたたきとは別のものでした。塩だけで 飽きない美味しさです。焼くところをまた見たかったこともありますが、その美味しさに お代わりをしてしまいました。

 

 ウツボの唐揚げは さくっとしていて中はしっとりとしていました。ハモもそうですが、強面の魚の白身は 本当に美味しいですね。

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深海魚のメヒカリを焼いたもの。珍しくて頼んでみました。

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いい匂いで つい先に一つつまんでしまいました。シシャモを思い出す食感と お味で 脂が乗っています。ほどほどにしっかりとした身には じんわり滋味を感じます。ご飯がおいしいでしょうね。地酒のお供にも。

 

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焼き米茄子も同じように 焼いてもらっていただきました。氷水に浸さないので水っぽくならずに茄子がおいしく、ほかほかとして瑞々しいです。

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松山の人は 話し方が穏やかで優しい印象を受けました。運転をしていても、皆さん とても親切でした。

翌日は、松山城へ行ってみました。何だか 食べたもののことばかりになっていますね。

続きは 次回に 書かせてくださいね。

 

いつも ご覧くださいましてありがとうございます。


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ヒヤシンス科の ポリキセナが咲き始めました。

 

 


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「鶏頭や雁の来る時 なほあかし  芭蕉 句」続猿蓑   松尾芭蕉 句  (村上翔雲遺作展より  軸装)

 


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「朝露しっとり 行きたい方へ行く  山頭火 句」(240×320m/m) 種田山頭火 句      村上翔雲 書

秋の静め

こんにちは。

お元気でいらっしゃいますか。

我が家も ようやく秋明菊が咲き始めました。


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ミズヒキが 近所の歯医者さんの畑のそばで咲いていました。去年も あまりの小ささに なかなかカメラの焦点が合いませんでした。誰もいないのをいいことに いつまでも屈みこんで撮ったことを思い出します。f:id:snow36:20191031195628j:image

 

近所の水路のそばでは たくさんの花が急に咲き始めました。白いミゾソバのようにも見えましたが、少し遠くてわかりませんでした。

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滝を見たくなって 休日の晴れ間に山の中をドライブしました。10月の始め頃のことです。

見たかった滝は、道沿いにはなく かなり歩かなければ 行き着かないようでした。

滝へ行くのは諦めて、少し歩いてみました。

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ここへ 渓流釣りに来たことがあると、連れ合いが申します。イワナは もう釣れなくなって久しいと思いますが (イワナは まだ釣れるのではないかと申しております…)、アマゴなら まだ釣れそうな気もいたします。


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自然に咲く花が かわいらしいです。野に咲いていると、ゲンノショウコも楽しそうですね。

 

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更にしばらく車で行くと、先に 砂防ダム(それほど高さがないので 砂防堰堤・さぼうえんてい でしょうか) がありました。f:id:snow36:20191031201113j:image



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まっすぐ立つ黄色の花が あちらこちらに目立って咲いています。遠目に セイタカアワダチソウかもしれないと思いました。でも 林の影になった川沿いに育つものでしょうか。

近寄って見ると、丸い葉が 花の下の方に茂っています。後で調べてみると、オタカラコウのようでした。

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裏が枯れ葉のような蝶々が オタカラコウにとまっています。キタテハでしょうか。羽の先は丸いですが、名前は 迷うところです。少し野生味を感じます。(でも、私が写せるぐらいですから、よほど のんびりしています)

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渓流の音が絶え間なく続きます。時折 風がそよいで葉擦れが聞こえます。虫の羽音。
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麓は 晴れていましたが、山の上は 霧のように雨が降って 植物の匂いが立ってきました。

 

 

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先日 藤稔とポポーをくれた友人が、黒枝豆を2週続けて届けてくれました。


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すぐに枝から外して、鞘を大きな桶に入れて 井戸水でひたすら洗います。力仕事には 全く役に立たない者ですが、勝手なもので美味しいものの時は動きます。

今回いただいた量も シンクにいっぱいの黒枝豆です。

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塩で湯がいて、義弟宅などと分けさせていただきました。残りは冷凍にしました。

黒豆の枝豆は 大きくて もっちりしていて甘味があり、ふくよかです。感謝していただきます。

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🎃🎃🎃

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娘から 写真が送られて来ました。

保育所の 2歳の子どもたちのハロウィン、小さな紙ポーチに 子どもたちが色画用紙でカボチャを貼ったものだそうです。楽しそうな様子が目に浮かびます。

お菓子をいっぱいもらってね🍪🍬

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今日もご覧くださいまして ありがとうございました。

 



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「秋深き隣は何をする人ぞ   芭蕉 句」松尾芭蕉 句   (村上翔雲遺作展より  軸装)       

 


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「真理は 孤独の中で熟すべきものである  そして成熟すると論争を待たずに受け入れられるほど はっきりしたものになる   トルストイの言葉」   村上翔雲 書

 

天蓋の下で音楽を聴く

こんにちは。

前回は、たくさんの方にご覧いただきまして、本当にありがとうございました。心から感謝いたします。

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日曜日に、ポーランドのジャズを楽しむという催し「ポラ・Jazzの午後」へ行って来ました。

この度は、以前 ジャズのお店ソネに行ったというお話を書かせていただいた時に、ブログでお世話になっているunibabaさんから 「こんな企画が神戸であります。有名なポーランドのピアニストの演奏です。」と教えていただいた催しに伺ったお話です。どうぞ よろしくお付き合いください。

 

unibabaさんは、ポーランドのお話をはじめ、お庭や音楽、お料理など、本当に美しいブログを書かれていらっしゃいます。ブログから いろんなことを学ばせていただいております。 失礼ですが、気さくで素敵な方です😊  

 

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ポラ・Jazzの午後 in神戸

ポーランド政府観光局、日本ポーランド協会関西センター 共催

日本・ポーランド国交樹立100周年記念の特別企画とのことです。

会場のラピスホールは、神戸駅を北に歩いて文化ホールの近くと聞いていましたが、文化ホールの向こうは お寺がふたつ。お寺の中に?

本当に お寺の敷地にありました。ジャズをお寺で🎵 楽しそうです。


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他の日にもコンサートの予定があるようでした。

美しい民族衣装を着たポーランドの方が 出迎えてくださいました。(つい ぽーっとしていました。写真を撮らせてくださいとお願いすればよかったですね。)

 

室内の撮影を許可していただきました。
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音響の設備が調えられたホールの 舞台の中央には ピアノが置いてありました。後ろにワルシャワの王宮広場でしょうか。写真の映ったスクリーンがあり、その向こうにも 大きな仏像がおられました。

天井には天蓋が。

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80人の席が みるみる満席になっていきます。

 

ピアノ演奏は、ミハウ・ソブコヴィアクさん。何も知らないで出かけて行って 本当にお恥ずかしいのですが、たいへん有名な方なのですね。後で調べてみると 既に日本の大学で教えていらっしゃるそうです。

ショパンの曲をまず弾かれて、続いて ご自身でジャズにアレンジされた曲を弾かれるというスタイルで数曲弾いてくださいました。

力強い「革命のエチュード」のアレンジは、湧き上がり続ける透明な泡の波のように感じました。

 

ポーランドのジャズは、品がありながら 親しみ易く優しい印象を受けました。ミハウ・ソブコヴィアクさんの演奏は、華やかでとても美しかったです。

 

こちらの短い動画はこの度とは関係がないのですが、雰囲気がお伝えできればと思います。このような感じでした。

ミハウさんのお声が聞き取り難くなってしまっています。機知に富んだ楽しいお話をなさる方なのに すみません。とても魅力的な方で 会場は笑い声が絶えませんでした。

後で 会場からの質問に答えておられましたが、ショパンとジャズについて、ショパンは 日本で言えば 演歌のようなもの。ショパンの時代にジャズというジャンルがあったら、ショパンはジャズを書いていたと思うとおっしゃっておられました。

また、ポーランドのジャズについては 政治的な事情で、ポップスなどが許されなかったが ジャズは許されていたとのことでした。

ポーランドの作曲家ショパンの曲は ポーランドでは よくジャズにアレンジされるそうです。

 

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下の写真は、ポーランドの手作りのお菓子です。休憩時間に出してくださいました。

ファヴォルキ(粉砂糖を振って白く見える揚げ菓子)と、ピェルニク(シナモン、クローブ、カルダモン、ジンジャーなどのハーブやスパイスを合わせてパウンドケーキの型なら20g以上入れるケーキなのだそうです) お店や家庭によってスパイスの配分が違うそうです。

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飲み物は 麦から作られたインカコーヒーをいただいてみました。unibabaさんのブログで以前拝見して とてもきれいな色で素敵だった記憶があるフルーツティーも選べましたが、コーヒーではないインカコーヒーに惹かれてしまいました。お味は 麦茶とは違って、酸味を僅かに感じるような。香りと香ばしさは麦だからでしょうか。確かにミルクと合いそうです。

ピェルニクは、帰ってから 留守番をしていた連れ合いといただきました。f:id:snow36:20191024192542j:image

いろんな香りが合わさって、いい匂いがしました。レモンのように爽やかな香りはカルダモンでしょうか。お味は、スパイスがまとまっていて 優しい甘さでした。香りが苦手なはずの連れ合いが これはおいしい❗と喜んで食べていました。

 

ポーランドの美しい街並みや、景勝地のお話、最近のポーランドのジャズレーベルのことなど 興味深い話題が続きます。


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 最後に、ミハウさんが まさに作りながら弾いていく即興曲と、 最近のジャズやレーベルのお話をしてくださった品川明子さんとご一緒に ピアノと歌を聴かせてくださいました。

曲は、ポーランドの映画「Cold War」から「ふたつの心」のジャズアレンジ。

品川さんは ジャズシンガーでいらっしゃるのに 自己紹介をされていなかったので、歌い始められると、力強い美しい声に驚いてしまいました。掻き口説くような泣き声を表現する「オヨヨィ…」という言葉が あまりにも切なくて、聴きほれました。

 

***

兵庫県立美術館では、国交樹立100周年記念の ショパン展も開かれており、ワルシャワ蜂起より以前にあったソ連との戦いの後の出来事についての「ポーランドのシベリア孤児と神戸・大阪」というシンポジウムもあるそうです。とても興味深く思います。

 

盛りだくさんの内容で、とても楽しく過ごさせていただきました。

unibabaさん、ありがとうございました。

 

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帰ってから 本棚を探っていましたら、息子が置いて行った「ジャイロスコープ」や「フィッシュストーリー」などの奥から エッセイストの工藤久代さんの「ワルシャワ貧乏物語」が出てきました。かなり以前の古い文庫本です。

貧乏と言いながら 1970年前後のポーランドの生活が生き生きと心豊かに描かれていて、素朴な生活が 珍しくて懐かしく感じます。「 ポーランドのケシ粒は 白くなくて 黒に近い青灰色だ」とか、ヴォツワーヴェクのファイアンスという陶器のお話だとか、どちらも言葉がわからないのに お隣の奥さん(パニと呼んでおられました) との身の上話が通じたことなど、つい面白くなって読み返しました。

工藤久代さんのご主人の工藤幸雄さんは、ご著書のイメージから ジャーナリストのように思い込んでいましたが、詩人で文学者でいらしゃったのですね。(大して読んでいなかったのが……。 お恥ずかしいです)

 

また 長くなってしまいました。

今日も お付き合いくださいまして、本当にありがとうございます。


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厳つすぎる表情の猫。冒頭のテッセンの花の近くで いつも睨みを利かせています。

 


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「よびかけられて ふりかへったが 落葉林  山頭火 句」(240×320m/m) 種田山頭火

 


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「すべて労する者 重荷を負う者 われにきたれ われ汝を休ません  マタイ伝」(150×200m/m)       聖句       村上翔雲 書

 

 

 

北陸でイタリア歌曲を聴きたいと思ったこと。

こんにちは。

台風19号で被災された方々に お見舞いを申し上げます。

1日も早く日常を取り戻されますようお祈り申し上げます。


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ホトトギス 松風が ようやく咲き始めました。

 

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先週末に、北陸にお住まいのブロガーさんの舞台を拝見させていただきたいと思い 伺う予定にしておりました。

 

今日は りんりんさん のお話をさせてくださいね。

 

りんりんさんは、お仕事、庭の植物、ご家族のことなど、日常のことを書いていらっしゃいます。

半年以上前のことだったでしょうか。ある日の動画に それまで私の持っていた りんりんさんの印象が がらりと変わりました。

舞台衣装を纏った ほっそりとした女性が、歌を歌っています。

 

・・・聴き入ってしまいました。

銀の鈴を転がすような 繊細な歌声。

コロラチューラと言うのですね。

 

今さらながら お恥ずかしいのですが、私は 何かを専門的に学んだことは ほとんどありません。だから 何について書いても中途半端で、すべて感想文になってしまうことに いつもお恥ずかしく思っていますが、

そんな物を知らない私でも すぐに引き込まれてしまう歌声でした。舞台を拝見できればと 思いました。

夏の初めに、りんりんさんのブログに 10月の舞台のための練習を始めると書いていらっしゃいました。

聴いてみたいです❗     

じゃあ、舞台を観に来ますか❔

行きま〜す🎵

 

🌿🌿🌿

自分だけの用事のために 泊まり掛けで出かけることは、本当に久しぶりです。

前日に 大阪に近い娘の部屋に泊まらせてもらうことにしました。サンダーバード北陸新幹線を予約して、ホテルを押さえて……。浮かれていますね。

 

 

台風19号が、ひどい災害となっていきました。

娘とふたりで テレビの映像を見ていました。各地で起こるあまりのことに、保育士の娘が 「何かの時のために 定期的に避難訓練をしているけど、」と 言い出しました。「何かあったら、子どもたちを 何も考えないないで助けると思うけど、ひとりで2歳児10人を守りきれるのかな。あの子たち ものすごくかわいいねん…。」  と申しました。私は 娘の2歳の頃を思い出していました。ふたりとも 次第に言葉がなくなり黙り込むだけでした。

日曜日の朝になって、あまりに広い地域に被害が起こっていることが わかりはじめて、恐ろしくなりました。

動いていないサンダーバード北陸新幹線 (千曲川が決壊して、北陸新幹線の1/3が浸かったと聞きました) の払い戻しと ホテルをキャンセルしました。伺えなかったことを残念に思う気持ちが強くありました。

 

まだ水に浸かったままのところが 今もあるというのに、私の感覚は ずれている、この文章を書きながら感じます。

 

りんりんさんのところは どうだろう。前日の夜のりんりんさんのメールのご様子では、舞台は できそうでした。

きっと 大丈夫。舞台の準備でお忙しいから、とりあえず、行けなくなったことをメールで伝えてお詫びしました。

 

夕方 舞台が終わった頃に、お電話をいただきました。電話でやり取りをしたことはありませんでしたが、すぐに りんりんさんからだと わかりました。

りんりんさんは、以前動画で お聴きした歌声の印象の通りの方でした。

りんりんさんは、普段は 施設に入所されているお年寄りを ヘルパーさんたちと一緒になってお世話をされている看護師さんです。控えめに書かれていますが、体の弱られたお年寄りばかりのおられるところです。ご苦労が偲ばれます。

あまり書くとご迷惑かもしれませんが、はらはらするようなお話を書かれていることも     あります。利用者さんとのお別れを 心から悲しんでおられる様子に 私も心が痛みます。

我が家は、身内が 要介護認定を受けているので、特養(実際はグループホームの方ですが) や老健、ディサービスで たいへんお世話になっています。

失礼な申しようかもしれませんが、りんりんさんのブログを拝見して、お世話をしてくださる方が より身近に感じるようになりました。

いつか 私のコメントに、常に死と向かい合っている厳しい仕事だから、全く違うことに 一生懸命になることで気持ちを切り替えたいから 声楽を学んでいると お返事をいただいたことがありました。このお仕事に 改めて有り難く思い 申し訳なくも思いました。

でも、イタリア語で歌われるのですね。歌曲の発声の仕方などの技術を学ぶことのご苦労は、時々ブログに ちょっとだけ(本当に ちょっとだけ) 書いておられますが、これはこれで大変なことと思いました。

youtu.beに歌は ありませんが、ピアノを演奏されていらっしゃる動画は おありです。

貼り付け、今度は動画ですね。 どうでしょうか。やっぱり 失敗かな…。頼りなくて ごめんなさいね。

[http://www..com/:title]

 

ブログは、どう育っていくのか わからないものですね。ブログを書くことで、何かを深く考える習慣が あまりなかった私も 少しずつ学ばせていただくようになってきました。

これも 拝見させていただいているブロガーの皆さまのお陰だと思っております。心から感謝します。

 

北陸に行って りんりんさんの イタリア歌曲をお聴きすることはできませんでしたが、

電話で直接お話ができたことが 本当に嬉しかったです。りんりんさん ありがとうございました。

いろんなことを娘と話す時間も たっぷりできて、こちらもよかったと思います。

 

 

今日も お付き合いくださいまして、ありがとうございました。

週末の雨が どうぞひどくなりませんように。f:id:snow36:20191017160154j:image

 


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「我なんぢと偕(とも)にあり  使徒行伝」(150×200m/m)  聖句

 


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「枯草に残る日の色は かなし   山頭火 句」

(530×690m/m) 種田山頭火 句        村上翔雲 書