野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

松山城から

こんにちは。

松山の続きです。長くて申し訳ありませんが、どうぞよろしくお付き合いくださいね。

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その前に、前回 鰹のたたきに関して

ぴちゅぅささんから教えていただいたのですが、ちっちゃい庭とおっきい空と。   

「鰹の加工技術は、日本独自で 世界ではツナくらいしかないので、

唯一獲得競争がなく 出汁や削り節やたたきで食べる素晴らしい文化とのこと」なのだそうです。お仕事の大切なお相手の会社の方から聞かれたとのことでした。

さらに、鰹の漁獲量は インドネシアが群を抜いているとも教えていただきました。日本へは、鰹節加工をされたものや、冷凍輸入の形で入ってくるようです。

 

価格が手頃で 当たり前のように思っていた鰹が 美味しくいただけることは、技術があってこその特別なことなのだと知りました。

ちなみに ツナは 私にはマグロの缶詰のイメージでしたので、我が家の缶詰を確認してみましたら 「かつお油漬」と書いてありました。族は違えど、マグロもカツオも ツナと呼ぶのですね。

美しい広島の空と、私が見落としがちな街角や 原っぱの可憐なお花をきれいに取り上げられておられるブログ。素敵なお話をしてくださる ぴちゅぅささん、いつもありがとうございます。

 

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ロープウェイで登って着いた松山城 本丸最上階には ひんやりと涼しい風が吹いてきて、甍の向こうには、松山の街並み さらに青い湾が見渡せました。

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松山大学のグラウンドが見えました。中学校や高校が寄り集まるように建っていて、暑いほどの日差しの中を 吹奏楽の音色が響いてきます。

 

練習中なのか 人がいる大学のグラウンドに向かって、大声で怒鳴るように叫ぶ人がいました。お腹からの大声は おーい、おーいから、エールのような外国語に変わっていきました。

 

下の階の梁。

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大工さんの落書き。

 

この後、二之丸史跡庭園を回って 聚楽亭や勝山亭を観てみたかったのですが、10月の終わり 季節外れの暑さと、長い帰り道を考えて 次へ行くことにしました。

 

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松山城からロープウェイ通りへ出て、お昼に 鯛めしをいただきました。f:id:snow36:20191114223707j:image

食べ方を教えてもらいました。つゆの中の卵を混ぜたところへ 薬味と鯛のお刺身を入れたものを、白いごはんにかけていただきます。

つゆは 多めに入っているとのことで、加減をして ごはんにかけてくださいと言われました。


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卵で 口あたりの柔らかい感じになっています。

魚のづけの入った卵かけごはんということでもなく、普通の鯛のお刺身丼でもない、楽しい食べ方だと思いました。家庭で食べるなら、家ごとに入れるものも 食べ方も 少しずつ違うのかもしれません。 おうちごはんの親しみを感じます。

美味しくて、あっという間に食べてしまいました。
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名物のじゃこ天をちょっとだけいただいてみました。ぱりっとした食感に 温められた じゃこのすり身の濃い旨み。香りがふんわり鼻を抜けていきます。

 

帰る前に、坂の上の雲ミュージアムへ行ってみたいと思いました。

秋山好古、真之と 正岡子規を中心に描かれた 松山が舞台。司馬遼太郎の小説を元にした展示をされている美術館です。

 

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ロープウェイ通りを歩いていくと、突き当たりを右にしばらく、「坂の上の雲ミュージアム」があります。

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建築家 安藤忠雄さんの設計で とてもモダンな建物でした。

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入ろうとすると、まず見えている 上の洋館からだろうと言うことで、

坂を登って萬翠荘(ばんすいそう) へ行ってみました。

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萬翠荘は、大正11年(1922)築。旧松山藩主 子孫の久松定謨伯爵の別邸として造られました。戦後には、米軍将校の宿舎や 家庭裁判所などに利用されていたそうです。

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平成23年(2011)に 国の重要文化財に指定。(パンフレットを拝見しました)

左右非対称の建て方は、日本人の美意識から。縁を取るように見えている美しい緑青の屋根は銅、天然スレート石の鱗のような瓦が葺かれています。

避雷針の先は、松山藩の大判や小判を溶かして作られたと伝えられているそうです。日差しを受けて輝いていました。


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1階の謁見の間では お琴の発表会をされていましたので、壁だけを撮らせてもらいました。

隣の部屋の晩餐の間には、水晶でできたシャンデリアが下がっていました。f:id:snow36:20191115210704j:image


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天井にはシャンデリアの装飾を削って作る時に出た水晶の粉を張ってあるとのことで ちらちらと光っていました。着飾った人々の華やかなさざめきが聞こえてくるようです。

 

 

階段を上がって行くと、踊り場に 大きなステンドグラスが見えます。(冒頭の写真です)


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美しいグラデーションが入っていて、帆船の絵の回りのガラスには 色がついていませんでした。

この日は 外の陽に照らされた緑が映えてきれいでした。ボランティアのガイドさんから 後ろの緑を取り込むデザインになっていますとの説明がありました。

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部屋ごとに 暖炉があり、暖炉の上には ベルギー製の鏡(ベルギー製が技術的に優れていて 歪みが少なかったとのことです) が 部屋を明るく見せるために張られていました。f:id:snow36:20191115222321j:image

 

隣接する 夏目漱石が住んでいた愛松亭は、平成22年に土砂崩れで全壊しているそうで、その跡地に 喫茶店がありました。少し立ち寄らせていただくことにしました。

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お店の中に 夏目漱石の作品が 掛けてあります。許可をいただいて撮らせてもらいました。

 

テラス席が 嬉しい。緑が気持ちよくて和みます。

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結局、子規記念博物館や 坂の上の雲ミュージアムへ行きそびれたことは残念に思いましたが、十分楽しく過ごしました。

若い頃からアウトドアが好きで、美術館や植物などに 全く興味のなかった連れ合いが、歳を取るに連れて 一緒に楽しんでくれるようになってきました。はじめは 出不精になっていた私に付き合って出かけてくれていたようですが、好みの変わり方に自分でも不思議がっています。

元々 私は ひとりでも行きたいところへ行ってしまう者でした。連れ合いにも気を遣ってもらっていたのですね。家族が がんばって元気になってくれましたし、ブログを始めたことも大きいと思います。

興味のあるところへ よく出かけるようになりました。お陰さまで、今は好きなことをさせていただいています。いろんな方に感謝したいです。

 

穏やかな瀬戸内海が暮れていきます。


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しまなみ海道から帰りました。

長くなりました。最後までお付き合いくださいまして 本当にありがとうございます。

 


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「茶の花はわびしい照り曇り  山頭火 句」(240×320m/m)  種田山頭火

 


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「いつしか明けてゐる茶の花   山頭火 句」(210×295m/m)  再掲   種田山頭火 句                     村上翔雲 書