野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

天蓋の下で音楽を聴く

こんにちは。

前回は、たくさんの方にご覧いただきまして、本当にありがとうございました。心から感謝いたします。

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日曜日に、ポーランドのジャズを楽しむという催し「ポラ・Jazzの午後」へ行って来ました。

この度は、以前 ジャズのお店ソネに行ったというお話を書かせていただいた時に、ブログでお世話になっているunibabaさんから 「こんな企画が神戸であります。有名なポーランドのピアニストの演奏です。」と教えていただいた催しに伺ったお話です。どうぞ よろしくお付き合いください。

 

unibabaさんは、ポーランドのお話をはじめ、お庭や音楽、お料理など、本当に美しいブログを書かれていらっしゃいます。ブログから いろんなことを学ばせていただいております。 失礼ですが、気さくで素敵な方です😊  

 

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ポラ・Jazzの午後 in神戸

ポーランド政府観光局、日本ポーランド協会関西センター 共催

日本・ポーランド国交樹立100周年記念の特別企画とのことです。

会場のラピスホールは、神戸駅を北に歩いて文化ホールの近くと聞いていましたが、文化ホールの向こうは お寺がふたつ。お寺の中に?

本当に お寺の敷地にありました。ジャズをお寺で🎵 楽しそうです。


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他の日にもコンサートの予定があるようでした。

美しい民族衣装を着たポーランドの方が 出迎えてくださいました。(つい ぽーっとしていました。写真を撮らせてくださいとお願いすればよかったですね。)

 

室内の撮影を許可していただきました。
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音響の設備が調えられたホールの 舞台の中央には ピアノが置いてありました。後ろにワルシャワの王宮広場でしょうか。写真の映ったスクリーンがあり、その向こうにも 大きな仏像がおられました。

天井には天蓋が。

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80人の席が みるみる満席になっていきます。

 

ピアノ演奏は、ミハウ・ソブコヴィアクさん。何も知らないで出かけて行って 本当にお恥ずかしいのですが、たいへん有名な方なのですね。後で調べてみると 既に日本の大学で教えていらっしゃるそうです。

ショパンの曲をまず弾かれて、続いて ご自身でジャズにアレンジされた曲を弾かれるというスタイルで数曲弾いてくださいました。

力強い「革命のエチュード」のアレンジは、湧き上がり続ける透明な泡の波のように感じました。

 

ポーランドのジャズは、品がありながら 親しみ易く優しい印象を受けました。ミハウ・ソブコヴィアクさんの演奏は、華やかでとても美しかったです。

 

こちらの短い動画はこの度とは関係がないのですが、雰囲気がお伝えできればと思います。このような感じでした。

ミハウさんのお声が聞き取り難くなってしまっています。機知に富んだ楽しいお話をなさる方なのに すみません。とても魅力的な方で 会場は笑い声が絶えませんでした。

後で 会場からの質問に答えておられましたが、ショパンとジャズについて、ショパンは 日本で言えば 演歌のようなもの。ショパンの時代にジャズというジャンルがあったら、ショパンはジャズを書いていたと思うとおっしゃっておられました。

また、ポーランドのジャズについては 政治的な事情で、ポップスなどが許されなかったが ジャズは許されていたとのことでした。

ポーランドの作曲家ショパンの曲は ポーランドでは よくジャズにアレンジされるそうです。

 

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下の写真は、ポーランドの手作りのお菓子です。休憩時間に出してくださいました。

ファヴォルキ(粉砂糖を振って白く見える揚げ菓子)と、ピェルニク(シナモン、クローブ、カルダモン、ジンジャーなどのハーブやスパイスを合わせてパウンドケーキの型なら20g以上入れるケーキなのだそうです) お店や家庭によってスパイスの配分が違うそうです。

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飲み物は 麦から作られたインカコーヒーをいただいてみました。unibabaさんのブログで以前拝見して とてもきれいな色で素敵だった記憶があるフルーツティーも選べましたが、コーヒーではないインカコーヒーに惹かれてしまいました。お味は 麦茶とは違って、酸味を僅かに感じるような。香りと香ばしさは麦だからでしょうか。確かにミルクと合いそうです。

ピェルニクは、帰ってから 留守番をしていた連れ合いといただきました。f:id:snow36:20191024192542j:image

いろんな香りが合わさって、いい匂いがしました。レモンのように爽やかな香りはカルダモンでしょうか。お味は、スパイスがまとまっていて 優しい甘さでした。香りが苦手なはずの連れ合いが これはおいしい❗と喜んで食べていました。

 

ポーランドの美しい街並みや、景勝地のお話、最近のポーランドのジャズレーベルのことなど 興味深い話題が続きます。


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 最後に、ミハウさんが まさに作りながら弾いていく即興曲と、 最近のジャズやレーベルのお話をしてくださった品川明子さんとご一緒に ピアノと歌を聴かせてくださいました。

曲は、ポーランドの映画「Cold War」から「ふたつの心」のジャズアレンジ。

品川さんは ジャズシンガーでいらっしゃるのに 自己紹介をされていなかったので、歌い始められると、力強い美しい声に驚いてしまいました。掻き口説くような泣き声を表現する「オヨヨィ…」という言葉が あまりにも切なくて、聴きほれました。

 

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兵庫県立美術館では、国交樹立100周年記念の ショパン展も開かれており、ワルシャワ蜂起より以前にあったソ連との戦いの後の出来事についての「ポーランドのシベリア孤児と神戸・大阪」というシンポジウムもあるそうです。とても興味深く思います。

 

盛りだくさんの内容で、とても楽しく過ごさせていただきました。

unibabaさん、ありがとうございました。

 

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帰ってから 本棚を探っていましたら、息子が置いて行った「ジャイロスコープ」や「フィッシュストーリー」などの奥から エッセイストの工藤久代さんの「ワルシャワ貧乏物語」が出てきました。かなり以前の古い文庫本です。

貧乏と言いながら 1970年前後のポーランドの生活が生き生きと心豊かに描かれていて、素朴な生活が 珍しくて懐かしく感じます。「 ポーランドのケシ粒は 白くなくて 黒に近い青灰色だ」とか、ヴォツワーヴェクのファイアンスという陶器のお話だとか、どちらも言葉がわからないのに お隣の奥さん(パニと呼んでおられました) との身の上話が通じたことなど、つい面白くなって読み返しました。

工藤久代さんのご主人の工藤幸雄さんは、ご著書のイメージから ジャーナリストのように思い込んでいましたが、詩人で文学者でいらしゃったのですね。(大して読んでいなかったのが……。 お恥ずかしいです)

 

また 長くなってしまいました。

今日も お付き合いくださいまして、本当にありがとうございます。


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厳つすぎる表情の猫。冒頭のテッセンの花の近くで いつも睨みを利かせています。

 


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「よびかけられて ふりかへったが 落葉林  山頭火 句」(240×320m/m) 種田山頭火

 


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「すべて労する者 重荷を負う者 われにきたれ われ汝を休ません  マタイ伝」(150×200m/m)       聖句       村上翔雲 書