野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

額の花

こんにちは。

f:id:snow36:20210615165155j:image先週 紫陽花が咲き始めたよと連絡をもらって、朝 連れ合いの友人のお庭に伺いました。

お出迎えは、ユキノシタの白い花。f:id:snow36:20210615161930j:image

 

今年は、例年に比べてこちらの紫陽花は全体的に花が少ないとのお話でした。山の影になって元々日照時間が十分ではない土地なのです。

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花が少なくても 紫陽花の木を多く育てていらっしゃいますので、拝見する楽しみがあります。

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紫陽花は、手毬咲きや額紫陽花など 八重咲きも華やかですし、種類も多様ですね。名前を教えていただいたのに、ついごっちゃになってしまいまして。

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朝の新しい空気と、瑞々しい紫陽花の花と葉に とても清々しい気持ちになります。

 

f:id:snow36:20210615165554j:image藤棚には、テイカカズラがどこか扇風機の羽根を思わせる陽気な愛らしい花をつけていました。

 

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桑の実が鈴なりです。例年になく多く生ったそうです。

 

途中から 花を観に来られた方がありましたので、そこからは 私ひとりでほかのお花も撮らせていただきました。

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こちらのクレマチスは 高いところに咲いていて、花が見えません。腕を思いっきり伸ばして撮りました。後でカメラのモニターをひっくり返せば、確認しながら撮れたことに気づきました… 使い出して何年か経っていますのに こんな程度です。

こちらは、ヒメヒオウギアヤメでしょうか。

f:id:snow36:20210615172159j:image紅をちょこんと差したようなお花が可憐でした。

f:id:snow36:20210615184813j:image連れ合いの友人は、お花でいっぱいの丹精されたお庭をいつも自由に見せてくださいます。

感謝しながら、ご挨拶をして帰ろうとしましたら、園芸種のドクダミの苗をいただきました。色づいた葉もきれいだけど増え過ぎるのも困るだろうから、小さな鉢に植えるといいよとのことでした。

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帰りの道沿いの畑の畔に、ニワゼキショウユウゲショウが花を咲かせていました。コバンソウの実が さらさらと揺れています。f:id:snow36:20210615162758j:image

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野菜を植える時に畔の野草は刈られますので、この眺めは限られた期間の小さな楽しみ。翌日 そこを通った時には、すっかり刈られていました。

季節が巡ると 素朴な花々はまた同じところに咲きますね。

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***

2ヵ月ほど前、六甲山の自動車道路に脚をテープで括られて捨てられていた生後4、5ヵ月くらいのトイプードルのことを新聞で読みました。

何かわからないほど、どろどろに汚れて弱っていたそうです。

この経緯を知ったたくさんの方々が、その子犬を引き取りたいと申し出ておられたそうでしたが、その後はどうなったのかと ずっと気になっていました。

最近、自動車道路で見つけて保護された方が飼われることになったと知りました。

「わたし、おこげ。元気に暮らしているよ」 山中で脚縛られていた子犬の新たな生活|総合|神戸新聞NEXT

以前 神戸新聞の正平調に、「少年と犬」という作品で昨年 直木賞を受賞された馳星周さんが受賞作について話された言葉が書かれてあり心に残りました。

「犬に限らず動物は、神さまが人間に遣わせてくれた生き物だと思います。動物がいなかったら、人間はもっと傲慢になる。そこを書きたかった。」

一緒に暮らして守り育む存在。私が知らないだけで、辛い目に遭わされる生き物はたくさんいるのでしょう。

 

たとえそうであったとしても、人に奥深く在るのは 日々共に過ごす存在をかけがえなく思い慈しむ心と信じたい。

小さなトイプードルの おこげちゃん、本当によかったですね。

 

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屋久島ノイバラ。盆栽仕立ての小さな木です。新しい葉が出てきたところで、ふたつ咲きました。

 

 

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「数々のものに離れて額の花 兜子の句」(210×300m/m) 歳華集・八岐・備前の旅 赤尾兜子 句 額の花は紫陽花(ガクアジサイ) の意。


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「大雷雨 鬱王と会ふ あさの夢 兜子の句」(210×300m/m) 歳華集・鬱王・われ病む 赤尾兜子 句     村上翔雲 書

 

赤尾兜子 (あかおとうし) 俳人

1925年(大正14年) 2月28日 現 姫路市網干区生まれ。

1941年(昭和16年) 大阪外国語学校中国語科入学。同級 蒙古語科に司馬遼太郎、一年上級の印度語科に陳舜臣。句作を始める。

第二次世界大戦を経て、復員後 京都大学へ。卒業後 毎日新聞社に入社。 編集者として定年まで勤めながら作句。俳句誌「渦」主宰。(「渦」は、父のところへも送っていただいておりましたので、私も時々拝読させていただきました)

作品は、前衛俳句の先駆から、次第に古典的な作風への変遷に。 切り取られた風景、読み手の心の底を揺蕩う言葉に素朴な美しさを感じます。(すみません。生意気な書き方をしてしまいまして。素人の感想です。)

1981年(昭和56年) 3月 神戸市にて急逝。

父の本棚にある「赤尾兜子全句集」(編集委員司馬遼太郎和田悟朗高柳重信 立風書房 1982年3月刊)を読み、人里離れた野に咲く花を見るように詩情豊かな俳人がどんなにたくさんの芸術家から愛され、惜別の言葉を送られていたのかを知りました。

 

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 いつもご覧いただきましてありがとうございます。

                野の書ギャラリー

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火曜日の空には

こんにちは。

梅雨の晴れ間に、用事があり出掛けました。

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f:id:snow36:20210601205308j:image火曜日の高く昏い青空に 白い羽毛が撒かれたようです。飛行機雲も波立つ空の上では、風が強く吹いているのですね。

縹色の空の下は 運転していても楽しく思います。

 

用事を済ませた後 時間が少しできました。日差しが暑く感じましたが、そこから10分程度の県立森林公園へ回ってみます。

 

冬には、鬱蒼として重い印象だった広葉樹のスダジイ(どんぐりの生る木ですね) が この季節には風に葉を揺らしています。

f:id:snow36:20210605184543j:imageスダジイの細長いブラシのような雄花と、左下の葉影で ぽつぽつのついた黄緑の枝のようにぼやけて写っているのは雌花でしょうか。

ホトトギスの鳴き声が 時折空から降ってきます。

静かな緑に包まれた公園のこちらのゾーンは、一周25分とのことです。たぶん、空気の清々しさを楽しみながら歩くことに集中すればそのぐらいと言うことですね。

何度歩いても公園の中は見るものが多くて、歩くことに熱心になれず、この日も時間を忘れて過ごしてしまい はたと気づいて大慌てになりました…

今は公園内での飲食はご遠慮くださいとの札が目立ちます。

大きな樟は、かわいらしい花を咲かせています。

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f:id:snow36:20210605182657j:image幹にそっと触れてみます。ごわごわしている樹肌は、ひんやり優しく感じます。f:id:snow36:20210605183343j:image

 

f:id:snow36:20210605181704j:image梅の実。

 

 

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f:id:snow36:20210605185727j:image桜の実がたくさん見受けられます。

f:id:snow36:20210605183128j:image杏の実。どの果実も手の届かないところに生っているようです。

 

池に睡蓮が咲いています。

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池には、青いシオカラトンボや、体中が真っ赤なトンボがついと飛んでいきます。

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f:id:snow36:20210605181220j:image飛んでいるところを写すことはできませんでした。

池の中には、ミズスマシやオタマジャクシのような小さな小さな 

f:id:snow36:20210605181410j:image1cmもない幼生が水に揺れていました。まだら模様はウシガエルでしょうか。

f:id:snow36:20210605181434j:imageメダカも寄り合って泳いでいます。こちらも最近生まれたのかオタマジャクシと変わらない大きさです。

 

f:id:snow36:20210605182146j:image偶然、シジュウカラが入ってくれました。ちょっとわかりにくくなりまして。

 

少し歩いていましたら、池のそばの植え込みの上に何やら長いものが。

お嫌いな方もいらっしゃると思いますので 写真を載せるのは遠慮しますね。でも、マムシのように攻撃的な様子ではなく、この時のシマヘビは きょとんとしたかわいい顔をしていました。蛙を狙っていたのかもしれませんが、まるで 日向ぼっこをしているようでした。f:id:snow36:20210605185444j:image

 

空を眺めていると、清掃の方が回って来られて「あら…」とつぶやいて 飲食禁止の立て札の下に捨てられていたピザの白い箱を袋に片付けられました。

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f:id:snow36:20210605181549j:image連休前に 美しい花を見せてくれたこぶしは、緑の実を結んでいました。秋には赤い実になるのですね。

 

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☂️

娘から、3歳児クラスの製作の写真が送られて来ました。

f:id:snow36:20210601115949j:image数日後に、子どもたちが絵の具で色を染めた傘が加えられました。

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柄が2本の楽しい傘もあります。雨粒の折り紙の製作は、さらに何かを作って仕上げていくそうです。

「せんせー、せなかとんとんしてー」保育所での午睡の寝かしつけで 子どもたちの背中をあちらでとんとん、こちらでとんとん。

この時 小さな声で子守唄として歌うのは、エリック・カールさんの絵本 「はらぺこあおむし」に曲を付けた歌。 娘は普段からよく口ずさんでいます。

げつようび げつようび りんごをひとつたべました ♫

同じくエリック・カールさんのわらべうた「げつようびは なにたべる?」に付けられた曲も幼い子どもたちに人気なのだそうです。

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エリック・カールさんは、子ども時代にドイツで戦争に遭い、たいへんな苦労をなさったと聞きました。

色の美しい楽しいコラージュの絵本も優しい歌も ずっとみんなのお気に入りですね。 エリック・カールさんのご冥福をお祈りいたします。

 

f:id:snow36:20210601115441j:image庭の木槿テントウムシの蛹が。

次回は、そろそろ咲き出したよと電話をいただいたお宅の紫陽花の写真をと思います。

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明日、明後日と、用事で帰りが遅くなりますので、失礼をしてしまうかもしれません。

いつもご覧くださいましてありがとうございます。

 

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立葵 しばらく沖に煙湧く 兜子の句」(210×300m/m)  玄玄 海鳴り 赤尾兜子


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「梅雨穴(ついりあな) 鼬(いたち)そはそは逃げまどふ 兜子の句」(210×300m/m)  玄玄 獅子舞 赤尾兜子 句   村上翔雲 書

 

 

月明かりが影をつくる時間には

こんにちは。

まず先に お詫びをいたします。すみません。また、うっかり下書きを投稿してしまいました。すぐに取り消しましたが、前回の記事が新しいもののように出てしまったようで
ご訪問くださった皆さま、改めてスターまでくださった方もいらっしゃって とても恐縮しています。

申し訳ありませんでした。本当にありがとうございました。

 

 

☂️

梅雨入り前の頃。雨を含んだ夜にベランダに立つと、しじまに濃密な香りが漂ってきました。虫の声も聞こえない静かな夜です。今年は花の季節が早倒しのようですが、クチナシにはまだ早い頃かと思いました。

ベランダから眺める薬師さんの丘の斜面に、以前 義父が植えた蜜柑の木が 白く花盛りになっているのが見えました。

ここに住むようになり、花を間近に見て初めて 蜜柑の花の香りが甘く芳しいことを知りました。

昼間に近づいて蜜柑の花を写真に撮ってみたく思いましたが、雨なのと、昔 手積みされた石垣の隙間に棲むマムシがこわいのとで近づけませんでした。

 

10日ほど前には、柚子の木の蕾が膨らんできていました。ほんのり黄を添えた優しい白い色。

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朝、柚子の木に花が咲いていることに気づきました。

f:id:snow36:20210527163520j:image去年、木にいたカミキリムシを見失ってしまったためか、それとも世話が足りなかったためなのか、枯れかけた枝が目立ちます。
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柚子の花もまた、湿度の高い夜に ゆるりと漂うジャスミンの香りを思い起こします。蜜柑の香りより 少し澄んでいるように感じました。

 

蜜柑も柚子も 実の爽やかな香りとは異なり、花は濃厚な香りを放っています。アシナガバチや小さな虫が 盛んに飛び回っていました。

今は 花びらが一枚ずつ散り落ちて、雨の止み間に見てみると、花の跡には小さな緑の丸い実が見られます。

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🌿

以前書きました 仕事に使う集塵機が 相変わらず作動が悪く、メーカーの方に何度も来ていただいて見てもらいながら仕事をしています。連れ合いの作業服は錆色になってきました。叩くと細かな鉄粉が落ちてきます。

日が経つにつれて粉塵はましになってきましたが、不具合が治まった訳ではないため 防塵マスクで対応し続けています。でも、仕事を続けられるのは本当にありがたいことですよね😉(作業場の仕事をしないで心配するだけの私が申すのもどうかと思いますが…)

f:id:snow36:20210527164550j:image庭藤は、今年はいつもより花が少ないかもしれません。

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🍵

気持ちだけが忙しない毎日に、木皿泉さんのエッセイを読みたくなって「ぱくりぱくられし」を借りました。

緊急事態宣言の時なので 図書館の本をいつもより1週間長く借りられました。読むのが遅い私にはありがたく思います。

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どちらかと言うと、やや不穏にさえ感じるタイトルと、マス目にペン。犬と猫でしょうか。絵本のような表紙に惹かれます。

木皿泉さんご夫婦ユニットの会話形式のやり取りで、弥生犬さん(ご主人のことですね)と 縄文猫さん(こちらは奥さん)の続くお話が楽しくて、

「木皿食堂」ではそこまで見られないご夫婦の普段のやり取りが生き生きと伝わって参りました。

タイトルの「ぱくりぱくられし」の由来となった作品をパクられ法廷で争われたご経験や、更にご自身も「ヘンタイよいこ新聞」からパクっているとのお話。(どんなことか私は詳しく知らないのですが、影響されたと言うことかもしれません)

作品「すいか」の中で、自信のない主人公に麻丘ルリ子さん演じる大学教授が言うセリフ「居てよしッ!」は、ドラマを観られた皆さんお好きだとのお話。木皿泉さんのあたたかな世界に浸ります。

例えば、奥さまの縄文猫さんが、「弥生犬さんは、自分には行くところがないとぼやくけど、他の人も同じだと思いますよ。イヤなことがあってもふつう逃げ場所なんてないですから。」と言えば、

ご主人の弥生犬さんが、「たしかに。寝室のエアコンの温度をめぐって不満が爆発寸前の夫婦だっているでしょうからねぇ。」と答えるところ。(人魚姫)

話しているうちに次第に話題が転じていく家族の会話を見るようで 親しみを感じます。

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味わい深くほのぼのとした空気や、「ちょちょまう」「たゆたゆしている」といった独特の表現が緩く流れる会話の中に、きりっと真実を突いた作家ならではの言葉が差し込まれる文章は、読むほどに心の中に静かにしみ込んで 豊かな印象を残していきます。 

いろんな分野の本からの引用もとても興味深く、「嘘のない青い空」の短いエッセイの数々は、ご自身が暗い気持ちになっていた時期のものと 書いておられましたが、内省から紡ぎ出される言葉が優しく力強くて、淹れたてのお茶の香りを楽しむひとときのような疲れが取れる感じがいたします。

だらだらとした感想文になってしまいました。

「ぱくりぱくられし」は、表題と同じ題の「ぱくりぱくられし」ご夫婦の会話形式、「嘘のない青い空」、ラジオドラマ「け・へら・へら」が収められています。

ゆっくり言葉を辿る間に、気持ちが柔らかくなってきたようです。心の持ち方だけでも優しくいたいです。

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🐞

娘が 3歳児クラスの子どもさんたちと園庭にいると、「これなに?」

見ると、黒くていかつい鎧を着た虫がいたそうです。蜘蛛のように見えますが脚は6本。やまぶき色の点々が左右にあります。

「これは てんととうむしの子ども」そばにいた子が答えます。親より大きいようです。

てんとう虫の幼虫を「てんととうむし」と呼ぶ言葉もかわいらしく(ちょっと言いにくいですね) 、娘は直さないで聞いています。

 

f:id:snow36:20210527164459j:image去年は、花が咲かなかった白鷺草。今年はどうでしょうか。


昨日 歩いていましたら、麦畑の後に始まる田植えのために、用水路を水が勢いよく奔っていました。

今夜は、水の張られた田んぼから蛙の鳴き声が賑やかに聞こえています。

雨が止んで、月明かりが くっきりとした影をつくる夜には、離れて暮らす家族のことを想います。 どうぞ元気で。 明日も止み間がありますように。

いつもご覧くださいましてありがとうございます。

 

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「どこかに月がある 山の線はっきり 山頭火 句」(240×320m/m) 種田山頭火

 

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「行く道のかすかなる鶯の音 順三郎の詩」(75×115m/m) 旅人かえらず 15      西脇順三郎 詩 村上翔雲 書

 

野の花はお好きですか

こんにちは。

お元気でいらっしゃいますか。

村の用事が続きまして、ご無沙汰しております。小さな雑用係なようなものですが、2年間の役が回ってきました。

 

ご近所のお庭の鉄線が 雨に濡れていました。

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春と秋には真白な花が いつも2輪咲いていました。今年は少し小さめの蕾がまだ4つほどあります。

 

我が家の五葉松にも 小さな赤いものが。

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どうやら雄花のようです。初めて見ました。

すみません。ブログを書きかけのままにしているうちに、雌花も出てきていました… 雄花より上につくのですね。

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木が弱るとのことで、取り除くそうです。

 

チングルマは綿毛に。

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🐸

連れ合いが 玄関先にいたと、雨がえるより大きな蛙を連れて戻りました。 何故か 梅干しの空瓶に入れています。

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仕事場の窓によく張りついているらしいのですが、モリアオガエルを見るのは久しぶりでした。深緑のざらりとした体と、暗い金色の目が大きな蛙です。

モリアオガエルは 木の枝などにおとなしくうずくまっていて 虫が近くまで来たら食べるようなおっとりとした性質なのだそうです。

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出して〜と言っているようにも見えます。ごはんの時間でしょうに、梅干し瓶に閉じ込められた蛙が かわいそうです。

 

 

 

ゴールデンウィーク前のことになりますが、昨年藤の花を見せていただいた連れ合いの友人のYさんから、花が終わってしまうから早く見に来るようにと電話をいただきました。

 

暖かい夕暮れ、藤の花はきれいに咲いていました。

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ただ、花の終わり頃なのと、辺りがそろそろ山影に入る頃で、せっかくのお花は写真映りが悪くなりました。

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藤棚にアケビの花も咲いています。

 

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木まで ちょっと遠かったので、撮った写真を引き伸ばすとぼやけていました。榧蘭(カヤ ラン) とのことでした。

山のそばのお宅ですが、着生していて驚いたとのことでした。榧蘭以外にも、何か着生しているように見えます。

 

 


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アカバセッコク。石斛もまた着生植物で 硬い幹に根を下ろすのですね。


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終わりかけながらイワヤツデの花。 白を溶かし込んだ柳色のような葉も愛らしく思います。

f:id:snow36:20210430143651j:imageイワヤツデは 石の上にも着くらしく、石に囲まれて伸び伸びと育つ姿に 自然の中ではこんな風に と楽しく想像しました。

昭和記念公園を歩いて【続編】春の花~写真散歩~4月中旬頃 - hanakasumi’s diary

このお話を書いている時に、kasumiさんのブログで とてもきれいなイワヤツデのお写真(他のお写真も素敵です) を見せていただきました。

毎回 kasumiさんのお話と 透き通るような写真の世界に魅了されます。

kasumiさん いつもありがとうございます。

 

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Yさんは、私が山野草が好きだろうからと、お庭のあちらこちらを見せてくださいました。

山野草も他の園芸種も 知らないことばかりで、いただいたものや、買ってみたものが少しあるだけなのです。

今年の我が家は 義父のこともあり、春の花を買わないままでしたので、冬の間は 盆栽と休眠中でまだ芽の出てきていない名札が立っている鉢ばかりの寂れた庭でした。 

 

***

伺った時にイワヤツデをあまりに嬉しそうに見てしまっていたようで、後日 平たい焼き物の上に盆栽仕立てにした ギボウシイワヤツデ(お花はうまく育てばまた来年見ることができますね)、イワヒバの寄せ植えを作って持って来てくださいました。

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芽生えたばかりの葉。大事にしますね。

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Yさんは「昼から山へ イカリソウを採りに行く」と言われていました。この辺りは、山を持っている人が多いのです。 興味深く思いましたが、山や藪の中へは慣れていないと足手まといにもなりますし危ないですね。 後で私にもイカリソウのお裾分けをいただきました。

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見る間に葉が萎れていくので、空いていた鉢に植え込んで水を遣りました。

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初めて見るイカリソウは、風に吹かれてゆらゆらと動くモビールのようで やっと立っているようにも見えます。 これはまだ小さくて咲いていませんが、船の錨に似た花が咲くからイカリソウなのですね。 

 

柔らかいタラの芽(若葉でしょうか) も一緒にいただきました😊

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f:id:snow36:20210501145909j:image土の恵みは、天ぷらにして 琴引き浜の塩を。ほろ苦い味とサクサクとした食感も楽しいです。

Yさんに感謝していただきました。

 

先のモリアオガエルは、しばらく見させてもらった後、玄関先にいたとは言え 我が家のそばの薬師堂にはマムシが居ることもありまして、

Yさんの庭にもモリアオガエルが棲んでいるとお聞きしたので そちらで逃がしてもらいました。

 

***

保育士3年目の娘は、4月から 3歳児担当になりました。

これまで担当させていただいた今は2歳児クラスになった子どもさんたちが、娘を見つけると「◯◯しぇんしぇー、いたー」と笑顔で走り寄って来るそうです。

「元気やったー?」と抱き上げると、声を上げて笑ったり、何やら一生懸命 話かけてくれる子も。ちょっと会わない間に すっかり重くなっていたと言っていました。

3歳からは幼児クラスなので サポートの先生がついてくださいますが、一人担任になりました。今のクラスは、元気いっぱいで返ってくる言葉にやり込められることが多いそうです。 

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f:id:snow36:20210501145259j:image野の花ではありませんが、細くて長い茎のフロックスブルーパヒューム。最近の雨風にも元気にしています。 

 

娘の勤める保育所も 長い現場や書類の山など きりのつかない残業と持ち帰りの仕事が続き、寝落ちすることもしばしばのようです。

このままで保育士を続けられるのかなと思ってしまう一方で、

勤めている市の普段から夜遅くまで電気がついている市役所や、

救急車に乗った 重い症状の患者の受け入れ先がなく、命の選別をしなければならないような病院や消防署、保健所など ほかにもさまざまな職種の方々の過酷な業務が続く現状を見聞きしていると、

こんなのおかしいよ。大変な時なのはわかるけど なんか変!なんでこんな極端な無理をせなあかんの? 本当はもっと違った考え方があって、もっといい解決法があるんと違うの? 

私は大好きな小さな子どもたちと会いたいだけ。

そのためならまたがんばってみようとも思うと言っております。

にこにこしながらも目配りは忘れずに。 

娘も親の私も自分たちに甘いなと思います。がんばっておられる皆さんに 元気でと願うばかりです。

 

薬師堂の斜面で オドリコソウが咲いていました。

日が当たりにくい場所に長く咲いていて、間もなく村の草刈りの日に 一斉に刈られます。

真上から見ると、葉が傘のようになり花が隠れがちになります。 いつも変わらない清楚な花です。 

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晴れ間の出た朝、みかんの木陰から溢れる日差しの中で群生していました。
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風に揺れる野の花からは いつも優しい気持ちを受け取ります。 

 

今日も長くなりまして。ご覧くださいましてありがとうございます。

雨の後は、暑くなりましたね。黄砂で山がぼんやりと見えています。

お身体大切になさってくださいね。

 

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「岩かげまさしく水が湧いてゐる 山頭火 句」(320×245m/m)  種田山頭火


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「水のうまさを蛙鳴く 山頭火 句」(320×245m/m) 草木塔 種田山頭火 句  村上翔雲 書 再掲

 

懐かしく思うもの カロライナジャスミン。古いミシン。

こんにちは。

お元気でいらっしゃいますか。

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***

先月、連れ合いの伯母の持ち物だったミシンをもらいました。

一昨年亡くなった伯母の家には、古い箪笥などが まだいくつか残ったままになっています。

このミシンは ずっと気になっていながら 使いこなせない私には勿体ないかもしれないと思い、ほしいと言い出せませんでした。

連れ合いが、要らんか?と聞いてくれました。

「要らんかったら、捨てるんやさかいな(要らないのなら、捨てることになるからね)。」と、ぎょっとするようなことをあっさりと申します。 それなら、喜んで。

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ミシン本体も鉄脚の付いたテーブルも重くて、連れ合いと ちょうど帰省していた息子が、私の作業場になったばかりの物置き部屋 (全く愛想のない部屋ですが、東の窓が大きくて 父の作品を自然光で撮ることができます✨) へ運び入れてくれました。

脚元を見ると、間に合わせにちぎったダンボールを敷いてくれています。

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「カフェとかに飾ってあるよね。」息子が申します。 あまり聞かない言葉に、どんな人とお出かけしたのか ちょっぴり聞いてみたくなりますが、言いたくなるまで置いておきましょう😉

 

埃を落として、手の届く限り隅々までよく拭いて。仄かにミシン油の匂いがします。

無骨な鉄の作りと優雅な曲線の組み合わせが不思議に美しい。

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花の模様の飾り板。西洋菊のようにも見えますが、花の様子からはもう少し特徴的なものも感じます。

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もろもろと粉のように屑が出る革ベルトは 替えた方がいいかもしれません。

先ほどから、糸を掛けていたり、掛けていなかったりの写真を出してしまいました。下が糸を掛けた様子です。

こんな感じでしょうか。少し迷いました。

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26歳の息子の記憶では、小学校の電動足踏みミシンの足踏みペダルは 片足が乗せられる大きさの小さな白いものだったそうです。

息子の小学校時代より さらに遠く遡って、私の母の最初のミシンにも鉄の足踏み板が付いていたような…  私も使わせてもらった記憶があります。

母が私たち姉妹の服を作ってくれたことも懐かしいです。

f:id:snow36:20210402182455j:imageレディ・ジェーン。チューリップってかわいいですね。

戻らない時間の思い出に浸りながら、はずみ車を回して足踏み板をそっと及び腰で、いえ、右足を前に置いてぐっと踏み込んでみます。

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気づくと小一時間動かしていました。加減が掴めたのか、いえいえ 不器用な私などではまだまだ…。

かしゃかしゃと軽快な音が聞こえてきます。ちゃんと動いています。 

下糸もきれいに拾ってくれます。 

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後で 布バッグを作った時に 二人がかりで 折れて飛んでいった針先を探し回ったことは、内緒にしておきたいです💦

 

小さい頃ブランコを漕いで遊んだ感覚を思い出しました。╰(*´︶`*)╯

このミシンは鉄で出来ているから、用がなくなると、大きな重たい粗大ゴミになってしまうのかもしれませんが (インターネットで売るという発想は そもそもなく、危うく本当のゴミになりかけていました) 、大事に使えば多分まだ壊れないです。

伯母が 大切に使っていたミシンを使わせてもらうことが とてもありがたく思います。

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窓の外では鶯が鳴いています。楽しい時間を過ごしました。

 

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斎藤謠子さんの「 ふだんづかいの布バッグ」NHK出版 の中のデザインから、手持ちの布で小ぶりな夏のバッグを作ってみました。写真を出すのも冷や汗が出そうですが載せてみます。

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横に付いた丸い持ち手と、お手本の木のビーズの留め具が印象的で シックなリバーシブルのデザインが素敵でした。

間に合わせで 家にあったボタンを編みくるんで付けてみました。

 

***

お世話になったご近所のお宅の カロライナジャスミンが咲いています。 

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マスクをかけていても 微かに甘い香りが漂ってきます。

お隣りに住んでおられる親戚の方にお願いして、時々 お花の写真を撮らせていただいています。草引きをしますと言いながら、しばらく行っていなかったこともあり何もしていませんでした。

ほんの少しですが溝や椿の花殻を片付けさせていただきました。 こちらのお庭の剪定は、業者の方が年に1、2回されているので 葉が混み合っていますが まだきれいに咲き続けています。

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ずぼらな私、これからは少しずつお掃除をさせていただくことと ここに書いておきたかったのです。

 

f:id:snow36:20210408163924j:imageささやかな我が家の花壇に、種が飛んできたのか小さなヒメウズが。無碍にはできない可憐な花でした。

いつもご覧くださいましてありがとうございます。

 

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「今日の道のたんぽぽさいた 山頭火 句」(160×123m/m) 草木塔     種田山頭火


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「けふもいちにち風をあるいてきた 山頭火 句」(160×123m/m) 草木塔     種田山頭火 句  村上翔雲 書

父は 紙や筆、サイズを変えて繰り返し書いておりますので、今までお出ししてきました山頭火の同じ句を また違った表現でご覧くださいますように。

ミシンの作業台で撮ってみました。

白い花、黄色の花

こんにちは。

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鉢植えの山芍薬が咲いています。

清廉な姿に また出会えたことが嬉しくて玄関先に置きました。

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我が家のそばにある丘の上の薬師堂の桜の木は 大きくなり過ぎていて、大雨の時が不安だと 以前からご近所の方と話していました。

昨年の秋に 村から森林組合に頼んでもらって かなり短く切ってもらいました。土の部分が浅いので根元から伐採されたものもあります。

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寒々しい眺めになってしまいました。一昨日の写真です。繁り過ぎた枝に隠されて長らく見えなくなっていた薬師堂が、下から見えるようになりました。

今年は 桜を諦めていましたが、残った枝から咲いています。

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f:id:snow36:20210408004324j:image幹から直接咲いているような咲き方に いじらしくも思います。

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小さな薬師堂のまわりには、ヒメハギが点々と固まって咲いていました。

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スミレの花も少しずつ増えて、いなかの風景も季節を移しつつあります。

 

**

県の森林公園のコブシの花を見たくて出かけてみました。3月の終わりで古いことですが、ブログに書き残しておきたく思います。

 

南へ進むと、桜がちらほら咲き始めていた頃でした。特別な季節ですね。山桜や咲き始めたミヤマツツジも色を添えて どちらを向いても柔らかな色合いの風景が続いていました。

今は 桜の枝々には若葉が萌え出してきました。時折淡い色の花びらがはらはらとこぼれ落ちてきます。

 

1月にコブシの蕾を見て花の頃を楽しみにしていました。

友人や家族と一緒に出かけて過ごすことも好きですが、ひとりで過ごしたい時もあります。緑深いところを歩いていると心が弾んできます。

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メタセコイアの手前の白い花が満開の背の高い木。コブシの花が咲いています。 こちらの公園には、大きなコブシの木がいくつもあります。

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おしゃべりをするようなコブシがかわいらしくて、見る度に自由な花と思います。


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f:id:snow36:20210408005532j:image溢れるばかりに陽気な花から元気をもらいました。

 

 

森林公園のあちらこちらに、関西タンポポも咲いています。

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下の写真は 我が家の側溝に咲いていた西洋タンポポです。

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西洋タンポポはガクが開いているので、そこで見分けると聞きました。

 

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ユキヤナギの横のレンギョウに向かって、ヒヨドリが飛び込んで行きました。すぐに花の蜜を吸っています。

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藪の中で咲いているレンギョウが溝へと枝垂れていました。

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レンギョウは、ほかの木に絡みつくものなのでしょうか。

 

ちょっと検索してみましたら、レンギョウに寄生するカズラがあると知りました。それがレンギョウを巻き込んで ほかの木に巻きついているのでしょうか。

ほかのレンギョウと あまりに様子が違い、山奥に入った時に見かける 人の手の加わることのない植物の寄せつけない険しささえ感じる姿でした。

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f:id:snow36:20210408194716j:image公園の遊歩道沿いに植えられた植物は穏やかな印象ですが、本来は こうしたものなのかもしれません。健気にも思います。

 

 

小径を歩いていると、いっぱいに灯した淡い光のように ヒュウガミズキがふんわりと現れます。

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高いところから鳥の鳴き声が聞こえてきます。

 

***

いきなり話題が変わりますが、

仕事に使う集塵機が壊れたので、連れ合いが 湖東 (琵琶湖の東ですね。下見の時に私も一緒に参りました。湖東は広々と広がる美しいところで、菜の花が陽射しのもと あちらこちらで揺れていました。)の中古の機械を扱う会社で買ってユニックで運んで帰って来ました。ユニックは、クレーンの付いたトラックのことですね。1日レンタルをしました。

我が家の作業場まわりの写真です。薬師堂側の眺めとは違い、ここは 庭とはとても言えない 資材置き場のような感じに写っています。

f:id:snow36:20210403165051j:imageユニックの上で クレーンに2点吊りされている買ってきた集塵機は、3馬力 10kgのものです。

決して具合は悪くないのですが、ほかの手持ちの集塵機と合わせても 求められることに対する仕事量が少ないようですので、今後 壊れた40年ものの7馬力を修理して使うのか 迷うところです。 

集塵機は、加工する鉄や 研磨する砥石から もうもうと舞い散る粉塵を吸い込みます。

地場産業の末端の我が家は、極零細ながら ものづくりの仕事をしております。

(と、澄ましていますが、このように ちょっとしたことで仕事が止まり、その都度 頭を抱えています)

 

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今日もご覧くださいましてありがとうございます。

今週は久しぶりに寒さを感じましたね。どうぞお身体大切にお過ごしくださいね。

 

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「おもしろや 今年の春も旅の空 芭蕉 句」(245×320m/m)  松尾芭蕉

 

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「この道しかない 春の雪ふる 山頭火 句」(210×295m/m) 種田山頭火 句 再掲  村上翔雲 書

 

椿の咲くお寺。庭の花のことなど

こんにちは。

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ご近所の椿が咲いています。許可をいただいて撮らせていただきました。

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ふんわりと微笑む姿がきれいですね。

 

暖かくなって、こちらの山間部にも日差しが長く差し込むようになってきました。

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空にも木々にも淡く靄る春の山々の晴れやかさに誘われて 吹く風にも柔らかさを感じます。道路沿いの桜も我が家の木瓜の花も 昨日一度に咲き出しました。 お久しぶりです。

 

朝早くから鶯の鳴き声も聞こえてきます。歩く道では雲雀の歌が高いところから。 

 

前回の義父のことでは、ブックマークにもコメント欄にも優しい言葉やスターをたくさんいただきました。お心遣いに感謝いたします。ありがとうございました。

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実の両親の時には経験のなかった お葬式の後にする流れがいくつか続いて、1カ月が目まぐるしく過ぎていました。 

 

気づかないまま 花の時期を終えたスノードロップや原種のチューリップなどは残念ですが、こぼれ種の青いビオラやラブラドリカ、こぼれ種以外にも種を取って蒔いていたペニーブラックは、陰の時間の多い我が家でもゆっくりと育っています。 

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ブルーカーペットアフェイオンf:id:snow36:20210328150715j:image

(青いハナニラですね) も咲き始めました。

 

f:id:snow36:20210328151758j:imageチングルマが一輪…。

どの花も少しずつ咲いて、何事にものんきな私に合わせてくれるように思います。

 

🌿

お彼岸の前、3月中旬頃に満開の梅を見かけました。こちらは、以前 紫陽花のきれいなところと書いたことのあるお寺の境内です。

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梅と申しましたが、梅なのでしょうか? 花びらの先が割れているような…  実の生る桜だったりして😉

 

こちらのお寺では、唐子椿(からこつばき) を見ることができます。

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唐子椿(からこつばき)は、唐子人形の髪を結った頭に似た花を咲かせるところから名付けられたそうです。

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かなり大きな木でした。

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この唐子椿の木は、その大きさから兵庫県の天然記念物にも指定されているそうです。

唐子椿の側に大きな石碑があります。

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砕花の歌碑です。富田砕花は、「兵庫県文化の父」と称される詩人であり歌人です。

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わからないことだらけの素人の私も、わからないなりに言葉の息吹を感じ取れるか確めたくて石碑の文字にそっと触れてみます。

ひと気のない境内に、紅い唐子椿がさんざめくように咲いています。

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「砕花  西海の五島は遠し 都麻びとは うつつに聴くや鐘の梵音   西林寺にて」富田砕花 歌

 

 

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父が生前 上梓しました「ひょうごの野の書」を確認しましたら、こちらのお寺にいくつかある句碑の中から、父は高濱虚子の句碑を取り上げておりました。

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父は、

「碑に刻された虚子の書は『虚子百句』から拡大転写されたもの。ねばりのきいた線で大胆に書きすすめ、余白のヒビキ具合にまで神経をゆきとどかせたあたりは、凡手の技ではない。」と書いております。

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「この池の生々流転 蝌蚪の紐 虚子」

蝌蚪の紐。オタマジャクシの尾や蛙の卵のことを言うらしいですが、ここでは蟇(ヒキガエル)の卵のことだそうです。細長いゼリー状の卵は、春先に見られるので 蝌蚪の紐は春の季語とも。おもしろく思います。

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f:id:snow36:20210328174342j:image高濱虚子の句碑を撮らせていただくために、こちらのお寺には 二度寄らせていただきました。花の美しい時期に入り 二度目に伺った時には 違った花が盛りになっていました。

駆け足の訪問なりに楽しませていただきました。

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生協さんのカタログで買って植えてみた 園芸種のかたくりの花が、2年経ってひとつだけ顔を出してくれました。

f:id:snow36:20210328154516j:image以前ブログに書きました氷上町清住のかたくりは、今年は公開されているようです。出かけてみたく思いましたが、高齢の義母もいますので人気のところへ行くのは またの機会にいたします。

我が家の堅香子の閑雅な面差しを楽しみに待ちましょう。

 

***

3月の初めに新聞で

美術家 篠田桃紅さんの訃報を知りました。

ご冥福をお祈りいたします。

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いつもご覧くださいましてありがとうございます。

お身体に気をつけてお過ごしくださいね。



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「 嵐  しづかなれども いづくにか 梢に觸れ ゆく風あるがごとし わが胸かなしきまでに落ち居れど 遠く遠く嵐あるを聴く 砕花 詩」(240×170m/m)   富田砕花 詩

 

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「空鬱々 さくらは白く走るかな 兜子の句」(210×300m/m)  歳華集 鬱王 われ病む         赤尾兜子 句  村上翔雲 書