野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

雪の残る。

こんにちは。

毎日寒いですね。

連休の最終日、お昼になってから 思いつきで お蕎麦を食べに出かけることになりました。 車で1時間余りかかるところでした。

蕎麦屋さんは 売り切れたら その日は終わりということになりますが、それでも行ってみようということになりました。

帰って来ていた息子も一緒でした。

娘はというと 引っ越しをしたばかりですが、その日は旅行に出かけていました。乗り過ごしたので 帰国が1日伸びる と伝えてきました。私の想像をはるかに越える娘の話が続くと楽しいのですが ブログの趣が変わってきますので、顛末は また機会がありましたら書かせてくださいね。

 

近年は 雪が積もる日も少なくなりましたが、目的地の篠山市に向かう途中は、ところどころで雪景色が見られました。


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車を停めて川沿いの公園に入ってみます。

うっすらと雪を纏った岩。淀みの青い溪。

赤い橋梁を 眺めていると、遠くからカタンカタンと音が聞こえてきます。こちらはJR福知山線が通っています。音が大きくなって来ました。
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289系 特急こうのとり(新大阪駅行きでしょうか)が 走って行きました。



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岩を打つ川の音が響きます。

瀬の美しいところでしたが、他に誰もいませんでした。

 


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蕎麦屋さんに着きました。茅葺き屋根の下は 二つ組み合わせられたような 広い部屋になっていました。 お昼はそろそろ終わりのようでしたが、お蕎麦は残っていました。
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二八蕎麦。のど越しがよく、辛味大根のおろしが添えられています。菊菜や蓮根、スナップえんどうなどの季節の天ぷら。会話も弾みます。

 

部屋に置かれていた 静かに炎が揺れるペレットストーブが暖かでした。

ストーブの 包み込まれるような 橙色の火を眺めるのは楽しくて和みますね。

 

帰りの車の中で ボヘミアン・ラプソディーサウンドトラックが流れていました。息子が、輸入盤だからか、最後の 「The show must go on」が パソコンに読み込まれないと 言いました。 人生経験の浅い息子にも響く曲のようでした。

この曲を聴くと、なぜか関係のない父のことを思い出すのです。誰もが知る有名人というわけではなかったかもしれませんが、父は最後まで 書家として作品を書き続けたのでした。

父が亡くなってから 私は初めて父の作品の整理に加わるようになりました。 今なら、命が尽きるまで書き続けたいという じりじりとした父の焦燥感が 少し理解できる気がいたします。

 


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秋に 数輪咲いた我が家の木瓜の花。咲いたり、咲かない年もあります。今年の春は 少し期待できそうに思います。

 

いつも ご覧くださいまして、ありがとうございます。

厳しい寒さが続きます。どうぞ お体大切になさってくださいね。

 


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「どこにか ほんとうに美しいものはないのか  それが敵であってもかまわない  重吉 詩」額装

 

「秋の瞳     うつくしいもの」

わたしみずからのなかでもいい

わたしの外(そと)の  せかいでもいい

どこにか 「ほんとうに  美しいもの」は  ないのか

それが  敵であっても  かまわない

及びがたくても  よい

ただ  在るということが  分りさえすれば

ああ  ひさしくも  これを追うに  つかれたこころ

           八木重吉  1898.2.9〜1927.10.26  詩人

株式会社白凰社 八木重吉詩集 1967年12月10日 初版第1刷   1995年3月10日 新装版第17刷に準拠しています。