こんにちは。
お元気でいらっしゃいますか。
今日は、まず前回のラベンダーパークの記事の訂正と補足をさせてくださいね。
ラベンダー以外の植物の説明が、不足していました。印象だけでこんな感じかなと書いたものもありました。
こちらの 花びらの上に繊細に広がり立つ雄しべが愛らしい白い花は、ギンバイカ (マートル) です。
こんな感じに 雄しべがふわりと立ったビヨウヤナギの美しい花のお写真を載せていらっしゃるブログを 最近拝見しました。とても素敵でした。
ギンバイカの微かに優しく香る花に (ハーブなので、葉も折り取って擦りあわせると よい香りがするのですね。自分のものではないので遠慮しますが。) 、蜂や 緑の小さなハナムグリなどが 飛び交っていました。
そして、「セージでしょうか」と書いていましたが、
バーベナ ハスタータ ‘ ブルースピアーズ ’ 。白い花もありました。近くで撮った写真もあった方がよかったですね。
セリ科だとは思いましたが、コリアンダーかもしれないとのご意見をいただきました。拡大した写真をつけてみました。
せっかく撮った花ですから、ちゃんと名前を知りたいです。名前を知ると、身近に感じて より大切に扱いたくなります。
いずれも お知らせいただき、私も改めて見直しさせていただきました。
教えてくださいまして、本当にありがとうございました。
🌿🌿
絵を観に行きませんかと、私の母と親しくしてくださっていた方が 誘ってくださいました。
ぬか漬けなら、浅漬けの泉州の水茄子。茹で卵は ゆっくり漬けた方が美味しいですが、こちらのお話は、気がつくと1ヶ月の古漬けになってしまいました。
兵庫県立美術館へ出かけました。
県立美術館は、安藤忠雄さんの建築で 2002年に 王子公園のそばから、現在の海の近くへ移転しています。
移転する以前の 兵庫県立近代美術館(現 原田の森ギャラリー、横尾忠則現代美術館) の佇まいがとても好きでした。心踊らせながら、何度も 何度も 通った懐かしく 美しい場所を 思い出します。
そして、今の新しい県立美術館は、蔦が覆う吹き抜けのエントランス。巻き貝を割ったような円形テラスなど、モダンで 魅力あるところです。
この度の特別展は、吉野石膏コレクション。
「印象派からその先へ」
思いがけないほどの数の 画家と作品群でした。
フォーヴ(野獣派)は、ヴラマンク、ブラック、ボナール。
エコール・ド・パリは、ユトリロ、ローランサン、シャガール など。
28人の画家、72点の作品が 展示されています。
一番印象的だったのは、
「エコール・ド・パリ」のフロアの マルク・シャガールで 圧倒的に素晴らしいと思いました。拙い説明で申し訳ありませんが、
「バラ色の肘掛け椅子」。大きな窓から 山を望む部屋にイーゼルを据え、手にパレットを持ち 奥さんのベラとぴったり寄り添う画家は 天井からカンヴァスへ ゆっくり降りて来るように見えます。ふたりで抱き合って床に立っていたら、こんな夢のようなふんわりとした空気はないのでしょう。左に置かれた 丸い座面の青みがかったバラ色の肘掛け椅子が、甘く優しくて。
「夢」は、奥さんのベラを亡くした頃の絵だそうです。
薄灯りの下、ふたり分の食卓が用意されています。画面左の料理を乗せた方のお皿の側には、黒く沈んで影になっている男性が座っています。あまりに暗い この人は、シャガールを暗示しているようです。
周りは、静まる夜の街に ヴァイオリンを持つ人や 花束を持つ人などが 暗闇に浮かんでいます。ぼう と白いドレスのベラが右にふわりと。微笑んでいるようにも見えます。
ふたりで過ごした思い出が描かれているのですね。
最後に展示されていたのは、120×132cmと かなり大きな作品でした。
「パレード」と名付けられたその絵は、サーカスを楽しむ人々が描かれていました。
華やかな青色に彩られた サーカスの舞台と それを見下ろす観客席、楽器の奏者も楽しげです。
集大成とも言えるこの鮮やかな大作は、シャガール 最晩年 92歳の頃に描かれたとのことでした。主題から伝わる愛が素晴らしく、高齢の画家の強い集中力とエネルギーに驚きます。
順番が前後しますが、始めのフロア「印象派、誕生」では、
クロード・モネの「サン=ジェルマンの森の中で」の吸い込まれそうなオレンジと青緑の消失点や、
アルフレッド・シスレーの 爽やかなポプラ並木。
ピエール=オーギュスト・ルノワール
「シュザンヌ・アダン嬢の肖像」パステルの繊細さ、豊かな髪のうねりも美しいです。
やはり ルノワールの「庭で犬を膝にのせて読書する少女」の眉から口元までが きゅっと短く幼さの残る少女の愛らしさが心に残りました。日だまりの暖かな森。
雲のかかった 薄青い空に、黒く沈んだ深緑や、モスグリーンの木立と湖の風景画が懐かしく感じられる カミーユ・コローの絵。
アメリカ人の 印象派の画家、メアリー・カサットの絵 (印象派の画家ために尽力した画商ポール・デュラン=リュエルの孫の肖像。モデルは 生き生きとした表情のかわいいお嬢さん)が、一緒に活動した エドガー・ドガの「踊り子たち(ピンクと緑) 」と並んで飾ってありました。ちょっとした配慮が ファンには嬉しい。
「フォーヴから抽象へ」
ジョルジュ・ルオーの 初期の非常に力強い輪郭の黒く重い絵から、後期の強い輪郭の中に明るい色を嵌め込んで描かれた女性など、書いてみたいことがたくさんありましたが、書き出したら、止まらなくなりそうでした。
本物に出会う感動は、例えようもありません。
神戸での公開は、7月21日まで。この後は、10月30日から 東京 三菱一号館美術館で開催されるそうです。どうぞ 素晴らしい絵画との出会いをなさってくださいね。
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この度ご一緒した 母と親しくしてくださっていた方は、別れ際に改札口まで見送ってくださいました。涙を浮かべておられる姿に、20年前の母を いつまでも忘れないでいてくださるのだと 心から有り難く 嬉しく思いました。心が温かくなります。
それなのに、私は 他の方のご迷惑にならないようにすることにだけは 神経を遣うものの、いつもの とんでもない独特の鑑賞の癖が出て、その方と妹をほったらかしにして ひとりで楽しんでしまいました。(一体どんな鑑賞の仕方なのでしょうか……) おとなげのないことに申し訳なく思います。
ご覧くださいまして ありがとうございます。
こちらは、雨混じりで 気温は低いですが、少し蒸しています。
お体大切になさってくださいね。
「木の芽 草の芽あるきつづける」(190×75m/m) 草木塔 種田山頭火 句
「ひさしぶりに掃く 垣根の花が咲いている」(240×320m/m) 種田山頭火 句 村上翔雲 書