こんにちは。
こちらは、数日ぶりに すっきり晴れていました。この頃は 晴れる日の朝には、川からゆらゆらと霧が立ちのぼり、辺りを包んでゆきます。
冬になると 内陸部の川沿いは、深夜から朝にかけて(場合によってはお昼近くまで)、更に深く白い霧の中に埋もれるようになります。
冷たい朝。
霧が深くて 車の運転がしづらいとか、洗濯物が 乾かないといった 日常の悩みもありますが、
季節が入れ替わる晩秋、冬の到来の近いことを実感いたします。
柚の実は、少しずつ いろんな方にもらわれていきます。
薬師さんのそばにある 我が家。薬師さんの斜面にみかんや 名前がわからない柑橘を 昔、 義父が植えました。 こちらも たくさんなっています。
去年は 鹿に葉を食べられて 枝だけになったみかんの木には、実はなりませんでした。
今年は、鹿の鳴く声を まだ聞いていません。
少し古いお話になってしまいますが、今月の始め頃に、ご近所の かざぐるまが咲いているのを見かけました。
鉄線の好きな私が かざぐるま と言っているだけで、定かでないのです。
今年の5月にも そこで咲いていることに気づきました。白い花が 広げた掌を伸ばしているようでした。
和の庭に しっくりと 短調の音色を思わせる憂いを帯びた美しさ。花は しばらく咲いていて通りすがりにも楽しませてもらいました。とても惹かれる花でしたから、おうちの方にいつかお聞きしてみようと思いました。
ところが、7月に そのお宅の奥さんが亡くなられてしまいました。日頃から親切にしていただいていたのです。書いてよいものかどうか、迷いながら 悲しい気持ちをブログに書きました。
その後、ひとつきも経たないうちに ご自分の病気を押して奥さんのお世話をされていた ご主人までも 亡くなられました。
ご主人のお葬式から 10日ほど経って 近所の者が集まり お参りをさせていただきました。
二人のお写真が並んでいるのを見て 皆 ご家族になんと申し上げたらよいのか 言葉が見つかりませんでした。
困っている人がいれば、どんな時にも相談に乗ってくださる優しいご夫婦でした。
真夏の暑い夜でした。
それから 3ヶ月経って、11月に再び見る花は 手のひらを広げたほどの大きさで 5月の頃より少ない数でしたが、同じように美しく咲いているのでした。
鉄線の仲間の かざぐるま。亡くなった母が くれた九谷焼の急須の絵付けも 鉄線でした。
こんなことが重なって、鉄線が気になるのかもしれません。
しんみりした思い出話になってしまいました。ごめんなさいね。
「踏みわける萩よ すすきよ」(240×320m/m) 種田山頭火 句
「ゆふ空から柚子の一つをもらふ」(240×320m/m) 種田山頭火 句 村上翔雲 書
ご覧いただきまして ありがとうございました。