野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

霧の季節へ移る

こんにちは。

こちらは、数日ぶりに すっきり晴れていました。この頃は 晴れる日の朝には、川からゆらゆらと霧が立ちのぼり、辺りを包んでゆきます。

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冬になると 内陸部の川沿いは、深夜から朝にかけて(場合によってはお昼近くまで)、更に深く白い霧の中に埋もれるようになります。

冷たい朝。

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霧が深くて 車の運転がしづらいとか、洗濯物が 乾かないといった 日常の悩みもありますが、

季節が入れ替わる晩秋、冬の到来の近いことを実感いたします。

 


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柚の実は、少しずつ いろんな方にもらわれていきます。

 

薬師さんのそばにある 我が家。薬師さんの斜面にみかんや 名前がわからない柑橘を  昔、 義父が植えました。 こちらも たくさんなっています。

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去年は 鹿に葉を食べられて 枝だけになったみかんの木には、実はなりませんでした。

今年は、鹿の鳴く声を まだ聞いていません。

 

少し古いお話になってしまいますが、今月の始め頃に、ご近所の かざぐるまが咲いているのを見かけました。

鉄線の好きな私が かざぐるま と言っているだけで、定かでないのです。f:id:snow36:20181121000455j:image

今年の5月にも そこで咲いていることに気づきました。白い花が 広げた掌を伸ばしているようでした。

和の庭に しっくりと 短調の音色を思わせる憂いを帯びた美しさ。花は しばらく咲いていて通りすがりにも楽しませてもらいました。とても惹かれる花でしたから、おうちの方にいつかお聞きしてみようと思いました。

 

ところが、7月に そのお宅の奥さんが亡くなられてしまいました。日頃から親切にしていただいていたのです。書いてよいものかどうか、迷いながら 悲しい気持ちをブログに書きました。

その後、ひとつきも経たないうちに ご自分の病気を押して奥さんのお世話をされていた ご主人までも 亡くなられました。

ご主人のお葬式から 10日ほど経って  近所の者が集まり お参りをさせていただきました。

二人のお写真が並んでいるのを見て 皆 ご家族になんと申し上げたらよいのか 言葉が見つかりませんでした。

困っている人がいれば、どんな時にも相談に乗ってくださる優しいご夫婦でした。

真夏の暑い夜でした。

 

それから 3ヶ月経って、11月に再び見る花は 手のひらを広げたほどの大きさで 5月の頃より少ない数でしたが、同じように美しく咲いているのでした。

鉄線の仲間の かざぐるま。亡くなった母が くれた九谷焼の急須の絵付けも 鉄線でした。

こんなことが重なって、鉄線が気になるのかもしれません。


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しんみりした思い出話になってしまいました。ごめんなさいね。

 

 


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  「踏みわける萩よ すすきよ」(240×320m/m)    種田山頭火

 


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  「ゆふ空から柚子の一つをもらふ」(240×320m/m) 種田山頭火 句       村上翔雲 書

 

ご覧いただきまして ありがとうございました。

 

ドウダンツツジのお寺に参る

今週のお題「紅葉」

こんにちは。

週末は とてもお天気がよかったので、早起きして
兵庫県豊岡市但東町ドウダンツツジの紅葉が有名なお寺 安国寺に 行ってみました。

11月20日まで 公開とのことです。


私たちの住むところは、それほど紅葉は 進んでいませんが、北に向かうに連れて 山は彩りを見せるのでした。

途中 自動車道から降りると、国道の一部が 夏の被害で通行止めになっていました。

そのために ナビがお手上げになるアクシデントもありましたが、なんとか道を見つけて 峠をうねうねと上り下りして たどり着きました。

安国寺は 山々に囲まれた斜面に建つ 小さなお寺でした。

本堂の前で お参りをさせていただいて、中に入らせていただきました。
左手が ドウダンツツジの見える部屋でした。

表の日差しが差し込まない部屋の建具が 外してあります。

部屋が額縁となって、キャンバスいっぱいに 明るい朝の光を浴びた 赤いドウダンツツジが 輝いています。


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多分 11時頃になると 全体に光が射して もっと明るく見えるそうです。この時は、9時半ごろでした。

黄色の上着を着た人は 檀家さんとのことで、下の駐車場でも誘導をされていました。

ドウダンツツジが見える部屋で 見やすくなるように 案内されている方が、「何もない田舎なのだけど、」と仰っていました。


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お寺の裏の坂を登ると ドウダンツツジやもみじの紅葉も楽しめました。
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広くはありませんが、美しくてしばらく足を止めて見いってしまいます。
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ゆっくり見せていただいたと思って時計を見ると、まだ10時でした。

次々と 紅葉を観に来られるお客の車が 入ってきます。県外のナンバーも多く見受けられました。


近くに 「清竜の滝」があると知り、行ってみることにしました。
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誰もいないところに 小さな滝がありました。
この手前の辺りから、空気が変わっていきました。
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流れる水音、滝の落ちる音と、近づくにつれて 音が何層にもなって 聞こえてきます。

苔むした石を そうっと踏み、滝に近づいてみました。
ひんやりした清らかな場です。
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滝の下は 清冽な流れが注ぎ込む池になっていて、池から細く川に続いていました。

ご覧いただきまして ありがとうございました。




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「秋風 行きたい方へ行けるところまで」(240×320m/m) 種田山頭火


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「空のふかさは落葉しずんでゐる水」(240×320m/m) 種田山頭火 句 村上翔雲 書

川辺の小さな美術館のミュシャ展

こんにちは。

立冬の声を聞いてから、暖かくなりました。

今日も 青空が広がっていました。

 

少し時間ができたので、山あいの美術館に アルフォンス・ミュシャ展を観に行きました。

ドライブするには いい距離でした。

丹波市立 植野記念美術館
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もう少し離れて撮りたかったのですが、にわか雨が降ってきて 慌ててしまいました。内陸部のお天気は 安定しませんね。

立派な洋館で、玄関ホールは 2階から4階まで吹き抜けでした。 小さな美術館の企画展は アイデアが優れていることが多くて、楽しみなのです。

 

こちらのミュシャ展は、チェコのチマル博士のコレクションの一部とのことで、

ミュシャギムナジウム時代の デザイン画「J」から始まり、女優サラ・ベルナールの舞台のためのポスターや、後年の「スラブ叙事詩」展のポスターまで 150点近くの 作品や写真などが展示されていました。

 

14才頃の 小さなデザイン画「J」は、後の アールヌーボーの旗手として 時代の先端を走り続けたミュシャの萌芽を感じる 柔らかい曲線をレタリングした作品でした。

「J」 ゆるりと流れる 薄青い色の太い線を 中央に置いて、回りを アラベスク模様を思わせる蔦のような 単純化された植物が取り囲んでいます。

ユリンカ(Julinka)という少女のイニシャルとのことでした。

 

続いて 白いハイライトを効かせた巧みなデッサンが 何点もありました。白色のハイライトは、グワッシュで描かれた挿し絵にも 効果的に使われていました。

このような感覚が、ポスターのような商業的な作品を制作する際にとても役に立っているようです。

連作が有名ですね。

こちらは 春夏秋冬 季節を描いたもの。f:id:snow36:20181108185837j:image

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華麗な枠に囲まれて こちらを陶然と見つめる女性の髪は長く 植物のようにからだを包み込んでいます。
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人生を季節に例えた作品では、年齢別に男性の一生が描かれていました。でも、そのそばには 季節を表す女性の姿が。

 

丸い金属板に リトグラフでエナメル塗装した皿。左の作品です。細かな装飾が 鮮やかに彩られていました。

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底が窪んだ磁器に 細かい装飾画を印刷した皿も ありました。印刷の技法に興味がわきます。

 

パリ時代に サラ・ベルナールが デザイン事務所に 次の公演のポスターを依頼に来た時に、デザイナーは 皆クリスマス休暇を取っていて、残っていたのはミュシャだけだったそうです。

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翌年の1月に 街中に貼り出された「ジスモンダ」のポスターが評判となり ミュシャは 一躍時代の寵児となっていったとのことでした。

「JOB」という煙草の巻き紙のポスターは、気だるい様子で 紫煙を漂わせる女性の姿(サラ・ベルナール)が美しい。

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モエ・エ・シャンドン社のメニューの作品もありました。

こちらは お菓子のメーカーのゴーフルのパッケージのラベル。

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ビスケットのポスター。商品より 女性を真ん中に描くミュシャの手法が新しくて もてはやされたとのことです。
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複雑な歴史を持つ 故国チェコを描ききる集大成「スラブ叙事詩」の制作のための費用の資金集めもあって、ミュシャアメリカに渡りました。

そして チャールズ・クレーンが パトロンとなって援助してくれることになり、チェコに戻りました。20年近くの年月をかけて スラブ民族の歴史や 物語を描いた20枚の大作「スラブ叙事詩」は、プラハ国立美術館にあります。

この写真は、「スラブ叙事詩」展の為のポスターで、モデルはミュシャ49才の頃の娘なのだそうです。こちらも見上げるほど大きなリトグラフ

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娘 ヤロスラヴァの意志を持つ強い瞳。  「ジスモンダ」の頃の 柔らかいまなざしの女性の描き方とは違った ミュシャの故国チェコへの 焦がれるような愛を伝える その表情に打たれます。

回りに誰もおられなかったので 作品の隅々まで 気が済むまで観せてもらいました。

これまで、美しい女性を描き続けたミュシャの作品に魅力を感じていましたが、強いメッセージのあるこの連作を いつか観てみたいとも思うようになりました。

 

この度は、丹波市立 植野記念美術館の 丁寧なパネルの解説と、展示室の前のフロアで流れていたビデオを拝見し(ちゃんと覚えて帰れるか心配でしたが…。)、自分の僅かな知識と感想を加えて 書かせていただきました。

ゆっくり鑑賞できましたので、年代順にミュシャの関心の行方をたどりながら 私なりに感じるところがありました。

絵は 絵葉書を使わせていただきました。

 

 

ご覧いただきまして ありがとうございます。

土日は お天気のところも 多いそうですね。こちらの山の紅葉は ちらほらです。どうぞ、よい週末を。

 


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  「何者かの投げた宝石が絃琴にあたり いにしえの歌となる」旅人かえらず(128)  (125×165m/m) 西脇順三郎 詩      村上翔雲 書

 

 

 

黄昏を彩る

 こんにちは。

こちらの昨日の朝は、柔らかなうろこ雲が 広がっていましたが、東の空は灰色でした。お昼からは 時々曇り空でした。

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風邪を引いてしまうのは、 寒い季節の始まりですね。 どうぞ お気をつけて。

 

我が家の柚は 日増しに色づいてきました。f:id:snow36:20181104233705j:image

秋の庭が 明るくなります。柚は 特に摘果しないのですが、それでよかったのか いつも迷います。

とても重たそうですが、これくらいの大きさなら 使い易くていいようにも思います。

 

ボケの花が 咲いています。f:id:snow36:20181104233919j:image

たくさん花をつける年もありますが、今年は 少し控えめのようです。

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 つぼみも ちらほら見受けられます。


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つぼみの頃はほんのりとあかく、 咲き始めは 白いのですが、開いてしばらくすると 微かに黄味を足したような薄桃色になっていきます。 日差しが 暖かく和らいでいますね。

 

義母が育てている シクラメンが 今年もよく咲いています。南向きで日当たりが良いこともありますが、大切にされているなと思います。  

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2日前の黄昏時に 歩いていると、歯医者さんの畑の隅で 鍬を使っている人がいました。

「こんにちは。」と お互いに挨拶だけして、そのまま離れて行きました。

歯医者さんの奥さん。 明るくて、優しい人です。昏くて 手元が定かでないと思われましたが、気にする様子もなく どこか楽しそうにも見える様子で かじいておられました。

 

翌日 車で同じ道を行くと、離れたところからも目を引く白い花を 一つ咲かせた秋明菊が その場所に植わっていました。

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咲いているだけで、場の趣が変わっていくような しっとりとした佇まいを持つ花。

 


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  「むざんやな 甲の下のきりぎりす」奥の細道 (325×245m/m)  松尾芭蕉 句     甲は兜の意。

 


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  「窓にうす明かりのつく 人の世の淋しき」旅人かえらず(2)  (75×115m/m 葉書の半分ほどの大きさ)  西脇順三郎 詩                                                           村上翔雲 書

 

 

 

全日本大学駅伝をテレビで見ました。1万mなどのトラック競技も好きですが、ロードに挑む選手の姿や 陸上競技の中では 数少ないチームの戦いに魅力を感じます。今日は雨の中 ひたすら駆ける選手から目が離せませんでした。

ロードの季節を、心から応援しています。

 

つい、力が入ってしまいました。

 

今日も ご覧いただきまして ありがとうございます。

 

海辺の宿

 

こんにちは。

丹後半島にある 琴引き浜(ことびきはま・京都府 京丹後市)へ 出かけました。2週間前のことです。

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日本海に面した美しいところです。眺めが良く料理民宿が点在しています。

手頃なお値段で 新鮮な海の幸をいただけるので、毎年 同じお宿にお世話になります。今年の5月に 一度伺っております。

この度は、春に社会人になった息子と 来年社会人になる娘が一緒で、久しぶりに家族揃っての ささやかな旅行となりました。

宿に着くと まず持参した長靴を履き 目の前の岩場に行ってみることにしました。


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強い風が吹いて 下の岩礁までは降りて行けませんでした。木々は 風の吹く方向へ 枝先を伸ばしています。

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ごつごつした岩場に咲く花は、地面に近い わずかに土のある場所で 日本海の潮が混ざる風に晒されていました。f:id:snow36:20181027174436j:image

コオロギや 鈴虫の音が 草むらから聞こえてきます。

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こちらのお宿では、水平線に夕日が沈んでいく美しい眺めを部屋から楽しめます。

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徐々に 形を変えていく雲に覆われ、夕日を時折受けて 一部分だけあかく光る海。全てが深い夜に沈み込んでいくまで ただ見つめます。

それでも 10月ともなれば、陽が沈むのが 早くなり 5月の頃より 夕日は早じまいでした。


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左の入り江の赤い光のあるところは 漁港です。イカ釣り船が 沖合いに漁り火を点々と いつまでも光らせていました。

 

海に臨む露天風呂の後は、魚尽くしの夕食でした。

山の中に住んでおりますので、新鮮な海の幸が とても嬉しいのです。

 

石鯛、カワハギ、カンパチなどを舟盛りにしてくださいました。 いずれも 個性の立つ魚なので それぞれの旨味や食感を存分に楽しめました。大きな 甘エビは食べ応えがあります。

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のどぐろの塩焼きは 、甘味のある脂が 口いっぱいに広がるおいしさです。
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銀むつの包み焼きは、バターの香りのする洋風の仕上がりに。

あわびの網焼き、さざえの天ぷらや へしこのお茶漬けなど、こちらのお料理は シンプルで基本的なものが とても丁寧に作られていて、たいへん美味しくいただきました。

 

翌朝 早起きして、漁港に行ってみました。

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道沿いに ツワブキが群生して咲いています。f:id:snow36:20181027185239j:image

潮風が吹きつけるところで 美しい緑の葉を広げ 可憐な花を咲かせています。強い植物ですね。

風が冷たい漁港は 船が戻って来ると、カモメが鳴きながら舞い始め とんびが 高いところをゆっくり回っています。f:id:snow36:20181027185340j:image

カラスもやって来ました。

サゴシが たくさん揚がっていました。  サワラが 少し混ざっているようです。

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カワハギや鯛も揚がっていました。市場に出すのだろうと思いましたが、地元の人が袋や箱を持参で 車やスクーターで来られており、直接買ってもよい様子でした。

 

女将さんに感謝して 宿を後にしました。

子ども達が聞いたことがないと言うので、帰りに鳴き砂のある浜へ寄ることにしました。

昨日に引き続いて 波が高いからか、ボードを持った人が 海に入っていました。

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砂浜が広がっています。
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長靴で歩くと キュッキュッと かわいらしい音を立てます。娘が とても喜んでいました。

海が 遥かに青くて。
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夏には 遊泳のできるところだからでしょうか、岩礁は コンクリートで固めてありました。

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貝や (足元が滑り易くて写せませんでしたが)ウニが 見られました。


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コマツヨイグサでしょうか。砂の上を這うように生きています。

 

家族で どこかに出かけられるのは、あと何回あるのだろう。   そんなことを思うのは、私たちも年を取り、子ども達は もう幼い子どもではないからなのですね。

なるべく 子どもの足を引っ張らないように 過ごしていきたいと、つくづく思います。

 

 


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  「手にのせて柿のすがたのほれぼれ赤く」(240×320m/m)  種田山頭火

 


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  「水に影ある旅人である」(240×320m/m)            種田山頭火 句          村上翔雲 書

 

25日の ドラフト会議で 娘の同級生が 1位指名されていました。小さな町が 沸いていました。   

央くん おめでとうございます。

 

長くなりました。いつもご覧いただきましてありがとうございます。

 

 

秋の色

こんにちは。

今夜も 月が冴えざえとして 寒さを感じます。虫の音も静まっているようでした。

9月に ぶどうを くださった方が、今度は 黒豆の若い枝の採りたてを 畑からそのまま持って来てくださいました。

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時間が経つと 味が落ちてしまうので、(連れ合いが)大急ぎで 枝から外したサヤを、水を換えながら ひたすら洗います。

農薬を 極力使いたくないとのことで、 雑草や 小さい虫なども混ざっていますから、(なるべく見ないようにして) ひたすら洗い流します。

それから 大きめの鍋で 塩ゆでしました。


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いつも ところどころ 虫食い跡があるのですが これは仕方がないと。

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分かりにくい写真ですが、黒豆です。

暗い灰色を重ねた緑の実。

一粒が大きくて もっちりとしています。豆の甘みをじんわりと楽しめます。  

採りたてを味わえる贅沢さ。

感謝して ジッパー付きの袋に分けて冷凍したり、下宿に戻る子どもに持たせたりしました。

ご近所は どちらも この時期は 作ったり、もらったりして 枝豆を湯がいたものは 冷蔵庫に 常備されています。

 

義父が 元気だった頃、庭の隅で 野菜を作っていました。  その時に 大根は 採りたては皮が薄いということと、切ると半透明で瑞々しい断面を見せる野菜なのだということを 初めて知りました。   

 

 

 

近くにある信用金庫の側で 畑を作っている人が 花を植えておられます。f:id:snow36:20181020145441j:image


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大きな株の アメジストセージが 力強く咲いていました。

 

こちらは、ご近所の 野菊。
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オシロイバナと一緒に 微笑んでいます。


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畑の脇に咲いているこの花は ジニアより、百日草と呼んだ方が しっくりくるように思います。元気で素朴なお嬢さんです。


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通りすがりの私に 笑いかけてくれました。

 

 

今日は、松尾芭蕉の句を二つ ご覧ください。


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  「名月や池をめぐりて夜もすがら」(325×245m/m)  松尾芭蕉

 

 


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  「痩せながら わりなき菊のつぼみ哉」続虚栗(325×245m/m)    松尾芭蕉 句    村上翔雲 書

 

ご覧いただきまして ありがとうございます。

 

高原を歩いてみれば・峰山高原

こんにちは

砥峰(とのみね)高原のお話の続きなのですが、すっかり日が空いてしまいました。勝手なことで すみませんが、よろしくお付き合いくださいね。

 

先日お話した砥峰高原から 山道を車で15分ほど登って行くと、峰山高原に着きます。標高差が 200mはあり、歩いて120分ほどとのことでした。

 

峰山高原です。

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ここ 峰山高原に、ホテルがあります。キャンプ場と スキー場が併設されています。

兵庫県としては 14年ぶりに新設されたゲレンデとのことで 昨シーズンにオープンしました。手ぶらで行けると かなり好評だそうです。

 

スキー場のリフトで 側の暁晴山(ぎょうせいざん)に 15分ほどで登れると聞いて、乗ってみました。

ハイキングコースは 30分だそうです。舗装がされている歩きやすい道らしいのですが、台風の影響か、リフトから あちらこちらに 木が倒れている様子が見えました。

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着いた 暁晴山の山頂には ジャングルジムのような子ども用のアスレチック施設があり、親子連れが楽しんでいました。電波塔が立っていました。


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山頂からの 風景です。(1,077m)

彼方に 瀬戸内海が望めますが、かなり遠いのです。

緩やかな青い山々の連なりに 淡路島の国生み伝説を思い出します。

標高は低いのですが、穏やかで 雄大な眺めは 心が安らぎます。 

雲に隠れて見えない氷ノ山(ひょうのせん・1,510m)や千ヶ峰(1,005m)などの山の話を あれこれとしたあと、また リフトに乗り、高さに馴染まない者の発言を盛んにしつつ 下って行きました。

 

リフトから降りると、 ゲレンデの脇から伸びている散策路を歩いてみました。

小雨が降るので 足元に 気をつけて。


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足元には 小さな秋が ころころと。
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すっきりとした緑の細い葉を 放射状に広げた植物が、ミツマタでしょうか。 群れを作っています。


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岩塊流が 有名なところだそうで f:id:snow36:20181016131126j:image

粘土質の 黄土色の土と 大きな岩が 森の中を流れる川に沿って ずっと見えていました。


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「りょうぶ 」という樹木の名前の札だけが掛かっていました。四角のコンクリートを並べた散策路を すんなりと長い幹の樹木が包んで 迷い込みたくなるように美しい眺めを作っていました。


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他の木もありました。こちらは、背の高い朴の木。長さが30cm近くある卵型の落ち葉は、大きくて目立ちます。


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森の中は よく手入れをされており、ところどころで道草をして、しんと静まった空気を楽しみます。
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雲が取れて 青空が広がってきました。
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散策路を戻って 森を出ると、いのししのひづめの後が 点々と。
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高原を後にして カーナビの誘導する帰り道は きれいな道路でしたが、行けどもヘアピンカーブが続きました。バイクなら きっと楽しいでしょうね。

 

もう 2時半頃で お昼には遅いのですが、道沿いに 蕎麦屋さんの幟を見つけました。

細い脇道に入って 辿って行ってみると、個人のお宅のようでした。

ツーリングの人が食事を済ませて 帰られるようです。
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聞いてみると、「天ぷらは もうなくなりましたが、お蕎麦だけなら。」と言っていただいたので、


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二八とのことで、のど越しのよい 美味しいお蕎麦をいただきました。

 

この日は 秋祭りでした。午後から よいお天気になりました。

最後まで お付き合いくださいまして ありがとうございます。

 

 

 


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  「秋風 行きたい方へ行けるところまで」(160×120m/m) 種田山頭火 句      村上翔雲 書