野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

かざぐるまへのオマージュ

 こんな話を書くのは どうだろうか。        とても迷いましたが…

 

ご近所で、週末に お葬式が あります。

 

5月のことです。  そのお宅の庭に、

ごくかすかに 色味を感じる白い花が咲いていました。

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「かざぐるま」かもしれない と思いました。

鉄線が 好きですが、我が家には ありません。

好きだと言いながら、例によって 写真が雑で 悔やまれます。

でも、手のひらを広げたほどの大きさの しっとりとした美しさ。
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野の印象を大切にして 庭を育てておられる優しい人でした。

私たちが ここに転居して来てからずっと、いつも気さくにお付き合いくださいました。

素敵な鉢植えを いただいたことも あります。

誰のことも 分け隔てなく、気遣ってくださる人でした。

 

入院されて 庭の手入れが できなくなり、植物がかなり繁ってきた5月の頃に、この花が 腕をいっぱいに伸ばして 手のひらを広げるように 咲きだしました。

 

病気の具合は どうだろうか。

お身内から お話を聞けますが、お見舞いに行くことは叶いませんでした。お気持ちは わかります。

 

 

いなかのお葬式です。でも、以前ほど 作法は厳しくありません。

 簡略化されて、私に できることは もうそんなにありませんが、

和尚さま方の お茶出し 掃除 洗い物その他、近所の者がお手伝いできることは 何でもさせていただきますね。

あなたが いつも進んでされていたことですから。

 

 


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  「鬼百合の咲く古庭の忘らるるこわれた如露のころがる」 西脇順三郎 詩     (210×300m/m)            村上翔雲 書