こんにちは。
昨日は 冷たい雨が降っていました。
小さな若葉に混じって 湿気を含んだ花の香りが 漂います。
先日 時々伺う神社に 厄払いに参りました。
厄年ではないのですが、手を合わせて 背筋を伸ばしたくなる時があります。
前後が 穏やかなお天気に恵まれていたのに、その日だけが 朝から寒くて、雨が降っていました。雨と 混雑とで 写真は撮りませんでした。お参りの長い列に小一時間ほど並んで 終わる頃には 小降りになっていました。
神社の長い段を降りてくると、
県の天然記念物に指定されている 欅の木が見えてきました。
木の根橋。その名前の由来通り、太い根のひとつが 幅8mほどの小さな川を跨ぐ 自然の橋となっているそうです。
欅は 大きく育ちますね。
この木の樹齢は 約1000年と言われています。幹の太さは 直径6m以上、高さは 21mあるとのことです。それなのに、この欅は しっかりと根が 張っていないらしく、回りに何本かの支えをしてありました。
車や歩行者の利便のため 回りの道をコンクリートやアスファルトで固めた際に、太い根をいくらか切ったそうで、病気もあるようでした。
寒かったので 神社の下に迷路のような路地がある商店街の イタリア料理のお店に入りました。
古い商家を改装した 落ち着いたお店で「欅」と一文字書かれた暖簾の向こうの 引き戸を開けると、混ざりあったハーブの香りが 優しく漂います。神社にお参りした帰りに、こちらで時々 お昼をいただくことがあります。
席に着くと間もなく 混みだしたので 中の写真が撮れませんでした。
黒茶の柱の間に白い壁の対比と 黒光りする床が美しく、照明が落とされて温められた店内は とてもくつろげます。
掃きだし窓の向こうには 時折射し込む弱い日差しの中で、落ち着いた風情の庭を眺めることができます。
こちらの写真は お店のホームページから お借りしました。
お料理は 地元の野菜を使われているとのことで、前菜の盛り合わせ。
若ゴボウや 里芋、赤カブなど 7、8種の野菜がサラダ仕立てに 軽く味付けされていました。 写真の手前が ぼんやりしてしまいました。
写真にはありませんが、添えられた自家製のフォカッチャには オレガノとフェンネルシードが練り込まれているとのことでした。柔らかな生地に シードのぷつぷつとした食感も楽しく、ほの香るハーブも控えめでした。
メインが 牡蠣と白ネギのパスタ。季節ですね。ネギは岩津ネギだったでしょうか。淡口醤油を感じる味付けで 大きな牡蠣を楽しめました。今風に つばの広い帽子のようなお皿。幅のある縁の白が お料理を引き立てているのですね。
なんと言うことのない会話を続けながら、ゆっくりさせていただきました。二人して、記念日を忘れたりもしますが、この時を幸せに感じることが 一番大切なのかもしれません。
こんな風に 年を重ねることも そんなに悪くないと思うのでした。
先日の補足のようなことですが、前回 飛行機に乗れなくて困っていた娘の旅行先は、関西空港との間に直行便のない メルボルンでした。
その時のお話を少しさせてくださいね。
時間変更の多い航空会社を利用して旅行した娘たちの 確認ミスのための失敗でしたが、早口で話すばかりで 取り合ってくれない現地の搭乗手続きのカウンターで 娘たちが たどたどしく掛け合っていたときに、案内カウンターの係の人や、旅行中の中国の女性が側でずっと助けてくださったそうです。
美しいメルボルンの街が とても好きになったと言っていました。日本に観光に来られている中国の人には よくわからない印象を持つこともあったけれど、優しい人に助けていただいて 当然のことながら 皆が皆そうではないことに気づいたと申していました。中国の女性は、搭乗手続きが終わってからも「大丈夫?気をつけてね。」と易しい英語で話かけてくれたそうでした。
ヤラバレーのぶどう畑、グレートオーシャンロードからの海の眺め。オウムが 鳩のように至るところで歩いています。快適な気候で 心が解放される楽しさだったそうです。 うらやましいことです。
🌿
ドナルド・キーンさんの 訃報を知りました。ご冥福を お祈りいたします。
今日は 展覧会に出した 作品をご覧下さい。
「桐の疎林
かんがえてみると
きょうのいちばんよかったことは
もさもさっとした
けやきの
ひょろながい梢をみていたことだった」
(320×610m/m) 重吉詩稿 桐の疎林より
八木重吉 詩
「荒地に種子蒔く」(870×440m/m) ルオー・ミゼレーレ 村上翔雲 書
ご覧下さいまして、ありがとうございます。
そして、父の作品を残すために ご尽力くださっている名筆研究会の先生方に、心から感謝を申し上げます。言葉には尽くせません。ありがとうございます。