野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

こんにちは。

昨日は 冷たい雨が降っていました。

小さな若葉に混じって 湿気を含んだ花の香りが 漂います。

f:id:snow36:20190225010419j:image

 

先日 時々伺う神社に 厄払いに参りました。

厄年ではないのですが、手を合わせて 背筋を伸ばしたくなる時があります。

前後が 穏やかなお天気に恵まれていたのに、その日だけが 朝から寒くて、雨が降っていました。雨と 混雑とで 写真は撮りませんでした。お参りの長い列に小一時間ほど並んで 終わる頃には 小降りになっていました。 

 

神社の長い段を降りてくると、
f:id:snow36:20190217165933j:image

県の天然記念物に指定されている 欅の木が見えてきました。


f:id:snow36:20190217170502j:image

木の根橋。その名前の由来通り、太い根のひとつが 幅8mほどの小さな川を跨ぐ 自然の橋となっているそうです。

欅は 大きく育ちますね。

この木の樹齢は 約1000年と言われています。幹の太さは 直径6m以上、高さは 21mあるとのことです。それなのに、この欅は しっかりと根が 張っていないらしく、回りに何本かの支えをしてありました。

車や歩行者の利便のため 回りの道をコンクリートアスファルトで固めた際に、太い根をいくらか切ったそうで、病気もあるようでした。 

 

寒かったので 神社の下に迷路のような路地がある商店街の イタリア料理のお店に入りました。

古い商家を改装した 落ち着いたお店で「欅」と一文字書かれた暖簾の向こうの 引き戸を開けると、混ざりあったハーブの香りが 優しく漂います。神社にお参りした帰りに、こちらで時々 お昼をいただくことがあります。

席に着くと間もなく 混みだしたので 中の写真が撮れませんでした。

黒茶の柱の間に白い壁の対比と 黒光りする床が美しく、照明が落とされて温められた店内は とてもくつろげます。

掃きだし窓の向こうには 時折射し込む弱い日差しの中で、落ち着いた風情の庭を眺めることができます。         


f:id:snow36:20190223113339j:image

こちらの写真は お店のホームページから お借りしました。

 

お料理は 地元の野菜を使われているとのことで、前菜の盛り合わせ。
f:id:snow36:20190217162604j:image

若ゴボウや 里芋、赤カブなど 7、8種の野菜がサラダ仕立てに 軽く味付けされていました。  写真の手前が ぼんやりしてしまいました。

写真にはありませんが、添えられた自家製のフォカッチャには オレガノフェンネルシードが練り込まれているとのことでした。柔らかな生地に シードのぷつぷつとした食感も楽しく、ほの香るハーブも控えめでした。


f:id:snow36:20190217165415j:image

メインが 牡蠣と白ネギのパスタ。季節ですね。ネギは岩津ネギだったでしょうか。淡口醤油を感じる味付けで 大きな牡蠣を楽しめました。今風に つばの広い帽子のようなお皿。幅のある縁の白が お料理を引き立てているのですね。

 

なんと言うことのない会話を続けながら、ゆっくりさせていただきました。二人して、記念日を忘れたりもしますが、この時を幸せに感じることが 一番大切なのかもしれません。

こんな風に 年を重ねることも そんなに悪くないと思うのでした。

 

 

先日の補足のようなことですが、前回 飛行機に乗れなくて困っていた娘の旅行先は、関西空港との間に直行便のない メルボルンでした。

その時のお話を少しさせてくださいね。

時間変更の多い航空会社を利用して旅行した娘たちの 確認ミスのための失敗でしたが、早口で話すばかりで 取り合ってくれない現地の搭乗手続きのカウンターで 娘たちが たどたどしく掛け合っていたときに、案内カウンターの係の人や、旅行中の中国の女性が側でずっと助けてくださったそうです。

美しいメルボルンの街が とても好きになったと言っていました。日本に観光に来られている中国の人には よくわからない印象を持つこともあったけれど、優しい人に助けていただいて 当然のことながら 皆が皆そうではないことに気づいたと申していました。中国の女性は、搭乗手続きが終わってからも「大丈夫?気をつけてね。」と易しい英語で話かけてくれたそうでした。

f:id:snow36:20190228160549j:image

ヤラバレーのぶどう畑、グレートオーシャンロードからの海の眺め。オウムが 鳩のように至るところで歩いています。快適な気候で 心が解放される楽しさだったそうです。  うらやましいことです。

 

 

🌿

ドナルド・キーンさんの 訃報を知りました。ご冥福を お祈りいたします。

 

今日は 展覧会に出した 作品をご覧下さい。
f:id:snow36:20190228161426j:image 

「桐の疎林   

かんがえてみると

きょうのいちばんよかったことは 

もさもさっとした 

けやきの

ひょろながい梢をみていたことだった」

(320×610m/m)  重吉詩稿  桐の疎林より

八木重吉

 


f:id:snow36:20190228162748j:image

  「荒地に種子蒔く」(870×440m/m) ルオー・ミゼレーレ           村上翔雲  書

 

 

ご覧下さいまして、ありがとうございます。

 

 

そして、父の作品を残すために ご尽力くださっている名筆研究会の先生方に、心から感謝を申し上げます。言葉には尽くせません。ありがとうございます。