野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

ルリヤナギ 夏のなごり

こんにちは。

暑い季節に咲く花に ルリヤナギがあります。


f:id:snow36:20190812185900j:image

白を加えた薄萌黄の細長い葉も とても美しいのですが、葉にばかり焦点が合ってしまいました。

少し乱れた様子も儚げに咲いています。

この度は、ご近所のお庭を撮らせていただいています。こちらのお宅の方が 少しずつ分けてくださったので、ご近所のどちらのお宅の庭でも ルリヤナギが咲いています。


f:id:snow36:20190812185932j:image

我が家の庭にも  以前株分けをしていただいており、忘れずに枝を伸ばして 花を咲かせてくれました。f:id:snow36:20190812185954j:image

 

こちらのお庭の ルリヤナギのそばに植えられているカシワバアジサイが 6月の白い色から ゆっくりと衣替えをしています。

f:id:snow36:20190812190021j:image

 

6月のカシワバアジサイは こんな感じですね。
f:id:snow36:20190815162733j:image

 

きれいなものを見たくなると、こちらに来てしまいます。このお庭は そんな場所です。f:id:snow36:20190812190042j:image

 


f:id:snow36:20190812190117j:image

ランタナも咲いていました。和菓子のように かわいらしくて、夏のさなかにも強い花ですね。

 

私には珍しく、朝5時前の風景です。山の向こうに 終夜操業の工場の丸い煙が 小さく見えます。

f:id:snow36:20190812190537j:image

今週の月曜日は 静かに明けていきました。普段の慌ただしさのない お盆休みなので、少し散歩をする時間も 車を洗う時間もありました。


f:id:snow36:20190812190635j:image

しばらく歩くと 白い百日紅が、朝日に染まって佇んでいるところに出会います。気づかずにいた花の香りが 南風に乗り 微かに優しく漂ってきました。f:id:snow36:20190812190746j:image

この後 家族でお墓参りに行きました。義母が 小さな声で 般若心経を唱えました。クマゼミが鳴いています。

 

 

今日は、石井峰夫(いしい みねお)さんの句を ご紹介させてください。

以前 どうして石井峰夫さんが この句を作られたのか、どんな方なのかと、お尋ねいただいておりました。

先日 ようやく実家に行きましたので、少し調べてみました。遅くなり失礼いたしました。

妹が 資料にと 石井峰夫さんの唯一の句集を用意してくれていました。お尋ねの答えになってはいないかもしれませんが、ご覧いただけましたら幸いです。


f:id:snow36:20190815182802j:image

 

石井峰夫さんは、よく父の家にいらっしゃった方で 妹も覚えていました。「お酒を飲まれると すぐ赤くなられる方」(本当にすみません!)など 作品に関係のないことまで覚えておりました。師匠の 永田耕衣(ながた こうい)さんを阪神淡路大震災の時に ご自宅に一時引き取られたことも申しておりました。

 

石井峰夫    俳人

1930年(昭和5年) 広島県 尾道市生まれ。

1944年(昭和19年) 戦争中に 商業高校から、工業高校になっていた 現 尾道商業高校で、俳句の指導を受ける。私の父とは 同窓です。 

1950年(昭和25年) 様々な俳句活動を続けながら、学業を終えて 神戸税関に入管。

1956年(昭和31年) 俳人 永田耕衣 主宰の「琴座(りらざ)」の同人となる。

阪神間を活躍の場として、俳句を発表し続け 他分野の 大勢の文化人と交流。

 

石井峰夫さんが亡くなるまで、師でいらっしゃった永田耕衣さんは、最晩年まで 積極的な創作活動をされていました。永田耕衣さんの俳句は、また改めてご紹介させてください。

 

石井峰夫さんが亡くなられた[1996年(平成8年)]  後に、父も発起人の一人に加えていただいて、石井さんの句集を出版したそうです。(「現代俳句の展開50   石井峰夫句集」  の略歴を参考にさせていただきました。)

 

以前 拙ブログに 掲載させていただいた

「ほうたるの泣く火と思う彼方かな」f:id:snow36:20190807110950j:image

は、遺された句集「石井峰夫句集」の「Ⅷ  天体」(平成5年〜8年作品) に収められています。

こちらの「天体」は、阪神淡路大震災(平成7年)があった頃で 震災を詠んだ句も多くあります。「ほうたるの…」は、震災前の作品かもしれません。句の詠まれた背景は わかりませんでした。

素人の感想で申し訳ありませんが、寄辺のない繊細な心の底に 深く流れる抒情を感じます。


f:id:snow36:20190815182842j:image

「月色の少女を娶る杉のように」(Ⅱ皺)  (125×50m/m)

「石井峰夫句集」の500部に 父も500点の書を書かせていただいておりました。この句は、石井峰夫さんの代表作とのことです。月明かりに照る杉の葉を思わせる銅色の繊維を 灰青の地にランダムに散らしてある紙に書かれてあります。

 

 

季節は異なりますが、震災のことを詠まれた句を一つ載せさせてくださいね。

f:id:snow36:20190815185202j:image

「寒の地震 本来無一物とのみ  峰夫の句」(Ⅷ天体)  (300×195m/m)     以上すべて 村上翔雲 書

 

 

今回は、少し硬い調子のお話になりました。

普段は 自分の好きなことを書いておりますが、たまには、父の仕事に関係するお話もと思っております。(元々 そういうブログなのでした…。)

 


f:id:snow36:20190812190433j:image

12日 月曜日の夕方 6時の眺めです。この時期の眺めは、豊かに広がる恵みを感じます。いつまでも 続けばと思います。

 

台風10号は、雨の量が極端と聞いております。どうぞ 被害が広がりませんように。

 

最後まで ご覧くださいましてありがとうございました。