野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

大理石の墓標

こんにちは。

日曜日に 大阪市立美術館へ行って来ました。

ルーブル美術館展」1月14日まで とのことです。

 

大阪市立美術館は、天王寺にあります。

 

美術館は、美しい建物です。f:id:snow36:20190108133010j:image

振り返ると、通天閣が臨めます。f:id:snow36:20190108133030j:image

(晴れたり、曇ったりと 忙しい日でした。でも、ちょっと時間差がありました。通天閣ごめんなさいね)

 

この度は、肖像画や 人の彫像に 特化した展覧会でした。

f:id:snow36:20190108132203j:image

 

日曜日の お昼過ぎで、来週末には会期が終わるために かなりの混みようでした。


f:id:snow36:20190109192529j:image

古代のエジプトの美しい女性の木のマスクから 展示が始まります。

メソポタミアギリシャなどから出土した石像などが 順を追って展示されています。

 王と王妃の間に、王子でしょうか。小さい人が座っています。大人と同じバランスの像でした。 王子なので小さく表現されているそうでした。

石の彫像が いくつも立っています。拙い感想になりますが、

印象に残った大理石の作品について 書かせてくださいね。。

 

子どものヘラクレスが いかにも強そうな表情で、その横に やはり子どものエロスが いたずら好きな顔で 並んでいました。

 

狩りの女神、ディアナが 小柄な猟犬を従えて 背中の矢筒から 矢を取り出そうとする姿。

主人である女神を仰ぐ犬の しなやかな体つき、筋肉の動きや 肋骨の一本一本の起伏まで表現してあります。

ディアナの 滑らかで弾力のある若い二の腕。  意志の強い 美しい顔。

 

時代が下って、中世の 彫像は、

戴冠式ナポレオン1世の衣装の 波打つ襞、

柔らかな毛皮の表現。布の刺繍の細かいこと。

ヒールが高くて、飾り付きのかわいい靴。

頭を包む月桂樹。小さくて 特徴のある顔。

大理石の白が、いろんな素材や華やかな色を物語ります。

 

額が広いヴォルテールが 椅子に掛けた像や、

マリー・アントワネットの 胸像もありました。こちらは セーブル焼きです。やや驕慢な感じになっていましたが、時代が進むのに従って 像は生き生きとした表情を与えられているようでした。

素材として 大理石の他には、セーブル焼きなどの窯のものや、テラコッタもあり、石として アラバスターも ひとつ見受けられました。

 

これは 書くか どうか 迷ったのですが、

彫像は、人の姿を留めるためのものであるのであれば、

人の姿の墓標も フロアを作って「近代の葬礼肖像」として展示されていました。

そのフロアを入ってすぐに、身分の高い女性の像がありました。

この像の顔は、柔らかく微笑んでいましたが、生きていた頃の様子ではなく 亡くなった人の 目を閉じたお顔でした。

鑑賞している人々が 皆 説明のプレートを見ています。

顔も からだも 痩せていました。亡くなった後の しばらく日が経った姿でした。

私の不味い表現故の ご不快をお詫びします。

それでも、大理石が白くて、怖さは感じませんでした。むしろ、清らかで美しい そんな墓標なのでした。

日本にも このような状態を描いた絵があったかと思います。     

 

 

彫像が とても多かったのですが、

絵画は、15世紀のフランスの画家が描いたとされる テンペラの「パンジーの婦人」という素朴な絵がとても印象に残りました。宗教画のような女性の静かな面差し、沈んだ銅色の背景と 額の縁には 小さなパンジーが いくつも描かれていました。  絵葉書にも見当たらなかった 慎ましい小さな絵でした。   心の中に そっと収めておきます。

 

ベラスケスの「スペイン王マリアナ・デ・アウストリアの肖像」

f:id:snow36:20190110164254j:image

その場が輝くような華やかさでした。

 


f:id:snow36:20190110165120j:image
エリザベート・ル・ブラン「スカヴロンスキー伯爵夫人の肖像」34歳の若さの未亡人とのことで かわいらしい微笑みにうっとりでした。   (絵葉書を使わせていただきました。)


f:id:snow36:20190110164805j:image

8枚の肖像の真ん中から 顔を出して記念撮影する趣向で、とても賑わっていました。


f:id:snow36:20190110172105j:image

2月に こちらの大阪市立美術館で、東京とは 内容が一部異なる フェルメール展が予定されていますので、この度は 絵の中の光の使われ方に たいへん興味を持って観ました。

 

美術館へ行くと 年末年始の慌ただしく過ごした疲れが 飛んで行くようでした。  どんなに混雑していても、心が羽を伸ばしているのがわかります。

例え、何の知識も無い私でも、受け入れてもらえる幸せに浸れました。本当に 感謝。




f:id:snow36:20190109234952j:image

   (ダイコンソウ。年末から咲いています。寒くなって そろそろ終わりですね。)

 

また、長くなってしまいました。

お付き合いくださいまして、ありがとうございます。

 


f:id:snow36:20190110170405j:image

  「一粒の麦 地に落ちて死なずば 唯一つにて在らん。もし死なば 多くの果を結ぶべし」ヨハネ伝 (150×200m/m)       村上翔雲 書

コウノトリ


f:id:snow36:20181229002708j:image
明けましておめでとうございます。

今年も どうぞよろしくお願いいたします。

穏やかなお天気が嬉しいお正月でした。

 

晴れた夜に 洗濯物を 干しにベランダへ行きます。家族が 帰って来て洗濯物が 増えるからなのです。

きり と冷えた空を仰ぎます。目が慣れてくると、豊かに広がる星空が 見えて来ます。

植物の呼吸が 聞こえてきそうな 静まりの中、指先が動かなくなるほど 寒いけれど、ふくふくと温かな気持ち。

この気持ちに 会いたくて、深夜のベランダに出てみたくなります。

田舎だから できることかもしれません。




少し別のお話を させてくださいね。

我が家から車でしばらく走ったところにある 溜め池で いろんな鳥が休んでいるのを 年末に連れ合いが 見かけました。


f:id:snow36:20181229003251j:image

遠目で 見づらいのですが、翼を広げている方は シラサギでしょうか。

きれいだな とは思いましたが、物語のように美しいシラサギのブログを拝見して 心から感動したすぐ後のことでしたので、つい あっさりと流してしまいました。

それでも 連れ合いは 意に介さず、他の鳥も よく見るように言います。

シラサギが羽ばたく横に立っている 嘴と風切り羽根が黒い鳥は コウノトリのように見えると言うのです。

コウノトリ特別天然記念物の でしょうか。

確かに、この辺りでも 見たという話を聞いたことはあります。

コウノトリの成鳥は、羽根を広げると2mはあるので きっと もっと大きいから、これは まだ若いのかもしれないと重ねるように申します。

それでも、他の水鳥より かなり大きく見えたそうです。

左と右の奥の小さく見えている鳥は 羽根の色が灰色だったので、ゴイサギでは、と言っていました。

 

コウノトリは、さまざまな経緯を経て、兵庫県 但馬の豊岡市に「コウノトリの郷公園」が作られ、コウノトリなどが住む環境を再現したビオトープが作られています。

そちらで コウノトリを見たことが あります。


f:id:snow36:20181229003335j:image

見たことがあると言いながら、はっきり写った写真が 見当たりません。Wikipediaから お借りしました。

近寄り難さを感じる 赤く縁取られた 目元。

その佇まいに 気品すら覚えます。

一度 日本で全滅してしまいましたが、 再び育てて 成鳥になったものを放しておられるそうです。

それで、時々 離れた場所でコウノトリを見かけたという話を聞きます。

コウノトリは、体が大きいので 大きな巣を作ります。

人工の巣塔が作られていない時は、習性として 電柱の上など高いところで 営巣してしまったりするのですが、危険なので取り壊されるそうです。

 

魚や両生類、昆虫といった餌を捕るコウノトリのために 無農薬の田を作るなど、豊岡市内や近辺の農家の方のご苦労もあって、最近は 200羽を超える数が育っているということです。

 

 

🌙

ニューイヤー駅伝箱根駅伝は、ご覧になられますか。

お正月は家で過ごすために、駅伝は 私にとって ささやかな(いえ、かなり大きな)楽しみなのです。できれば、家族のだれの心配もしないで ゆっくりとテレビで観戦したいものですが、何しろ長い競技ですものね。

ほとんど 見られないで 終わってしまった年が何回もあったことを思えば、切れ切れでも楽しめる今は幸せ。

友人に会いに行った息子は  大手町のスタートを見届けた後、4日の仕事始めに合わせて 新幹線で帰って来ました。長距離選手は 走るために 体は引き締まって、とてもほっそりと見えたそうです。

 

寒さも本番になってきましたね。

どうぞ 皆さま お体大切になさってくださいね。 素敵な一年になりますように。


f:id:snow36:20190104153015j:image

(蜘蛛も 日向ぼっこしていました)

 

ご覧くださいまして、ありがとうございます。

 


f:id:snow36:20190104154301j:image

  「一りん 咲けば 又 一輪の お正月」(240×320m/m) 種田山頭火 句        村上翔雲 書

   

娘 旅をする

こんにちは。

娘が 写真を送ってきました。


f:id:snow36:20181220085803j:image

ベトナムに行っております。

「ココナッツミルクとバナナ」 と言っておりました。

マンゴーや パイナップル、マンゴスチン、スイカなど 南の果物が とても美味しいと言います。

f:id:snow36:20181216113451j:image

夜の食事に ハノイの屋台の並ぶところを 歩いているそうです。 今の時期は そんなに暑くはなく、

ハノイで落ち合った友人に 上着を貸してあげたそうです。

ところが、この日は AFFスズキカップで 10年ぶりにベトナムが優勝したとのことで、

店主も何かを打ち鳴らして 盛り上がりたいので 商店は次々と閉められて(娘はそう申しますが、多分 店を壊されると困るから という理由もあったのではないでしょうか…) 、

大量のバイクがホーンを鳴らして走り回り、あちこちで 鍋蓋など音の鳴るものなら なんでも叩かれ始め、街は騒がしさが増していったとのことでした。

着いた時に 優しい人が多いという印象を持ったベトナムですが、この時は 危ないと思って 騒ぎになる前に ホテルに戻ったそうです。

 

後で聞いた この話は かなり心配になりました。それでも、写真が 毎晩 送られてきて

元気なことが確認できました。

街中は バイクが多く 道路を席巻しており、排気ガスのためか 喉が イガイガすると言っておりました。


f:id:snow36:20181216113700j:image

サイゴンビールと、ハノイビールのおともは 山盛りの空芯菜。プラスチックの小さいボールのようなもので飲んでいます。


f:id:snow36:20181220152345j:image

お鍋は  ミント、パクチー、レタス、空芯菜など、たくさん入っていて、優しいお味だったそうです。

 

f:id:snow36:20181220152358j:image

バーベキューです。左下の 緑のお皿には、「ライム塩」。魚介類や お肉に よく合うそうで 買って帰るほど気に入ったそうです。

美味しかったー。などと申しておりました。

普段から 娘たちが食事に行く店は 気取らないお料理を出してくれるところばかりです。

思えば、小さい頃から 私の想像を超える うらやましいほど自由な者なのでした。

 

冒険をまったくしない私なども、朝に その日の予定を決めるような旅行をしたことが何度かあります。

乗り心地のよくない電車に12時間ほど乗らないと行けない場所へ行ってみたり、

香港から台湾へ行こうと 船に乗ったら 外海なので すごく揺れて、降りた後も 2、3日地面が上下していたこともありました。

若気の至りですね。(素敵な出会いや 絶景に感動したりと もっとお話することがある筈なのに、なんで出てくるのはこんなエピソードなのでしょう。)

 

それでも、自由になる気分が たまりません。

海外では 日本の常識は通用しないとよく聞きますが、十分気をつけて、今でこそできる貴重な経験をしてほしいと思うのです。

今は、今しかなく 次はないのかもしれません。

親としては、この時を大切にしてもらいたいと、心から思います。

 

  f:id:snow36:20181215180450j:image

娘から 送られてきた写真に 世界遺産ハロン湾 もありました。

巨大な岩の下を抜けて、カヤックでしょうか。小さな舟が進んで行く 魅力的な眺めです。

やはり 自分の目で見たことを 書いてみたいものですね。

 

クリスマスに 因んだお話を書いてみようと 思っていたのですが、熱を持った混沌の街の様子を聞いたら そちらを書いてしまいました。

クリスマス寒波が 来るようですね。ひどくならなければ いいのですが。

 


f:id:snow36:20181220182213j:image

  「我なんぢと偕(とも)にあり」聖書 使徒行伝 (320×240m/m)   

 


f:id:snow36:20181220183840j:image

  「野宿 わが手わが足 われにあたたかく寝る」(240×320m/m)    種田山頭火 句    村上翔雲 書

  

ご覧いただきまして ありがとうございます。

 

初冬の空の下

こんにちは。

風が冷たくなりましたね。外に出ると陽の当たるところを選んで歩いてしまいます。f:id:snow36:20181212233255j:image

紅葉を楽しんだのは、束の間。 辺りも 細い枝だけが目立ち始めました。

時折、鋭い鳥の鳴き声が 聞こえてきます。空が高く感じられます。


f:id:snow36:20181212233321j:image

こちらは、白い楕円形の花が しっとりと美しい柏葉あじさいの木でした。

まだ葉は残っており、目を惹く豊かな色づきです。


f:id:snow36:20181212233347j:image

朝の雨の雫が 咲き始めの水仙の花を くるんでいます。


f:id:snow36:20181212233401j:image


f:id:snow36:20181212233414j:image

 

我が家の シクラメン、義母の花からかなり遅れて ようやく つぼみをのぞかせています。

f:id:snow36:20181212233439j:image

 


f:id:snow36:20181212233529j:image

クリスマスローズも 新しい葉と一緒に、大きめの つぼみがひとつ 頭をもたげてきました。 久しぶり、元気にしていたね。

f:id:snow36:20181212233544j:image

キンモクセイの木陰に ひっそりと寄り集まって うつむき加減に咲く花。これからのお楽しみです。

 

今年も いろんなことがありました。

私にとって 今年の出来事のひとつは、

父の作品を 全ては遺すことはできません。 それなら、せめて父をご存じない方に 少しでも見ていただきたい。そう思って、ブログを始めたことでした。

いつの間にか、「日々の雑感をほんの少し」どころか 私の好きなことばかりの内容になっていきました。

書くのは私なので それもいいのかもしれません。決めたことを変えるのは 得意ではないのですが、こんな風に変わっていくこともあると思うようになりました。

ブログを書きだして初めて、自分が どんな植物が好きかとか、案外 美術も好きかもしれないということに気付きました。今まで 随分 適当に過ごしてきたことです。

ブログを通して、皆さまと交流をさせていただけるようになったことは 思いがけない嬉しさを連れて来てくれました。

世界が広がると考え方も前向きに変わるのだなと 日々実感しています。とても幸せに思います。

そんな私のブログをご覧くださる皆さまに 心から感謝いたします。

いつも ありがとうございます。

 

まだ 今年は半月ほどありますが、更新が相変わらず のんきですので、思い立った時に 皆さまにお礼を申し上げたかったのです。

 

天気予報では、今日も真冬の寒さということでしたね。どうぞ お体を大事になさってくださいね。

 


f:id:snow36:20181213110848j:image

  「今日一生」(700×250m/m)  村上翔雲 書

     再掲

姫路に鯉を見に行く

こんにちは。

連れ合いが ブログに載せてくれと 時々申します。

連れ合いの話題には、ちょっと悩むことがあります。

もりあおがえるの卵は珍しいが、親は 珍しくないと言ってみたり、いきなり庭のあじさいを引き抜いたりと 思い出すだけでも かなり自由な内容です。

そんな連れ合いが 今度は この話を出してくれと申します。

 

今回は 錦鯉のお話に お付き合いください。

 

姫路城のそばの 大手前公園で 先週の日曜日に 錦鯉の品評会がありました。

以前見に行ったことはあるのですが、この度は 連れ合いの鯉を品評会に出してもらうことになりました。

それほどの鯉ではないのです。手に入れた当初は 25cmほどの小さな魚で 体が少し曲がっており 3000円で手に入れたものです。

それを厚かましくも 買った養鯉場にお預けして何年か育ててもらいました。

立派な鯉なら 預けることは よくある話ですが、規格外で はねられた鯉なのでした。

もしかしたら、この度の品評会でも 評価の対象外で 展示すらされていないかもしれません。

 

 


f:id:snow36:20181206132221j:image

会場の大手前公園は 姫路城から道を挟んで南側にあります。付近一帯の街は、中堀の中にあるので、一般道路が とても広々として 優雅な眺めです。

 

公園の中では、品評会の結果を貼り付けた丸くて青い水槽が いくつも置いてありました。   賑わっています。

f:id:snow36:20181206132243j:image



近畿大会なので、これでも少ないようです。

 

順位が高い鯉は、本部のテント近くに置いてありました。


f:id:snow36:20181208164138j:image

90cmの 鯉だそうです。「優勝」の札が掛けられていました。

90cmクラスであれば、10kg以上はあるかもしれません。大きな透明のポリ袋に 水と酸素を入れられて一尾ずつ連れて来られたようです。こんな立派な鯉は 普段どのような池で泳いでいるのかにも興味が湧きます。

f:id:snow36:20181208160054j:image

 

錦鯉はお好きでしょうか?

池の中で何匹もの鯉が泳ぐ姿は 華やかですね。縄張り争いをしない穏やかな魚なのです。

白く輝く体で 頭の真ん中に赤丸が 一つ  てん、 と付いた 「丹頂」が 可愛らしいと 女性にも人気だそうです。。

f:id:snow36:20181208160223j:image

(こちらは、品評会とは関係のないものです。「丹頂」の ご参考までに。)

私は どちらかと言うと、しゅっとした真鯉が 黒々とした体を光らせて泳いでいる様が いいかなと思います。 

川で泳ぐ真鯉も、たくさん生まれてきた中から ほんの僅かのものが審美に値する錦鯉も 同じ魚です。

 

 

サイズ毎、模様毎に 評価されているので、「優勝」の札が目立ちます。

我が家の鯉は 白地に黄みがかった赤い模様の「紅白」。65cmのクラスと聞いたので、展示されている鯉の美しさに感嘆しながら 次々と そのクラスの水槽を覗き込みますが、見つかりません。

いろんな柄を見るうちに、我が家の鯉の柄がどんな風だったのか分からなくなりました。

 

「これかもしれない。」連れ合いも 自分の鯉ながら、曖昧になってきたようです。f:id:snow36:20181206132522j:image

その鯉のいる水槽には、「優勝次席」と書かれた札が掛けられていました。  次席、とは なんでしょうか。

優勝の次は、準優勝 しか知りませんでした。どの辺りに 次席が入るのか わかりませんでしたが、評価はいただいたということで 驚きもあり、ありがたいことだと思いました。

案外  体はまっすぐに育っています。まるまるとして 元気そうでよかった。

取り立ててどうと言うことのない 我が家の鯉の自慢話になってしまいました。

 

品評会のお話の最後に、「農林水産大臣賞」で「総合優勝」の鯉を ご覧下さい。f:id:snow36:20181208165404j:image

自然の美しい緋模様が くっきりと体全体を優雅に包んでいます。大きいので、その動きは ゆったりと品があります。雄は ほっそりとしていますが、大きく太っている雌が 高く評価されるとのことです。

 

それほど知識もないのに、生意気にも錦鯉を語ってしまい 失礼いたしました。

 


f:id:snow36:20181206133141j:image

この日は、せっかく田舎から出て来たので、公開前から ずっと観たかった「ボヘミアン・ラプソディ」を観に行きました。(朝一番の回に間に合うように 日の出と共に 出て来たのでした…。)



もう ご覧になりましたか?

 

綺羅星のような アーティストが輩出した頃でしたね。激しく凌ぎを削る世界。

いつの時代も そして どの世界でも 受け取る側は より魅力のあるものを求めますが、創り出す方の苦しみは 想像を超えるものがあったことと思います。

フレディが、「family」と言葉にする度に とても切ない気持ちになりました。

家族や 友人のことが 改めてかけがえなく思える映画でした。

 


f:id:snow36:20181208161031j:image

  「美は永劫の象徴」(200×300m/m)旅人かえらず(39 ・最終行より) 西脇順三郎 詩                             村上翔雲 書

 

暑いぐらいの週明けには、雷が鳴ったり 雨もたくさん降りましたが、とても寒くなってきましたね。

どうぞ体調を崩されませんように。

ご覧いただきましてありがとうございます。

お寺と美術館

こんにちは。

12月の声を聞くと 夜6時には とっぷりと暮れた夜空に 冬の星が美しくなってきました。

 

先週 22日の木曜日に 丹波市柏原町円成寺に参りました。

この度は 観光ではなく、先祖の供養をしていただくために伺いました。

初めて伺う お寺でしたが、小さいながらも手入れの行き届いた美しいお寺です。
f:id:snow36:20181128142907j:image

お寺の中も美しく、大きな天蓋が下がっているのが印象的でした。 檀家の方に しっかりと守られているお寺だということで、きっと義母が安心してくれると思いました。
f:id:snow36:20181128142943j:image

蹲踞のまわりに つわぶき。


f:id:snow36:20181128143303j:image


f:id:snow36:20181128143355j:image

 

山あいの静かなところです。若くして 戦死された義母の父のことを思います。
f:id:snow36:20181128143334j:image

 

 

翌23日 勤労感謝の日の朝に、京都へ向かいました。

自動車道路を走ると 紅葉が進んでいて、明るい日差しのもと  山がきれいに輝きます。

珍しく 名神高速道路の上り天王山トンネル手前から、べったりと動かなくなりました。そこから京都南で降りるまで 1時間かかりました。(普段の日曜日なら混んでも30分くらいですか。3連休の方も多かったのでしょうね。)

 

京都国立近代美術館では、12月16日まで

藤田嗣治展」を開催しています。f:id:snow36:20181126153535j:image


f:id:snow36:20181128003618j:image

「タピスリーの裸婦」乳白色の肌。猫。  写真スポットですね。

逆光になって 少し見えにくいのですが、裸婦の後ろには布が描かれていて、おそらくヒナゲシヤグルマギクの優美な花模様のこの布は 職人が手染めする西洋更紗とのことです。

画伯が 37才の頃の作品なのだそうです。

 

藤田嗣治 没後50年とのことで、130点もの作品が 年代順に 展示されていました。

館内は混んでいました。フランスのお客を時々お見受けいたします。

 

 1929年(昭和4年)49才の作、おかっぱ頭の「自画像」に近づいて見ると、シャツのしわ、画伯の後ろから覗き込む猫の ふわふわとした毛並みが 繊細に描き込まれています。猫の表情や 画伯の手の形が 戯画に見えるような気がします。

手に 面相筆、木目が描かれた机の上には 硯と墨。ペンたてにも 何本かの細い筆が立っていました。  面相筆を持って、脇に猫を、こんな風に線描が作られていたのでしょうか。

驚きの美しさでした。油絵なのに日本画の 柔らかさ。  藤田嗣治の世界に 引き込まれていきます。 

これは 絵の前に立って 近づいて観てこその感動だと思いました。

 

 

第二次世界大戦の時に 描かれた茶褐色の大作「アッツ島玉砕」1943年(昭和18年)57才の作 (193.5×259.5cm)は、荒く波立つ海を背景に 死んでいく人びとで埋め尽くされた 音の感じられない異様な世界が 静かに迫って来ました。

その場にいなくても この凄まじい有り様を描くことができたそうです。

 

前日 円成寺に伺って供養をお願いした義母の父は、アッツ島のあるアリューシャン列島で亡くなったのではありませんが、この時代の この戦争で 命を失った人びとのひとりなのだということについて しみじみと思いを巡らせました。 

 

一連の 戦争画 を描いたことで 戦犯を免れはしたものの 日本を追われるように藤田画伯は、 再びフランスに渡り、制作を再開したそうです。

フランスに行く前に 滞在したニューヨークで制作された「カフェ」 1949年(昭和24年)63才の作。

食堂に集う人びとの何気ない日常を切り取った絵「ビストロ」1958年(昭和33年)72才の作 は 会話が聞こえてきそうなほど 臨場感を感じる表現が 魅力的でした。

 

晩年は キリスト教に改宗したとのことで 制作した宗教画が多く飾られていました。

 

エソンヌの自宅で 奥さんの君代さんのために 絵付けをした陶器の皿やワインの杯が 擬人化された猫の絵柄で とても愛らしい。

 

特別展示では、藤田画伯と同時代の画家の作品もありました。

出口と記した辺りに、キスリング、モディリアーニユトリロピカソシャガールなど 1〜2点ずつでしたが 展示されていました。

 

 

絵葉書は あまり置いてありませんでした。

図録の表紙は「カフェ」。この作品は デッサンと並んで展示されていました。

「カフェ」は 画伯の手作りの額縁に入っており、額縁には カップとソーサーや 足つきのグラスにスプーンが入っている彫りなどが施されていて、とても素敵です。  額縁は、他にも手作りされていたそうです。

f:id:snow36:20181129000038j:image

 

 


f:id:snow36:20181129000053j:image

平安神宮の鳥居と 藤田嗣治展のモニュメント。


f:id:snow36:20181129000241j:image

向かいの 長らく改修工事中の 京都市美術館。優美なエントランスだけが 見えていました。


f:id:snow36:20181129000457j:image

国立近代美術館のお隣は、図書館ですね。

 

この後、美術館の帰りに 時々寄らせていただく 小さなお寿司屋さんに行きました。

 

拙い感想が 長くなってしまいました。

制作の年と、絵のサイズ、そして 藤田嗣治画伯についての文に関しては、図録を拝見し 参考にさせていただきました。

お付き合いいただきまして、ありがとうございます。

 


f:id:snow36:20181201132346j:image

  「ソロモンの栄華の窮みも百合の花の一つに及ばない」(105×150m/m) 聖句  村上翔雲 書

 

書の個展に伺ったこと

こんにちは。

こちらは 日中暖かです。

スノードロップが この時期に ひとつだけ伸びてきて 咲いています。  ところによっては この花は 花言葉がよくないそうですが、花は植えられたところで ただただ 美しく咲いています。

f:id:snow36:20181126170437j:image

 

先週の水曜日に 書の個展に伺いました。

父の作品を残すことで たいへんお世話になっている名筆研究会の先生方の中心の お一人、六車明峰(むぐるま めいほう)先生の展覧会です。

明石の魚の棚の近くの会場でした。


f:id:snow36:20181125151015j:image

「ぼうふらや 空は空(くう)へとはみだせる」(ユキノチクモリ・流転) (350×680m/m) 増田まさみ 句


f:id:snow36:20181126110015j:image

「言霊を抜かれて雪は降るのです」(ユキノチクモリ・漂流)


f:id:snow36:20181126105708j:image

「この静かな変化に耐えよ」足立巻一のことば


f:id:snow36:20181126105729j:image

「水鳥や死を一瞬の綺羅としぬ」(遊絲・風の穴) 増田まさみ 句

※ 敬称を 略させていただいております。

 

まずは、写真のブレをお詫びします。書の魅力が台無しです。ガラスの映り込みを避けたかったので 下から撮らせていただいたりして アングルもいただけません。

 

父の作品からすれば、六車先生の作品からは毎回とても瑞々しい印象を受け 印象深く拝見しております。

浅学な私は、増田まさみさんの句を 初めて拝見させていただきました。

10句ほどの句を拝見しただけで 増田まさみさんの俳句の感想を申し上げるのも失礼かと思いましたが、その美しいことばの流れを眺めているうちに、深い川底に落ちてゆき 森のように藻が繁る中を さ迷う心地がいたしました。

「月刊KOBECCO」に連載されていた 今村欣史さんのエッセイから掬い上げられた 足立巻一さんの「この静かな変化に耐えよ」ということばには 妹共々 見入りました。

名筆研究会の先生方には、父の遺作のことでたいへんお世話になっております。心から感謝申し上げます。

 

この度は、六車明峰先生の個展に伺いましたので 父の作品は また次回から 掲げさせてくださいね。

 

私の説明が不十分で、分かり辛いお話だったように思います。申し訳ありません。

ご覧いただきましてありがとうございます。