野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

紫の風の烟る Ⅱ

こんにちは。お久しぶりですね。お元気でいらっしゃいましたか。

日が経ってしまいました。前回は、義父のことで 皆さまからお気遣いをいただきまして ありがとうございました。

義父は 療養型の病院へ転院しまして、まだ面会は叶いませんが、おかげさまで今は安定して過ごしてくれているようです。今週は 今後について病院と話し合いの予定があり、元気を出そうと家族で話し合っています。

 

 

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てっぺんかけたかー の鳴き声が くっきりと山に響きます。合間にウグイスの声も聞こえてきます。

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ここは兵庫県多可町 ラベンダーパーク多可です。 ラベンダーパーク多可  https://www.lavender-park.jp/

ラベンダーを育てるために 山の斜面を地元の方々が岩や石を ひとつひとつ取り除けて開墾されたと伺っています。

 

ラベンダーの季節には ストエカス、イングリッシュ、ラバンディンの3種類に分けられた斜面が時期をずらしてそれぞれの紫に染まります。ラベンダー以外の催しも企画されていて、去年の3月には クリスマスローズの講習会に伺いました。

 

この度は、季節のラベンダーを見ようと 平日の午前に時間をもらって出かけました。

6月に入っていましたが、この日はお客は少なくて 朝9時過ぎの駐車場は私ひとりでした。

少し高いところにある花畑は、空気が濾されたように澄んでいます。ずっと ホトトギスの鳴き声が聞こえます。

ストエカスを見に来ました。f:id:snow36:20200608154617j:image

鮮やかな色をした ウサギの耳と呼ばれるかわいい花姿に和みます。以前伺った時は いずれも7月頃でしたので、この花は終わっていました。ストエカスの花畑を見るのは初めてです。

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香りはほかのラベンダーほど強くないようです。ところどころで花盛りのバイカウツギも植えてあり そばを通ると、そちらの優しい香りに つい足が止まってしまいます。バイカウツギのお花は 爽やかで清らか。 香りも優しいですね。

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花期の長いキャットミントが 風に揺れています。淡い薄紫のお花が華やかに彩る歩道が涼しげです。

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蜂が音を立てながら しきりに飛んでいます。ころころとしたハナクマバチが時々 ヒルザキツキミソウの花にもぐり込んでいてかわいらしい仕草を見せてくれました。



朝から気温がどんどん上がって暑いのですが、広い園内に気分は晴れ晴れとしていました。遠くの方で 後から咲くラバンディン種の手入れをされておられる係りの方が何人もいらっしゃいます。

ヒルザキツキミソウ (昼咲き月見草)f:id:snow36:20200608154902j:image

 

オルヤラ・ホワイトレース。自然にいろんなところで咲いているように見えました。f:id:snow36:20200608154918j:image

 

横に連なる白い総苞片を行儀よく広げるヤマボウシの枝。

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背の高いムラサキセンダイハギ (紫先代萩)f:id:snow36:20200608154947j:image

 

日差しを避けて ジューンベリーの木陰に入ると、色づき始めた実がいくつも見られました。

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小さなニワゼキショウの花は 見かけるとつい写真に撮ってみたくなる愛らしさですね。f:id:snow36:20200608155109j:image

 

園内には、木彫りの動物が あちらこちらに飾ってありました。チェーンソーで彫られた作品なのだそうです。細かなところまで丁寧に作られていて表情が豊か。温かみを感じます。

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ラベンダー園の上からは 所要時間が90分ほどの登山道が続いており 眺めが素晴らしいそうです。険しい山ではなさそうですが、軽装では歩き辛いかもしれません。


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とても暑かったので、丘の下の喫茶室で マンゴーのクラッシュアイスが入ったソーダ水をいただいてみました。f:id:snow36:20200608155134j:image

メニューには スコーンを添えたハーブティーもあり、中でも美しいラベンダーのクリームソーダが人気とのことです。

 

 

こちらには おいしい卵かけご飯のお店もあります。

卵かけご飯のお店は多いですし、この周りは山があるばかりですが、ラベンダーの季節ではなくても 味の濃い卵と 美しい自然の中で育てられたお米が魅力のシンプルな卵かけご飯を食べに来られるお客で賑わいます。

お醤油もたくさん揃えておられます。「多可のラベンダーの話書くんやったら、卵かけご飯も。」連れ合いが申しておりました。

そうでした。「ごはん亭」さんです。

 

帰りには 外のチケット売り場の方が立ち上がり丁寧にお辞儀をして見送ってくださいました。

失礼な申しようですみませんが、どちらかというと落ち着きのある年齢層のスタッフの方を多くお見受けする印象のこの園では、どなたもおっとりと優しく接してくださるので また伺いたくなります。


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呑気なことで 気がつくと我が家の庭の岩藤が咲いていました。暖かくなると茎が伸びて葉をつけます。夜や雨の日、暑くなると 鶸萌黄の小さな葉を閉じて休む可憐な植物です。

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麦があかく実り、夕方には「明日刈り取るので麦わらが要る方は 作業が終わってから取りに来て下さい」と、防災無線が流れました。f:id:snow36:20200608170545j:image

 

深夜ベランダに出てみると、水路に水が引かれる季節となった田んぼの辺りから蛙の鳴き声が響いてきます。東の山際から薄雲を被って昇る月が 辺りの屋根や壁を灰青いろに浮き上がらせています。昼間の暑さのなごりは消えていました。ひんやりとした時間。    

ジャスミンに似たくちなしの甘く濃い香りが夜風を淡い帯にして流れていきます。 支流には蛍が飛び始めています。

 

書いてみたいことはありますが、また次の機会に。

暑くなりましたね。どうぞ 今日も一日をお元気でお過ごしくださいね。

いつもご覧くださいましてありがとうございます。

 


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「山裾やすらかに 歯のないくらしも  山頭火の句」  種田山頭火 句       村上翔雲  書

藤の花咲く庭

こんにちは。

山が新緑に被われると 青空に映えて気持ちも明るく感じます。

先日 コメントが書けなくてと申しておりましたが、私の不手際が原因でして コメントをまた書けるようになりました。お恥ずかしいことに 容量不足になっているのに気づかずアップデートができていなかったのでした。

はてなさんには ご親切に対応していただきました。ありがとうございました。

 

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友人から 留守でもいつでも寄るようにと言ってもらって、お庭の藤の花を見せてもらいに行ってみました。少し前のことです。
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離れた場所から目立って見えるほど、高い所まで藤の花が咲いていました。

人の少ないところですが、歩く時にも お互いにマスクをして なるべく近づかないようにしています。

写真を撮ってもよいと言っていただいて何枚か撮らせていただきました。素敵なオープンガーデンです。
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大根の花を咲かせるために、畑から鉢に植え替えて楽しんでおられます。f:id:snow36:20200510190418j:image

通りすがりの人が 大根の大きさに驚いて見ていくそうです。もっと大きかったけど 花が咲いたので小さくなってきたと言っておられました。


f:id:snow36:20200508184039j:image黄色の藤の花を珍しく拝見しました。

白い藤の花も咲いていて、空から降るようで きれいでした。逆光になってしまい写真は遠慮しました。


f:id:snow36:20200508184103j:image小さなヒメウツギ。庭のあちらこちらで満開でした。かわいらしいお花を見ると近づいてしまいます。

 


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花の終わった藤棚の下に、ギボウシの種類を揃えておられました。クリスマスローズは実生からたくさん育っていたので、ちょっとした植物園のようです。皇帝ダリアの挿し木(と申してよいのか…)を持って帰るように言ってくださいました。


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いただいた皇帝ダリアの 切り取られた太い枝のような茎から萌え出る葉の力強さを見ると、やはり挿し木のように感じられます。

紫陽花の頃には まだ自粛は終わっていないでしょうか。また伺わせていただく機会があればと思いました。

 

 

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家の前を掃除していましたら、側溝脇のアスファルトの上にトンボが落ちていました。苦手な方、ごめんなさいね。f:id:snow36:20200510190655j:image

動かないので、鳥が落としたのかと近づいてみると、透明の薄い羽が 陽を受けて光っています。


f:id:snow36:20200508184132j:imageやがて 少し動いたので ここはご近所のわんこたちの散歩道、お節介かとは思いながら 壊れそうな羽に触らないようにして柚子の木に止まらせました。

その弱々しさに、羽化してから時間が経っていないのかもしれないことに漸く気づきました。と、「この側溝は ヤゴが多い」と連れ合いが申します。覗いてみると、ヤゴや小さな川海老が、地下水の流れの中で揺れる藻の蔭に見え隠れしていました。小さな生き物の揺りかごになった側溝の掃除は しばらくお預けにします。

トンボは、しばらくすると いなくなっていました。

何も無いところですが、我が家だけではなくどこの子どもたちも帰省を楽しみにしていました。今年のゴールデンウィークは、私たち親だけが静かに過ごしました。


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先日 筍をくださった方に、また筍をいただきました。40cm以上の大きさのものもあります。お礼を言うと、じゃあねと軽トラで次に配られるお宅へ向かって行かれました。

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鍋の数が間に合わなくて、圧力鍋も使いました。圧力鍋は、ぬかを入れないで火にかけてみました。出来上がりの色は薄く赤茶けて見た目が劣りますが、熱が冷めてからよく水に晒すと えぐみは抜けました。

圧力鍋の筍は、炊き合わせにしようかと話しています。

 


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花の頃には縮んでいた 庭のもみじがきれいに葉を広げています。真朱いろを思わせるような ふんわりと優しい色になりました。

 

 

 

**

ここまで書いていたところで、ずっと心配していた連れ合いのひとつ先輩の方の訃報を知りました。

長らく続く闘病の中、4月の初めぐらいまで あちらこちらのお宅で小さなユンボ(小型のショベルカーのことですね。こちらでは便利なので 普通の家にも時々置いてあります) を動かして庭を造ったり、剪定をされたりして働いておられました。失礼な言い方かもしれませんが、どこか可愛げのある人でした。

4月の中頃に、連れ合いが その人の自宅へ行ってみると 奥さまが仕事に出た後の家の中で、ひとり起き上がれなくなっておられました。

翌日が受診の予約日だからと言うのを 説得して病院へ連れて行きました。それが最後の入院になり、病院のコロナ対策もあって 会うこともできなくなりました。

それから入院中ずっとひとりで付き添っておられた奥さまのご心労を思います。たいへんな中、毎朝 ご主人のご様子をラインで知らせてくださっていました。


f:id:snow36:20200512131819j:image〈義母のミヤコワスレです。〉

 

***

連休に、4月の末から入院している義父のことで、看護師さんや施設の方、病院の連携室の方から看取りについてお話を聞きました。

 

自然にからだが、食べることをしなくなり、水分を摂らなくなり、枯れていき 死ぬ準備をしていくということ。

そして、いつも安らかな時間が続く訳ではなく 見るのも辛いことがありますが、とおっしゃいました。


f:id:snow36:20200508184332j:image〈風鈴オダマキ

 

ずっと以前に、両親を病気で亡くした時、私は枯れて亡くなるというような印象を持ちませんでした。昨年ブログにも書きました高齢の伯母が亡くなった時にさえ、悲しみはありましたが、そんな風に感じませんでした。最後まで医療を尽くしていただきました。

年を取って自然に任せて死んでいくというごく当たり前のことを、それが看取りということに、私たちは今初めて知るかのように心が揺れました。

聞いたことがあるのに、実感としてわかっていなかったのです。

義父は、話しかけてもわからない様子で 食事がしづらくなるなど、ゆっくりと衰えが目立ってきました。

 

お世話になっている方々のお話を伺い、連れ合いの思いを聞きました。

義父の様子に、考えが行きつ戻りついたします。


f:id:snow36:20200508191434j:imagef:id:snow36:20200511192237j:imageアネモネ・シルベストリス。去年に植えてまだ2年目のこの花を見ると 思い出して心が温かくなる人がいます。〉

 

 

義父の入院する病院へはナースステーションまでは用事で度々伺いながら、昨今の事情で 面会が許されていません。お任せするばかりです。

義父が少しでも長く安らかに過ごせますように。

いつか通る道。生きている限り起こる事なのですね。

義父のこともあり、これからしばらくブログから離れるかもしれませんが、元々間遠な更新ですね。

また、お目にかかります。どうぞお元気でお過ごしくださいますように。


f:id:snow36:20200508184439j:image〈フロックス・ブルーパフューム。今はこの写真より色が薄くなりましたが、まだきれいに咲いています。〉

 

長くなってしまいました。

いつもご覧くださいまして ありがとうございます。心から感謝いたします。

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「この池に生得て 蝌蚪(かと)の尾の歓喜  三樹彦の句」(200×300m/m) 伊丹三樹彦 句   ※蝌蚪・おたまじゃくし



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「父母のしきりに戀し雉子の聲   芭蕉の句」(340×240m/m) 笈の小文   松尾芭蕉  句

 


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「大和路や旅人ひとりの春晩るる  三樹彦の句」伊丹三樹彦 句         村上翔雲 書

 



 

 

 

 

 

 

 

麦畑。白い菫

こんにちは。お元気でいらっしゃいますか。

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日中は 暑さも感じます。

こちらでは、田んぼの季節の前に そろそろ穂先がクチナシ色に染まり始めた小麦畑の景色が広がります。

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夕方に 少し歩いてみます。

ところどころに見える レンゲ畑も長閑です。

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西日も暖かなこの畦だけに白い菫が寄り合うように あちらこちらに咲いていました。f:id:snow36:20200430225245j:image

種類の多い菫。でも、畦に咲くこの白い花を見かけたことがありませんでした。葉は細長く伸びています。

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ゴールデンウィークが終わるまでは 毎年ヒノキの花粉が飛ぶので、この時期の農道の様子を長らく知りませんでした。

今年は花粉の飛散が早く終わり 外に出ることができましたので、田植え前の風景を 一日の終わりが近づいた穏やかな空気を感じながら歩いています。

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この時間には、ここは毎日飛行機が西へと飛んで行く航路でした。最近は 長く伸びた飛行機雲を見ることはありません。f:id:snow36:20200430232020j:image

 

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先日、いつも筍を分けてくださる人が来られました。 今年は小さくてとおっしゃっていました。毎年いただく季節の恵みをありがたくいただきます。

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久しぶりに 混ぜご飯(お米にもち麦を一掴み入れて炊いてみました)、筍だけの炊き込みご飯やお吸い物などを作ってみました。ずっと自粛で 3ヵ月余り帰って来られない娘にも食べさせたいと思いますが、仕方がないことですね。

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いつの間にか出てきた山椒が あじさいを押し退けてしまいそうです。筍のお供の香りに重宝しています。
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本当は アヒージョでいただいてみたかったホタルイカを筍と九条葱とでパスタにしてみました。

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お料理の出来には いつまで経っても毎回何かしら問題がありまして、なんとなく誤魔化そうとすると おかしな角度の写真になりました…。この度は お皿に対して具の量を欲張り過ぎたのか、どうにもひとり分が多いようです。 取り皿を出しました。

九条葱は、時々伺っていたイタリア料理のお店で 牡蠣と合わせておられたパスタが美味しかったことを思い出して入れてみました。

 

 

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料理の腕が上がるかと大事にしている土井勝さんの料理の本と並んで立ててある

星野道夫さんの「星のような物語」展の図録を時々開いてみます。


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アラスカや北極圏、カナダなどの動物や海、人々を丁寧に撮られた写真展。

星野道夫さんが、アラスカで命を落とされた10年後に開かれたものでした。

 

まだ小学生だった娘と何かの用事で出掛けた折りに、百貨店の催し会場で拝見しました。

娘は あちらこちらと歩き回って、潤んだ大きな眼のタテゴトアザラシの親子や

シロフクロウの親が腕を広げるようにして子フクロウを翼で抱いて眠る愛らしい写真を楽しそうに見ていました。

親と子の温かな情愛の写真が多くて、いつしか私とふたりで並んで歩いていました。

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古い絵はがき。シロフクロウの親子。保存が良くなくて見づらいですね。ごめんなさいね。

かなり以前のことなので、忘れていることも多いですが、極寒の地に多種多様の植物の花が咲く姿や、寒い場所なのに 黒潮の影響で鬱蒼と繁る木々から立ち昇る密度の高い湿気の烟る原生林の島。その地面で朽ちた頭蓋から手を振り上げたように立ち上がる苔の生えたムースの角の写真も 息を飲むほど美しかったことを思い出します。

 

図録の写真には、星野さんの 温かい中にも強く煌めく言葉が 数多く添えられています。

 

「オオカミの徘徊する世界がどこかに存在すると意識できること……。

それは想像力という見えない豊かさをもたらし、

僕たちが誰なのか、今どこにいるのかを教え続けてくれるような気がするのだ。」


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ハクトウワシ

 

日差しで温もった地面に耳を当ててみたり、目が慣れるまで見つめる夜空に 思いがけなくたくさんの星が広がっていることに気づいた子どもの頃のことをふと思い出しました。今も私の知っているところや、理解できることは 本当に僅かです。

自分の住む世界や考え方がすべてではないことを、よく考えてみたいと思います。

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義母の世話する鉢植えにも 菫が咲いています。去年から育てていますが、ようやく咲き始めた小さな花に心がほどけるようです。

麦の穂があかくなってくると、岩鼻と呼ばれる近所の支流に 間もなく蛍が飛び始めます。

 

 

 

***

先日から、スマートフォンでコメントが書けなくなっています。久しぶりにパソコンで書いてみると 私の入力の本当にとろいこと。その上よく見直せていないために、訳のわからないコメントになってしまいます。

コメントを差し上げました方には 失礼なことになりまして申し訳ありません。はてなさんに問い合わせをしております。


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施設でお世話になっています義父が体調を崩して、少し不安定な状態が続いております。

皆さまも どうぞお体大切になさってくださいね。

いつも ご覧くださいまして、ありがとうございます。

 


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「山路きて 何やらゆかし すみれ草   芭蕉の句」(340×240m/m) 野ざらし紀行  松尾芭蕉


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「ひとりひっそり竹の子竹になる   山頭火 句」(140×180m/m) 種田山頭火 句    再掲

 


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「えごの花 一切放下なし得るや   波郷の句」(200×300m/m)  石田波郷


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「自由は神の法則と一致することができるのか   ボードレール」(445×350m/m)   ボードレールの言葉            村上翔雲 書

青い花。春のなごり

こんにちは。

こちらは 晴れて暖かくなりました。

気づくと前回から10日以上経っていました。その間 娘に優しいコメントをたくさんいただきました。娘もたいへん感謝しております。

本当にありがとうございました。


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クリスマスローズのそばに植えていたフロックスブルーパフュームが そろそろと咲き始めました。1年振りの可憐な花に心が和みます。

 

我が家の石楠花は、今年は元気がないようです。色も寂しくて 世話が足りなかったかと話しています。

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去年亡くなった伯母の小さな庭。そこにある池の回りを 雪の下が取り巻いています。池に流れ込む地下水の音が小さく聞こえてきます。

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赤いランナーが見えています。花には まだ早いようですが、葉は天ぷらなどにするとおいしくいただけますね。


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いつの間にか、この伯母の池のそばに キランソウ(と思われる花)が 咲いていました。

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上の花と下の花の形が違う不思議な咲き方をしています。落ち着いた佇まいに 優しかった連れ合いの伯母を思い出します。

 

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我が家の 葡萄茶色の手をすぼめたような葉から出てくる もみじの花は、どちらかと言えば木の全体が暗い印象もあり 目立たずに咲いています。花言葉に「遠慮」などと聞くと、奥ゆかしくもあり かわいそうにもなります。


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主張しないので、あまり目につかない姿ですが、近寄って見ると 吊り下がって咲く花をかわいらしく思います。f:id:snow36:20200413232351j:image

何日かすると、縮んだ葉が手をふわと広げるように 一斉にもみじの姿を見せてくれます。「美しい変化」という別の花言葉は 花より葉の様子を言っているのでしょう。やはり花の時期は疎んじられているのかと思います。

同じく風によって受粉する風媒花と呼ばれるスギが咲き終わり、ヒノキも最盛期を越えて花粉症も少しずつ治まってきました。

 

 


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近くの薬師堂の季節の進んだ桜に若葉がつき始めました。

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ヒヨドリとウグイスの鳴き声が聞こえます。

足元には、ムラサキサギゴケかどうかと迷う花が 少しだけ咲いていました。這うように茎を伸ばしています。人に踏まれてしまっていました。

農道へ出てみると、暖かな日差しのもと さらにたくさんの同じ花が咲いていました。f:id:snow36:20200415224036j:imagef:id:snow36:20200415224123j:image

慎ましい印象の優しい花ですね。
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父の上梓した本に「ひょうごの野の書」(神戸新聞出版センター 刊) という 兵庫県の石碑を巡る文を纏めたものがあります。

父が訪れた 111箇所の石碑の記録の中に、神戸市須磨区須磨浦公園にある「正岡子規の句碑」の拓本があります。

 

ひとつの石に 正岡子規高浜虚子の句が並んで 刻まれていますが、ここでは、子規の句碑として捉えています。

子規は、後のことを頼みたく思うほどの稀有の才を持つ弟子に 虚子の雅号を与えて 34歳(あとひと月ほどで35歳だったようです) で早世したそうです。

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2月初めに 私たちが出掛けた時に撮った拓本と同じ句碑の写真です。大きな石でした。

向かって右に子規の句。

『虚子の東帰に

ことづてよ   須磨の浦わに  晝寝(ひるね)すと   子規』

左に虚子の句。

『子規 五十年忌

月を思い 人を思ひて 須磨にあり   虚子』

師弟の句が並んで彫られています。

父の拓本は、子規の作品部分を採っています。

2月に私たちが出掛けた頃には コロナ感染症は心配されていましたが、思い返せば 街中でなければ外出もできていました。

 

🌿🌿

正岡子規は、明治28年(1895)日清戦争に記者として従軍し、帰国の船で喀血します。神戸病院での入院を経て、須磨保養院で1ヶ月養生しました。高浜虚子が付き添っていたそうです。

8月に 子規は松山へ帰りますが、父の「ひょうごの野の書」によると、

「虚子は東京へ帰ることになる。子規は次なる一句を託す。

〈 (虚子の東帰に)  ことづてよ須磨の浦わに昼寝すと 〉

子規は 明治三十五年(1902)、三十五歳で鬼籍に入る。

時うつり、昭和二十六年(1951)。子規五十年祭のため松山に向かう虚子は 須磨に立ち寄り、往時をしのんで

〈 月を思ひ人を思ひて須磨にあり 〉と詠んだ。」

 

そして、昭和28年(1953) 4月に、それぞれの真筆で 須磨に併刻建碑されたとのことです。

 

「子規は『書は技巧にすぎると俗におちる』と考え、常に書の純粋性を求めたようである。とくに、歌人として どういう書をかくかということに腐心し、イノチの通うた書を求めつづけた。なかなか見事な生きざまであったと思う。」    ( 🌿🌿印 以下ここまで、「 」内 すべて村上翔雲 著 『ひょうごの野の書』 文の通り )

 

***

拓本は、書などで使う画仙紙などを 石碑などに水で張りつけたところに、墨を染み込ませたタンポという 布を丸く巻いて持ち手をつけたものを 何度も叩き込んで写しとるものです。

墨を使いますので、汚したり 傷つけないように気をつけて、石碑を所有されている方に許可をいただいてから採らせていただきます。

 


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さらに私事になりますが、

本のための父の取材の折りには、今月 4月1日に亡くなられた 文学研究家の宮崎修二朗先生に、何度もご同行いただいて ご教示いただきました。

宮崎先生は、この本の出版をはじめ 父の書道家人生に 智の光を照らし続けてくださった方と、深く感謝しております。

父が晩年に 体調を崩して滅入っていた頃、「ぬるめのお湯で召し上がれ」と 選んでくださったお茶を つい微笑んでしまう一言と共にお贈りいただいたお心遣いが忘れられません。父は 上記の本のあとがきに、「宮崎修二朗先醒」とお呼びして尊敬の心を伝えさせていただいておりました。

宮崎先生のご近況を ブログで何度も拝見させていただきました詩人の今村欣史さんにも 感謝申し上げます。

今村さんが 4月7日付の神戸新聞に寄せていらっしゃった『「触媒」として生き抜いた』との追悼文が心に染みました。

宮崎修二朗先生の ご冥福をお祈りいたします。

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正岡子規のお話を随分といたしましたが、

今日は 宮崎修二朗先生に深いゆかりのある 富田砕花先生の詩歌をご覧ください。


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「異邦

この邦の巡禮は 約束としてまず言葉を奪はれる

言葉を封ぜられたものは ただ黙して動くばかりだ

見えない力は 不可抗の強さを持って働いてゐる          砕花 詩抄」(300×200m/m) 富田砕花 詩

 


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「岩壁の感触をふと懐い(おもい)居り  半世紀前の夏の穂高の   砕花の歌」(300×200m/m)  富田砕花 遺歌集「属目散趣・玄々鈔」   村上翔雲 書

 

ご覧くださいまして ありがとうございます。

                                   野の書ギャラリー

 

 

 

桜。花を愛するひと

こんにちは。

風と雨の後は 暑さを感じる陽気になりました。


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桜のきれいなところへ行ってみようかと思いましたが、家の回りにも咲いているところがあります。

特別なものはありませんが、桜は見頃で 空気には春の濃密さが感じられます。

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時々草引きをさせていただくご近所の絞りの椿は、葉陰の姿にも存在感が感じられます。

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カロライナジャスミンでしょうか。つぼみがたくさんついています。お花を育てることが上手な方でした。

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しばらく歩くと 道沿いの藪には、ミツバツツジの僅かに藤色寄りの明るい花が見られます。

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ツツジの足元に薄紫の花が見え隠れしています。タチツボスミレですね。
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兵庫県立美術館ゴッホ展を観に行こうと 前売り券を買っていましたが、感染症を心配している間に 休館が続いて終了してしまいました。こんな時ですから仕方のないことですね。どうぞ これ以上ひどい状態になりませんように。心から願います。

 

数年前に、ゴッホの自画像を観ました。それまで事情もあって 長らく美術館へ行く機会がありませんでした。久しぶりに美術館へ行ったことが嬉しくて懐かしくて、実家の片付けをした時に父の仕事部屋にあった ゴッホの画集と、小川国夫さんの「ゴッホ」を借りて帰りました。

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「Vivant 11  Vincent van Gogh」   1995年6月20日 第1刷発行   株式会社講談社

ゴッホ  」小川国夫    1975年6月25日 初版第1刷発行    株式会社平凡社

 

たくさんの先生方が専門に研究をなさっておられるので、何も学んだことがない上に 20年も美術館へ行っていなかった私が 好き勝手な感想を申すのも畏れ多いことと毎回思いますし、皆さんがご存知のことを知ったように書くこともまた申し訳ないのですが…。

 

小川国夫さんは、「ゴッホは単に他の職業を断念して画家になったということにすぎない。」「才能は大きすぎたために苛酷であった」とも書いていらっしゃいました。

生活を支えてくれる 4つ下の弟のテオとのおびただしい数の書簡の中から 画集に取り上げられたものを少しだけ拝見しましたが、自分の窮状ばかりを訴えるものや、自然を美しく描写したもの、病気の辛さや家族を思いやる気持ちを綴る切ない手紙もありました。

兄弟の まるで業のような関係の強さが伝わります。いくつもの仕事に就いて真面目に勤めるも どれも続けられなかった若い頃のこと。

兄の感情の起伏の激しさには 一番の理解者であるテオも悩みました。

友達が少ない上に(ゴーガンは、テオから生活費が浮くからと説得されて ゴッホと一緒にアルルへ行きました) 、好きになって執着した女性たちからは断られるので より精神を病み、病みながら充実した作品を完成させていきますが、亡くなるまでの10年ほどの画業で生前に売れた作品はひとつだけなど、嵐のような人生です。

ただ素朴に 受け入れてくれる人との温かい家庭を求めながら、ひたむきに表現を追及し描き続ける純粋な人だった。と捉えるのであれば、世間から位置付けられた理解の及ばない天才とは異なる一面を見るように思います。

 

ゴッホの死後、一年も経たずに 兄の才能を信じ続けた弟のテオも 33歳で亡くなりますが、夫がゴッホや母の生活費を出し続けたために たいへんな苦労を強いられてきたテオの妻ヨハンナ(愛称 ヨー、かわいいですね) が、二人のおびただしい書簡を整理して出版したことが、ゴッホの再評価に繋がるきっかけのひとつにもなったと聞きました。

 

美術館では 絵だけを観たい。私は ただそれだけでしたが、再び美術館へ行けるようになって その絵の下に深く広がる時代や画家の人生、人となりを知りたく思うようになりました。

 

パリ時代では 浮世絵を学んで、印象派に触れ アルル時代には 色彩の美しい自然や花々などへの愛溢れる絵を描き、サン=レミ時代には 空へ黒々と渦巻く「糸杉」や 凄まじいばかりの「星月夜」を。

小川国夫さんの本のハードケースに張り巡らされた絵は、吹き荒れる風の声が聞こえてくるような麦畑をカラスの群れが低く飛び、今にも暗く重い嵐の予感がする「荒れもようの空に烏の群れ飛ぶ麦畑」1890年7月オヴェール時代、最後の作品といわれています。

 

 

手元にあるゴッホ展のチケットは 払い戻しをさせていただくのか、でも観られなかった「糸杉」の絵が印刷されたそれを思い出に取っておきたくも思うのです。

 

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4月になって年度が変わり、保育士の娘も31日まで担当した2歳児クラスから 1歳児クラスへ変わることになりました。

採用1年目だった至らない娘は、パートの先生方や 他の年齢の担任の先生方にずいぶん助けていただいたと言っていました。

コロナウイルス対策で アルコール消毒や 子どもたちが近づき過ぎないように目配りなど、かなりピリピリとしていたのかもしれません。子どもたちと 丁寧に係わる時間が少なくなってかわいそうと ずっと言っていました。

「せんせい きょうずっといる?」

「せんせい きょうは ○○(お隣のクラスの名前) さんにいくの?」他の先生方がインフルエンザなどでお休みになり、最後の2週間ほどを 2クラスを行き来するひよこ先生の行動が わからないなりに がまんしてくれる子どもたちに心が痛んだそうです。

保護者の方も ただがんばるばかりで経験の少ない担任に どんなに心もとなく思われたことでしょう。最後には 3歳児クラスになっても あなたに担任してもらえればと 涙が出るような嬉しい言葉をかけてくださる方もいらっしゃったようです。

 

娘とは、2ヵ月以上会っていませんが、度々かけてくる電話で様子を知ります。f:id:snow36:20200403160229j:image

 

今日も 最後までおつきあいくださいまして、ありがとうございました。

お体を大事になさってくださいね。

 


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「菫は心の影か土の淋しき  順三郎の詩」(125×165m/m) 旅人かえらず 26  西脇順三郎



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「牡丹のかく迄咲いて散らぬとは  三樹彦の句」伊丹三樹彦 句        村上翔雲 書

 

 

山深く水仙のお寺に参る

こんにちは。

お天気のよい火曜日に半日お休みをもらい 水仙が見頃と聞いたお寺へ参りました。

暖かくなって、道沿いの白木蓮が満開となり端麗な花姿を見せています。

 

山の中深く進んでいくと、駐車場の辺りから 黄色の帯のように咲き並ぶ 水仙の花が見えてきました。

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こちらは 曹洞宗 達身寺です。

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本堂は工事中で、チャイムを鳴らして受付していただきました。

 

まずお参りをさせていただきました。

ご本尊は、阿弥陀如来坐像。寄せ木造りの阿弥陀如来さまは金色で お召しの黒い法衣は漆塗り。穏やかでゆったりとしたお顔立ちで 鎌倉初期の頃の作とのことです。

照明を落とされた薄暗い建物の中では、左右に 十一面観音如来坐像と薬師如来坐像が並ばれて 2m70cmのご本尊を間近に拝見すると その偉容を感じます。

 

「お参りが終わったら、境内の水仙を見て行って下さい。かたくりの花の群生地は今年は公開していませんが、こちらでも少し咲いています。」と言っていただきました。

 

いただいたパンフレットによると、達身寺の歴史は古く よくわかっていないことも多いそうです。

古文書が残っていないので、元々のお寺の名前もわかっていないことや、

写真は撮ることはできませんでしたが、ひとつのお寺に 本尊仏や兜跋毘沙門天が複数躯おられて、さらに たくさんの木彫の仏像がおられること、

明智光秀丹波を平らげた(攻め込んだとも…)ことにより、僧兵が多くいた大寺院であったと伝えられるこの寺が焼き落とされる前に、谷へ運び出された木彫仏が そのまま放置されて朽ちてしまったとの寺伝など。

 

こちらでは、県と市の文化財に指定されている貴重な木彫の仏像を公開されています。

さまざまな時代を経たこちらのお寺の 長い歴史を思います。お顔もはっきりとわからなくなったいくつもの木の仏像は、どんな風に 世の移り変わりをご覧になってこられたのでしょう。

ゆっくりと拝観させていただきました。

 

建物の裏手に回ると、かたくりの花が咲いていました。一面に咲いていても、一輪でも この花から受けるのは しんとした閑寂。

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境内に進み、斜面を段にして植えられた水仙を拝見します。懐かしい甘く清涼な香りがしました。とは申せ、ヒノキの花粉症なので マスクを時々外すだけです…。     

花の香りに どなたも思い出をお持ちでしょう。

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水仙のそばにも かたくりが少し咲いています。

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水仙は、段の上から流れるように並んで咲いています。全体を写せませんでしたが、風に揺れる黄色い花が 一斉に南を向いて笑っているようで愛らしく思います。
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ミツマタ

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和紙の材料であったのを父が好み、この季節には ミツマタが実家の庭をほんのり明るくしてくれていたことを思い出します。

 

田んぼや畑が多いので、遠くでヒバリの鳴く声が聞こえます。

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散り敷く山茶花が 地面をくすんだ桃色で被っています。
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山茶花の木の下は 沈丁花が静かな満開に。f:id:snow36:20200326200438j:image

優しい香りに ふんわりと空気も染まります。

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こちらのお寺は、去年の今頃伺った かたくりの群生地から ほど近くの場所です。

先程 達身寺でお聞きした かたくりの群生地は、今年は コロナウイルスの感染拡大を避けるために公開されていないそうです。

かたくりの群生地の前を車で通りましたが、野外ながら保護されて固く施錠されていました。

外からは 見ることはできません。

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こちらは去年の かたくりの群生地の写真です。木立の向こう、林の開けた斜面に今年もおそらく群生しています。

 

 

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先日 書かせていただいた ネモフィラ・ペニーブラックがよく咲いています。年末に西宮の北山緑化植物園のショップで 一目惚れしてしまい買ったものです。こちらの植物園は今は、園内ガーデンだけ公開されているそうです。


ネモフィラ・ペニーブラックに恋い焦がれて - この曲が心地よい!

ニナシモネさんは、私よりずっと詳しいペニーブラックのお話を書かれていらっしゃいます。

他にもいろんな植物を育てておられます。

果樹からは、自家製のコンポートやジャムを。ラベンダーからは、ラベンダーハンドルを作られたり。

音楽にもお詳しくて ジャズのお話などを興味深く拝見させていただいています。

ブログのお名前のニナシモネさんは、もしかしたら、ニーナ・シモーヌからだろうかと勝手に思いもいたします。とても おしゃれな方です。

ニナシモネさん、楽しいお話をいつもありがとうございます。

 

 

今日も ご覧くださいまして、ありがとうございます。

 


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「行く道のかすかなる鶯の音  順三郎の詩」(210×300m/m) 旅人かえらず 15  西脇順三郎

 


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「期待

噫 真理の探求者 新生活の開拓者  勇ましい君の前には つねに不可知と危険とが待伏してゐる  砕花詩抄」(300×200m/m)  富田砕花 詩         村上翔雲 書

 

ヒヤシンスの香り。

こんにちは。

こちらも 数日で暖かくなりました。


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近所の病院のミモザがきれいに咲いていました。

ミモザの根元には、クリスマスローズが 風に揺れています。

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最近は 家族のことばかりで恐縮ですが、義父が新しい環境にまだ馴染めないまま体調を崩したらしく、病院へ一緒に行きました。

感染症の影響で 施設でも家族の面会が制限されていて 義父にずっと会えていませんでした。

生理食塩液の点滴をしてもらって 少し楽になったようなので、義父は また施設へ戻りました。

送り迎えを施設の介護車でしてもらいました。ありがたく思います。

今は、熱も下がって落ち着いているようです。

 

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義父が施設へ戻るのに付き添った後、帰りに先日行ったカフェに立ち寄りました。

我が家から 義父のところまでの途中の公園にあります。

席に着くと、優しい甘やかな香りが微かにします。青磁色の小さな花挿しからでした。

見渡すと、壁際のいくつかのテーブルにだけ 今朝摘んだばかりというような白いヒヤシンスの花が活けてありました。

最近 ブログに載せていらっしゃる写真を拝見して、地植えのヒヤシンスも素敵だなと思っていました。
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私も 楽しいを探してみましょう。


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でも 食べるも大切。気づくと もう夕方になっていたのでした。素朴な春のグラタンが 温かくて嬉しかったです。

 

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一昨日 実家の草引きと、剪定(と申してよいのなら…)を少ししてきました。

実家の藪椿の枝が混み入り、美しかった花色もぼやけて花の形も崩れていましたので、初めは遠慮しながら、だんだん思いきり 切って、切ってを繰り返しました。多分 チャドクガの出てくる前に間に合ったと思います。

 

妹が椿か山茶花だと思うと言いながら ふたりとも咲いた花を知らない大きな木は、空に向かって広がっています。

ひとりの気楽さで誰にも遠慮なくノコギリまで取り出して、太く育った枝を払いました。うまく切れなくて 裂けてめくれた樹皮の内側はピスタチオのような曇りのない若草色。実家のこの木を毎回私が粗雑に切っていることを思うと 都度心が揺らぎます。

 

とりあえず見苦しくないぐらい(とはいえとてもお見せできません…) になった頃に 帰る時間になり、切ったものを纏めて持ち帰りました。驚くほどの嵩になりましたが、まだ半分も終わっていないので 近いうちに来ようと思います。毎回ちょっと疲れるのもよいことかもしれませんね。

 

こちらは、実家に咲いていた花韮f:id:snow36:20200319144058j:imagef:id:snow36:20200319144219j:image

花韮は 自然に群生するものなのに、わざわざ買って 我が家に植えてみたブルーカーペットアフェイオンは、カーペットどころか まだひとつしか咲いていません。

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葉は やはりニラのにおいがします。お花ってかわいらしいですね。

 

🌿🌿🌿

おかげさまで このブログも先週3年目に入りました。丸2年経って、漸くたったの125記事だけですが、それぞれを思い出深く思います。

それでも 振り返ってみると、タイトルだけでは中身がわからない作りをしているために、少ない数ながら自分でも何を書いていたのか忘れているものもあります。相変わらず誤字も思い込みも多いことです。

私がブログを書き出した頃に ご覧くださった一人目の方は もうかなり以前にブログをやめておられますが、あなたのブログは素敵ですと書き込んでくださったことが こよなく嬉しく心に残っています。

これが私の歩く速さなら、私には それで十分なのかもしれません。

たかだか2年の しかも時々しか更新しないブログですのに たいそうな申しようでお恥ずかしいですが…。

そんな拙いブログにおつきあいくださる皆さまに 心から感謝いたします。おかげさまで 楽しんで書いております。

どうぞ これからもよろしくお願いいたします。

いつも ご覧くださいまして、本当にありがとうございます。


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カフェのお迎えのクリスマスローズ

 

こちらでも うぐいすの囀りが聞こえるようになりました。

 


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「手をあわすれば洗われてゆく ふしぎな(る)この世かな かたじけなきぼんのうの世かな  重吉の詩」重吉詩稿 純情を慕いて より (190×300m/m)  八木重吉

 


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「無」(50×65m/m)  額装  

  
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「無」の裏面  「昭和五十六年秋 鳥 村上翔雲 書  印」

 全て 村上翔雲 書