野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

日本庭園はお好きですか

こんにちは

週末に 足立美術館(島根県 安来市) へ行って来ました。                  

聞きしに勝ると言いますが、やはり驚きの場所でした。

少し長くなりますが、よろしくお付き合いください。

 

まず、入り口の横の 赤松の木立から 中を予感させる手入れの良さを感じます。

 
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美術館所蔵の 蒔絵や細かい螺鈿細工を施した文箱や 書道具入れを 展示してある通路を抜けると、ガラス越しに 景色が見えてきました。


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自分が そんなに 日本庭園に関心が あったのかと思うほど、見入ってしまいました。
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和の庭が 技術の限りを尽くした手入れをされ、

遥かな大きさに広がる様を 見たら、

 その場から 動けなくなってしまいます。
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黒松は ひとつひとつの枝振りも美しくて。
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広大さに 驚かされる一方で、独特の和の景色も演出されています。


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室内から 庭を掛軸の絵に見立てて楽しむ趣向も 贅沢です。

 

夏に向かう中庭は、重なりあう たくさんの小さなもみじの葉の波が 時折射す日差しを受けて輝き、涼やかさを感じました。

目線の上にも 木々が調和を取って枝を伸ばしていて、小さな間の楽しさもありました。
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緑には 欠かせない水の動きを そこここに配してあります。

横山大観の「那智の瀧」を模した滝もありました。
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手前 こざっぱりと丸く刈られた 葉に赤みのある木は、さつきでしょうか。
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じっくり庭園を拝見した後は、美術館の所蔵する日本画を 楽しみました。

 

日本画は、東山魁夷村上華岳の作品を見たことがあるくらいで、取り立てて知識もないのですが、

横山大観(今 横山大観展は、京都まで回って来ていますね)や、特別展示の榊原紫峰の 細やかな描写、岩絵の具の 落ち着いた豊かな色彩は素晴らしくて 日本画に対する認識を改めました。

 

 

 

 

日帰りは 厳しいと思っていたので(都合4時間半もおりました)、美術館の隣にある「さぎの湯荘」に宿泊しました。

予約した時には 知りませんでしたが、洗練された素敵な旅館でした。
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 朝 庭を散歩していると、宿の人が掃除をしておられました。

敷き詰められている白砂に散った 小さな枯れ葉や細かなごみまで、丁寧に取り除いていました。

「うちは、美術館の庭のように 毎年(敷き詰めた白砂を)洗っているわけではないですが。」

さぎの湯荘の 台杉は のびのびとしていましたし、黒松は 大きく育っていました。

 

コーヒーがいただけるラウンジには、小さな音で ジャズが流れていました。
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気持ちのよいお宿でした。

 

美術館の周りは、ゆったりと水田が広がり 穏やかな時間が流れます。

豊かな気持ちになる旅でした。

 

 

 

最後まで ご覧いただき ありがとうございました。