こんにちは
聞きしに勝ると言いますが、やはり驚きの場所でした。
少し長くなりますが、よろしくお付き合いください。
まず、入り口の横の 赤松の木立から 中を予感させる手入れの良さを感じます。
美術館所蔵の 蒔絵や細かい螺鈿細工を施した文箱や 書道具入れを 展示してある通路を抜けると、ガラス越しに 景色が見えてきました。
自分が そんなに 日本庭園に関心が あったのかと思うほど、見入ってしまいました。
和の庭が 技術の限りを尽くした手入れをされ、
遥かな大きさに広がる様を 見たら、
その場から 動けなくなってしまいます。
黒松は ひとつひとつの枝振りも美しくて。
広大さに 驚かされる一方で、独特の和の景色も演出されています。
室内から 庭を掛軸の絵に見立てて楽しむ趣向も 贅沢です。
夏に向かう中庭は、重なりあう たくさんの小さなもみじの葉の波が 時折射す日差しを受けて輝き、涼やかさを感じました。
目線の上にも 木々が調和を取って枝を伸ばしていて、小さな間の楽しさもありました。
緑には 欠かせない水の動きを そこここに配してあります。
手前 こざっぱりと丸く刈られた 葉に赤みのある木は、さつきでしょうか。
じっくり庭園を拝見した後は、美術館の所蔵する日本画を 楽しみました。
日本画は、東山魁夷や 村上華岳の作品を見たことがあるくらいで、取り立てて知識もないのですが、
横山大観(今 横山大観展は、京都まで回って来ていますね)や、特別展示の榊原紫峰の 細やかな描写、岩絵の具の 落ち着いた豊かな色彩は素晴らしくて 日本画に対する認識を改めました。
日帰りは 厳しいと思っていたので(都合4時間半もおりました)、美術館の隣にある「さぎの湯荘」に宿泊しました。
予約した時には 知りませんでしたが、洗練された素敵な旅館でした。
朝 庭を散歩していると、宿の人が掃除をしておられました。
敷き詰められている白砂に散った 小さな枯れ葉や細かなごみまで、丁寧に取り除いていました。
「うちは、美術館の庭のように 毎年(敷き詰めた白砂を)洗っているわけではないですが。」
さぎの湯荘の 台杉は のびのびとしていましたし、黒松は 大きく育っていました。
コーヒーがいただけるラウンジには、小さな音で ジャズが流れていました。
気持ちのよいお宿でした。
美術館の周りは、ゆったりと水田が広がり 穏やかな時間が流れます。
豊かな気持ちになる旅でした。
最後まで ご覧いただき ありがとうございました。