野の書ギャラリー

書家村上翔雲の作品を少しずつご紹介させてください。日々の雑感もほんの少し

小さな歌

こんにちは。

こちらも先週 梅雨が明けました。お元気でいらっしゃいますか。

 

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ご近所からミョウガをもらいました。

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我が家でも植えてみましたが、繁った葉っぱに雨がえるが留まっているばかりで まだ出てきていません。

いただいたミョウガを量ってみると150g 以上ありましたので甘酢漬けにしてみました。(多分 去年どなたかのブログで拝見したと思いますが…すみません。どなただったのか控えるのを忘れていました) 

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さっと湯がいて甘酢に漬ければ、翌日には明るい赤紫に。

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またぶれてしまいました。更に数日経ったもの。

こちらを縦に細切りにすると、食感もよくなり いい箸休めになりました。

 

 

 

☂️

雨が強く降った午後、濡れたベランダに小さい蝉が落ちていました。

珍しくて そっと拾い上げてみます。

4cmもないニイニイゼミ

蝉を触るのは苦手ですが、重みも温度もないこの蝉の翅は、私が思うよりずっと薄くてやわらかでした。

地味な色めの翅には精緻な模様。ニイニイゼミの鳴き声は、後から追いかけるように羽化して鳴き始めるアブラゼミからすると、やや硬質な音のようにも感じますが 控えめでそれほど耳につかない気がします。

小さな歌を奏でた蝉。捨ててしまうのも躊躇われて木槿のそばに埋めました。

 

 

🍀

新聞の切り抜きを時々しておりまして、1カ月に一度載る木皿泉さんの「木皿食堂」という随筆を楽しみにしています。木皿泉さんは、脚本家で小説家です。ご夫婦おふたりでのユニットのお名前ですね。

「すいか」、「野ブタ。をプロデュース」や「Q10」など意外性があって心に残るドラマを書いておられます。

 

今年の始めの 「木皿食堂」では「見えないのにある 」ということについて書いていらっしゃいました。

ご主人の方の木皿泉さんは、子どもの頃に友達から「そうかぁ。お前は 24時間障がい者なんやなぁ。」と言われたそうです。その友達は 自分が知らない時間でも、木皿さんが ずっと障がいと一緒に生きている日常にふと気づいたとのことでした。

 

あるのに見えないものとは こうした気づきであったり、「もうこの世にはないのに、心から思わずこぼれるように落ちてくる」かけがえのない思い出のようなもののことで、

「見えないのにあるもの」を誰もが持っていることを思い浮かべられるのであれば、

「今夜、寝る場所のない人がいる。どうにもならないことを、少しのお金で請け負って格闘している人がいる。」ということなどを想像する力を 私たちは持っているのだとのお話でした。

 

 

かなり以前に BSで放送された木皿泉さんのドラマ「昨夜(ゆうべ)のカレー、明日のパン」の中で、

登場人物である まだ若い一樹の病状とこれからのことについて主治医から説明を受け、夜遅く帰るギフ(義父ですね)と一樹の嫁のテツコの道すがら、そこだけ暖かな灯りをともして仕事をしていたパン屋さんがあることに気づく一節がありました。

すべてが終わってしまう打ちひしがれた辛い気持ちと、パンの焼ける香り。

ギフとテツコは 温かい猫を抱くようにして焼き上がったばかりのパンをかわりばんこに抱えて帰ります。人は悲しみの中にいながら、幸せな気持ちにもなれる。繋がらないようで、心の中で一緒に存在する感情。

 

木皿泉さんのドラマや小説のそこここに置かれた小さなモチーフは、まるで新鮮な初夏の空気が吹き込む小さな風穴のようで、

どんなことがあっても また明日を迎える平凡な日々の暮らしをこそ大切にしなくてはと改めて思うのです。

 

 

***

去年の今頃は 連れ合いの伯母の四十九日が明けるまで、日が暮れると毎日ご詠歌を上げていました。

夕間暮れから小一時間、ひんやりとしたおりんの音と 前栽からヒグラシの声が静かに響いてきたことを思い出します。

 

 

夏のお花。

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7月の中頃に、国道沿いのひまわり公園が満開になっていたのに気づきました。

用事のついでの短い時間に寄らせてもらいました。

 

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この頃は強い雨の続いた後でした。無造作に咲いた花姿も美しく健気に感じます。

香りはあまりしない植物ですが、空気が清々しく気持ちのよいところでした。

こちらは 7月の終わりにひまわりの花の摘み取りをさせてもらえます。秋になると一面のコスモス畑に模様替えされます。

 

 

月明かりが冴えざえと 屋根や咲き始めた百日紅を浮き上がらせています。辺りが照り映えて、山の稜線がくっきりと見えています。 

お話したいこともありますが、まだ少し早いように思います。またの機会にいたしましょう。

次回は、お盆明けにお目にかかります。

 

いつもご覧くださいましてありがとうございます。

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「天窓よりうすら日あかき洗膾(あらひ)かな」(210×300m/m) 玄玄・海鳴り 赤尾兜子(あかお とうし) 句

 


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「呪はれたる第六日の所産

まことわれら すでに孤獨に慣れて喜怒哀楽 すべて そのうちより感ずることをうべければなり 砕花詩抄」(300×200m/m) 富田砕花 詩  村上翔雲 書

 

ぽんす会 ようやく再開する

こんにちは。

庭の咲き進んだ花と まだ元気な花が並ぶ紫陽花が 穏やかな佇まいを見せています。ここ数日お天気のよい日が続いていました。今日も蒸し暑かったですね。

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石に着生している風蘭です。張り巡らされる厳つい根は恐ろし気にも感じられ、土から栄養を摂ることもなくただ水だけで 緑の細長い葉を四方へ伸ばしています。

梅雨時に小さく真白の花を咲かせます。着生植物の風蘭の魅力は全身で生きる様を見せることかと思います。植物の気丈を思います。

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🎣

少し前のことになりましたが、6月の晴れた日に「ぽんす会」と私が勝手に呼んでいる連れ合いたち釣り仲間のうちの3人が10カ月ぶりに船釣りに出かけました。

この度は、ケンサキイカ狙いでした。

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ぽんす会が乗せてもらったイカ釣り船です。

 

✳︎ 初めてご覧くださるかたに。「ぽんす」とは こちらの方言で、釣り好きが昂じた者というほどの意味です。義父が「あいつは ぽんすやからのぅ。」と言うのを聞いて面白く思いすぐに覚えました。

 

日本海兵庫県豊岡市竹野町 竹野浜沖です。

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向こうは夕日が美しい猫崎半島とのことです。大きな山と小さな山。うずくまる猫のように見えるところからの地名と聞きましたが、角度によっては、キューピーさんが仰向けに寝ているようにも見えるのですね。

 

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この日は、潮風も爽やかな気持ちのよい日和だったそうです。

 

連れ合いは、小さなイカをいくつかと、

天秤フカセ (釣り糸の途中に重りとオキアミという小さなエビを入れる餌カゴと天秤というパイプを繋いでいます。釣り糸の先には少しずつ離して針を2〜3個ほど付けます。

どちらかと言うと、しばらく放っておけるので のんびり海を楽しみながら魚が針にかかるのを待ちます。)   という釣り方で50cmの真鯛を揚げました。

並べ方がちょっとお見苦しいですが…ささやかな釣果です。

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ご一緒した方には、我慢強く完全フカセで 74cmの真鯛と、65cmのヒラマサを揚げた人もいたようです。(完全フカセは、重りや餌のカゴを付けないで 針にオキアミを引っ掛けて釣る釣り方で 船から潮の流れに任せてふわふわと釣り糸を漂わせるそうです。

この漂う感じが フカセという釣り方の名前の由来で、より魚との駆け引きを楽しめる釣り方だそうです)

釣り方や仕掛けを知っているかのように書きましたが、連れ合いからの受け売りです (全部 伝聞調になりまして。すみません)。 山奥に住んでいるのに 釣りに関する仕事をしていますが、釣りに行く時は ほとんどお楽しみばかりのようです。私のわかりにくい説明でごめんなさいね。

 

 

帰って来てから、真鯛とケンサキを捌いてくれました。

去年の9月に ぽんす会が小豆島で鯛を釣った時に、

さくにした鯛の皮目の方から熱湯を掛けて氷で締めると美味しいですよと湯引きを教えてくださった方がいらっしゃって

今度こそと思っていましたが、皮付きでさく取りしたのを置いておいて下さいと伝える前に お刺身に造られてしまっていました。

お刺身はとても美味しかったですが、ちょっと残念…

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ケンサキイカは、当日の食感がしっかりしていました。冷凍したものを翌日もいただきましたが、身の透明感が更に出て 旨味と甘味が濃く感じられました。食べ比べも楽しいものですね。少し寝かせると味わいが深まるように思いました。

ゲソやミミは 何も味付けしないで魚焼きグリルで軽く焼くだけですが、この場合は 単純な調理がかえっていいかもしれませんね。

たくさんあるので、少しずつ解凍していただいています。

 

この時には外出の自粛が明けたと思って、嬉々として釣りに出かけていましたが、今はまた外出は控えております。しばらくぽんす会はお休みですね。

 

 

🌿🌿

ぽんす会が釣りに行く数日前に、マダコを釣りに行かれた方から 入れ食いだったよと 30〜50cm位のサイズのタコを10匹ほどいただきました。

タコは調理をする前に冷凍すると下処理をしやすいと教えていただいて、生のまま冷凍しました。

凍ったタコを二つ取り出して 下処理を済ませ(不慣れなうちは 思い切りが悪くて手早くできませんでした…)、粗塩をたっぷりかけて揉み洗いをしました。

湯がいて 茹でダコと、柔らか煮にしました。不器用な私が作っても美味しくいただけました と思いたいです。元々美味しいタコだったから美味しいのですね。感謝していただきますね。

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タコは足先が汚れているから切るようにと言われて タコの足先を切って料理しましたが、お店で売られている茹でダコは足先は特に切っていないですね。食べて具合が悪くなるようでもないですし…  

 

 

🌿🌿🌿

付け足しのようになりますが、タコの柔らか煮や鯛のお刺身を盛った器は どちらも兵庫県丹波篠山市今田町立杭焼(たちくいやき) のものです。

若い頃にはよくわからなかった独特の素朴さが魅力の立杭焼に関しては、またの機会に書かせてくださいね。

 


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しばらく空の重たい日が続きましたが、ここ数日は こんな景色に。

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昨日今日と、夕方から曇り出して 梅雨明けはまだとのことですが、この写真のような新しい季節を知らせる雲を見ていると、気持ちが浮き立つように思います。

薬師堂から聞こえてくるのは、アブラゼミに変わって。

 

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肝心のお花がぶれてしまいましたが、近くの藪の中で。ヤブカンゾウでしょうか。

 

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白く燃え立つように見えるガマの穂が 茶色に変わろうとしています。

 

前回は、思いがけずたくさんの方にご覧いただきました。スターやコメント、ブックマークをくださった方もいらっしゃり、本当にありがとうございました。

その時に わざわざ過去の記事にまで目を通してくださった方々や、ブロガーバトンのこととは別にずっと過去の記事をご覧いただいてくださる方にも感謝申し上げます。ありがとうございます。

 

気持ちの落ち着かないことも多い毎日ですが、どうぞお体大切にお過ごしくださいね。

 

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「意志の後退は實質の失はれた部分だ」(445×350mm)  ボードレール

 


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「土の幻影 去るにしのびず橋のらんかんによる 順三郎 詩」(75×115mm) 西脇順三郎 詩  村上翔雲 書

 

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ブロガーバトン。庭の花から

こんにちは。

こちらでは雨が小休止になりました。

あちこちで災害が起こって、亡くなられた方もたくさんいらっしゃると知りました。

被災された皆さまに心からお見舞いを申し上げます。

 

 

🌿

ぴちゅぅささんがブロガーバトンを回してくださいました。ありがとうございます。 

www.shiz1.work

 

ぴちゅぅささんからは、感性豊かな瑞々しいお話と美しいお写真にいつも学ばせていただいています。

空の雲の移ろう様子や 見過ごしてしまいそうな街角の小さな花をそっと掬い上げて慈しむような美しくて ちょっとお茶目な(失礼!) ブログを書いていらっしゃいます。

 

 

フォームに書き込もうかなと思いましたが、以下の感じで。

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名前・・・ snow36 です。

年齢・・・ どなたもそんなにご興味はないでしょうから、飛ばしましょうね

 

ブログ歴?・・・ 2年4カ月

総記事数・・・ やっと133記事になりました。

更新は・・・ 週一回を目標に。

 

ブログのジャンル・・・ 雑記。

ブログを始めたきっかけ・・・ 書家だった父の作品をいろんな方にご覧いただきたくて。

 

今後のブログの野望・・・ もう少し勉強して知識力を上げてみたいです。

 

ひとこと・・・  何の取り柄もありませんが、ご覧くださり、応援してくださる皆さまに心から感謝いたします。

 

一番古い記事です。

https://snow36.hatenablog.com/entry/2018/03/13/173900

 

お気に入り… 

https://snow36.hatenablog.com/entry/2019/07/25/230855

https://snow36.hatenablog.com/entry/2019/09/27/200311 

大層な申しようですみませんが、芸術作品についてのことなど 素人の私には畏れ多いことを書き始めると、 着地できないかもしれないような状況に行き当たることがしばしばありまして、そんな時には こそこそ這って逃げ出したくなります。

 

ちなみに フォームに貼っていませんが、プロフィール画像は、偶々うちに咲いていたビオラです。「そういうところには相変わらずこだわりがないわね」と妹に笑われましたが、ずっとそのままです。

 

自分の振り返りは ほとんどしたことがありませんでしたので、この度は本当に良い経験をさせていただきました。

ぴちゅぅささん、ありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします🌼

 

🌿🌿🌿

次に回したい方

kasumiさん

hanakasumi.hatenablog.com

以前ご本人に申しましたが、たとえどこで拝見してもkasumiさんの撮られた写真だとわかる気がいたします。

ご自身の世界をしっかりと持たれた清らかな写真に毎回魅了されます。kasumiさんの目を通してお花がみんな最高の美人さんになります。

今まで kasumiさんのことをブログに書いたことはありません。だいたい同じ頃にブログを始めたお仲間です。とてもかわいらしい方です。

 

 

ニナシモネさん 

www.kokochiyoi-blog.com

植物と ジャズと 芸術まで、幅広い話題。カヌーをなさっていらっしゃったこともおありかと思います(間違えていたらすみません)。

何と申しても、本当にスマートで おしゃれな方です。今年もラベンダーハンドルを作られたと伺っています。

ニナシモネさんの魅力、さらっと 楽しいお話ぶりに引き込まれてしまいます。

そろそろ美術館へ行きたいですね。

 

おふた方には、急なことで失礼いたします。

けれども、どうしても繋げなければいけないものではないと聞いておりますので、どうぞご無理なさいませんように (お願いしておきながら ですね…)。

kasumiさん ニナシモネさん いつもありがとうございます。

 

 

 

 

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樫の木に着生させてみた風蘭(フウラン) が咲き始めました。木の上に白く硬い根を張り、水を与えるだけで梅雨の季節に可憐な表情を見せてくれます。

石の上にも咲いていますが、今年は 何故かむせ返るほどの香りの海に嵌っていくような感覚がないので、ちょっと残念に思います。


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瑠璃柳(ルリヤナギ) の花は、いつもの年よりやや早めに咲いています。

 


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小さな柚子の実が生っています。来年は多く収穫できそうです。


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柚子の木にカミキリムシを見つけてしまいました。

きれいな姿ですが、木に穴を開けて入ってしまうと、枯らしてしまいますね。

 

キリギリスのゆっくりとした鳴き声が、薬師堂の藪から聞こえてきます。

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ニイニイゼミも数日前から雨の止み間に鳴き出しました。小さな抜け殻は、ニイニイゼミのもののようです。

 

ご覧くださいましてありがとうございます。

 

 


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「鏡面に花 鏡中に花の山 省二の句」(68×70cm) 岡井省二 句      

 

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「天行や むらさきつよき田螺和え 永田耕衣の句」永田耕衣 句     村上翔雲 書

紫陽花の庭

こんにちは。

時間によっては雨が降る日が続いています。

お久しぶりです。お元気でいらっしゃいますか。

 

5月に藤の花を見せていただいたお宅の庭の紫陽花が咲いていると聞いて伺ってみました。

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数日前に伺いましたが、暑い日の夕方で紫陽花はぐったりしていたようなので、

晴れた朝に改めて美しく咲いている様子を撮らせていただきました。

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紫陽花の花は、緑の空気の中に涼しく咲いていました。

 

藤棚の下は細い回廊のようになっていて、小道に沿うように紫陽花と実生の1年目の小さなクリスマスローズが植えられています。

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新しい品種などお聞きしたのですが、種類が多くて(と申しますより私の物知らずがひどくて…)覚えられませんでした。箱庭のようなお庭です。

 

 

羽蝶蘭(ウチョウラン)が今年はうまく咲かなかったこととか、他の山野草の世話の仕方など興味深いお話をいろいろと聞かせていただきました。

下の2枚は、去年のこの時期に羽蝶蘭を撮らせてもらったものです。薄紫の可憐なお花ですね。

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セッコク(石斛)が籠に入って藤棚に吊るされていました。籠の中には炭と少しの水苔が。着生する植物なので、晴れが続いたら時々水遣りだけを気をつけておくと育つのだそうです。

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我が家にも、石に着生している風蘭から少し分けて樫の木に水苔を被わせて銅線で巻いているものがあります。

もう着生して水苔が不要になっているのに取り除かないで見苦しいままになっているのを思い出しました…。もうしばらくすると、石斛や風蘭も佳い香りを立てて咲き出しますね。

 

 

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藤棚のそばには桑の木が植えられていて、桑の実が赤から黒へと熟しているものもありました。

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少し古いことになりますが 半月前には、こちらでもクレマチスが咲いていました。

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こんな様子を拝見すると、鉄線の咲くお庭っていいなと思います。

 

 

🌿

晴れた夕方の農道を歩いていると、空や山が映るまだ植えられたばかりの稲の辺りに おたまじゃくしが泳いでいるのを見かけます。ツチガエルかトノサマガエルでしょうか。アマガエルより大きく見えました。

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これからの田んぼに水が流れ込むところを見ていると、おたまじゃくしより色が薄くて小さい生き物が、水の流れに逆らって泳いでいます。流れですぐに裏返ってしまいます。

苦手な方ごめんなさいね。

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カブトエビのようでした。スマートフォンでしか確認していませんが、写真はだいたい実物大の大きさです。

土を掘って水を避けようとしている様子が健気に見えました。たくさんいましたが、ほどほどがいいでしょうか。

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今は、稲はもう少し育っています。

 

 

           

娘が保育士をしている保育所も、6月から通常保育に戻りました。

今年の担任は1歳児クラスで、先日クラスのみんなで製作を初めてしたそうです。この度のテーマは紫陽花です。

茶色のクレヨンでぐるぐるしたところに、小さく切ったカラーテープをぺたぺた貼ります。

アジサイのおはな」とまだ言えなくても、とても楽しそうに作っていたそうです。

月齢の小さい子は、テープを貼りながら寝てしまったり、疲れてきて「だこ(抱っこ)」とせがむ子も。

 

後日 娘たち担任が あじさいの花の形に切り抜いて仕上げたとのことでした。

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お迎えの保護者の方には、さまざまな報告の中でも、今日初めてできたことは忘れないで話すそうです。

初めてお昼寝ができたこと。製作のあじさいの花びら(ガクですね)を模したビニールテープを丸めずに貼れたこと、などなど。ささやかでも、大切な1歳の初めて。

小さな子どもたちは、みんな穏やかににこにこしています。

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今日もご覧くださいましてありがとうございます。

 

 

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「水にそうて いちにちだまっていく 山頭火 句」(485×690mm) 種田山頭火

 


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「蟻が てふちょが 草が なんぼでもさいて 山頭火 句」(135×185mm) 種田山頭火 句  村上翔雲 書

 

 

紫の風の烟る Ⅱ

こんにちは。お久しぶりですね。お元気でいらっしゃいましたか。

日が経ってしまいました。前回は、義父のことで 皆さまからお気遣いをいただきまして ありがとうございました。

義父は 療養型の病院へ転院しまして、まだ面会は叶いませんが、おかげさまで今は安定して過ごしてくれているようです。今週は 今後について病院と話し合いの予定があり、元気を出そうと家族で話し合っています。

 

 

🌿🌿

てっぺんかけたかー の鳴き声が くっきりと山に響きます。合間にウグイスの声も聞こえてきます。

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ここは兵庫県多可町 ラベンダーパーク多可です。 ラベンダーパーク多可  https://www.lavender-park.jp/

ラベンダーを育てるために 山の斜面を地元の方々が岩や石を ひとつひとつ取り除けて開墾されたと伺っています。

 

ラベンダーの季節には ストエカス、イングリッシュ、ラバンディンの3種類に分けられた斜面が時期をずらしてそれぞれの紫に染まります。ラベンダー以外の催しも企画されていて、去年の3月には クリスマスローズの講習会に伺いました。

 

この度は、季節のラベンダーを見ようと 平日の午前に時間をもらって出かけました。

6月に入っていましたが、この日はお客は少なくて 朝9時過ぎの駐車場は私ひとりでした。

少し高いところにある花畑は、空気が濾されたように澄んでいます。ずっと ホトトギスの鳴き声が聞こえます。

ストエカスを見に来ました。f:id:snow36:20200608154617j:image

鮮やかな色をした ウサギの耳と呼ばれるかわいい花姿に和みます。以前伺った時は いずれも7月頃でしたので、この花は終わっていました。ストエカスの花畑を見るのは初めてです。

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香りはほかのラベンダーほど強くないようです。ところどころで花盛りのバイカウツギも植えてあり そばを通ると、そちらの優しい香りに つい足が止まってしまいます。バイカウツギのお花は 爽やかで清らか。 香りも優しいですね。

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花期の長いキャットミントが 風に揺れています。淡い薄紫のお花が華やかに彩る歩道が涼しげです。

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蜂が音を立てながら しきりに飛んでいます。ころころとしたハナクマバチが時々 ヒルザキツキミソウの花にもぐり込んでいてかわいらしい仕草を見せてくれました。



朝から気温がどんどん上がって暑いのですが、広い園内に気分は晴れ晴れとしていました。遠くの方で 後から咲くラバンディン種の手入れをされておられる係りの方が何人もいらっしゃいます。

ヒルザキツキミソウ (昼咲き月見草)f:id:snow36:20200608154902j:image

 

オルヤラ・ホワイトレース。自然にいろんなところで咲いているように見えました。f:id:snow36:20200608154918j:image

 

横に連なる白い総苞片を行儀よく広げるヤマボウシの枝。

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背の高いムラサキセンダイハギ (紫先代萩)f:id:snow36:20200608154947j:image

 

日差しを避けて ジューンベリーの木陰に入ると、色づき始めた実がいくつも見られました。

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小さなニワゼキショウの花は 見かけるとつい写真に撮ってみたくなる愛らしさですね。f:id:snow36:20200608155109j:image

 

園内には、木彫りの動物が あちらこちらに飾ってありました。チェーンソーで彫られた作品なのだそうです。細かなところまで丁寧に作られていて表情が豊か。温かみを感じます。

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ラベンダー園の上からは 所要時間が90分ほどの登山道が続いており 眺めが素晴らしいそうです。険しい山ではなさそうですが、軽装では歩き辛いかもしれません。


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とても暑かったので、丘の下の喫茶室で マンゴーのクラッシュアイスが入ったソーダ水をいただいてみました。f:id:snow36:20200608155134j:image

メニューには スコーンを添えたハーブティーもあり、中でも美しいラベンダーのクリームソーダが人気とのことです。

 

 

こちらには おいしい卵かけご飯のお店もあります。

卵かけご飯のお店は多いですし、この周りは山があるばかりですが、ラベンダーの季節ではなくても 味の濃い卵と 美しい自然の中で育てられたお米が魅力のシンプルな卵かけご飯を食べに来られるお客で賑わいます。

お醤油もたくさん揃えておられます。「多可のラベンダーの話書くんやったら、卵かけご飯も。」連れ合いが申しておりました。

そうでした。「ごはん亭」さんです。

 

帰りには 外のチケット売り場の方が立ち上がり丁寧にお辞儀をして見送ってくださいました。

失礼な申しようですみませんが、どちらかというと落ち着きのある年齢層のスタッフの方を多くお見受けする印象のこの園では、どなたもおっとりと優しく接してくださるので また伺いたくなります。


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呑気なことで 気がつくと我が家の庭の岩藤が咲いていました。暖かくなると茎が伸びて葉をつけます。夜や雨の日、暑くなると 鶸萌黄の小さな葉を閉じて休む可憐な植物です。

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麦があかく実り、夕方には「明日刈り取るので麦わらが要る方は 作業が終わってから取りに来て下さい」と、防災無線が流れました。f:id:snow36:20200608170545j:image

 

深夜ベランダに出てみると、水路に水が引かれる季節となった田んぼの辺りから蛙の鳴き声が響いてきます。東の山際から薄雲を被って昇る月が 辺りの屋根や壁を灰青いろに浮き上がらせています。昼間の暑さのなごりは消えていました。ひんやりとした時間。    

ジャスミンに似たくちなしの甘く濃い香りが夜風を淡い帯にして流れていきます。 支流には蛍が飛び始めています。

 

書いてみたいことはありますが、また次の機会に。

暑くなりましたね。どうぞ 今日も一日をお元気でお過ごしくださいね。

いつもご覧くださいましてありがとうございます。

 


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「山裾やすらかに 歯のないくらしも  山頭火の句」  種田山頭火 句       村上翔雲  書

藤の花咲く庭

こんにちは。

山が新緑に被われると 青空に映えて気持ちも明るく感じます。

先日 コメントが書けなくてと申しておりましたが、私の不手際が原因でして コメントをまた書けるようになりました。お恥ずかしいことに 容量不足になっているのに気づかずアップデートができていなかったのでした。

はてなさんには ご親切に対応していただきました。ありがとうございました。

 

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友人から 留守でもいつでも寄るようにと言ってもらって、お庭の藤の花を見せてもらいに行ってみました。少し前のことです。
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離れた場所から目立って見えるほど、高い所まで藤の花が咲いていました。

人の少ないところですが、歩く時にも お互いにマスクをして なるべく近づかないようにしています。

写真を撮ってもよいと言っていただいて何枚か撮らせていただきました。素敵なオープンガーデンです。
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大根の花を咲かせるために、畑から鉢に植え替えて楽しんでおられます。f:id:snow36:20200510190418j:image

通りすがりの人が 大根の大きさに驚いて見ていくそうです。もっと大きかったけど 花が咲いたので小さくなってきたと言っておられました。


f:id:snow36:20200508184039j:image黄色の藤の花を珍しく拝見しました。

白い藤の花も咲いていて、空から降るようで きれいでした。逆光になってしまい写真は遠慮しました。


f:id:snow36:20200508184103j:image小さなヒメウツギ。庭のあちらこちらで満開でした。かわいらしいお花を見ると近づいてしまいます。

 


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花の終わった藤棚の下に、ギボウシの種類を揃えておられました。クリスマスローズは実生からたくさん育っていたので、ちょっとした植物園のようです。皇帝ダリアの挿し木(と申してよいのか…)を持って帰るように言ってくださいました。


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いただいた皇帝ダリアの 切り取られた太い枝のような茎から萌え出る葉の力強さを見ると、やはり挿し木のように感じられます。

紫陽花の頃には まだ自粛は終わっていないでしょうか。また伺わせていただく機会があればと思いました。

 

 

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家の前を掃除していましたら、側溝脇のアスファルトの上にトンボが落ちていました。苦手な方、ごめんなさいね。f:id:snow36:20200510190655j:image

動かないので、鳥が落としたのかと近づいてみると、透明の薄い羽が 陽を受けて光っています。


f:id:snow36:20200508184132j:imageやがて 少し動いたので ここはご近所のわんこたちの散歩道、お節介かとは思いながら 壊れそうな羽に触らないようにして柚子の木に止まらせました。

その弱々しさに、羽化してから時間が経っていないのかもしれないことに漸く気づきました。と、「この側溝は ヤゴが多い」と連れ合いが申します。覗いてみると、ヤゴや小さな川海老が、地下水の流れの中で揺れる藻の蔭に見え隠れしていました。小さな生き物の揺りかごになった側溝の掃除は しばらくお預けにします。

トンボは、しばらくすると いなくなっていました。

何も無いところですが、我が家だけではなくどこの子どもたちも帰省を楽しみにしていました。今年のゴールデンウィークは、私たち親だけが静かに過ごしました。


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先日 筍をくださった方に、また筍をいただきました。40cm以上の大きさのものもあります。お礼を言うと、じゃあねと軽トラで次に配られるお宅へ向かって行かれました。

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鍋の数が間に合わなくて、圧力鍋も使いました。圧力鍋は、ぬかを入れないで火にかけてみました。出来上がりの色は薄く赤茶けて見た目が劣りますが、熱が冷めてからよく水に晒すと えぐみは抜けました。

圧力鍋の筍は、炊き合わせにしようかと話しています。

 


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花の頃には縮んでいた 庭のもみじがきれいに葉を広げています。真朱いろを思わせるような ふんわりと優しい色になりました。

 

 

 

**

ここまで書いていたところで、ずっと心配していた連れ合いのひとつ先輩の方の訃報を知りました。

長らく続く闘病の中、4月の初めぐらいまで あちらこちらのお宅で小さなユンボ(小型のショベルカーのことですね。こちらでは便利なので 普通の家にも時々置いてあります) を動かして庭を造ったり、剪定をされたりして働いておられました。失礼な言い方かもしれませんが、どこか可愛げのある人でした。

4月の中頃に、連れ合いが その人の自宅へ行ってみると 奥さまが仕事に出た後の家の中で、ひとり起き上がれなくなっておられました。

翌日が受診の予約日だからと言うのを 説得して病院へ連れて行きました。それが最後の入院になり、病院のコロナ対策もあって 会うこともできなくなりました。

それから入院中ずっとひとりで付き添っておられた奥さまのご心労を思います。たいへんな中、毎朝 ご主人のご様子をラインで知らせてくださっていました。


f:id:snow36:20200512131819j:image〈義母のミヤコワスレです。〉

 

***

連休に、4月の末から入院している義父のことで、看護師さんや施設の方、病院の連携室の方から看取りについてお話を聞きました。

 

自然にからだが、食べることをしなくなり、水分を摂らなくなり、枯れていき 死ぬ準備をしていくということ。

そして、いつも安らかな時間が続く訳ではなく 見るのも辛いことがありますが、とおっしゃいました。


f:id:snow36:20200508184332j:image〈風鈴オダマキ

 

ずっと以前に、両親を病気で亡くした時、私は枯れて亡くなるというような印象を持ちませんでした。昨年ブログにも書きました高齢の伯母が亡くなった時にさえ、悲しみはありましたが、そんな風に感じませんでした。最後まで医療を尽くしていただきました。

年を取って自然に任せて死んでいくというごく当たり前のことを、それが看取りということに、私たちは今初めて知るかのように心が揺れました。

聞いたことがあるのに、実感としてわかっていなかったのです。

義父は、話しかけてもわからない様子で 食事がしづらくなるなど、ゆっくりと衰えが目立ってきました。

 

お世話になっている方々のお話を伺い、連れ合いの思いを聞きました。

義父の様子に、考えが行きつ戻りついたします。


f:id:snow36:20200508191434j:imagef:id:snow36:20200511192237j:imageアネモネ・シルベストリス。去年に植えてまだ2年目のこの花を見ると 思い出して心が温かくなる人がいます。〉

 

 

義父の入院する病院へはナースステーションまでは用事で度々伺いながら、昨今の事情で 面会が許されていません。お任せするばかりです。

義父が少しでも長く安らかに過ごせますように。

いつか通る道。生きている限り起こる事なのですね。

義父のこともあり、これからしばらくブログから離れるかもしれませんが、元々間遠な更新ですね。

また、お目にかかります。どうぞお元気でお過ごしくださいますように。


f:id:snow36:20200508184439j:image〈フロックス・ブルーパフューム。今はこの写真より色が薄くなりましたが、まだきれいに咲いています。〉

 

長くなってしまいました。

いつもご覧くださいまして ありがとうございます。心から感謝いたします。

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「この池に生得て 蝌蚪(かと)の尾の歓喜  三樹彦の句」(200×300m/m) 伊丹三樹彦 句   ※蝌蚪・おたまじゃくし



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「父母のしきりに戀し雉子の聲   芭蕉の句」(340×240m/m) 笈の小文   松尾芭蕉  句

 


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「大和路や旅人ひとりの春晩るる  三樹彦の句」伊丹三樹彦 句         村上翔雲 書

 



 

 

 

 

 

 

 

麦畑。白い菫

こんにちは。お元気でいらっしゃいますか。

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日中は 暑さも感じます。

こちらでは、田んぼの季節の前に そろそろ穂先がクチナシ色に染まり始めた小麦畑の景色が広がります。

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夕方に 少し歩いてみます。

ところどころに見える レンゲ畑も長閑です。

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西日も暖かなこの畦だけに白い菫が寄り合うように あちらこちらに咲いていました。f:id:snow36:20200430225245j:image

種類の多い菫。でも、畦に咲くこの白い花を見かけたことがありませんでした。葉は細長く伸びています。

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ゴールデンウィークが終わるまでは 毎年ヒノキの花粉が飛ぶので、この時期の農道の様子を長らく知りませんでした。

今年は花粉の飛散が早く終わり 外に出ることができましたので、田植え前の風景を 一日の終わりが近づいた穏やかな空気を感じながら歩いています。

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この時間には、ここは毎日飛行機が西へと飛んで行く航路でした。最近は 長く伸びた飛行機雲を見ることはありません。f:id:snow36:20200430232020j:image

 

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先日、いつも筍を分けてくださる人が来られました。 今年は小さくてとおっしゃっていました。毎年いただく季節の恵みをありがたくいただきます。

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久しぶりに 混ぜご飯(お米にもち麦を一掴み入れて炊いてみました)、筍だけの炊き込みご飯やお吸い物などを作ってみました。ずっと自粛で 3ヵ月余り帰って来られない娘にも食べさせたいと思いますが、仕方がないことですね。

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いつの間にか出てきた山椒が あじさいを押し退けてしまいそうです。筍のお供の香りに重宝しています。
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本当は アヒージョでいただいてみたかったホタルイカを筍と九条葱とでパスタにしてみました。

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お料理の出来には いつまで経っても毎回何かしら問題がありまして、なんとなく誤魔化そうとすると おかしな角度の写真になりました…。この度は お皿に対して具の量を欲張り過ぎたのか、どうにもひとり分が多いようです。 取り皿を出しました。

九条葱は、時々伺っていたイタリア料理のお店で 牡蠣と合わせておられたパスタが美味しかったことを思い出して入れてみました。

 

 

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料理の腕が上がるかと大事にしている土井勝さんの料理の本と並んで立ててある

星野道夫さんの「星のような物語」展の図録を時々開いてみます。


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アラスカや北極圏、カナダなどの動物や海、人々を丁寧に撮られた写真展。

星野道夫さんが、アラスカで命を落とされた10年後に開かれたものでした。

 

まだ小学生だった娘と何かの用事で出掛けた折りに、百貨店の催し会場で拝見しました。

娘は あちらこちらと歩き回って、潤んだ大きな眼のタテゴトアザラシの親子や

シロフクロウの親が腕を広げるようにして子フクロウを翼で抱いて眠る愛らしい写真を楽しそうに見ていました。

親と子の温かな情愛の写真が多くて、いつしか私とふたりで並んで歩いていました。

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古い絵はがき。シロフクロウの親子。保存が良くなくて見づらいですね。ごめんなさいね。

かなり以前のことなので、忘れていることも多いですが、極寒の地に多種多様の植物の花が咲く姿や、寒い場所なのに 黒潮の影響で鬱蒼と繁る木々から立ち昇る密度の高い湿気の烟る原生林の島。その地面で朽ちた頭蓋から手を振り上げたように立ち上がる苔の生えたムースの角の写真も 息を飲むほど美しかったことを思い出します。

 

図録の写真には、星野さんの 温かい中にも強く煌めく言葉が 数多く添えられています。

 

「オオカミの徘徊する世界がどこかに存在すると意識できること……。

それは想像力という見えない豊かさをもたらし、

僕たちが誰なのか、今どこにいるのかを教え続けてくれるような気がするのだ。」


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ハクトウワシ

 

日差しで温もった地面に耳を当ててみたり、目が慣れるまで見つめる夜空に 思いがけなくたくさんの星が広がっていることに気づいた子どもの頃のことをふと思い出しました。今も私の知っているところや、理解できることは 本当に僅かです。

自分の住む世界や考え方がすべてではないことを、よく考えてみたいと思います。

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義母の世話する鉢植えにも 菫が咲いています。去年から育てていますが、ようやく咲き始めた小さな花に心がほどけるようです。

麦の穂があかくなってくると、岩鼻と呼ばれる近所の支流に 間もなく蛍が飛び始めます。

 

 

 

***

先日から、スマートフォンでコメントが書けなくなっています。久しぶりにパソコンで書いてみると 私の入力の本当にとろいこと。その上よく見直せていないために、訳のわからないコメントになってしまいます。

コメントを差し上げました方には 失礼なことになりまして申し訳ありません。はてなさんに問い合わせをしております。


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施設でお世話になっています義父が体調を崩して、少し不安定な状態が続いております。

皆さまも どうぞお体大切になさってくださいね。

いつも ご覧くださいまして、ありがとうございます。

 


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「山路きて 何やらゆかし すみれ草   芭蕉の句」(340×240m/m) 野ざらし紀行  松尾芭蕉


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「ひとりひっそり竹の子竹になる   山頭火 句」(140×180m/m) 種田山頭火 句    再掲

 


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「えごの花 一切放下なし得るや   波郷の句」(200×300m/m)  石田波郷


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「自由は神の法則と一致することができるのか   ボードレール」(445×350m/m)   ボードレールの言葉            村上翔雲 書